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岩佐徹のOFF-MIKE

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「パリ3区の・・・」&「恋人たち」~原節子 銀幕のスターだった~15/11/26

パリ3区の遺産相続人 85

パリの旧市街、カーブが続く道を男が歩いていた。ニューヨークから来たマティアスだ。
手にしたメモをときどき見ながら目指す建物を探している。
ようやく探し当てたのは古いアパルトマンだった。
声をかけながら中に入ったマティアスはいくつかの部屋をのぞくが人影がない。
いくつ目かの部屋で高齢の婦人が居眠りをしていた。マティルドだ。

マティアスが告げる。「父が死んだ。所有していたこのアパルトマンを私に遺した」と。
金に困っている彼はすぐにも売り飛ばしたいところだったが、事は単純ではなかった。
マティルドが言うにはアパルトマンは“ヴィアジェ”を条件に彼女がマティアスの父親に
譲った物件で、彼女が死ぬまで売ることはできない。しかも、マティアスは2400ユーロ
(約30万円)を毎月、彼女に払わなければならないと。

事態がうまく呑み込めないまま、マティアスは賃料を払ってこの日からアパルトマンに
泊まることになった。深夜に目覚めてトイレに行くと、そこには中年の女性が座っていた。
マティルドの娘、クロエだった…
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何度も見た予告編から受けた印象はこうです。
折り合いの悪い父親の遺産を相続して、すぐにでも金に換えてやろうとほくそ笑みながら
やって来たアメリカ男が、フランス独特の制度に振り回されて右往左往する“コメディ”。

だって、マティルドが死ぬまで物件を自由にできないというヴィアジェは厄介な法律で、
一度 落ち込んだマティアスが 彼女が90歳だと知って「そんなに時間はかからない」と
希望を取り戻す。しかし、彼女の主治医に話を聞くと「きわめて健康だ」と告げられて
再びガックリするところが紹介されていましたもの。ハハハ。

前半はたしかに笑わせる場面も多いですが、途中から“空気”が変わっていきます。3人の
同居生活が始まり、互いが知っている事実を少しずつ分け合うようになるからです。
無礼で傲慢な酒飲みのダメ男にしか見えなかったマティアスが実は深い心の“キズ”を
抱えて生きてきたことが分かります。

見たあとの気分がいい映画でした。

恋人たち 80

主な登場人物は3人。
誰よりも鋭い耳を持ち、橋げたのコンクリートなどを点検する作業員のアツシ(篠原篤)は
通り魔に妻の命を奪われて以来、その痛手から立ち直れていない。
パートで働きながら、狭い家に夫と夫の母と暮らす瞳子は平凡な主婦だ。夫との生活は
惰性が支配し、同居する姑の細かさに鬱屈した日々を送っている。
四ノ宮はやり手のエリート弁護士だ。“自分はエリートだ”と自負している言動を見せる。
同性愛者であることはすでにカミングアウトしていた…
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ネットの評判に惹かれて見に行きました。
万人受けする映画だとは思いませんが、不思議な魅力を持った作品です。
初めて(たぶん)見た篠原はいいと思いました。エンディング近くでの妻の位牌に
語りかける長いモノローグは見事でした。
助演陣で最もよく知っている俳優は三石研です。リリー・フランキーも出ますが、出番は
ごくわずかです。“無名”の俳優たちを起用したところに監督の意図はあるのでしょう。
成功しているかどうか、私には判断できません。

この映画の感想を書きたいのですが、言葉が出てきません。
最初から最後まで、どこにも美男美女は出てきません。必要がないのです、
意図的にさりげなく言わせているとしか思えないセリフ回しが 逆にわざとらしく感じて
減点材料ですが、懸命に生きる人々をみごとに描き出しています。
監督が「ぐるりのこと。」の橋口亮輔と知って納得しました。
平日のテアトル新宿は八分の入りでした。 口コミ効果でしょうか。

ローマに消えた男 80

イタリア最大野党の書記長エンリコ・オリベッリがローマから姿を消した。
選挙が近づいていたが、今回も情勢はきわめて悪かった。彼個人の人気も“さっぱり”で、
党大会の演台に立つ彼に党員から「あんたのせいでダメになった。さっさと出ていけ」と
ヤジが飛ぶほどだった。その翌日、党の大事な会議にエンリコは姿を現さなかった…
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失意と疲労に追い詰められたエンリコが妻や側近になにも告げずに失踪しました。
必死に駆け回った腹心の部下が絶妙な解決策を見つけ出します。エンリコの双子の兄弟、
ジョバンニを“替え玉”にするのです!
彼は心の病で入院していた経験があって今も投薬を受けているという設定です。
口下手なエンリコにくらべ、陽気でスピーチが抜群にうまいジョバンニのおかげで党勢は
劇的に回復していきます。

一方、エンリコは…
それを書くと完全なネタバレになります。ハハハ。
エンディングの意味がよく分かりません。想像はできますが、なぜそうなるのかの説明が
まったくないのは不親切だなあ。“思わせぶり”はやめてほしいです。

原節子さん…

昭和の伝説的な美人女優でした。
母と一緒に初めて彼女の映画を見たのは戦後間もないころで、
私は小学校の低学年でした。美しい人でした。女性を見て
「この人はきれいだ」と初めて認識したのもそのころです。
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顔だけでなく“たたずまい”全体が女優らしい女優でした。
人気絶頂のときに引退しました。
たまに 鎌倉でひっそり暮らしていると聞くだけでしたから、
女優時代を含めてその人生が幸せなものだったかどうかは
知る由もありません。
笑顔の写真にもどこかに寂しさが漂っている人でした。

“銀幕”という言葉が完ぺきに似合う人でした。
そこで見た彼女のイメージが古い映画ファンの記憶から
消えることはないでしょう。ご冥福を祈ります。


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by toruiwa2010 | 2015-11-26 08:53 | 映画が好き | Comments(0)
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