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岩佐徹のOFF-MIKE

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実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

北京五輪2008 -3自薦・厳選300? 16/07/18

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蛙王 2冠! ( 2008.08.14 初出 )

自信満々な人(女性は特に ハハハ)は苦手です。
正直言って、アテネ前後の北島の言動にもあまり好感を持っていませんでした。
しかし、連続2大会の2冠には素直に脱帽するしかありません。見上げたものです。
何を言っても許します。ハハハ。
準決勝の余裕のある泳ぎっぷりから見て、優勝はもちろん、世界新記録も間違いないと
思っていましたが、“望月”は少し欠けました。本人は、悔しいと言っていましたね。
でも、これで充分でしょう。

アテネから4年…この年月を北島はいったいどんな思いで過ごしてきたのでしょうか?
水泳のシーズンはほんの1-2ヶ月です。あとの10ヶ月はひたすらつらいトレーニングが
続きます。アテネで2冠を獲った彼は間違いなく世界の頂点に立っていました。しかし、
北京で再び同じことができる確信はなかったはずです。にもかかわらず、なにが起きるか
分からない“4年”という時間に挑もうと北島を駆り立てたものが何なのかを知りたいです。
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ケガがあり、“水着騒動”があって、開幕直前まで彼の周辺は平穏ではなかったはずです。
しかし、彼の自信は、いささかも揺るぎませんでした。いつも、自分を追い込んで力を
発揮するタイプです。同じタイプのアスリートは大勢いますが、みんなが成功するとは
限りません。どこかに自信がなければ、自分でかけたプレッシャーは、まわりからかかる
プレッシャー以上の力を持っているからです。大言壮語がウソのように惨敗するケースを
数多く見てきました。
結局、北島は自分の力、この4年間に積み上げた努力の質と量に絶対の自信があったから
落ち着いてレースに臨めたのだろうと思います。

同じように見えて100メートルと200メートルはまるで違う種目だという人もいます。
オリンピックで一度その2種目を制することだけでも大変なことなのに、4年を隔てて
2大会続けて連覇したのは“偉業”以外のなにものでもないでしょう。
“ゴールド・ハンター”、アメリカのマイケル・フェルプスも立派ですが、北島の活躍は
長く語り継がれることになると思います。

派手なガッツポーズのない、静かな優勝でした。
「優勝できたことを本当、感謝しています。もう一回、この場所に戻ってこれると思って
いなかったので…はい、もう一回この舞台に立てたことと一番高いところに登れることに、
皆さんに感謝しています。いろんなことがありましたけど、やはり、この舞台を夢見て
やってきたんで、本当に、自分ひとりではここまでこれなかったんで、そう考えると、
この喜びを本当にみなさんと分かち合えて嬉しいです、僕も」
勝っておごらない、謙虚な北島康介がいました。

あん馬で大きな失敗をしながら見事に銀メダルを獲得した19歳の内村航平
期待を背負ってたたみに上がったものの、2度も一本負けを喫した鈴木桂治
…オリンピックの光と影を見た思いです。


また・・・ ( 2008.08.15 初出 )


Olympics Women-QF
Li Na (China) d.Venus W (U.S.) 7-5 7-5
Zvonareva (Russia) d.Bammer (Austria) 6-3 3-6 6-3
Dementieva (Russia) d.Serena W (U.S.) 3-6 6-4 6-3
Jankovic (Serbia) vs Safina (Russia)  → 今日に順延

Men-QF
Blake (U.S.) d.Federer (Switzerland) 6-4 7-6(2)
Gonzalez (Chile) d.Mathieu (France) 6-4 6-4
Nadal (Spain) d.Melzer (Austria) 6-0 6-4
Djokovic (Serbia) d.Monfils (France) 4-6 6-1 6-4

オリンピックのテニスは波乱が多く、QFで、フェデラーやウイリアムズ姉妹も敗れました。
フェデラーが負けても、そんなに驚かなくなってしまった自分に驚きます。
競ったセットはありましたが、これまでの対戦成績は8勝0敗、しかも、タイブレークで
1セットを失っただけだったブレークにストレートで敗れました。
ダブルスを残しているものの、オリンピックとは相性がよくないようです。
試合は見られませんでした。どこかでやったのでしょうか?

APはこんな風に書き始めています。

Roger Federer directed an angry scream toward his feet. He swatted a stray ball
in frustration. He slapped his thigh, hung his head and stomped behind the baseline.
…怒りに駆られて大声を出し、苛立ってこぼれたボールを叩きつけ、ももをぴしゃりと
たたき、下を向き、ベースラインの後方で足を踏み鳴らした。

ほとんど同じ発言を引用しているロイターの書き出しは、APにくらべると、フェデラーに
対するリスペクトが感じられます。

Roger Federer was magnanimous in defeat on Friday after his hopes of a gold medal
in the Olympic singles were extinguished by American James Blake.
フェデラーはアメリカのブレークにオリンピックの金メダルという希望を打ち消された
あとも度量の大きいところを見せた。

「僕にとっては今年の目標の一つだったんだ。これはたしかに大きな打撃だね。もっと
いい結果を期待していたんだもの」
「彼とは何度も対戦したけど、これまでで最高だったと思うよ。彼のために嬉しいね。
いいやつなんだ。こうなったら優勝してほしいよ」

ウインブルドンで敗れたあと、「こうなったらオリンピックと全米オープンでがんばる」と
話していましたから、問題ないと思われたブレークを相手に“まさかの敗退”は、かなり
こたえるのではないでしょうか?
試合は第1ゲームからエラーが多く、関係ないかもしれませんが、チャレンジは4回とも
失敗したそうですからフラストレーションも相当溜まっていたに違いありません。

なお、雨で開始が大幅に遅れた昨日は、ジョコビッチの試合が終わったのが午前0時50分、
ナダルの試合は1時8分でした。

SFの組み合わせはつぎの通りです。

Dementieva vs Zvonareva
Li Na vs Jankovic/Safina

Blake vs Gonzalez
Djokovic vs Nadal


実況とは… ( 2008.08.15 初出 )

「ハハーン、やっぱり、NHKのアナウンサーたちには前回の“栄光への架け橋だ”からの
一種の“後遺症”があるんじゃないかなあ」
昨日の男子体操の個人総合や水泳を見ていて、そう思いました。

“実況”とは、アナウンサーがその場で見たこと、感じたことを、“ふさわしい”言葉で
伝えることだと考えています。WOWOWに移ってマイクの前に戻ってからは「スポーツの
感動は、プレーそのもの中にあるのだから、言葉で飾るのはやめよう」と、心に決めた私は
“押し付けがましい”アナウンスが好きではありません。
感動の“押し売り”やシドニーの「ゴール、ゴル、ゴル」のような感動の“横取り”は
お断りです。ハハハ。

しかし、昨日のアナウンサーたちは演技やレースのたびに「何かいいことを言わなければ」、
「うまい表現を挟まなくては」と見えないプレッシャーを感じながらしゃべっているのが
よくわかりました。しかも、結果は“空回り”です。
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7,8年前までは、放送の冒頭部分で常に“ひねった”フレーズを言うベテランのサッカー・
アナウンサーがいました。サッカー・ファンの間では、名アナウンサーとして、とても
人気があるアナウンサーでした。“ジェラシー”を感じたほどです。ウソですが。ハハハ。
まねをする後輩がいても不思議ではありません。
決定打がアテネの“架け橋”だったのです。

以下は、2年前ワールド・カップのときに書いた0766「作文コンクール」の再録です。
昨日の放送を聞いて感じたことと見事なまでに重なっています。私の“持論”ですから、
初めての方も、そのときに読んだ方も(お忘れでしょう)、この機会に読んでいただければ
さいわいです。

<<<声は届いています。はるか東の方から。
何百万何千万もの思いが大きな塊となって聞こえてくるようです。
遠かった道のりでした。日本の、世界の舞台に初めて登場するその相手はアルゼンチン。
世界が注目するカードです>>>

98ワールド・カップで日本が第1戦を戦ったときのアナウンサーの第一声です。

さらに・・・
<<<4年前のあの日が、昨日のことのようです。1400日をまたいで、かすかな負い目と
それを上回る自信を私達は胸のうちに秘めてきました。
今、ここに再び立ち上がるときがやってきました。第一戦の相手はベルギーです>>>

これは、2002年日韓ワールド・カップのときの同じアナウンサーのコメントです。
Yアナはサッカー・ファンの間では“神様”扱いのアナウンサーでした。

そして、これは今回のクロアチア戦でのUアナ・・・
<<<日本サッカーが問われる瞬間がやってきました。
90分間の集中力だけではありません。これまで費やしてきた日々を思い起こすことです。
決してくじけないことです。くじけたとき、日本サッカーのドイツでの挑戦は終わりを
告げます。
ワールド・カップ・ドイツ大会、グループ・リーグ日本対クロアチア。両チームともに
決勝トーナメント進出をかけて、生き残りをかけた一戦となりました>>>

…どこか似てませんか?
それより、お聞きになってどうでしたか?

私は“実況”を仕事にしてきた者として、納得がいきません。
何よりも、これは試合前夜のホテルの一室でも、もっと言えば、日本を出る前に自宅の
リビング・ルームでも作れる文章であることにガッカリするのです。
なぜ、スタジアムのスタンドに座っているあなた自身が見たまま、感じたままを言葉に
しないのですか?と問いたいのです。

言葉を商売道具として経験をつんできたアナウンサーなら、この程度の文章はいくらでも
作れるでしょう。
しかも、たったこれだけの文章なのに、ほころびがあって、私ならこのまま口にするのを
ためらいます。

舞台、状況がすでに感動を呼ぶようになっているのではありませんか?
“予定稿”と言いますが、用意した言葉が人の胸を打つと考えるのは錯覚です。
アテネ・オリンピック体操の「・・・栄光への架け橋だ」が典型的な例です。
あの、アナウンスがなくても、あの演技、数十年ぶりの団体金メダル・・・見ている人が
感動する要素は十分だったのですから。
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OFF-MIKEの0104「ああ、オリンピック」にこう書きました。
<<<最後の富田の演技が始まっている時の「富田が富田であることを証明すれば、日本は
勝ちます」と、フィニッシュに入るところでの「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への
架け橋だ」には、大きな疑問があります。
「ああ、黙った方がいいのになあ」と思いました。
私だったら、演技の前に「普通の演技ができれば金メダルは確実です」、フィニッシュに
入る直前には「さあフィニッシュです」の一言だけ、着地のあとは歓声が一段落するまで
黙ったでしょう。

これはテレビの前で見ているからの話で、その場にいたら、あるいは同じことをしていた
かもしれませんが。
そして、どちらがいいかは聞く人によって違うはずです。そこはもう「好み」ですからね。
ただ、確かに「アナウンサーはしゃべることが仕事」ですが、WOWOWに来てからの私は
「黙ることも大事だ」と考えてやってきましたからこういう感想を持ったのでしょう。>>>

さらに0117「スポーツ・近事片々」には、その“続き”として、こう書いています。
<<<彼の実況にも、私のコラムにも賛否両論でしたね。ハハハ。
NHK内での評価を知りたいものと思っていましたが、大相撲9月場所の千秋楽で、正面の
実況を任されていたところを見ると、きっと、評価はよかったのでしょう。 
しかし、結びの一番、朝青龍・魁皇戦で立会いの一言を聞いたときには思わず笑いました。 

12勝をあげ、すでに優勝を決めていた魁皇ですが、次の場所で横綱を狙うためには、もう
一番勝っておきたいところでした。それを踏まえて、これも事前に用意されたに違いない
一言が、立会いの一瞬にあわせて放たれました。
「13勝での優勝は、ツナ取りへの架け橋だ」!!見事な確信犯。ハハハ。

同時に、これで彼は、登場するたびに何か気のきいたことを言わなければいけないという
ラビリンス(迷宮)に踏みこんでしまいました。あーあ大変だ。
サッカーのYアナは立派な後継者を持ったことになりますけどね。>>>
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テレビ朝日の中継はビデオで見ました。
Kアナの出だしのアナウンスはこうでした。
「とてつもない興奮がこのスタジアム全体を包み込んでいます。
日本にとってグループ・リーグ第2戦の相手はクロアチア。
いよいよ日本、決勝トーナメント進出をかけた一戦が始まります。
開場と同時にみるみるスタンドが埋まって、日本の勝利を願うブルーなサポーターの
大歓声がフランケン・スタジアムにこだましています」

…私には、この部分だけは現場の空気とマッチしていて、NHKより共感できました。
しかし、いざ、試合が始まると、Uアナとの経験の差がはっきり出ます。
特に、競技場にいるからこそ分かる、ボールを持たない選手の動きなどの情報がほとんど
伝わってきませんでした。解説者が指摘したことをオウム返しに言っているだけのことが
多く、視野の狭さを感じます。後半10分ぐらいからは声が嗄れはじめ、果たして最後まで
もつのかと、はらはらさせられました。
周囲の歓声、テンションに巻き込まれて第一声のトーンが高くなってしまうのは、経験の
浅いアナウンサーにはありがちなことです。この場合、元に戻すのがとても難しいのです。
Kアナは代表戦だけでもかなりこなしているのですから、若手ではあっても経験は十分の
はずですが、体調でも悪かったのでしょうか。

NHKのアナにもひと言、クレームをつけておきましょう。
N・U両アナには、解説者を“無視する”こと以外にも共通点があります。
“シューズ”のことを“スパイク”と言います。「スパイクを替えている」・・・。
何回か聞きました。
気づいていない可能性があるのですから、ディレクターは注意すべきです。***
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もうひとつはUアナ。
柳沢が倒され、ゴールのほぼ正面でFKを得た場面で「距離、20㍍あまり…」と
アナウンスしていました。
実際には30㍍近くあり、井原さんは「距離はありますけど…」と微妙な言い方で訂正して
いました。ハハハ。
サッカーの競技場で距離を推定する場合、絶好の目安になるのは、くっきりとピッチに
ついている“芝目”です。一本の幅は5.5㍍と思って間違いありません。
ほかのピッチも大体同じですから注意してみてください。

ゴールラインからペナルティー・スポット(×印)までは、もちろん11㍍ですが、濃淡の
芝目がちょうど2本ついていることから簡単に割り出せますね。
PKのときにほかの選手が入れない範囲を示すペナルティー・アークの半径は9.15㍍です。
つまり、ゴールラインからペナルティー・アークの頂点までは20.15㍍なんです。
問題のFKスポットは、そこからさらに芝目二つ分ぐらい離れていたのですから「20㍍
あまり」は正確さに欠ける表現と言わざるを得ません。
この数字は、ゴール中央からペナルティー・エリアの角までの距離(教えません。自分で
計算してみましょう)などとともに、サッカーを実況するからには心得ておかなければ
ならないものです。

自制はしているつもりですが、この手の話を書くと、どうしても“上から見た”言い方に
なってしまいます。
好きなアナウンサーのことを批判されるのは気分のいいものではないでしょう。

カテゴリーが“放送”となっていたら“警戒警報”だと思ってください。
興味がない方はお読みにならないことをお勧めします。

似たような話を繰り返し書くのは、いつか実況についての考え方をまとめたいと思って
いるからです。
そのためには、お叱りにめげず、もっともっと精を出さないといけません。ハハハ。

…どうだ、参ったか?という書き方になっています。
しかし、読み返してみても、訂正するようなところはどこにもありません。ハハハ。

繰り返しになりますが、“ごひいき”のアナウンサーのことを悪く書いている部分が
あったら、おわびします。
ただ、“後期高齢”アナ(ハハハ)としては、最近の“絶叫中継”や“作文実況”には、
いささか我慢がなりませんのでご容赦ください。

***英語でも spike と書かれていることがあります。
私が考えすぎていたようです。


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by toruiwa2010 | 2016-07-18 08:38 | 自薦・厳選300? | Comments(0)
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