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岩佐徹のOFF-MIKE

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“ほど”が肝心?~情緒に流される実況&記事~15/01/25

40年以上、実況者として放送席に座りましたが、放送中に泣いたことはありません。
ただし、一度だけ「あ、これはやばいぞ」と思ったことがあります。
2003年8月25日の夜、ニューヨークのナショナル・テニス・センターで行われた
ピート・サンプラスの引退セレモニーのときでした。
アガシやクーリエら同世代の才能ある一団から抜け出して頂点を極めていくところを
見守って来ただけに彼に対する思い入れは強く、控室を出るときから「今日だけは
持ちこたえられるかどうか、自信がないなあ」と思っていました。ハハハ。
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ステージが整い、司会者にうながされ、子供を抱えてコートに入って来たサンプラスが
やむことのないスタンディング・オベーションに胸を詰まらせて“ぐしゃっ”となった
その顔を見た瞬間、目頭が熱くなりました。一番危ない場面でした。
たぶん、同じ思いだったのでしょう。となりに座る柳恵詩朗さんも、その向こうの席の
遠藤愛さんも目が赤く、問いかけてもごく短い答えしか返ってきませんでした。
多くをしゃべる必要がない場面だったことに救われました。

“アナウンサーだって人の子”です。
腹が立つこともありますし、泣きたいときもあります。
しかし、いちいち自分の気持ちに流されていたのでは仕事になりません。
T光アナのように器用に泣いて、番組を盛り上げる“達人”もいますが、多くのアナは
怒るまい、泣くまいと自分の気持ちを必死にコントロールしながら実況しているのです。

私が間一髪で辛うじて泣くのをこらえた翌年、私の後輩のアナが放送中に泣きました。
オリンピックの女子バレーボール最終予選で出場を決めた選手たちにインタビューした
フジテレビのMアナです。放送史に残る“大泣き”かもしれません。ハハハ。

当時の私のBBSにもたくさんの書き込みがありましたが、「ぎりぎりセーフ」もふくめて、7:3ぐらいで、“肯定派”が多かったのは意外でした。
もちろん、厳しい意見もありましたが、それは当然でしょう。
プロの立場で言えば、基本的には「まず、冷静に。お前が先に感動してどうする?」です。
しかし、物事は必ずしも原則通りにはいかないんですよね。
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アジア・カップの準々決勝で日本がUAEに敗れ、監督と長谷部のインタビューのあと
テレビ朝日のSアナのシメのアナウンスはずいぶん“センチメンタル”でした。私には
涙ぐんで話しているように聞こえました。長く同じ対象を取材していると、どうしても
感情移入してしまうことは私にも経験があるので単純に責めるつもりはありません。
しかし、2連覇を信じていたのだとすれば悲しいかもしれませんが、泣く話では
ないと思いますね。なぜ、そこまで情緒的になるかなあ…と、あの場面では絶対に
泣くことはなかっただろうという自信がある私は意表を突かれました。

スポーツ報道に関わるアナや記者が感情に流された実況をしたり、記事を書いたり
することには基本的には反対の立場です。しかし、“何でもかんでもダメ”と言うほど
“凝り固まった”考え方を持っているわけではありません。
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朝日新聞のスポーツ欄に“東西 トーザイ”と言う囲み記事があります。
その“筆致”は淡々と事実を伝えるほかの記事とは一線を画しています。いつごろから
そうなったのかは知りませんが、書かれている記事には記者の思いが詰まっています。
すべてを肯定するつもりはありませんが、思わず、うなってしまう記事もあります。
読者の中には感動で涙する人もいるようです。理解できます。

たとえば…
豊真将が引退を発表した翌日の記事→ bit.ly/1yFoe4Z

こういうのは“あり”だと思います。
書いたのは相撲班のキャップ?抜井規泰記者です。
最近、彼のツイッターをフォローし始めました。記事には出てこない“裏話”っぽい
呟きもあるからです。

01/13抜井記者のツイート

大相撲初場所3日目。
本日最も沁みた言葉。
✳︎分かる方だけ
「魁聖は、大丈夫です…………。
僕は、大丈夫じゃないです。悲しいですねえ。
今度あの子を見つけたら、手をつかんでですねえ、
本当は大丈夫じゃないって言ってくれるまで、
手を離しませんから」
魁聖。

01/22の抜井記者のツイート

大相撲初場所12日目。本日最も沁みた言葉。
「僕は大丈夫じゃないですww」
魁聖。
ちなみに、あの女の子とは、ちゃんと仲直り(?)
したそうです。

“あの女の子”とは2日目にNHKで見た“あの子”のことでしょう。
女性目線にこだわったこの日の序盤、平井理央が“出待ち”の若い女性にインタビュー中、
うしろを魁聖が通りかかり、気づいた平井がその女性に「魁聖さんが来ましたけど?」と
向けましたが、彼女は「大丈夫です」と即答&スルーしていました。ハハハ。

こういう話は、放送にも記事にも出てきません。
インパクトがあるエピソードさったのですから、本当はNHKが “後日談”を取材して
中継の中で伝えるべきなんですけどねえ。それがスポーツ放送に“幅”を持たせるのだと
信じる私なら実行したと思いますけど、お堅いNHKじゃねえ。ハハハ。

実況にも記事にも喜怒哀楽を織り込むことがあってもいいと思います。
要は、“ほど”と言うことでしょうか。

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新年から(正確には年末から)FC2でも”営業”しています。
エキサイト・ブログに不具合が発生したときのためです。
まったく同じ内容ですが、テンプレートが変わると、印象も
変わるようです。よろしかったら。 bit.ly/1AkCkch

FC2で更新するのは気に入ったものだけの予定ですが、
とりあえず、感覚をつかむまで毎日…

by toruiwa2010 | 2015-01-25 07:32 | スポーツ全般 | Comments(2)
Commented by ひろ☆はっぴ at 2015-01-26 10:14 x
初場所千秋楽のテレビ放送は、北の富士、舞の海、藤井アナのスリートップでしたね。しかも花道のリポーターに吉田アナもいました。大鵬や千代の富士との比較から始まった白鵬論。逸ノ城や照ノ富士といった若手への期待と叱責…などなど、3者ともたまっていたものを吐き出すかのように話していました。土俵の進行に追われることもありましたから、本場所とは別にこういう話をする番組をちゃんと作ったらいいんじゃないでしょうか。
Commented by toruiwa2010 at 2015-01-26 10:19
ひろ☆はっぴさん、こんにちは。

優勝も決まっていたので日曜日は
映画を見に行っていて、豪栄道・
琴奨菊からしか見ていません。

一度、相撲を徹底討論する番組を
作ってもいいですね。
正月は1時間でしたから。
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