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岩佐徹のOFF-MIKE

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海街diary No1 ~岩佐徹的2015映画ランキング~15/12/29

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今年は95本の映画を劇場で見ました。
90点をつけたのは10本の邦画と5本の洋画でした。人より多いと思います。
私の採点は世間的な評価より5点は甘いからです。見終わったところで、
映画ぴあなどの調査員に聞かれたときには“抑え目”に言うことにしています。
ハハハ。

「そこのみにて…」はカテゴリ的には“去年の作品”になるようですし、
「深夜食堂」、「アンフェア」には私の好みが強く出ていると自覚しています。

ちなみに…
主演男優:役所広司(日本のいちばん長い日)と永瀬正敏(あん)
主演女優:樹木希林(アン)、綾瀬はるか(海街diary)
助演男優:本木雅弘(日本のいちばん長い日)、柳葉敏郎(アゲイン)
助演女優:長澤まさみ(海街diary)、吉田羊(ビリギャル)

…が、強く印象に残ります。

*報知、日刊スポーツともに作品賞は「ソロモンの偽証」を選んでいます。

邦画

アゲイン 28年目の甲子園 
深夜食堂 
そこのみにて光り輝く 
おとこの一生 
映画 ビリギャル 
あん 
海街 diary
愛を積むひと
日本のいちばん長い日
アンフェア 

洋画

ジャッジ 
アメリカン・スナイパー
イミテーション・ゲーム 
アリスのままで 
007 スペクター 

この中で 邦画では「海街diary」、洋画では「アメリカン・スナイパー」を
今年の岩佐徹的No1に推したいと思います。

邦画No1:海街diary 

“優しいけどダメな人”だった父親の訃報が届いた。
家族を捨てて家を出て行った父は山形の山奥にあるさびれた温泉地で最期を迎えていた。
長女の幸(さち:綾瀬はるか)は「当直で行けないからあんたたちで行ってちょうだい」と
妹たち、次女・佳乃(長澤まさみ)と三女・千佳(ちか:夏帆)に頼んだ。
二人が小さな駅に着くと腹違いの妹、すず(広瀬すず)が迎えに来ていた。中学生だという。

式の途中で当直明けの幸もやって来た。友人の車で送ってもらったのだ。長女の責任を
果たなければという几帳面な彼女らしい行動だった。
葬儀が終わり、帰りの電車に乗り込んだとき、幸が見送りに来ていたすずに言った。
「鎌倉に来て私たちと一緒に住まない?」と。
血がつながっていない亡父の三度目の妻のところに残すのは不憫だと思ったのか。
少し考え込んでいたすずだが、ドアが閉まる寸前、「行きます」と元気よく言った。

江ノ電・極楽寺駅に近い古い家で四姉妹の生活が始まった…
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好きなタイプの映画だということもありますが、なかなか出来のいい作品に出会いました。
今年見た洋画・邦画合わせて45本の中でNo1です。いい気分で劇場をあとにしました。
とてもあと味のいい映画です。お勧めします。

初めて見た是枝裕和監督作品は2008年の「歩いても 歩いても」でした。とても気に入り、
95点をつけました。「おくりびと」がなければ、「クライマーズ・ハイ」と並んでこの年の
邦画ではNo1でした。
そのあとに見た「奇跡」(2011年)、「そして父になる」(2013年)も85点をつけています。
彼の映画だから見ようと思ったわけではなく、振り返ると…ということがほとんどです。
4本とも高い評価になったのは、つまり、是枝監督の描く世界が私の好みにぴったり…
ということなんでしょうね。ハズレがないのがすごいです。ハハハ。

物語、キャスト、演出・・・すべてのハーモニーが素晴らしく、褒めすぎだなあと思わない
でもないですが、どれをとってもこれという欠点が見当たりません。

綾瀬、長澤、夏帆、広瀬。
女優が4人…ではなく、本物の姉妹がそこにいるという空気感が心地よくしてくれます。
この映画が成功した最大の理由はそこにあると思います。その他のキャスティングにも
まったく違和感がありませんでした。滅多にないことです。

筋立てに無理がありません。さりげない会話の中に思いやりが感じられます。
幸と佳乃が言い合う場面のセリなどにリアリティがあってとっても生き生きしています。
是枝作品に共通するのはセリフが自然だということですね。シナリオがすごくいいです。

何か所かで挟み込まれる幸と恋人(堤真一)のシーンも好感が持てました。
いかにも現実にありそうな“距離感”でした。鎌倉の海岸を歩きながら、幸がある結論を
恋人に告げる場面が心に残ります。右から左に歩く二人が画面の外に出たところで幸が
ぽつんと言うのです。画面に映っているのは海だけ。やるもんだ…と思いました。ハハハ。

この監督の映画には共通するものがあります。
オープニング・シーンから「あ、この映画はリズムとフィーリングがぴったりくるな」と
観客に思わせ、会話の一つ一つに違和感がなく、ムダな演出・演技がないところです。
これまでに見た4本はどれも“出会えて嬉しい”作品でした。

褒めるだけ褒めたあとで、書きにくいですが、一点だけ気になったことがあります。
何人かの登場人物が口にするセリフの中にあった“アレ”です。
「こんなことを言うのはアレなんだけど…」など、話の対象や内容を“ピンポイント”に
言いたくない、言えないときに漠然と使う“アレ”です。誰にでも経験があると思います。
その意味では不自然ではないのですが、物語の中の“アレ”は明らかに浮いていました。
俳優たちはセリフの流れの中でさりげなく言っているつもりでしょうが、不自然でした。
監督が好きな言い回しのようですが、ちょっと“アレ”したほうがいいかも。ハハハ。

洋画No1:アメリカン・スナイパー

廃墟と化した街を戦車がゆっくりと行く。
その戦車に隠れるように、銃を構え、周囲に警戒の目を配りながら海兵隊員が進んでいた。

少し離れたビルの屋上にクリス・カイル(ブラドリー・クーパー)がいた。
腹這いになってスコープ付きのライフルで敵の動きを探っている。彼の任務は地上を行く
海兵隊員の安全を守ることだった。
向かいのビルの屋上に一人の男が姿を見せた。携帯で誰かと話している。カイルが無線で
指揮官の指示を仰いでいるうちに男は建物の中に消えた。

別のビルから黒いヒジャブをまとった女が10歳ぐらいに見える少年とともに現れた。
カイルの指が引き金にかかる。「何かを抱えているようだ。見えるか?」と問う彼に
指揮官は「ネガティブ(見えない)。お前の判断で撃て」と答える。
女から少年に何かが渡された。対戦車榴弾だ!

進んでくる戦車に向かって走り出す少年。カイルは静かに引き金を引いた。
倒れた少年に駆け寄り、榴弾を拾い上げた母親に向けてさらにもう一発。
アメリカ史上最強のスナイパー(狙撃手)とされるカイルの初めての仕事だった…
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緊張感漂う冒頭の数分間です。
この映画が公開されたとき、アメリカ国内では子供を含む160人以上を殺害したカイルを
ヒーローとして描くのはおかしいという批判があったと聞きます。
どこを見れば、そんな風に見えるのだろう? それが私の感想です。
終始一貫、自分の銃で敵を倒すことが国を守り、家族を守ると信じながら、撃っています。

そして、“伝説”(Legend)と呼ばれても的確に標的を仕留めることを誇ったり自慢したりは
していません。
むしろ、“YOUR CALL”(お前の判断)に任されることが多い極度のプレッシャーの中で
女性や子供を撃つことにはためらいがあり、「家族のもとに戻ってきてほしい」と懇願する
妻との確執に悩む男として描いています。

最後の数分間の処理がうまいと思います。エンドロールにかけてのストック映像を使った
ラストシーンに胸を揺さぶられました。
9.11のときグラウンド・ゼロに向かう警察官や消防隊員に敬意を込めて拍手を送っていた
市民の姿を思い出します。
帰還兵なのでしょうか、車いすで進み出て片手で星条旗を掲げた男性にぐっときました。
ヒーローっぽく扱った部分があるとすればこの数分間だけでしょう。
カウンセラーとの面談のとき、カイルが口にした言葉とともに心にしみました。
「なぜ彼らを殺したかを神に説明できる」。

イーストウッドは84歳ですが、賛否両論あるにしてもこれだけの力作を撮りました。
戦場の狂気と母国で家族と過ごす平穏な日々を鮮やかに対比させています。
彼の作品の主人公は“強い男”や“国を愛する男”が多いですが、必ず、心のどこかに
“傷”を負っていますね。それが観客の気持ちを惹きつけてやまないのだと思います。
公私ともに元気いっぱいのようです。あと何本か見せてほしいです。

余談1

クリス・カイルは2013年2月2日、元海兵隊員エディ・ルースの銃によって殺されました。
家族からの依頼を受け、PTSDに悩まされているルースに救いの手を差し伸べようとして
友人と一緒に出掛けて行った射撃練習場で撃たれたのです。
車の中でカイルは「こいつ、おかしいぞ」とメールで友人に警告しています。友人からは
「奴は俺の真後ろに座ってる。見張っててくれよ」と返しています。
警戒していたのに撃たれてしまったことが分かります。
ルースの裁判は現在進行中です。ここにもまた戦争の犠牲者が…

余談2

少なくとも二つの場面で 本物の赤ちゃんの代わりに人形を使っています。
予定していた赤ちゃんが熱を出したり来なかったりしたためだと、脚本家がツイッターで
呟いていました。(のちに削除)
一ヶ所は “見え見え”です。イーストウッドならもう少しうまく処理できたと思いますが、
なぜ、そのままにしたのか不思議です。

“ダメダメ”な映画

いい映画があれば、ダメな映画もありました。もちろん私にとって…ですが。
最後まで見た中でひどいと思ったのは以下の5本です。

ギャラクシー街道 40
フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ 60
カフェ・ド・フロール 70
龍三と七人の子分たち 70
イニシエーション・ラブ 70

ちなみに、途中で劇場を出たのは次の3本です。最後まで見るに値しませんでした。

雪の轍
岸辺の旅
キングスマン

“ダメダメ”No1:ギャラクシー街道 

予告編を見て、まったく食指が動かずパスするつもりでした。
公開されたあとメディアやネットで目にする評価はほぼすべてが“ネガティブ”でした。
特に、いくつかの映画サイトを覗くと酷評のオンパレード…天邪鬼なので、逆に興味を
そそられました。そんなに評判が悪いなら、どれほどダメなのかを見てやろうと。

ここ数年で、これほど
ひどい映画を見ていない。
評判が悪いと知り、ダメさ加減を
確かめるために出かけた。
救いがたい。
三谷はどうしてしまったんだ?


帰宅してそうつぶやきました。
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ドタバタ喜劇というものがあります。意味なくハチャメチャをやっていても面白いものは
面白いです。いちいちどこがおかしいのか、説明する必要はありません。笑いを生むのは
“理屈”ではありませんから。しかし、この映画はどうにもなりません。“覚悟”を決めて
出かけましたから最後まで見ましたが、普通だったら10分ぐらいで席を立ったでしょう。
それほど“ダメ”です。いいところが見つかりません。豪華なキャストが逆に気の毒です。

「古畑任三郎」のころの三谷は“才人”だと思っていました。しかし、その後は…
“大物”になって、誰も彼の“暴走”を止められないようです。ハリウッドなら制作者や
出資者がブレーキをかけたでしょう。…どころか、脚本の段階で1㌻ごとにダメ出しが
山ほど出たに違いありません。

劇場のどこかで若い女性グループがときどき声を上げて笑っていましたし、きっと三谷の
頭の中では面白いのでしょう。しかし、私の席の周囲では、スクリーンに映し出される
映像を見て笑っている人はほとんどいませんでした。恐ろしいことです。

才人がその“才”におぼれた…気づかぬまま。そういうことでしょうかね。
彼は来年の大河ドラマ「真田丸」の脚本家に起用されています。
NHKのスタッフもこの映画を見たに違いありません。いまごろ“真っ青”でしょう。
ハハハ。
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by toruiwa2010 | 2015-12-29 09:04 | 映画が好き | Comments(0)
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