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岩佐徹のOFF-MIKE

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自薦・厳選300?思わずうなった言葉14/10/26

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からだことば ( 2008.08.30 初出 )

かつて、週刊新潮に連載されていた「夏彦の写真コラム」は“絶品”でした。
山本夏彦が書くコラムには“辛らつさ”があふれていました。その切り口は、単なる
“辛口”ではなく、鋭く世相をえぐった“文明批評”になっていたと思います。
筆が滑りすぎて、たびたびクレームを受けたようですが、彼の“舌鋒”が鈍ることは
ありませんでした。もちろん、中には私と考え方が違うコラムもありましたが、まったく
気にならず、毎週、“何をどう書いているか”と楽しみにしていたものです。こう書くと、
いかにも自分で買ったみたいですが、なに、会社や床屋さんで読んだのです。ハハハ。

すうーっと読める文章ではなかったと記憶していますが、言い回しやレトリックが絶妙で
読みながら思わずにやりとしてしまうことがしばしばでした。
ややもすると、“高飛車”な書き方になっていたのに、気にならなかったのは、その内容が
ずばり、的を射ていたからでしょう。
2002年に亡くなったために、読めなくなったのは本当に残念です。

コラムにしても評論・批評にしても、何かについて少しでもネガティブなことを書いたり
語ったりすれば、気分を害する人が出てきます。現代のように、ネットが発達した時代は
特にそうでしょう。
私も、一度ならず、叩かれたり、嫌味なコメントをもらったりした経験があります。
しかし、それがいやなら、毒にも薬にもならない“無表情”な文章しか書けないことに
なります。それでは、書く意味がなくなります。

いま、書くものも話すこともなかなかいいなと思うのは、天野祐吉さんです。

朝日新聞の朝刊に「CM天気図」を連載しています。
先日、彼のコラムを毎週愛読している妻が、「これ、読んだ?」と言って見せてくれたのは
「おじゃま虫の節度」と題されたコラムでした。
よくあることですが、そういうときは面白いことが書いてある場合が多いので、素直に
読むことにしています。ハハハ。
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「僕はしゃべるのが苦手だ」と、体操の冨田洋之選手が言う。
「だから、ずっとからだでしゃべっている」と、
冨田選手のことばはつづく。


導入部に書かれているのは、アクエリアスのCMに出てくる言葉だそうです。
コラムはさらに…

体操に限らない。なんにせよスポーツの競技は、
ことばをこえたことばにあふれている。
オリンピックは、そんなからだことばの壮大な展示場だ。


と続いています。
天野氏はオリンピックを伝えた実況に注文があったわけですが、ポイントをまとめると、
以下のようになります。

少しでもよくからだことばを聞くためのヒントをあたえてくれるのは歓迎だが、
絶叫型の中継アナウンスはもちろん、余分な説明はいっさい無用である。

・自分が感動するのは勝手だが、感動の押し売りや安売りはいいかげんにしてほしい。
「感動」というのは、人それぞれの内部から、それぞれに生まれてくるものであって、
決して人から押し付けられるものではない。

テレビはただ黙って、選手たちのからだことばを映しとってくれればいいのであって、
それ以外はすべて「おじゃま虫」なのだ。

(アクエリアスのCMは)冨田選手編のほかにも、福原愛編とか北島康介編を見たけれど、
みんなちゃんと「おじゃま虫」の節度を守っていた。

…彼が言いたいのは、私が書いてきたこととほぼ同じですが、冨田選手のことばを受けて
“からだことば”としたところが、プロのすごさです。うなってしまいました。ハハハ。

今週号の週刊文春、週刊新潮にも似たような論調の記事がいくつかありました。
その中に、「NHKと民放が共同で放送しているから、NHKから聞こえる音声でも
民放のアナウンサーによるものがある」と書かれている記事がありました。
たぶん、「NHKにしては“やかましい”と思っても、それは民放のアナウンサーなのかも
しれないよ」と言いたいのでしょう。

少し前までは、そうでした。しかし、最近、NHKのアナウンサーも大きく変わりました。
最年長でエースのはずの工藤、かなり経験を積んだ野地両アナをはじめ、これまでになく
“絶叫”していました。民放アナにくらべて、「面白く聞かそう」という工夫がない上に
それではねえ…と思ってしまいました。ハハハ。

天野祐吉さんは去年の10月に亡くなりました。
残念でなりません。

by toruiwa2010 | 2014-10-26 06:55 | 自薦・厳選300? | Comments(0)
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