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岩佐徹のOFF-MIKE

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愛を積むひと 90 グローリー 85 アリスのままで 90 15/06/29

愛を積むひと 90

東京からの飛行機が旭川空港に着いた。
良子(りょうこ:樋口可南子)を乗せたタクシーが止まったのは果てしなく広がる麦畑に
囲まれた赤い屋根の一軒家の前だった。
「どうも有難うございました」と頭を下げてタクシーを見送った良子は家の前に植えた
ハマナスがつぼみをつけているのに気づいて愛しそうに手を伸ばした。
そのとき、ログハウス風の家の扉が開き、「早かったじゃないか」という声がかかった。
夫の篤史(あつし:佐藤浩市)だった。経営不振に陥った小さな工場を畳んで二人でこちらに
移住してから2ヶ月がすぎていた。

翌日、妻が買い物に出かけ、篤史が一人でいるときに訪問客があった。石屋の親方だった。
良子から石の塀を作りたいと頼まれていたので下見に来たのだと言う。聞いていなかった。
ここではのんびり過ごしたかった篤史だが、「何もしないとボケるから」と良子に言われ、
親方が送り込んできた見習いの若者とともにしぶしぶ作業に取り掛かった…
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物語の下敷きになっているのはアメリカ人が書いた小説です。
舞台を北海道・美瑛にしたのは大成功だったのではないでしょうか。
映画全体を覆っているのは良子の優しさです。
命にかかわる病気の状態を篤史に告げず、周囲には笑顔で気配りを見せています。

もう一つ、原題は「石を積むひと」ですが、「愛を…」としたのも成功でしたね。
篤史・良子の夫婦にとって石を積むことは“愛を積む”ことだったのですから。

娘・聡子(さとこ:北川景子)、石塀づくりを手伝ってくれる若者・徹(野村周平)、彼の恋人・
紗英(さえ:杉咲花)、彼女の両親(柄本明・吉田羊)…キャスティングもいいですね。

どなたにでもというわけにはいきませんが、“ある程度”の年齢の方ならお勧めです。

グローリー 85

「志半ばで倒れた人たちに代わってこの賞を受けます」。
1964年12月、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師のノーベル平和賞受賞の
スピーチはその言葉で始まった。
この年の7月に公民権法が成立していたものの、黒人の有権者登録は簡単ではなかった。
白人の登録官は「憲法の前文を暗誦しろ」、「アラバマ州判事、67人の名前を言え」など
難題をふっかけ、答えられないと申請を却下したのだ。

ホワイトハウスに乗り込んだキング牧師はジョンソン大統領と面会し、黒人がスムーズに
登録できるように法律を制定すべきだと迫った。「君の問題は一つだろうが、私は山ほどの
懸案を抱えている」と、大統領は首を縦に振らない。会談は決裂し、部屋を飛び出した
キング師は待っていた仲間に「セルマに行こう」と声をかけた。
彼には2週間かけて練り上げた戦略があった…
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公民権運動がどんなもので、リーダーのマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師が
どんな人物だったかについてはわずかな知識しかありません。外国の歴史や文化、宗教に
深いかかわりを持つ映画を見るときもあえて“勉強”はしません。付け焼刃ではたいして
役に立たないと分かっているからです。町山某には叱られますが。ハハハ。

この映画を見終えて感じるのは、評価することなどできない…です。
キング牧師の偉大さについては疑問の余地はないのでしょう。
“セルマの行進”は全国に向けてテレビ中継されたのですから そこで起きたことについて
明らかなウソは描かれていないのだと思います。しかし、このまま受け入れていいのか
どうかについては戸惑いがあります。

この種の映画を見るとき、いつも思うのは、どうしても一方の側に立った描き方になって
しまうだろう、ということです。この映画でも、一般の市民を含めた白人が“悪”として
描かれています。ジョンソン大統領やアラバマ州知事・ウォレスは完全に“ヒール”役に
なっています。その通りだったのかどうかが分からないと映画は理解できません。

映画を見た2日後、アラバマ州が州議会周辺に掲げていた南軍旗を撤去することになった
というニュースを読みました。南軍旗もその意味も知りませんでした。南北戦争のときに
使われていた南軍の軍旗で、以後のアメリカでは“黒人差別の象徴”とされているのです。
撤去はサウスカロライナ州で起きた黒人教会銃撃事件を受けてのものですが、アラバマの
風土がどんなものかがうかがえます。先にこのニュースに接していたら、“グローリー”を
見る目も少し違ったものになったかもしれません。

アカデミー賞・作品賞8作のうち、日本での公開が最後になりました。
ようやく全部見終わりました。
いつも、映画館を出るときの直感で採点しています。8本の採点はこんな具合でした。
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90 アメリカン・スナイパー 
90 イミテーション・ゲーム 
85 6歳のボクが大人になるまで 
85 セッション 
85 バードマン 
85 博士と彼女のセオリー 
85 グローリー
80 グランド・ブダペスト・ホテル


・・・ええ、ええ、異論はあるでしょうが、ご容赦のほど。ハハハ。
同じ点数でも微妙な差があって、私的には「アメリカン…」がトップでした。
85点の中では「6歳の…」が一番好きです。

アリスのままで 90

コロンビア大学で言語学を教えるアリス(ジュリアン・ムーア)を突然 “異変”が襲った。
幼児の言語について講演をしているとき、単語が出てこなかったのが最初の兆候だった。
その場は“言葉の集まり”で何とか切り抜けたが、帰りの車の中でその単語が“語彙(lexicon)”
だったことを思い出した。日常の研究の中で使っている言葉だっただけにショックだった。

次はもっと深刻だった。
講演したロサンゼルスから戻り、大学の構内をジョギングしているとき、これも突然、
いま自分が走っているところが分からなくなったのだ。走り慣れたコースなのに…
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診断の結果、“若年性アルツハイマー”と宣告されました。50歳になったばかりでした。
アリスの病気の厄介なところは知的レベルが高い人ほど進行が早く、“家族性”があって、
子供たちに遺伝する可能性が高いことでした。病気はアリス一人ではなく、家族全体の
問題になります。夫・ジョン(アレック・ボールドウイン)を初め、すでに家を出ている
3人の子供たちも懸命に支えますが、“恐怖”がアリスを包みます。

積み上げてきたものがなくなってしまう!
自分はいつまで“自分”でいられるのか?

アルツハイマー病は誰がなってもおかしくない病気です。若い人も含めて自分の問題と
思わなければいけないのだと思います。そうなったとき、自分はどうすべきか、家族は
どんな対応をすべきか…考えておかなければいけないのでしょう。
この映画がすべての答えを見せてくれるわけではないものの、ヒントにはなりそうです。
テーマから想像するほど暗い映画ではないことを付け加えておきます。

オスカーを獲ったムーアの演技は見事でした。病気の怖さを抑えた演技で表現しています。
映画としてもいい出来だと思います。
出口で“ぴあ”の調査員に点数を聞かれたとき、迷わず「90点です」と答えました。
うしろを歩いていた妻も同じ点数をつけているのが聞こえました。
この映画が作品賞の候補に入らなかった理由が分かりません。

カレーライス:残念!

帰る途中、紀伊国屋ビルの中のモンスナックでカレーを食べました。
行くとき、かなり行列ができていたので興味があったのです。
味は文句なしですが、我が家のカレーはどろっとしたタイプなので
ライスが浮かんだスープのような“さらさら”カレーにびっくり。
あの味で“普通”のカレーがあれば、これからも行くでしょうが、
それではこの店の良さが生きないのでしょうね。

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by toruiwa2010 | 2015-06-29 08:41 | 映画が好き | Comments(0)
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