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岩佐徹のOFF-MIKE

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大魔神や上原浩治の話じゃない 自薦・厳選300? 15/12/23

Closers(クローザーズ) by Michael Connelly ( 2008.02.27 初出 )

三浦和義“容疑者”がロサンゼルス市警に逮捕された!
子供が親を親が子供を簡単に殺したりする事件が頻発する世の中ですから、悲しいことに、
少々のことでは動じなくなっていますが、このニュースにはかなりビックリしました。
週刊文春の“疑惑の銃弾”シリーズが始まったときにも大きなショックを受けました。
ヘリで運ばれてきたわが妻に発炎筒を手にした三浦容疑者が駆け寄り、必死に声をかける
シーンが繰り返し流され、“悲劇の夫”としてのポジションはほぼ固定されていましたから。
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しかし、週刊文春の記事が次々に暴いて行く嘘や矛盾には相当の説得力があって、初めは
疑心暗鬼の目で見ていた多くの人たちが“限りなく黒に近い灰色”という心象を持つまでに
それほどの時間は必要ではなかったと記憶しています。

今回の報道では“コールド・ケース”という単語がしきりに登場しています。
“迷宮入り”を意味する言葉です。この言葉を読んだとき、少し前に読み終えたマイケル・
コネリーの「Closers」がすぐに頭に浮かびました。
この本の中には、“Cold Case”という単語は確か一度しか出てきません。…と思います。ハハハ。
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そして、現地の報道では“Cold Case Homicide Unit”(コールド・ケース殺人捜査課)と
されていますが、小説では“Open/Unsolved Unit”です。同じ意味と考えていいでしょう。

コネリーの数ある作品の中でも、ハリー・ボッシュを主人公とする人気シリーズの舞台、
ロス市警(LAPD)にはOpen/Unsolved Unit があります。埋もれた過去の事件を掘り起こし、
当時の捜査資料をチェックして、重要な証拠を見落としてはいないか、DNAなど新しい
捜査方法を用いれば犯人にたどり着けるのではないかと、地道な作業を行います。

“Closer”とは、捜査を開始 (Open)したものの未解決(Unsolved)のままだった事件を
“解決する”ということでしょう。野球で、試合を締めくくるピッチャーをクローザーと
呼ぶのと同じです。
“Closers”と複数になっていますから、Open/Unsolved Unitで働く刑事たちを指して
いるのだと思われます。いずれにしても、今回の逮捕は彼らの作業の成果なのでしょう。

ただし、この部署ができたのはそんなに前ではありませんから、1981年の事件発生から
ずっと捜査が続いていたとは思えません。Open/Unsolved Unitが生まれてから、誰かが、
何かに着目して新たな証拠に結びつけたのかもしれません。ボッシュじゃないでしょうが。
ハハハ。

小説や映画の世界には、「本当にそんなものがあるのかい?」と疑いたくなる部署や人物が
しばしば出てきますが、今度のことで少なくともOpen/Unsolved Unitが実在することは
確認できたことになります。ハハハ。

小説「Closers」のストーリーも、今度のケースとよく似ています。
退職していたボッシュが3年ぶりに呼び戻されてこのOpen/Unsolved Unitに配属され、
10数年前に起きた少女殺人事件を解決に導くのですが、復職した日に署長とボッシュが
こんな会話をしています。

「私が着任したときに名前を変えたんだ。これはコールド・ケースなんかじゃないよ。
決して“冷たく”はならないんだ。そうは思わない人たちがいるのさ」
「分かります」
「じゃあ、そこに行って事件を解決してくれ。そこに君の腕が必要なんだ。君を必要と
しているのも、君が今ここにいるのもそのためなんだ。我々が忘れてしまったわけじゃ
ないことを見せてやってくれ。ロサンゼルスでは決して事件が迷宮入りしないことを」
「そうします」

この小説で事件解決のかぎになったのはDNAです。
現段階では“三浦逮捕”にはまだよく分からないことが多いですが、もしかするとDNAが
大きく関わっているかもしれませんし、アメリカの犯罪小説を読んでいるとひんぱんに
出てくる“Plea Bargain”(司法取引)があったのかもしれません。ある犯罪の容疑者として
逮捕された人物が、問われている罪を軽いものにしてもらうため、ほかの犯罪についての
情報(裁判での証言を含めて)を提供することを指す言葉です。こととしだいによっては、
検察がその取引に応じるのです。

量刑が厳しいものになると予想される犯罪の容疑者がそれを免れるために「実は27年前の
事件でミウラという日本人に頼まれて彼の妻を撃った」と自供した…かもしれません。
もうひとつ、日本ではあまり聞きませんが、アメリカでは“Snitch”の存在があります。
“密告者”です。ひどいときには、留置場や刑務所の中で「誰それがあの事件はオレが
やったと言っていた」というような証言をもとに重い量刑が科されることもあるようです。

新しい証拠(証言)はあるのかないのか?
いまのところLAPDは手の内を明かしていませんが、何もなくて逮捕するとは思いません。
“事件”がこのあと、どういう経過をたどるのか?アメリカ本土に移送されて起訴され、
ロサンゼルスで裁判が始まれば、また大騒ぎになることでしょう。
*ロスに移送されたその日に三浦は
 留置場内で首をつって自殺した。

アメリカの司法のことを何も知らずにこんなエントリーを書くのも“いい度胸”ですが、
「書きたい」と思うと筆が止まりません。ハハハ。

明るさの残る空に月 高く
行きつけのイタリアンでおいしいピザを食べた帰り
井の頭公園で見た。美しかった。
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by toruiwa2010 | 2015-12-23 09:11 | 自薦・厳選300? | Comments(2)
Commented by ひろ☆はっぴ at 2015-12-23 22:15 x
「書きたい」と思うと筆が止まりません…という気持ちを持つことが大事なんじゃないですか?好奇心が刺激されているという証拠でもあると思います。これが岩佐さんの気持ちの若さを保つ原動力ですね。

三浦容疑者…当時は悲劇の当事者でしたが、隣で一緒に号泣していた逸見さんの姿が目に浮かびます。あの頃まだ子供だった私には、背後にあんなドロドロしたものがあったとは想像もできませんでした。
Commented by toruiwa2010 at 2015-12-24 07:07
ひろ☆はっぴサン、おはようございます。

好奇心を刺激される範囲が狭まっていますが、
なんとか、キープしていきたいです。
世の中のことに興味が亡くなったら終わり…
みたいなものですからね。

私も、三浦の報道に触れるたびに逸見を
思い出します。あすで22年ですか。
若かったなあと思います。
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