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岩佐徹のOFF-MIKE

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デレク・ジーター 讃~Good Bye & Good Luck~ 14/09/29

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I want to thank Good Lord for making me a Yankee.
「ヤンキースの一員にしてくださった神に感謝したい」


2008年を最後に役目を終えた旧ヤンキー・スタジアムのロッカーからダグアウトに続く
通路にあった飾り板にはそんな言葉が刻まれていました。“untouchable”とされる
大記録・56試合連続ヒットのジョー・ディマジオが語ったものです。
監督・選手、記者やアナウンサー、誰もが毎日のように目にしていました。
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そのプレートの下を通ってダグアウトに向かったことが何十回もあります。
記者席、独特の形のバックスクリーン、ライト場外に見えた地下鉄、何もかもが懐かしく、
大好きな球場でした。最後の試合が行われた日のジーターのスピーチもよかったですね。

「すいません…すいませんが」と、スタンドに向かって呼びかけ、静まったところで、
チームメイトに囲まれた彼はこう話し始めました。
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「ここにいる僕ら全員にとって、このユニフォームを着てここで毎日プレーできることは
大変な名誉なんです」―拍手・歓声―
「そして、過去から現在に至るこのオーガナイゼ―ションのメンバー全員は、85年間、
この場所を“ホーム”と呼んできました。たくさんの伝説、たくさんの歴史、そして、
たくさんの思い出があります。
世代から世代へと、思い出を語り継いでいけるのは素晴らしいことです。
来年、われわれは通りの向こうに引っ越しますが、ニューヨーク・ヤンキースについては、
決して変わらないことがいくつかあります。それは、誇りであり、伝統であり、そして、
何よりも、われわれには世界一のファンがいるということです」―大拍手・大歓声―

「この球場の思い出をニュー・ヤンキー・スタジアムで生まれる思い出につなげ、それを
世代から世代に伝えていくのはみなさんです。
この組織全体を代表して、世界最高のファンであるみなさんに敬意を表したいと思います」
―大拍手・大歓声―

リーダーらしく、落ち着いた声で1分40秒のスピーチをよどみなく終えました。
少なくともヤンキース・ファンの間では長く語り継がれることになるでしょう。

その深夜。
通路にあった飾り板がなくなった!!
周囲の疑いの目はデレク・ジーターに注がれている。

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…と地元紙の記事で読んだ記憶があります。そのときはジーターならやるかもしれないと
微笑ましく思ったのですが、だまされていたのかもしれません。
サインをしている写真はあるし、7万円ほどで売られているし。
しかも、サインが微妙に違うものもあるし。魑魅魍魎。ハハハ。
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ジーターならやるかも…と思ったのは、彼が歴史や伝統を大事にする選手だからです。
先日の試合でも、彼が打席に入るときにはほかの選手のときとは違う場内アナウンスが
流れていました。“神の声”と言われた伝説のPAアナウンサー、故ボブ・シェパードが
生前、ジーターのために吹き込んだテープの声です。
シェパードの健康に陰りが見え始めたとき、頼み込んで録音したものです。
「打席に入るときはどうしてもあなたの声に導かれたい」と。

…普段の中継ではよく聞こえないのですが、ピンストライプ最後の試合の日はホスト・
ステーションのWPIXがしっかり聞かせてくれました。場内アナウンスの域を越えた
重厚なアナウンスがヤンキー・スタジアムに流れるのはこの日が最後になりました。
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わがまま…と言えばわがままかもしれません。そんなジーターが好きでした。
ヤンキースの試合を見ることが多いせいだけではないでしょう。
有名な、2004年のこの“ダイブ”に代表される、怪我を恐れないプレーぶり、チームの
リーダーとしてのすばらしい統率力…何よりも、人間としての“品”があります。

彼がルー・ゲーリッグを抜き球団記新記録となるヒットを打ったとき、YESのアナは
「70年間というもの、ヤンキースの最多安打記録保持者はルー・ゲーリッグでした、今や、
それはデレク・ジーターです」としゃべったあと、黙りました。
おかげで、ヤンキースの伝統のすごさ、歴史の重みを感じながら、スタンドが総立ちで
拍手を送り、チームメイトが駆け寄り、相手のベンチでも拍手を送る選手がいるシーンを
気持ちよく味わうことができました。

新スタジアムになってからもたくさんの思い出を残してくれました。
24日、ヤンキー・スタジアムでの最後の試合はまさにジーターのためにありましたね。
大きな歓声・拍手に迎えられてポジションについたときから目がうるんでいました。
「ゴロがとんだら、よく見えないんじゃないか」と心配しました。ハハハ。
打席のたびに割れんばかりの歓声が送られました。選手キャリアを一つのチームで過ごし、
ずっとファンに愛された選手はそんなにいないと思います。
そして、9回裏に最後のステージがセットされていました。
ピレーラがヒット、ガードナーが送り、1死2塁で打席にジーターが入ります。もちろん、
“神の声”に導かれて。“Now,batting for the Yankees,No2,Derek Jeter.No2.”
ピンストライプに身を固めたジーターが彼らしいバッティングでライトに運びました。
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WALK OFF…なかなか書けないシナリオでヤンキースの鮮やかなサヨナラ勝ち。
数年たてば、データの中に埋もれてしまう試合です。しかし、目撃したファンにとっては
忘れがたい試合になりました。

デレク・ジーターが今日の試合を最後にユニフォームを脱ぎました。
彼がショートの守備位置に戻ることはもうありません。ヤンキースの…いや、メジャーの
アイコンが消えました。寂しくなります。
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スタンドにあった 冒頭のプレートの言葉をアレンジしたプラカードが心に残りました。
I want to thank Good Lord for making Derek Jeter a Yankee.

…私も、あるニュースキャスターが番組の終わりに口にしていた言葉をアレンジして…
Good Bye & Good Luck
by toruiwa2010 | 2014-09-29 08:59 | メジャー&野球全般 | Comments(4)
Commented by Yumi at 2014-09-29 10:45 x
この数日間はMLBだけではなく、社会現象のようでした。こんな選手はきっと当分、2度と出てきません。今日の試合は埋もれることなく、語り継がれ、球場でイニング間の余興映像にきっと何度も出てくると思います(笑) 最後の試合でヒットが出て良かった!次は結婚でゴシップ紙を賑わしてくれるでしょうw

マー君は偉大な選手と1年共に出来たことはきっと素晴らしい思い出になると思います。黒田が必ず側にいたことも1年目の彼にとってはとても大きな存在だったと思います。

来年以降の新生ヤンキースに今から期待したいです(笑) 
Commented by toruiwa2010 at 2014-09-29 15:09
Yumiさん、こんにちは。

社会現象…分かりますね。
結婚…誰かいるんですよね。
これからの方が長いのですから、
幸せな結婚をしてほしいものです。

田中については、来年の夏を無事に
迎えるまで安心できません。

来年以降のヤンキース…
キャッシュマンの手腕はどうなんでしょうね?
ジラルディはいい監督だと思っていますが、
RANTが遅すぎないですか?ハハハ。
Commented by shin555 at 2014-09-29 19:26 x
岩佐さんの気持ちが伝わる記事でした。
今ごろ遅いですけどジーターがさらに好きになっちゃいました♪
Commented by toruiwa2010 at 2014-09-29 20:09
shin555さん、こんばんは。

どでかいホームランを打つわけでもなければ、
とんでもないファインプレーを見せるわけでもないのに
あれほどの人気を持っている選手は珍しいです。
今後、現れるかどうか?
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