ブログトップ | ログイン

岩佐徹のOFF-MIKE

toruiwa.exblog.jp

実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

まいったなあ「海よりもまだ深く」~ヴィクトリア…?~16/05/27

海よりもまだ深く 90

狭い団地の一室で母・淑子(樹木希林)と娘・千奈津(小林聡美)が話している。娘と言っても
千奈津は結婚して家を出ている。今日は久々の里帰りだ。数日前に夫を亡くし、片づけに
追われる母を手伝いに来ていたのだ。
会話の中で“大器晩成”という言葉が出たところで「ウチにもいるけどねェ…大器が」と
千奈津が言って首をすくめた。

“大器”とは千奈津の弟で長男の良多(阿部寛)のことだ。作家を目指している。
若いころに賞を獲ったことはあるものの、その後は鳴かず飛ばず、今は興信所に勤めて
食いつないでいる。別れた妻・響子(真木よう子)の養育費は滞りがち、一人息子・真悟との
月に一度の面会だけ楽しみにする日々だ…
d0164636_854081.jpg
探偵業は取材の手段だと言い張り、小説も書いている良多ですが、望みはなさそうです。
少しでも金が手に入ると競輪やパチンコに逃避する日々です。彼には今の自分をしっかり
認識する気がないのです。それでいて、別れた妻には未練があり、子供にはいい父親で
ありたいと願っています。

そんな男は世間に山ほどいそうですね。是枝裕和監督の目が優しく良多をとらえています。
映画のテーマは「誰もがなりたい大人になれるわけではない」だそうですが、監督が最も
得意とするところです。そういう是枝ワールドが私のストライクゾーンの真ん中です。
阿部、樹木、真木、小林のほか、リリー・フランキーや橋爪功が役にはまっています。
真悟役の吉澤太陽がとても自然な演技を見せます。舞台あいさつで阿部が「是枝監督は
子供の撮り方がうまい」と言っていましたが、その通りだと思いました。
阿部の後輩の探偵を演じる池松壮亮がずば抜けていいです。年末の賞レースで助演賞の
候補になってもおかしくないと思います。

相変わらず、脚本がいいですね。特にさりげない会話が素晴らしいです。母と娘、元夫婦、
父と息子、仕事仲間…“観察”が行き届いています。ドラマ「ゴーイングマイホーム」は
失敗作でしたが、家庭内での会話は秀逸でした。

「海街diary」のときにも書きましたが、やっぱり「アレ」が気になります。
何人かの登場人物が口にする“アレ”です。「こんなことを言うのはアレだけど…」など、
ぼかした言い方をするときに使いますが、この映画では何十回も出てきます。物語の中で
“アレ”は明らかに浮いています。
監督は作品を見るときに“アレ”しないのかなあ。ハハハ。

ま、それは別にして、素晴らしい!そして困りました。
「ロクヨン」を超える作品はなかなか出ないだろうと書いたばかりですが、間をおかずに
現れたじゃありませんか。ハハハ。
今年見た邦画でほかに90点をつけたのは「人生の約束」「ちはやふる」「ロクヨン」です。
「ロクヨン」の後編を見たあとで、どれか一作を選ぶことになりますが、悩みそうです。

ヴィクトリア 80

スペインから来たヴィクトリアはカフェでバイトをしながらベルリンを楽しんでいた。
深夜のクラブで地元の若者4人と出会い意気投合する。とりとめのない話で盛り上がり、
街をさまよいながら飲み明かした。
明け方、若者の一人に電話がかかった。刑務所で世話になったギャングから、街の銀行を
襲えという命令だった。その男に借金もしている若者は断れなかった。グループの仲間も
手伝うことになったが、一人が酔いつぶれたためにさらなる助っ人が必要だった…
d0164636_86288.jpg
カメラは若者たちをよく追いかけています。
“140分・ワンカット”が売りの映画ですからそうでないと始まりません。ハハハ。
“その面白さ”はあったかもしれませんが、それ以上ではありませんでした。
そもそも、ワンカットにする意味が伝わりませんでした。普通に考えたら、世界の若者に
共通する“刹那主義”的な生き方を表現したいのかな…ですが、成功しているのかどうか
私には分かりません。このとき周りはどうなっていたのだろうかと思うシーンでも描写が
足りないところがたくさんあったことを思うと、必ずしも成功とは言えないかも。

そして、“ワンカット”はウソだ、というつもりはありませんが、疑問は残ります。
以下6行、ネタバレになります。

クラブで踊りあかし(その途中から物語は始まります)、店の前で若者たちと出会い、彼らの
“行きつけの”ビルの屋上に場所を変えてさらに飲み、バイト先のカフェに送ってもらい、
ピアノなど弾き、電話で呼び出され、ガレージで強盗襲撃のリハーサル、銀行を開ける
支店長を襲い金を奪って逃走。警察に追われて逃げまどい、メンバーはバラバラになる。
彼女は若者の一人とアパートに忍びこんで赤ん坊を人質にして警察をあざむき、なんとか
ホテルにチェックインするが、若者は銃弾を浴びて重傷を負っていてまもなく絶命する。

果たして本当にこの量の“イベント”が140分でおさまるのでしょうか?
絵のつなぎ方に不自然なところはなかったので間違いはないと思うのですが、“疑い深い”
性格ですから、納得がいっていません。ハハハ。

渋谷イメージフォーラムは「カルテル・ランド」の方がむしろ混んでいました。

ファブリックの女王 50

これは…絶句します。
何を目的に作られたのか分からない作品になっています。
ファッションブランド“マリメッコ”の創業者、アルミ・ラティアの人生を描いています。
激しい性格の女性であったことは分かりますが、ドキュメンタリーなのか、劇映画なのか、
舞台劇なのかが判然としません。50点がやっとでしょう。
一目でそれと分かるマリメッコの生地を使った服でご来場の女性を何人か見かけましたが、
映画を見てどんな気持ちだったでしょうか?
d0164636_862880.jpg
マリメッコ…懐かしい響きがあります。
1977年にバレーボールの取材でフィンランドのヘルシンキに行きました。でかけるとき、
妻から雑誌の切り抜きを渡されて「なんでもいいから買って来て」と頼まれました。
それがマリメッコの生地でした。センスに自信はないのですが、シンプルなデザインで
明るい色調のものを買いました。

このときは、ほかに“アラビア”のナベとやかんも頼まれていました。
これも写真で確認して購入し、日本に送る手続きをしました。40年近い時が過ぎましたが、
大きなナベ以外はすべて健在です。
素朴なデザインに惹かれてついでに買ったナイフ・フォーク・スプーンも。
d0164636_15421072.jpg
そんなわけで、思い出を掘り起こしてくれましたが、映画はダメです。ハハハ。

殿、利息でござる 80
君がくれたグッドライフ 75


人気ブログランキングへ

⇑ 面白かったらクリックしてください。

by toruiwa2010 | 2016-05-27 08:56 | 映画が好き | Comments(0)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。