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岩佐徹のOFF-MIKE

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あっぱれだったナダル 自薦・厳選300?15/07/12

今日は最終日、男子決勝です。
フェデラーがベスト10から落ちそうになったところから盛り返し、
去年の10月以後 2位の座を守り続けていることにビックリします。
並大抵の努力ではできないことです。心から敬意を表します。

2連覇&3度目の優勝を目指すNo1ジョコビッチがフェデラーの
挑戦を受けて立ちます。

2008年の男子決勝も第1&2シードの対決でした。
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あっぱれだったナダル ( 2008.07.07 初出 )

Nadal d.Federer 6-4 6-4 6-7(5) 6-7(8) 9-7


どんな競技にも、何があってもぜひ見たいと思わせる選手やカードが存在するものです。
いまの男子テニスのフェデラーvsナダルが、まさにそれでしょう。
12日目までは、チャンネルは合わせてあるものの、音はしぼり、目はほとんどもう一つの
テレビの画面で野球やバラエティーを見てきましたが、昨日は朝からこの決勝が楽しみで、
いい年をして“うきうき”していました。ハハハ。
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私が注目したのはただ一点でした。サーブやボレーなど、芝でのプレーを去年よりさらに
向上させたナダルのテニスが王者・フェデラーにどこまで通じるか…です。
完全に徹夜でした。いつものリクライニング・チェアで観戦しましたが、気持ち的には
正座して見ている気分でした。この二人には、限りないリスペクトを持っていますから。

いきなり、芝としては長いラリーで始まった試合は、第3ゲームから動き始めました。
フェデラーは6ポイントのうちファースト・サーブが1本しか入りません。
試合前、「いいサーブが入ればフェデラーが勝つだろう。入らなければ、トラブルを抱える
ことになるだろう」と話していたボルグの言葉を思い出しました。
両者を通じて初めてのチャンスにナダルのリターンが深く返ります。少し、イレギュラー
したのか、なんとフェデラーが“空振り”して最初のブレークが生まれました。

第4ゲーム、リードしたナダルのサーブの間合いが長くなり、私だけがそう思ったのかも
しれませんが、フェデラーに少しいらだちが見え始めます。
ブレーク・ポイントを逃れたナダルがそのままリードを守って迎えた第10ゲーム(5-4)、
ナダルの間合いが一段と長くなりました。ストップ・ウオッチではかると、ポイントが
決まったあと一呼吸置いてからボタンを押しても、ボールがトスされるまでに ほとんどの
ポイントで25秒から30秒もかかっていました。フェデラーの6-7秒と比べるとその差は
歴然としています。なぜ、この段階で主審が警告を出さなかったのか不思議でした。

結局“お咎めなし”のまま、たっぷりと時間をかけたナダルは、ブレーク・ポイントを
ふたつ逃れて勝敗の行方に大きな比重を占める第1セットを先取しました。

第2セットもナダルが取ったあと、第3-4セットは共にタイブレークの末、フェデラーが
取り返して決着はファイナル・セットに持ち込まれます。
この間にいくつかの“エピソード”がありました。

第2セット・第10ゲーム、30-30でナダルに遅延行為に対する警告
第3セット・第3ゲームに、ナダルが足を滑らせて転倒
第3セット・第9ゲーム終了で雨による中断がおよそ1時間10分
(第5セット・第5ゲーム、ジュースの場面でも30分の中断)
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しかし、そこまでのハイライトは間違いなく第4セットのタイブレークだったでしょう。

第4セット タイブレーク

N いいサーブが入り、フェデラーの精一杯のリターンは短くネット際に。
拾ったナダルはフォアのクロスを右コーナーへ。フェデラーはバックのクロスで切り返す。
飛びついたナダルのフォのボレーがベースライン際に落ちるとフェデラーは速いロブ。
ナダルのハイバック・ボレーをフェデラーはフォアでパス すごいポイント。 F/①-0
F ナダルが深いリターンからフォアの逆クロス 1-①
F フェデラー、ラリーからフォアがワイド  N/②-1
N ワイドへの175キロのサービス。フェデラーのラケットはかすめただけ。  N/3-1
N サービス・ウイナー N /4-1 
F サーブからフォアのダウン・ザ・ラインは文句なしのウイナー  N/4-2
F ラリーのあと、フェデラーのバックはワイド 二つ目のミニ・ブレーク N/⑤-2

2ブレーク・アップのナダルが、フェデラーを追い詰めました。
しかし、ここから二人に“らしくない”エラーが続きます。

N 勝利が近いことを意識して緊張が増したのか、ファースト・サーブがフォルトしたあと、
ナダルはセカンド・サーブに入る前に11回ボールをついていました。コードに当たって
センターラインの外へ  N/5-③
N 入れに行ったサーブから最後はバックがネット  N/5-④
F サーブからフォアのクロスへ豪快に決めて5-5
F センターへのサービス・ウイナー  F/6-5  <フェデラーのセット・ポイント>
N ラリーから、フェデラーのフォアの逆クロスがワイド  6-6
N ラリーから、フェデラーのフォアがロング。フェデラーのチャレンジは失敗  
N/7-6    <ナダルのマッチ・ポイント>
F ワイドへのサービス・ウイナー  7-7
F 強いフォアを打ってネットに出るフェデラーに対して、ナダルはフォアのダウン・ザ・
ラインでパス。スーパー・ポイント!  N /⑧-7  <ナダルのマッチ・ポイント>
N ワイドへのサーブのあと、短くなったリターンをとらえてネットに出るナダル。
フェデラーのバックのダウン・ザ・ラインがみごとなパスになって8-⑧
N ラリーの中からフェデラーがフォアの逆クロスからフォア。 F/⑨-8 
<フェデラーのセット・ポイント>
F セカンド・サーブを深く返したナダルのリターンがベースラインを超える。F/10-8

ファイン・ショットあり、いいラリーあり、ナダルのマッチ・ポイントとフェデラーの
セット・ポイントが交互に来る、スリルに満ちた最高のタイブレークでした。
どちらが取ってもおかしくなかったと思います。精神力を試されるこのタイブレークを
制したフェデラーがセット・カウント、2-2としたのです。

この時点では、タイブレークを連取して追いついたフェデラーがウインブルドン決勝では
1927年のコシェ以来となる2セット・ダウンからの大逆転で6連覇を達成する可能性が
大きいと考えるのが普通だったかもしれません。
2セット・ダウンのときには表情がさえなかったフェデラーも、このあたりではすっかり、
5連覇中の王者としてのオーラを取り戻していたのですから。
私も、「やっぱり、ナダルは届かないのかな」という思いが5割ぐらいありました。
しかし、ナダルのメンタリティーが“普通”じゃないことを考えると、“まったくの五分”と
考えるのが妥当だったでしょう。

両者がサーブをキープし続けて突破口が見えない中、ファイナル・セット第11ゲームで
ナダルが相手サーブの15-40を逃がしたとき、去年の決勝のことが思い出されました。
やはりファイナル・セットで15-40を2度逃がしているのです!

第15ゲーム・15-40で、ワイドへのエースを決められ、足を滑らせてバランスを崩し、
バックをロングに打ってコンバートできなかったとき、決定的ではないかと思いました。
しかし、ナダルの辞書に“あきらめる”という言葉はないのでしょう。ハハハ。
フェデラーのフォアのエラーでめぐってきたこのゲーム4度目のブレーク・ポイントを
とうとうコンバートしました。短いラリーのあと、深く打ち込んだフェデラーのフォアが
わずかにベースラインを超えたのです。

第16ゲームは、ナダルががっちりとキープしました。
30-30からフェデラーがバランスを崩しながら打ったバックのクロスがサイドラインを
割りました。40-30…第4セットのタイブレーク以来、通算3度目のチャンピオンシップ・
ポイントです。
ここは、フェデラーの“さすが”のリターン・エースでジュースになりましたが、すぐに
コーナーをつくワイドへのサーブでポイントを取って4度目のチャンスをつかみました。

センターへのファースト・サーブが入ります。フェデラーのリターンはそれほど深くは
ありません。ナダルはバックでセンターに打ち返します。これも充分な深さではなかった
のですが、フェデラーのフォアのクロスがネットにかかって試合終了。
日本時間は午前5時16分でした。
全仏4連覇達成のときには喜びも控えめにしていたナダルも子供のころからの夢だった、
ウインブルドン優勝にコート上に仰向けに横たわって喜びを表現しました。
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素晴らしい決勝でした。心技体がそろった二人だからこそこんな試合になるのでしょう。
二人のファンであろうとなかろうと、テニス・ファンなら誰もが“しびれた”はずです。
テニスの醍醐味を見せてくれました。

2度目の中断から戻り、ジュースの場面から再開された直後に2本のサービス・エースを
叩き込んだフェデラーの高い集中力にはたまげました。
2セット・アップの絶対的優位な立場から並ばれても下を向くことがなかったナダルの
精神力の強さもみごとでした。
大きなプレッシャーがあったはずなのに、それをはねのけて最高のプレーを見せてくれた
二人には大きな拍手を送りたいものです。

4時間48分はウインブルドンの男子シングルス決勝としては新記録だそうです。
ナダルの全仏-ウインブルドン優勝は1980年のボルグ以来です。サーフェスがまったく
違うこの2大会を連続で制するのは“至難の業”と言われますが、若いナダルが3度目の
挑戦で達成したのは“あっぱれ”でしょう。
内容をともなった歴史的な一日でした。

家族席で祝福を受けたあと、スペインの皇太子夫妻のところにも挨拶に行っていたナダル、
コート上のインタビューでフェデラーがNo1であることを語ったナダル…本当に、どんな
ときにも気配りを忘れない男だと感心しました。
ナダル賞賛の言葉が多くなりますが、この試合のナダルは賞賛に値するでしょう。
全仏に続いて自分の“庭”とも言うべきウインブルドンでも敗れたフェデラーの心中は
察するに余りあるものがあります。そんな状況の中でナダルを称え、No1としての誇りを
失っていませんでした。このあと、どう巻き返してくるのか注目しましょう。
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女子の鍋島、男子の久保田、決勝を担当した二人のアナウンサーがうらやましかったです。
テニス中継を始めて2,3年たったあたりから、アナウンサーとして、“実況のグランド・
スラム達成”が夢でした。しかし、NHKがウインブルドンの放映権を手放すことは
非常に考えにくいことでしたから、あきらめざるを得なかったのです。
私にとっては夢だったことを彼らは自分のものにしました。「よかったね」という気持ちも
ありますが、正直に言うと、やはり、少しさびしいかな。トホホ。
by toruiwa2010 | 2015-07-12 08:53 | 自薦・厳選300? | Comments(8)
Commented by KenKen at 2015-07-12 12:29 x
岩佐さん、こんにちは。

あの2008年決勝、ナダルがコート倒れ込んだ時の撮影のFlashも印象的でしたね。


フェデラーはラケットを長年愛用の90インチから97インチに替え、エドバークに師事を仰いでから更に攻撃・展開が早くなりました。
準決勝のマレー戦は凄かったです。

替えたラケットにもだいぶフィットしてきて、サーブの調子もかなりいいので久々の四大大会制覇&前人未到の8勝目期待したいです。
Commented by toruiwa2010 at 2015-07-12 12:32
KenKenさん、こんにちは。
フラッシュが印象に残っているのは
暗くなっていたからかも。

フェデラー…最近、ほとんど見てなくて。
Commented by 花みさき at 2015-07-13 00:35 x
岩佐さん、久しぶりのコメント、遅い時間にすみません。
2008年のウィンブルドンは、何度見ても興奮しますね。
ナダルファンですが、今夜はフェデラーを応援してます。
Commented by toruiwa2010 at 2015-07-13 06:27
花みさきサン、おはようございます。

フェデラー、残念でしたね。
年令的に最後のチャンスだった。
しかし、決勝まで来たことだけでも
称えられていいと思います。
Commented by pigu at 2015-07-13 20:36 x
岩佐さん、こんばんは。piguともうします。

2008年のウィンブルドンの決勝を思い出すと、今でも胸が熱く
なります。サンプラスファンの私が認めるのはちょっと悔しいのですが
私の中ではこのナダル対フェデラーの試合がテニスの最高の試合です。

この最高の試合を岩佐さんの実況で見られたらと本当に今でも思います。
いやいや私の手元には、岩佐さん実況の2001全米オープン準々決勝
サンプラス対アガシ、2002全米オープン決勝サンプラス対アガシなど
の数々の名勝負の録画があります!!!宝物です。

サンプラスのウィンブルドンでの試合を岩佐さんの実況で見たかったし、
ましてやテニス史上最高の試合だと私が思っているあの
2008年のウィンブルドン決勝の実況が岩佐さんだったら・・・
と思っているのは私のほかにもいるはずです。

岩佐さんの熱い文章を読んでいて、この試合をまた見たくなりました。
今から見るぞ~。
失礼いたします。


Commented by toruiwa2010 at 2015-07-13 21:01
piguさん、こんばんは。

サンプラスxアガシはほかにもあって
どれも素晴らしい試合でした。
ナダルⅹフェデラー・・・柳さんと
実況で来ていたら、と思いますね。
Commented by さあばる at 2015-07-13 22:56 x
初めてコメントさせて頂きます。よろしくお願い致します。私は2006WB決勝をTVで見て以来のナダルファンです。2006,2007と少しずつフェデラーに近づいてゆき、あの2008の決勝でついに優勝できた歩みは、素晴らしいものでした。完璧なる王者”神聖ロジャー帝国”(なんて私は呼んでました)にこれでもかとむかってゆく若武者の姿に、魅せられました。

岩佐さんのお話にはラファへの愛が感じられて、本当に共感します。

今年のラファは一体どうしたんだろう?やはりイップス症状に陥っているのか?岩佐さんが書いておられるように、ラファがラケットを置くのはやはり早いのかもしれない。でもこれで終わりはしないのではないか、短いかもしれないけど、ひとはな咲かせてわくわくさせてくれるのではないかと強く期待しています。
Commented by toruiwa2010 at 2015-07-14 06:55
さあばるサン、おはようございます。

ラファへの愛・・・隠せませんね。
現役アナウンサーじゃないのですから
もう気にする必要もないし。ハハハ。

試合を見ることが減っているので何とも
言えませんが、最近の負け方は気になります。
プレースタイルやけがを考えると、ファンは
ナダルにさよならを言う日が近いと覚悟を
決めた方がいいと思っています。
寂しいですが・・・。
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