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岩佐徹のOFF-MIKE

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ピース・又吉の快挙~処女作が文學界の巻頭を飾る!~15/01/10

“読書大好き”のお笑いタレント、“ピース”の又吉直樹が純文学デビューしました。
400字詰め原稿用紙230枚の中編で、タイトルは「火花」です。
普通の小説ならありうると思っていましたが、掲載誌が文芸春秋の“文學界”だと聞いて
正直なところ、ビックリしました。
文芸雑誌は何冊かありますが、私の感覚だと文學界は“別格”です。特に、芥川賞との
関係において…。
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ニュースが流れたその日に妻は行きつけの書店に行ったようですが、発売は翌日でした。
予約をしたわけではなかったのに、翌日、彼女が改めて店を訪れると、笑顔の奥さんが
「岩佐さん、とっときましたよ」と雑誌を差し出したそうです。
純文学の雑誌はあまり需要がないので毎月1冊しか仕入れていなかったようです。
奥さんは、欲しがる客を抑え、月に数種類の雑誌と数冊の単行本や文庫本を買う上得意の
妻のために“取り置き”しておいてくれたのです。
その割に、私には愛想がよくないなあ。何度となく一緒に行っているのに。ハハハ。

きっと、多くの書店が悲鳴を上げたのでしょう。あまりの反響にビックリした雑誌側は
“増刷”を決めました。文學界の増刷は創刊の昭和8年以来、初めてのことだそうです。
しかし、“初版・1万冊”に対して“増刷70000冊”は少なすぎませんかね。編集長は
「これほどの売り上げは予想外。データを見ると、通常はあまり多くない10代20代の
若い世代が買っている」と話していますが、予測も軌道修正も甘い!
NHKもニュースで取り上げていましたから、この話題はこれからますます増幅しますよ。
余計なお世話でしょうが。ハハハ。
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…その後、“甘かった”と気づいた出版社はさらに2万3000冊の増刷に踏み切りました。
発売からたった2日で初版の4倍…。又吉、恐るべし。ハハハ。

10数年、読書と言えば英語の本、それもミステリーものばかりだった私も、好きな芸人・
又吉の“本格的純文学デビュー作”は読まねばと、妻から借りました。
私にしては珍しく、あっという間に読み終えました。なかなかいいと思います。

大地を震わす和太鼓の律動に、甲高く鋭い笛の音が重なり響いていた。

情景が目に浮かぶ、私の好きなリズムで始まった物語は、又吉自身が投影されていると
思われる“僕”(駆け出しの漫才コンビ“スパークス”の徳永)と彼の“師匠”が作り出す
独特で密度の“濃い”世界を描いています。
“僕”は熱海の花火大会に“営業”で呼ばれた夜、出番のあと飲みに誘ってくれた先輩、
“あほんだら”の神谷と師弟関係を結びます。「俺の伝記を書くこと」が神谷の条件でした。
コンビニでボールペンとノートを買い込んだ“僕”の気持ちは高揚しています。

涼しい風の吹く海沿いの道を歩きながら、どこから書き始めるかを考えていた。
見物客は宿に収まり切ったのか、人影はまばらで波音が静かに聞こえていた。
耳を澄ますと花火のような耳鳴りがして、次の電柱まで少しだけ走った。


この、最初の“章”の最後も気に入りました。又吉直樹…、あの顔でなかなかやるわ。
ハハハ。

笑わせるつもりで書いているわけではないでしょうが、病院の待合室で声をあげて
笑ってしまったのは、大阪から東京に出てきた神谷と交わしたメールのやりとりです。

「吉祥寺に住む。どこおる?夥しい(おびただしい)数の桃」と神谷。
「高円寺です。今から吉祥寺に向かいます。泣き喚く金木犀」と返した徳永。

…実体験に基づいているのだと思います。“泣き喚く金木犀”って。
説明が難しいですが、どこかをくすぐられました。好きです、このセンス。ハハハ。
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文学のことはよく分かりませんが、言葉の選択や文章の完成度などに「えっ?」と思う
箇所がたくさんありました。適当にページを開いて拾っただけでも、“畢生のあほんだら”、
“混沌の様相を呈す場”、“赤児が獣のような大きな声で”、“頭上には泰然と三日月”など、
かなりの“無理”を感じます。そこまで背伸びしなくても…と。

称賛の声が圧倒的のようですが、この一作でどうこうということはないでしょう。まして、
新人賞はともかく、芥川賞のレベルになると候補にもならないと思います。
本格的に書くつもりなら、何篇か習作を重ね文章を磨いていかないと成功は難しいのでは
ないでしょうか。

そして、彼が持っているネタや書ける材料を考えたら、むしろ直木賞に向くような作品を
書いてほしいです。
若いアナや、アナを目指す学生たちには「本を読んで言葉を磨け」とアドバイスします。
「純文学より直木賞作品を」とも。
使ったことも、これから先 使うこともなさそうな言葉が多い純文学より、庶民の感覚で
書かれている大衆文学に出てくる“言葉たち”の方が役に立つからです。
又吉の持ち味もそちらに向いている気がするのです。

しかし、読むだけでなく、“書いた”又吉。
しかも、優れた才能の片りんを示した又吉。
いま、日本で一番ドキドキしているのは綾部かな?ハハハ。

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by toruiwa2010 | 2015-01-10 08:42 | 岩佐徹的考察 | Comments(0)
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