ブログトップ | ログイン

岩佐徹のOFF-MIKE

toruiwa.exblog.jp

実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

自薦・厳選300?アナの小遣い稼ぎ 14/06/08

d0164636_7514567.jpg
アナウンサーの副業( 2007.12.14 初出 )

アナウンサーと名がつけばそれなりの訓練を受けていますから、どんなレベルであっても
ふつうの人にくらべると、しゃべりはうまいはずです。
その技術を生かして結婚式、パーティー、催し物などの司会やナレーションといった
“副業”に精を出すアナウンサーもいます。
名前を言えば、どなたでも思い出されるはずの後輩の中には、いくつかのホテルに名前を
登録して、結婚式披露宴の司会で小遣い稼ぎをするアナウンサーもいました。

適当な司会者が見つからなくて困っているカップルに式場が「こういう人がいますよ。
プロですよ」と紹介するわけです。
まだ“無名”だった彼は、当時7,8万円のギャラの中からかなりのマージンを取られながら、
月-金のレギュラーをこなしながら、毎週末、このアルバイトに精を出していました。
数ヶ月で体を壊してしまいましたが。ハハハ。
d0164636_752449.jpg
しかし、のちには、有名人同士の披露宴の司会をやれば、恐らく数百万円のギャラを手に
したはずの大スターになりましたから、苦労はむだではなかったかもしれません。
小遣いがほしい若いアナウンサーにとって、披露宴の司会は元手もいらず手っ取り早い
副業ですが、お金を頂いてこの仕事をすると嫌な思いをすることも多いんです。
新郎新婦はともかく、親族の中には「こいつは金で雇っているんだから」と、とやかく
口を出す人がいたりするからです。

バブルのころ、今から10数年前だったと記憶していますが、かなり売れていたある後輩に
「そろそろ、フリーになるのかな?」と“カマ”をかけたところ「とんでもないですよ。
僕はオノレを知ってますし、第一、今のままでもバイトが“おいしい”ですもん」という
答えが返ってきました。

たしかに、そうでしょう。
その時点より10年ほど前にアナウンサーを“一時休業”していた私はそういった恩恵に
浴すことはほとんどありませんでした。それでも、披露宴の司会をやれば20万円ぐらい
いただくのが“普通”でしたから、名前の売れたアナだったら、はるかに多くのギャラを
もらっていたと思います。

今は、時代が違うようです。会社の“締め付け”が厳しくなっているのです。
たとえば“ホテルに登録”の場合、気がつかないまま、特定の宗教団体や暴力団がらみの
仕事をやってしまうこともあるでしょう。そうとは知らずに、怪しげなツボを売りつける
集団の片棒をかつぐことだって考えられます。“社会の公器”、テレビ局としては慎重に
ならざるを得ず、社員の副業をこまかく規制するようになったのは当然かもしれません。

少し前のことです。私のところに、アナトレの事務局から一通のメールが届きました。
CMのナレーターなどを手配している会社が私に連絡をとりたがっていると言うのです。
「任天堂のゲームのCMで岩佐先生に実況を依頼したく、連絡が取りたいとのことでした」。
d0164636_7522239.jpg
「えっ!もしかして“Wii”?」と、思わず色めき立ってしまいました。ハハハ。
しかし、すぐに“あること”を思い出して、はやる気持ちをなだめました。
5,6年前のことですが、テレビ・ゲームを制作する会社からメジャー・リーグのゲームを
作るので実況をしてほしいと依頼されたことがあります。
実際にやったことはないのですが、うわさを聞いた限りでは「1日10時間を5日間」など、
結構厳しいスケジュールを求められるということでした。
その上、たとえば「ピッチャー、第1球」、「ピッチャー、第2球」など、実にこまかな
アナウンスを数限りなく収録するのです。しかも、その断片をつなぎ合わせてひとつの
場面の実況を作るのですから、収録の間、声のボリュームや調子を一定に保たなければ
いけないのです。60歳を過ぎた爺さんには無理な話でした。ハハハ。

一度は断ったのですが、スポンサーの社長がフジテレビ時代の私の実況を聞いていて
「ぜひと言っている。話だけでも聞いてほしい」と言われ、会うことにしました。
WOWOWの広報も立ち会った席でいきなり「これでお願いしたいと考えていますが…」と
差し出された一枚のコピーを見ると、スケジュールや収録の仕組みなどの説明のあとに、
“謝礼”として“一金 \3,000,000”と書いてあるではありませんか!
サ、サ、三百万!! そりゃあ、激しく動揺しましたよ。ハハハ。

しかし、無理なものは無理です。
「こういう仕事はラジオ育ちの若い人に頼むべきです。私のようなテレビ育ちの年寄りでは
期待にこたえられません」とお話して、“涙を呑んで”潔く撤退しました。

どんないきさつだったのか分からないのですが、或るプロダクションから「東京電力の
でんき予報」に出演してほしいというメールが来たこともありました。
ご覧になったことがあると思いますが、電力不足を回避するために現状をつたえ、節電を
呼びかけるシリーズCMのひとつだったようです。

小遣い稼ぎとしてはよだれが出そうな話でしたが、安易に飛びついたりはしません。
少し考えて、「顔を出すのならお断りします」と返信しました。
短期間にかなり“集中的に”放送するとのことでしたから、うっかりそんなものに出たら
“世間が狭くなる”と思ったからです。ニュアンスがお分かりでしょうか?

人にもよるでしょうが、私は街なかで「あっ、この人見たことある」と指をさされる、
あの中途半端な居心地の悪さが大の苦手です。
いっそのこと、「WOWOWの岩佐さんですよね? いつも見てます」と言われるなら
楽なんですが、どう対応すればいいのか困るのです。

若いころ、「小川宏ショー」のアシスタントとして人気者だった同期の露木茂とデパートに
行ったときも、まわりの視線が彼に集まるのを見て「気の毒に」と思ったものです。
彼は馴れているようでしたが、「俺にはとても耐えられない」と思いました。
この、マジックミラーの向こうから誰かに見られている感じが、つまり「世間が狭い」の
意味なんです。

このCMは顔出しでしたから、そこで話は終わりました。
ただし、放送されたものは顔出しではなく女性の声でナレーションが入っていましたが。
ハハハ。
by toruiwa2010 | 2014-06-08 07:52 | 自薦・厳選300? | Comments(0)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。