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岩佐徹のOFF-MIKE

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何がいいのか「セッション」?~町山x菊池:場外乱闘も~15/04/23

セッション 85

舞台はニューヨークの名門シェイファー音楽院。
校舎の一角でニーマン(マイルズ・テラー)が無心でドラムをたたいていた。
バディ・リッチのような偉大なドラマーになりたいと夢見る新入生だった。
通りかかったフレッチャー(J・K・シモンズ)が声をかけた。緊張するニーマン。
学生たちの誰もが彼の指揮するスタジオ・バンドに入りたがる名物教授だった。

フレッチャーは授業がことのほか厳しいことでも知られていた。
ほどなく“控え”として彼のバンドに呼ばれたニーマンもその洗礼を受けた。
叩いてみろと言われてスティックを振るうが、たちまちストップがかかる。
「テンポが違う。遅い」と言うのだ。「Tempo! 」「Faster !」大声で怒鳴りつけ、
物を投げつけ、罵倒した。どう叩いても違うと言われ戸惑うニーマン…
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周囲を見返すためにドラマーとして成功したい青年と厳しさが常軌を逸している
指導者の構図が全編を貫き、観客は息苦しい思いで物語の進行を見守ります。
私が考えていたのは「もういいよ、フレッチャー」でした。ハハハ。
何度も時計を見ました。評判になっている“最後の9分何秒”とやらをしっかり
見たいと思ったので。

この映画の評価は難しいです。
見終えたときの感覚は“85点かなあ”だったので、そのままにしておきますが、
限りなく80点に近い85点と言うことで…。ハハハ。
それでも、点数的にはそれほど悪くないでしょうが、アカデミー賞の“候補”は
ともかく、受賞に値するほどの作品とは思いません。ならなくて納得です。
最後はかなり追い込んでいたと聞きましたが、不思議です。

野球にたとえれば、コントロールなどお構いなく、力まかせの速球を投げ込む
ピッチャーを見ている気分でした。つまり、“一本調子”なんです。
で、野球なら「彼は力で圧倒して試合に勝とうとしているな」と分かりますが、
フレッチャーが何を考えているのか…は最後まで分かりませんでした。
多くの学生をプロの世界に送り出した実績はあるらしいですが、厳しいだけに
見えるやり方で本当に優れたミュージシャンを育てられるとは思えないのです。
海兵隊の鬼軍曹は新兵を猛烈に鍛えます。戦場の厳しさに耐えさせるためです。
フレッチャーは何をしたいのか?映画は答えてくれませんでした。

何かが乗り移ったようなシモンズの演技には迫力があります。しかし、作品同様、
激しさだけが印象に残り、最優秀助演賞は疑問です。「ジャッジ」のデュバルの
抑えた演技の方がはるかに心にしみました。好みの問題でしょうけどね。

そして、最後の10分弱…
たしかにドラム・ソロは圧巻です。しかし、直前の自動車事故などでニーマンが
受けた肉体的・精神的なダメージを思えば、あれほどの演奏ができる“環境”は
彼の周りにはありませんでした。いくら映画でも無理がありすぎます。

渡辺祥子、LiLiCo、大場正明、わたなべ りんたろう…レベルは知りませんが、
週刊朝日で映画の評価をしています。いつもはバラバラなのに、この映画には
揃って最高の“星四つ”をつけていました。“超オススメ ぜひ観て”だそうです。
このように、多くの評論家やファンが“褒め倒している”作品なので少々ものが
言いにくいですが、私にはリアリティがなくて話になりません。マニアックな
ファンには“話にならんと言うようでは話にならん”と言われるでしょうねえ。
映画の見方なんてもともと自由だと思っているので構やしませんが。ハハハ。

そして、邦題です。なぜ、「セッション」なのか?
ジャズを主題とする映画のタイトルですから、ジャムセッションのことですよね。
ミュージシャンが即興で演奏して音楽を楽しむことを言うのですが、この映画の
どこに“セッション”があったのでしょうか?悩ませないでほしいなあ。ハハハ。

ジャズ・ドラマーを目指した若者が監督した
『セッション』を潰そうとする菊地成孔先生は、
『セッション』の、ジャズ・ドラマーを目指す若者を
潰そうとするJKシモンズ扮する先生にダブります。


…ときに視点・切り口が面白い映画評論家・町山智浩氏のツイートです。

「セッション」を見た音楽評論家(&ミュージシャン)・菊池氏が1万6000文字の
記事でこき下ろしていました。負けじと町山氏も5,400文字の記事で反論…
思わぬ場外乱闘になっています。私に向けて放った“暴言”の失敗に懲りたのか
町山氏の文体が“です”、“ます”になっていて思わず微笑んでしまいました。
私も含めてみんな、学習するんですね。ハハハ。

どちらも、ほとんど“暴力的”と言ってもいいほどの長ったらしいものですが、
病院でリハビリの順番を待っている間に読みました。
音楽を、ジャズを愛してやまない男と 映画への愛がハンパじゃない男の対決には
妥協点がなく、しかも、無用に長い文章が知恵の輪のごとくからみ合っていて
とても分かりにくく、「好きなようにやってよ」と言うしかありません。ハハハ。

町山氏があちらこちらで、“すべては最後のクライマックスで昇華している”と
言ったり書いたりしているようですが、いったい、どこでどう“昇華”したのか、
私にはまったく分かりませんでした。まさか、延々と続くドラム・ソロの中で
二人が目を合わせてうなずき合うあたりを指しているわけじゃないだろうなあ。

この映画を褒めちぎる人たちは、最後の部分に圧倒されすぎて、興奮しまくり、
熱に浮かされた状態のまま、コメントしたり書いたりしている点が共通していて
信用なりません。ハハハ。

結論。
私は勧めませんが、見たいと思うならどうぞ。止める気もありません。
見終わったとき、しばらく立ち上がれないほどのいい意味での衝撃を受けるか、
「なんだい これは」とビックリするか…のどちらかだと思います。
見たら、ぜひ、感想を聞かせてください。

おまけ…ですが、町山氏の反論を受けて菊池氏がふたたび反応していました。
“町山さんにアンサーさせて頂きます”と題する一文は“(長文注意)”という
注意書き通り2万3000文字もあって、読む前に戦意喪失。ハハハ。

75 マジック・イン・ムーンライト 良くも悪くもウディ・アレンの世界 食傷気味だ
85 セッション 絶賛&酷評…評価は二分されよう 85点は褒めすぎの自覚あり

リハビリの帰りに見かけたハナミズキ。
“控えめ”な佇まいが好きだ
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by toruiwa2010 | 2015-04-23 09:00 | 映画が好き | Comments(0)
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