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岩佐徹のOFF-MIKE

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浅田真央:乗り越えろブランク~私にも経験がある~15/06/15

スポーツ・ニッポン紙によると、フィギュアスケートの浅田真央が10月下旬に始まる
GPシリーズにエントリーするようです。
4週間前の会見で現役の続行を明らかにしたときは「復帰戦がいつになるかは分からない。
うまく行けば試合に出られるだろうし、そうでなければ試合に出られないこともある」と
話していました。“復帰”が口で言うほど簡単じゃないということだろうと思いました。
メディアの多くも12月の全日本選手権が有力だと伝えていました。
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私は復帰しない可能性が濃いと考えていました。
モチベーションを持つことの難しさ、1年前のコンディションを取り戻し、世界レベルの
大会でトップを争うところまで力を戻すことの難しさを考えると、ハードルはかぎりなく
高いと思っていたからです。

しかし、GPシリーズにも出場するという話が事実なら、コーチが“GO”サインを出し、
本人も“I’m ready”と判断したのでしょう。“現役続行”が伝えられたときに書いた通り
浅田クラスの選手が復帰する以上、どんな大会でも表彰台に乗ることがマストになります。
「大丈夫です」と言える自信を得たのでしょう。頼もしい限りです。
4週間前、「フィギュア以外で1年休養したあと現役に戻る競技は珍しい」と書きました。
柔道の野村忠宏やMLBのA・ロドリゲスなど、その数は限られます。
それだけに、世界でもトップクラスの実力を持つ浅田の復帰・続行は注目されます。
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比較にはなりませんが、私にも長いブランクから復帰した経験があります。

1982年2月1日、「報道局報道センターへの異動を命ず」という辞令を受け取りました。
1963年3月の入社ですから、フジテレビでのアナウンサー生活は19年で終わったのです。
1月中旬のバレーボールが最後の実況になりました。形は本人の希望ですが、本心から
出た希望ではありませんでした。未練たらたら。ハハハ。

「いつかマイクの前に戻ってやる」と誓い、「アナウンサーでなくたってしゃべる方法は
あるのではないか」と模索しました。しかし、行きがかりで「未練はない」と言い残して
出たこともあって、アナウンス部の対応は厳しいものがありました。
報道でナレーションをやっても、その後異動したスポーツ部でディレクターたちが知恵を
しぼってしゃべる機会を作ろうとしても激しく反対されました。人徳のなさに呆れます。
ハハハ。

それでも、「いつか・・・」の思いは消えませんでした。
テレビを見るときは音声をミュートにして頭の中でプレーを描写したり、アナウンサーと
解説者のやり取りを聞きながら「そこはその話じゃなくてこのことを聞くべきだろう」と
突っ込んだりしていました。実況の“シミュレーション”です。

WOWOWの前身、日本衛星放送に出向したとき、初めは“衛星を打ち上げる会社”だと
思っていましたが、その打ち上げが近づき、“放送もする”と聞いて奮い立ちました。
強引に売り込んでアナウンス部を作り たった一人でそこに異動しました。寄り合い所帯の
会社ですから、放送のことなど何も知らない人が多く、弁舌さわやかに“だまし”ました。
ハハハ。
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1990年10月15日、都内のスタジオでヘッドセット・マイクをつけました。
8年9ヶ月ぶりです。
4月に現地で観戦・取材したアイスホッケー世界選手権に実況をつけるのが初仕事でした。
実況の経験はないし、あらゆる競技の中で最も速く動く小さなパックを画面だけで追って
描写する…ハードルの高さは浅田といい勝負でしょう。ハハハ。

そのあと、11月には試験放送開始の特番でマイク・タイソンのボクシング、翌年1月には
アルペンスキーの世界選手権・・・と、初めて実況する種目ばかりでした。
すでに50歳を過ぎていましたが、声は出たし、滑舌も合格ラインに届いていました。
なにより、長いブランクのあと、念願だった仕事に戻れた喜びがありました。

きっと、浅田も同じ喜びを味わうことでしょう。
ただし、彼女がいるのは“勝負の世界”です。結果が求められます。
厳しさは私などの比ではないはずです。しかし、彼女には胸を張れる実績があります。
支えてくれるでしょう。襲って来るに違いないプレッシャーさえ楽しめるようになれば
しめたものですね。

デイリースポーツ紙は、GPシリーズの前に、全日本選手権の1次予選となる中部選手権
(9月25-27日)に出るのではないかと書いています。

蛇足

日本の放送史上、8年9ヶ月ものブランクのあと
復帰したアナウンサーはほかにいないと思います。

しばしば、後輩アナに厳しいことを書いていますが、
決して恨んでいるからではありません。
アナウンス部は私の原点です。懐かしい場所ですし、
後輩たちにも愛情を持っています。

by toruiwa2010 | 2015-06-15 08:54 | フィギュアスケート | Comments(4)
Commented by じゅんじ at 2015-06-15 12:28 x
岩佐さん、こんにちは。

襲って来るに違いないプレッシャーさえ
たのしめるようになれば、、、

容易ではないでしょうが今の浅田真央なら
できるようなきがしますね。
と、私も期待しながら応援するでしょう。
Commented by toruiwa2010 at 2015-06-15 15:02
じゅんじサン、こんにちは。

ハッキリとプレッシャーに負けた
選手をいやというほど見てきました。
ソチの浅田もややそれに近かったかも。
呪縛から解放されたからこそフリーの
神がかり演技が生まれたのだと思っています。
Commented by KenKen at 2015-06-15 21:39 x
岩佐さん、こんばんは。
テニスで言えばベルギーの二人も確か1年以上あいて復帰してたような…

スケート界では直近でプルシェンコが復帰したりしてましたね。

浅田真央ほどの力を持っていれば!
と思いますが、あまり勝ちへの期待は持たず、どんな演技をするのかを重点に観ていきたいです。
Commented by toruiwa2010 at 2015-06-15 21:52
KenKenサン、こんばんは。

そうは言っても、競技に戻れば
みんな期待しますから・・・
そして、彼女の場合のプレッシャーは
他人からではなく自分が自分にかける
ことになりますね。
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