ブログトップ | ログイン

岩佐徹のOFF-MIKE

toruiwa.exblog.jp

実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

マーチン&レジー・ジャクソン~‘80年のMLB十大ニュー ス~03/23

d0164636_712234.jpg
~‘80年のMLB十大ニュー ス 5~

② “再建王”マーチンの泣かせる選手操縦術


仕事師ビリー・マーチンが、またやった。’79年の勝率.333というアスレチックスを、
地区優勝を争えるチームに仕立て上げたのだ。'69年、前年7位のツインズをいきなり
優勝に導いて以来、行く先々でダメチームを建て直してきたが、今度ばかりは無理
だろうと見られていた。なにしろ、引き受けたのがレギュラーの平均年齢が26歳、
しかもオーナーは数年前から球団経営に情熱を失っているという、問題のチーム
だったからである。
d0164636_71347.jpg
しかし、マーチンはがんばった。ツインズ時代、カルーにホーム・スチールのコツを
伝授し、1年に7回も成功させた彼は、ここでも積極的に走らせたものである。
5月28日のロイヤルズ戦1回裏、2死1・3塁から1塁ランナーがスタート…と
思ったら6~7メートル行ったところで転倒。キャッチャーが、やったとばかり
1塁へ送球する。その瞬間、3塁ランナーがスタートし、1塁からの返球より早く
ホームへすべり込んでセーフ。1塁ランナーもすぐ立ち上がって2塁に達した。
転倒は演技だったのである。

「我々のキャンプ地は報道陣が少ないから練習がタップリできたんだ。それにしても
うまくいった。このプレーで大事なのは、2走者とも脚が速くないということさ」と
試合後のマーチンは得意満面であった。
選手を守るためには退場・罰金を覚悟で猛烈な抗議をするから頼りになるボスだと
選手は心服する。
喧嘩早いことでは有名だ。ヤンキース時代の同僚が言った。「彼の子供のころの友人は
ほとんそサンクエンティンにいることを覚えておいた方がいいよ」。
それが凶悪犯を収容する刑務所であることを、アメリカ人なら誰でも知っている。

6月21日、ヤンキー・スタジアムでの試合前にOB戦が行われた。
選手紹介で“背番号1”をつけたピン・ストライプのユニフォーム姿のマーチンが
ダグアウトを出ると、5万人を越えるファンが総立ちになっての拍手、いわゆる
スタンディング・オベーションが3分半も鳴りやまなかった。
だが、彼はスンナリ出場したわけではない。ヤンキースからの度重なる出場要請にも
言を左右にしていたマーチンは、この日ニューヨーク入りするとアスレチックスの
選手会長、ニューマンを呼んで告げた。「どうしても出てくれと言われている。しかし、
いつも君たちに自分のユニフォームに誇りを持てと教えてきたオレとしては、たとえ
お遊びでも大事な試合の前に相手チームのユニフォームを着ることに抵抗がある。
出るかでないかの決定を君たちに任せたい」と。
泣かせる話ではないか。単に腕っぷしが強く戦術に通じているだけでなく、人の心を
つかむのもうまい彼の手腕は高く評価されてしかるべきだろう。

マーチンの”狡猾なプレー”をのちにヤクルトで武上監督が
練習しているのを見たことがある。
呆れたのは、4年前の甲子園で大阪の履正社がやった時だ。
ここに、記事を再掲しておく。明日(24日)には消去の予定。
http://bit.ly/NFaClx



①長嶋のようにチャンスに強いジャクソンが
“心の平安”を求めて殿堂入りを夢見ている 
 

黒褐色のバットにはじかれたボールが夜空を切り裂いて跳び、ライト観覧席の奥に
はずんだ。8月11日のヤンキー・スタジアム。大歓声の中、独特の前傾姿勢で
ダイヤモンドを一周したレジー・ジャクソンは、通算400号ホーマーをマークし、
18人の先輩と並んだのである。ホームベースを踏んだ彼は、そのままダグアウト
すぐ横の客席に直行し、王手をかけてから一週間も待たせた父親を心を込めて
抱きしめた。それは、悪役としてのイメージばかりが喧伝される彼の別の一面、
愛する者への情の深さ、温かさを感じさせ右シーンだった。
d0164636_714956.jpg
「今年の彼は変わった」という人が多い。そうも言えるし、今まで見えなかった
部分が見えるようになっただけ、という考え方もできるだろう。
ただし、去年までとはっきり違う点も確かにある。まず、のびのびとプレーして
いるのが目につく。確執を噂された人たちのうち、マーチン監督が去りマンソンは
亡くなった。彼より長くヤンキースのユニフォームを着ているのは6人になった。

今年の彼がチーム内でどんな位置にいるかを示す象徴的な出来事が二つある。
ヤンキースのロッカールームの中央には大きな木のテーブルがあり、サイン用の
ボールを入れた箱がいつもおいてある。選手たちはひまなときに立ち寄って
サインをしていくのだ。
そのボールの2本の縫い目に挟まれた真ん中の広い部分は常にジャクソンのために
残されている。かつてはルースやディマジオがサインした場所である。
「キャンプのとき、監督からそうしろと言われたんだ」とある選手は言う。
このあたりに新監督ハウザーの細かな配慮が見えた。

そして、チームリーダーとしての地位を確立したのは5月4日のツインズ戦である。
2回表の先頭打者として打席に入ったジャクソンは、たちまち2-0と追い込まれた。
左腕クーズマンの次の球は胸元を襲い、彼を地面にたたきつけた。“ノックダウン・
ピッチ”である。泥を払い落としたジャクソンはクーズマンをにらみつけ、6球目を
センター後方、140メートルのところに打ち込んだ。ノックダウン・ピッチのあとの
ホームラン…それは何よりも勇気ある男の証である。
大リーグでは珍しくチームメイトのほとんどがダグアウトを飛び出して出迎えたし、
試合後ハウザー監督は「あれこそチームリーダーだ!」と叫んでいた。

こうなると周囲の接し方が違ってくる。それがまたジャクソンの態度に微妙な変化を
与えた。多弁だった男が言葉を選ぶようになり、常に記者に囲まれたがっていたのが
静かな時間を過ごすようになった。
オールスター・ゲーム当日、コミッショナー主催の昼食会が終わってから、女友達の
手をしっかり握って球場に向かうジャクソンの後ろ姿を見たとき、キザなようだが、
「心の平安を求める心境になったのだな」と感じたものである。

「殿堂入りだけが残された大きなゴールだ」とジャクソンは言う。
「夜、だれもいなくなった展示室に入って行って自分の額を見るのが夢なんだ。
500ホーマー、1500打点を達成すればOKだと思うが、これまで大勢の敵を作って
きたからね」と心配そうだ。
守備のまずさはあっても、チャンスに強いバッティングとグラウンドでの圧倒的な
存在感は絶対である。老け込むには早すぎる34歳。ジャクソンは今まさに円熟期に
入ったと言えるのではないだろうか。

1987年シーズンを最後に現役を引退したジャクソンは
563ホーマー、1702打点という数字を残し、1993年に
殿堂入りを果た
した。

by toruiwa2010 | 2014-03-23 07:03 | メジャー&野球全般 | Comments(6)
Commented by デルボンバー at 2014-03-23 14:34 x
一連の大リーグのエピソード集、大いに楽しまさせて頂きました。ビリーマーチンはその激しい気性の部分しか認識してなかったので、目から鱗でした。パーカーは大好きだった選手で、間違いなくレジェンドクラスになると思っていたのですがね.........。
Commented by toruiwa2010 at 2014-03-23 14:49
デルボンバーさん、こんにちは。

楽しんでもらった人もいると知ってうれしいです。
記事に忘れていたことを書き足しておきます。
Commented by マオパパ at 2014-03-23 16:36 x
岩佐さん、こんにちは。80年代のメジャーの記事楽しませていただいています。思い起こせば岩佐さんとの出会いが、フジテレビの大リーグアワーでした。あの頃はドジャースファンだったので、レジーには苦い思いでしかありませんでした。ヤンキースはライバルだったので、現在のドジャース監督がマティングリーなのは変な感じです。今は特定のチームを応援していないのですが、やはり好きなチームがあった方が楽しめますね。パンチョさんが、現地で観戦する時は地元のチームを応援するのが楽しく観戦する秘訣と教えてくれたのを思い出します。
Commented by toruiwa2010 at 2014-03-23 16:53
マオパパさん、こんばんは。

私は昔も今もヤンキースとドジャースが好きです。
この両チームのワールドシリーズを2度も実況できたのは
いい思い出です。

種目がなんであっても、実況するときは、

地元チームが勝つことをひそかに願っていました。
雰囲気がいいですから。
Commented by 赤ぽん at 2014-03-23 22:18 x
岩佐さん、こんばんは。

懐かしい選手・コーチや、当時の結構派手めなユニフォームを興味深く
読ませて頂きました。とても楽しかったです!

巨人狂いの父と後楽園で見た巨人対ボルティモアや、『Big Red Machine』
レッズなど「アメリカの野球は強いなぁ!」と子供の頃思ったことや、
昔読んだ「Bronx Zoo」に書かれていたレジーのことなどを個人的に
思い出しました(そのときの天候や空気まで思い出せました!)

NYY対LA・・・懐かしいWシリーズのことも思い出しました。

番外ですが、こうみると結構メジャーもユニフォームが変わっていますね。
(勝手にあまり変わらないと思い込んでいましたが。ま、日本のは
変わりすぎで、ついていけませんけどw)
Commented by toruiwa2010 at 2014-03-23 22:24
赤ぽんサン、こんばんは。

楽しんでもらえた由、よかったです。
ユニフォームは本当に変わりました。
そんな中でNYYのピンストライプが
変わらないのは嬉しい限りです。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。