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岩佐徹のOFF-MIKE

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やっちまってました~毎日新聞・校閲部サンに学ぶ~15/12/17

当ブログは遠く2003年5月にスタートしました。
12年半の間に実数で4000本以上のエントリーを書いてきました。
“言葉を使う”アナウンサーをしていましたし、いい年ですから
日本語について一定の自信はありますが、完璧にほど遠いことは
しっかり自覚しています。
「間違えない、間違えたことはないとは言いません」とときどき
書いています。
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ほかのことは「この年で勉強なんかしたくない」と敬遠しますが、
日本語や言葉についてはまだまだ学びたいと考えています。
先日、紹介した毎日新聞・校閲部のツイートはためになります。
( http://bit.ly/1ZcVFXW )

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「直したい表現」というくくりのツイートが面白いです。さかのぼって読んでみました。
初めは「ああ、たしかにそうだよね」と思いながら読んでいましたが、そのうち、「待てよ。
これ、間違った使い方をしなかったかな」と不安になりました。あわてて自分のブログを
検索してみました。あらまあ。

以下、検証の結果を正直にまとめてみました。(太字が元ツイート)
まず、間違えそうだけど、間違えたことはないと自信があり、確認もできたもの。

「素人はだし」→ 〇「玄人はだし」、「素人離れ」

「なおざりな返事」→ 〇「おざなりな返事」
「おざなり」はいいかげんな態度ですること、
「なおざり」はいいかげんに考えて放置すると。

「二の句が出ない」→ 〇「二の句が継げない」

「…べき。」→ 〇「…べきだ。」
「べき」は「べし」の連体形で、終止形ではないから、文をこの語で
止めるのは避ける。「べし」なら良いが、文語なので「べきだ」
「べきである」とするのが望ましい

「ひと段落した」→ 〇「一段落した」
「いちだんらく」が本来。
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「デッドロックに乗り上げる」→ 〇「暗礁に乗り上げる」
デッドロック(deadlock)は「行き詰まり」の意。岩(rock)ではない。

「戦いの火ぶたが切って落とされる」→ 〇「戦いの火ぶたが切られる」
「戦いの幕が切って落とされる」
  ***(おまけあり)

「念頭に入れる」→ 〇「念頭に置く」

「明るみになった」→ 〇「明るみに出た」「明らかになった」


・・・ここまでは、不安がありませんでした。
「おざなり」と「なおざり」はたしかに間違えやすいけど。ハハハ。
次は読んだ瞬間にかなり不安な気持ちになりましたが、検索の結果“セーフ”だったもの。

「無断引用」→ 〇「無断転載」
「無断引用」は誤り。著作権法でいう「引用」は、同法で認められた
範囲・方法で著作物を無断で利用できること。「転載」は「引用」範囲を
超えた行為で、許可を得るなどの手続きが必要。
無許可の複製による利用は「無断転載」「盗用」「不適切引用」


「無断引用」…やってる可能性はあるなあと思いましたが、見つかりませんでした。
なお。これらのツイートをこのエントリーに転載してよいとの正式な許可は得ていません。
「無断転載」のそしりは免れません。毎日新聞・校閲部さん、不都合がありましたら
ご一報ください。全文を削除します。
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「射程距離」→ 〇「射程(圏)」
「程」には距離の意味が含まれる。


「程」には距離の意味…知りませんでした。
これこそ「あっ」と思いましたが、正しく「射程圏」と書いていました。

「寸暇を惜しまず働く」→ 〇「寸暇を惜しんで働く」「骨身を惜しまず働く」


怪しいと思いましたが、何本かの記事で正しく「寸暇を惜しんで…」と書いていました。

「汚名挽回」、「汚名回復」→ 〇「汚名返上」、「汚名をすすぐ」、「汚名をそそぐ」、
「名誉挽回」、「名誉回復」


文字にするときはしっかり考えますから間違えない自信があります。チェックの結果も
間違いは見つかりませんでした。実況の中で“組み合わせ”を間違えた可能性はあります。

「過半数を超える」→ 〇「半数を超える」「過半数に達する」


一番「まずいっ!」と思ったのはこれです。頭の中でなんとなく「過半数を超える」と
考えていることがあるような気がしたからです。検索には引っかかりませんでした。

最後は実際に“やっちまった”ものです。恥を忍んで…

「入籍」→ 〇「婚姻届を出す」
現在は新しい戸籍を編成するので「入籍」は誤用となる。
養子縁組や再婚では制度上、入籍となるが、その場合も
なるべく使わない。


…だそうです。盲点を突かれた感じです。
2006年、WOWOWで一緒に仕事をした女性アナが“婚姻届けを出した”ことについて
3本の記事で“入籍をすませた”などと書いています。

「極め付け」→ 〇「極め付き」
「極め」は鑑定(書)のこと。「鑑定書付け」といわないのと同様に
「極め付け」は不親切


去年、ダルビッシュの投球について書いた中に
“…極め付けがここで迎えた4番・ラミレスとの対決でした。”と書いています。
知らないわけではないのになあ。

「法案が成立」→〇「法が成立」「法案を可決」

検索する前から、ハッキリと“犯行に及んだ”自覚がありました。ハハハ。
今年の9月、安保法案審議が緊迫する中で

“なぜ、今、この法案の成立が必要なのかについて…”と。
さかのぼるとかなりの“余罪”がありました。

「至上命題」→〇「至上命令」「最重要課題」「絶対の使命」
「命題」は「AはBだ」のように判断をぶんで表した論理学用語。
「課題」「命令」と混同される。
絶対に従わなくてはならない命令、任務は「至上命令、絶対の使命」、
必ず達成しなければならない課題は「最重要(最大)課題」


私のボキャブラリーの中では隅に追いやられている言葉のはずですが、調べてみると
4回も使っていました。

“視聴率という“至上命題”を課せられたプロデューサーは…“( 2008年)
“試合時間の短縮は至上命題ですが…”( 2011年)など。
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「離発着」→ 〇「発着」「離着陸」

これも、「逃れられないだろうな」と思った通りでした。
“2分に1回の割で離発着する航空機をさばいている裏側で…”( 2012年)
誓って、過ちは一回だけです。別の記事で“離着陸”を二度使っています。

***おまけ(“戦いの火ぶたが…”で思い出す)

…胸高鳴るとき、声高まる一瞬。ワールド・カップが始まって
72年目にして、この対決の幕が切って落ちようとしています。
(2002ワールド・カップ決勝直前のNHK・Yアナのコメント)


この実況を聞いて当時のブログにこう書いています。

アドリブだとは思えませんが、きちんと書いたものを読んだのかと聞かれると、
それもはっきりとは分かりません。予定稿にしては推敲が足りないからです。
(中略) 「幕が切って落ちる」と言っていることに戸惑います。
「幕が上がる」あるいは「幕が切って落とされる」(始まるとき)、「幕が下りる
(終わるとき)」は聞きますが、「切って落ちる」は一度も聞いたことがありません。

もう一つ思い出すのは、フジテレビの後輩女性アナがやってしまったミスです。

うるさ型のアナウンス部長が部屋の隅のソファで出前のどんぶりを抱え込んでいました。
近くの自席で新聞を読んでいた、入社2年目の彼女が突然声を上げて笑い出しました。
「ハハハ、おかしい!“小間物屋”を広げた…ですって」。
途端に、オヤジが血相を変えて怒り出しました。「人の食事中になんてことを言うんだ」と。

かなり年配の人にしか分からないでしょうね。あ、もちろん、毎日新聞・校閲部さんは
分かるでしょうが。
とにかく明るい安村だったら、「安心してください、吐いてます」と言ったでしょうか。
ハハハ。

長々と失礼しました。

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by toruiwa2010 | 2015-12-17 08:14 | 岩佐徹的考察 | Comments(0)
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