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岩佐徹のOFF-MIKE

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実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

ユーロ・ダイアリー 2 自薦・厳選300? 16/06/11

DAY 3 スウェーデン vs ブルガリア イタリア vs デンマーク ( 2004.06.17 初出 )

3日目、少し、空模様に変化が現れました。わずかですが、雲が見えたのです。ハハハ。
今日の試合は、グループCのスウェーデン対ブルガリアでした。会場は、このリスボンに
二つあるスタジアムのひとつ、ジョゼ・アルバラーデです。スポルティング・リスボンの
本拠地ですが、このユーロのために去年建て直された斬新なデザインのスタジアムです。
会場に着くと、周辺には両国のサポーターがかなりつめかけていました。こういう大会で
大勢のスウェーデン人を見かけるのはよくあることです。しかし、今日は、ブルガリアも
負けていませんでした。
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指定された駐車場を見つけるのに時間がかかり(表示の仕方が悪い!)、プレス・ルームに
たどり着いたのはギマラエスでのイタリアーデンマーク戦のキックオフとほぼ同時でした。
モニターが小さい上に数が少なく、やっと場所を確保したときには20分経過していました。
周りには北欧系と思われる記者の一団がいて、デンマークのチャンスの度に大きな声を
あげています。こんなときにデンマークの記者がリスボンにいるわけはありませんから、
同じ北欧勢の“よしみ”でスウェーデンの記者たちがデンマークを応援しているのだなと
分かりました。私のところからは、テレビの画面が斜めにしか見えず、スーパーされる
文字も読み取れません。「イタリアに丸坊主の選手がいるなあ」「デンマークの攻勢ばかり
目につくなあ」と思いながら見ていました。あとで東京から感想を求められる井原さんは、
最前列に強引にいすを持ち込んで高い位置のモニターを見上げていました。間違いなく、
明日は首が痛くなっているでしょう。ハハハ。
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こんな具合ですから、現地にいる私たちの“見る環境”は、実況を担当する試合以外は、
テレビの前の皆さんにくらべて決して恵まれているとは言えません。
ただし、申し訳ないことですが、テレビはどんなにきれいに見えても、あくまで2次元の
世界です。スタンドにいて初めて得られる立体感と、周囲360度から響いてくる大歓声の
醍醐味は味わえませんよね。この試合でも、後半12分にラーションが見せたダイビング・
ヘッドの美しさ!テレビにはスローで何度も楽しめる利点もあるでしょう。そかし、あの、
左からのクロスにたいしてフワーッと体を浮かせたラーションの体の線、インパクトから
ボールがゴール右隅に決まるまでの放物線、すべてを、高い放送席からリアル・タイム・
スローのように、じっくり、たっぷり堪能させてもらいました。
前日のレイリアに比べると高さもピッチからの距離も3倍ぐらいある放送席に、はじめは
「まいったなあ、なんだこれは?」とぼやいたことは覚えていません。ハハハ。
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あのゴールの直前、後半11分までの展開は、ブルガリアが2-1ぐらいでリードしていても
おかしくなかったと思います。あのヘッドから一気に流れが傾きました。
マン・オブ・ザ・マッチはもちろんラーションでした。一度はナショナル・チームから
引退していた彼が、監督の要請を受け、「せっかく呼んでくれた。将来 後悔したくない」と
考えて応じたラーション。
「ピッチの上だけではなく、存在そのものがチームに特別の力を与えてくれるんだ」と
監督は大絶賛です。そして、私の今大会のベスト・ゴールも、現段階ではあのゴールです。
おそらく大会が終わっても変わらないと思います。今回は6試合しか担当せず、準々決勝
一試合のあとポルトガルを離れる私にとっては、2試合目で“あのゴール”に出会えたのは
この上ない幸せです。

試合のあと、翌日早朝に帰国の途につく井原さんの慰労をかねて食事に行きました。

マイケはあらかじめホテルで道順を教えてもらっていましたが、とても、とても。
曲がりくねった道を右に左に、臨時ナビゲーターの私は緊張するばかりで役に立ちません。
ハハハ。
ラスト・オーダーは10時45分と聞いているのに、迷っている時点で11時近くでした。
先行しているスタッフが私たちの分も注文してくれてはいますが、気が気ではありません。
しかし!救いの神はいつ、どこにでもいてくれるものですね。途中で出会った家族連れに
道を尋ねると、少し説明したあと、「ついて来なさい」ということになって、2,3キロの
複雑な道のりを、わざわざ店の前まで案内してくださったのです。あの偶然の出会いが
なければ私たちは一晩中、走り回っていたことでしょう。いい人がいっぱいのポルトガル。
もう、こうなったら「フォルツァ・ポルトガル!!」しかないですね。
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DAY 4 チェコ vs ラトビア ドイツ vs オランダ

今日は、リスボン班はお休みです。
一同、昼間はプールに行ったり、買い物、洗濯など、雑事に追われたりしたようです。
私はロシアーポルトガル戦の準備でした。
6時半に吉雄Pと落ち合って食事に行きました。初めはほかにも参加者がいたのですが、
チェコーラトビア戦で、ラトビアがリードしていたために、今後の担当に関係している
メンバーが一人、二人と抜けてしまったのです。ビデオをセットしてあっても、基本的に
みんなサッカーが好きなんですね。私たちの計画では、この時間に出かければ、7時45分
キック・オフのドイツーオランダの大一番に間に合う計算でした。しかし、目指した店で、
「7時からだよ」と冷たく言われたところから狂いが出始めました。

隣の店に行くと、こちらも準備中のようでしたが、「いま、食べたいのだったらいいよ」と
受け入れてくれました。映像はひどかったもののテレビもつけてありました。
注文を終え、ビールが来て「おつかれさま」と乾杯したところで彼の携帯が鳴りました。
こういうときの電話でいいことがあったためしはありません。ハハハ。

店の外でしばらく話していた彼が戻ってきて「スタッフがパリで乗り継ぎに失敗しました。
ホテルに戻って処理をして来ます」と言うのです。取り残された私は、テレビを見ながら、
ビールを飲み、テーブルに積まれたパンをかじっていました。おいしくて、どうしても
手が出てしまうのです。彼が戻らなくても、私は食べ終えたらみんなと合流して試合を
見るつもりでした。

しかし、なかなか料理が出てきません。「もしかすると、彼が戻って来るのを待って調理を
遅らせているのかな」と思ったころ、彼が帰ってきました。すると、ウエイターがきて、
「さて、いいかな?」と言いました。やはり、待っていたのです。うれしいのですが、
これでは試合開始には間に合いません。覚悟を決めて料理を楽しみました。
結局、ホテルに戻ったとき、試合は前半の25分ぐらいまで進んでいました。

大勢で見るのは楽しいものです。
特に、信藤さんの解説に加え、サッカーにはうるさい連中の“ウンチク”付きですからね。
後者は、余計なことも入りますが。ハハハ。
みんなの話を総合すると、「力は上のはずのオランダが、ドイツを相手にすると、その力を
出せない」結果、1-1の引き分けに終わりました。視聴率も最高をマークしたそうです。

DAY 5 ロシア vs ポルトガル スペイン vs ギリシャ

担当はロシアーポルトガルです。
ともに第一戦を落としている両国にとっては“MUST WIN”の試合になりました。
特に、この日の第一試合でスペインとギリシャが引き分けると、勝たなければ、ベスト 8
進出のチャンスを失うことになります。
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ベンフィカの本拠地、ルス・スタジアムも、新しく立て替えられた見事な建物です。
しかし、不便なことに、プレス・ルームは放送席があるスタンドの反対側になっています。
体育館のようなそのプレス・ルームは、開放感があり、大きなモニターもあって、私は
気に入りました。信藤さんの話によれば、前回のときには空調がダメだったらしいですが、
この日はしっかり効いて快適でした。「大事ですから、必ず読んでください」と入り口で
リリースを渡されました。
「前回のイングランドーフランス戦のとき、セキュリティ・チェックのためにスタンドに
上がるのが遅れるジャーナリストが続出し、試合の開始が遅れた。今日は、たっぷりと
余裕をみて席に向かってください」とありました。
私は、実況担当のときはできるだけ早く放送席に座りたいタイプです。場内のスコア・
ボードにも映像は出ていると聞いて、スペインーギリシャ戦の前半が終わったところで
プレス・ルームを出ることにしました。

試合開始の2時間ぐらい前でしたが、スタジアム周辺はいつも通り、両国のサポーターで
ごった返していました。当然、地元、ポルトガル勢が数の上ではロシアを圧倒しています。
急勾配の階段を上がって席に到着すると、若い技術スタッフの村上君が緊張気味です。
信藤さんや私に「現場は初めてなんです。ヨロシクお願いします」と頭を下げてきました。
「自分にも、こんなに、初々しい時代があっただろうか?」「初めてなんで、と言われても、
特別なやり方はないしなあ」などと考えながら「ハイ、ヨロシク」と応じてスペイン戦の
後半に時々目をやりつつ最後の準備に入りました。
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信藤さんとは今回、この1試合しかコンビが組めません。
WOWOWの解説陣では、奥寺さん、早野さんについで長いお付き合いです。
仕事への取り組み方は一言でいうと“大真面目”です。おそらく、現場に持ち込む資料は
彼が一番多いでしょう。見ていて、時々こちらがあせることがあるくらいです。ハハハ。
その解説は、「サッカーをできるだけ分かりやすく伝えたい」というスタンスです。
サッカーを知る人の中での評価は高いものがあります。
仕事を離れれば、酒と食事をこよなく愛し、同時にサッカー仲間はもちろん、私たちの
ような仕事の仲間もとても大事にしてくれます。

一回きりプラスもうひとつの要因もあり、「ぜひいい放送にしたい」と念じていたのですが、
その思いが空回りしてしまいました。ミスが多く、今回最低のできでした。
担当が残っているあと3試合で巻き返したいと思っています。
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試合は、赤と緑のサポーター軍団に後押しされたポルトガルが、いろいろ問題を抱える
ロシアをかろうじて振り切り、勝ち点3をもぎ取りました。デコがいいと思いました。
出番が少なかったC・ロナウドも見ていて楽しい選手ですね。次のスペイン戦では、ぜひ
先発で使って欲しいものです。

スタジアムの外で、前日リスボン入りし、早速仕事をしている北沢さんたちと合流して
食事に行きました。なお、乗り継ぎに失敗しパリに一泊したスタッフはみんなのイジメに
会っていました。ポイントは「なぜ、乗り継ぎに失敗したのか?」「パリで遊びたいために
初めから仕組んでいたのではないか?」の2点です。鋭い追及にも、彼は明快な答えを
示すことなく、なすがままになっていました。ハハハ。
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深夜の街はポルトガルの初勝利に沸いていました。
レストランも満席のところが多く、ようやく、15人が入れる店を見つけたとき、すでに
11時20分になっていました。しかし、誰もが話し好き、酒好き、食べること好きですから、
そこから延々2時間近く、うたげは続きました。

では。

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by toruiwa2010 | 2016-06-11 06:49 | 自薦・厳選300? | Comments(2)
Commented by shin555 at 2016-06-11 09:33 x
ラーションのダイビングヘッド!
私も観ました、WOWOWの画面で🎶
週末のユーロ2004企画、楽しく懐かしく読んでいます(^-^)
Commented by toruiwa2010 at 2016-06-11 09:41
shin555さん、こんにちは。

私自身は、自分のことなので
あれこれと思い出すことを
楽しんでいます。
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