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岩佐徹のOFF-MIKE

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エッセー付きBLENDY~才能を大事にね 又吉~15/07/28

「芸人を100パー(%)やり、余った時間に小説を書いて行きたい」

芥川賞の受賞会見でお笑いと執筆の比重を今後どうするのか?と問われて又吉は
そんな言い方をしていた。これまでそうしてきたのだから、それが又吉の仕事の
ペースなんだと思う。難しいと思うがそのペースを守りたいという気持ちは分かる。
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しかし、遠くから眺めているだけだが、心配だ。
発表の日以来、新進気鋭の作家・又吉直樹の周辺は巨大台風の直撃を受けたような
騒ぎになっている。無理もないなあ。新人作家のための賞だから 受賞のときには
無名なことが多いが、又吉はすでに名前が売れているもの。しかも、テレビで人を
笑わせていた芸人がいきなり、日本で最も権威がある文学賞を手にしたんだもの。
完全な第三者を除くと周囲はみんな浮足立っている。最も冷静なのが本人という…。
ハハハ。

せっかくの才能だから酷使することですり減らさないでほしい。本人も周囲も。
あの性格だからのぼせ上ったりすることはないと思うが、怖いのは、芸人という
オファーを断りにくい仕事をしている点ではないか。ちょっと、対応を間違えたら
たちまち、「偉そうにしている」、「天狗になった」と言われるにきまっている。
すべてを引き受けていたら体がいくつあっても足りない。多分 今から年末にかけて
又吉が一番悩む問題ではないだろうか。

先日、ラベルに又吉のエッセーをプリントしたボトルコーヒー“ブレンディ”が
売り出された。タイミングから見て受賞が決まる前から進んでいた企画のようだが、
コーヒーにちなんだ9本のエッセーがあり、全部読むためには9本買うことになる。
で、1本900ミリリットルだという。しかも、売られるのは全国の紀伊国屋書店で
しかも、2ヶ月間の限定販売、しかも、売り切れたら終了…。“あざとさ”に脱帽だ。
ハハハ。
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1.君と同じ味にはならない
2.懐かしいコーヒーカップで出された
3.飲み終えたら帰らなければならない
4.珈琲をお代わりする時、物語は佳境に入る
5.行けなくなった喫茶店
6.珈琲だけが側にいた夕暮れ
7.夏の蝶とアイスコーヒー
8.これを飲んだら泣こう
9.すべての風景に珈琲はいた


読みたくなるタイトルをつけているところも憎い。

「君と同じ味にはならない」

「好きな人ができました。鍵はポストに入れといてください。今までありがとう」
そんなメールが送られてきて、好きだった人との関係が終わったことがある。
驚きはしたが、僕達は何週間も会っていなかったので、予兆はあったのだと思う。
僕としては、今後の二人のことを考えたうえで、経済的に将来の展望が見える
地点まで一刻も早く辿り着きたくて必死だった。それと同時に、その人に対して、
おそらくこんな日々が永遠に続いていくことになるだろうけれど、そんな生活は
不満ではないか? もし、つらいなら、いっそのこと自分のことなんか振って
欲しいと考えていたのだと思う。別れてから、しばらく苦しい夜が続いた。
あの人が入れてくれる珈琲はもう飲めないのか、などと普通のことを考えてしまう。
自分で珈琲を入れてみるけれど、同じ味にはならない。あの珈琲は二度と飲むことが
できない。あの一杯の珈琲の中にこそ、幸せはあったのだと思う。

1,2行目がいいなあ。
又吉らしいエッセーになっていると思いつつ、ちょっと首を傾げてしまう。

本人は、これまでと同じペースでやっているから問題ないと言うだろう。
しかし、客観的に見ると、こういう“商売がらみ”の執筆でエネルギーを使うのは
もったいないと思う。すべての文章を“芥川賞受賞作家としてどうか”という目で
見られることも忘れてはいけない。くれぐれも自重を。

それにしても、第2作が待たれる。
「だから、お笑いやりながらじゃ無理なんだよ」と評価を下げるか、「忙しい中で
よくこれだけのものを書いたな」と感心されるか。
by toruiwa2010 | 2015-07-28 09:03 | 岩佐徹的考察 | Comments(0)
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