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岩佐徹のOFF-MIKE

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自薦・厳選300?中田が引退した 14/04/05

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サッカーのワールド・カップが近づいています。
釜本・杉山という強力フォワードがいた時代でも
“世界”は遠かったことを思い出します。
今はアジア予選を勝ち抜けることが当たり前に
なりました。正直に書くと、今でも頭のどこかで
「本当かな」と思っている自分がいます。ハハハ。
1990年代の半ばごろから急激に強くなりましたね。
世界レベルの選手が出てきたからですが、その中に
中田英寿がいました。

中田引退(2006.07.04 初出)


ブラジル戦が終わったあと、ピッチの上に長い間、仰向けに横たわっていました。
その目には涙が浮かんでいました。何を思っていたのでしょうか?
この10年、日本サッカーの先頭に立ってきた中田英寿が現役引退を表明しました。
ある程度予想されたことですが、理由がどこにあるのか、ぜひ聞いてみたいですね。
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結論は早々と出ていたのだろうと思います。
中田にとって“屈辱”と言っていいグループ・リーグ敗退から10日目の発表になったのは、
選手契約や個人のコマーシャル契約などをクリアするのに時間がかかったのでしょう。

HPに載った彼の文章すべてを読んでも、何が彼に引退を決意させたのか、よく分りません。
決断の裏に何があったかは、いずれ、彼の親しいジャーナリストか有名人を通じてもれて
くるまで、当分の間明らかにならないと思います。
しかし、いずれにしても、29歳という年齢での引退は、自分の美学に従ったものでしょう。
いかにも彼らしいと言えますね。

あえて、彼の胸中を推察すると、彼のサッカー人生には常にある種の“もどかしさ”が
付きまとっていたように思います。それは、まずマスコミとの関係に現れました。
彼のレベルからは考えられないような“程度の低い”質問をする記者には口を開かない…
その一方で、文化人や芸能人には、結構喜々として心を開く…イチローとよく似ています。
自分はしゃべりたいけど、その程度の知識では自分の思いは伝わらない、だから話さない。
…さぞ、もどかしかったでしょうが、長く、取材する側にいた私には、そこのところが
どうしても納得できませんでした。

彼が、さらに大きな“もどかしさ”を感じたのはサッカーそのものに関っています。
21歳で移籍したペルージャを振り出しにイタリア、イングランドを渡り歩いた8シーズン、
彼のサッカー観とピッタリ一致するクラブにめぐり合うことはありませんでした。
フィジカルやテクニックで明らかに劣っているならともかく、そうではなかったことに、
少年のころから、サッカーでは経験しなかった挫折を味わったのではないでしょうか。

決定的な“もどかしさ”を感じたのは代表の一員としての、ほかの選手との関係でしょう。
「今の日本のレベルではワールド・カップで勝ち抜いていけないと思う」(予選突破のあと)、
「このチームは、ワールド・カップを勝ちぬく準備ができていない。フレンドリーすぎる」
(ボン合宿で)、「収穫はありません。走らなければサッカーにならない。気持の部分が
足りない」(マルタと引き分けたあと)。
 
…マスコミを通じてチームにメッセージを伝えるというやり方はたしかにあるでしょうが、
いち選手がそれをやってどうする?と思っていました。
ドイツでの最終合宿に入ってからも、現地から伝わってくる彼の発言には首を傾げたく
なるものがいろいろありました。
短いビデオからも“バラバラ感”が感じられました。キャプテン・宮本が「孤立しがちな
中田とチームをつなぐ仕事はきつかった」と語っていたようですが、戦いを前にしたとき、
それは普通“チームの危機”です。しかし、真剣に日本チームに存在する危機を伝えた
マスコミはなかったような気がします。

試合に向けた仲間のアプローチ、スタンスが自分と違う、「こうしなければ勝てないぞ」と
直接間接に話しても、“思い”が伝わらない。じれったい、もどかしい…そんないら立ちを
抱えながら、彼はワールド・カップを戦ったのでしょう。
ピッチに横たわった彼の頭にあったのは「だから言ったじゃないか」という怒りではなく、
「やっぱり、ダメだったか」という虚脱感・絶望感だったろうと思います。
こうなると、“戦う”のは無理でしょう。引退は“必然”の選択だったのかもしれません。

私は、プレーヤーとしての彼は素晴しいと思いつつ、チームの一員としてのありようには、
常に疑問があって、何度か批判してきました。
しかし、“シューズを脱ぐ”と決めた彼には、素直に“お疲れさま”と言いたいです。
多才な男ですから、きっと、サッカー以外にもやりたいことがたくさんあるはずです。
そのことも、引退を選んだ理由のひとつでしょう。そして、どの世界に行っても成功を
収めるだろうと思います。

組織の中で、もどかしさ、じれったさを感じ、やがて不満につながり引退、しかもそれを
ブログで発表…どこかにも、そんな奴が一人いましたっけね。ハハハ。

それにしても、朝日新聞!
一面のトップに三分の一の紙面を割いているじゃありませんか!
昨夜、速報が流れたとき、妻が「一面に大きく出るかしら?」と言いました。
私は「いや、それほど大きくないだろう」と答えました。せいぜい、中央下段に数十行…
そんなものだろうと思っていました。
長島茂雄や王貞治のように、20年間、存在そのものが“社会現象”だった人とは違うから、
と思っていただけにビックリです。

しかも、スポーツ面には、彼のHPの言葉が全文載っています!!
それほどインパクトがあると判断したのでしょうが、今朝、新聞を読んだ私は、67年間、
ものごとを判断するときの基準だった自分の“物差し”にすっかり自信がなくなりました。
ハハハ。

引退後の彼は充実した日々を送っているらしいですね。
2010年ワールド・カップのとき、NHKのゲストで
解説をしていましたが、驚くほど柔和な顔でした。
現役時代の彼はあまり好きじゃなかったのですが、
うまく話そうとか、カッコつけたところがなくて
好感が持てました。

当時の彼が報道陣に語った言葉は本田圭佑の
コメントに驚くほど似ていますね。
ほかのスポーツで主力選手がこういう物言いを
することは滅多にありません。
サッカーの特徴がよく出ています。

by toruiwa2010 | 2014-04-05 06:29 | 自薦・厳選300? | Comments(2)
Commented by ヱビスの黒生 at 2014-04-06 11:09 x
岩佐さん、おはようございます。

中田英寿と本田圭佑、確かにコメント似てますね。前に何かの番組で対談してたのを見かけたこともあります。

ただ、本田が代表チームにおいて当時の中田ほど孤高な感じがしないのは、程度の差こそあれ周りのメンバーの多くが本田と同じような感覚や考えを肌で感じているからなのかも知れません。

ワールドカップまであと2か月になりました。本田自身、ミランで思うような出場機会が得られているわけではありませんが、何とか機会を得て、怪我には十分気をつけて活躍してほしいと思います。もちろん本田以外の選手においても。
Commented by toruiwa2010 at 2014-04-06 11:14
ヱビスの黒生さん、こんにちは。

コメントを並べるとおどろくほど
似ていますね。
中田とほかの選手、本田とほかの選手の
距離感はおっしゃる通りだと思います。
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