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岩佐徹のOFF-MIKE

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よかった「聖の青春」~ほかの3本もなかなかだった~16/11/25

(さとし)の青春 90


1階は商店、2階はアパート、そんな建物が並ぶ大阪の下町。

朝、金物屋の主人が店先に出てきて大きく伸びをする。視線の先に異様なものがあった。

ゴミ置き場の横に体の大きな男が一人 鉄の柵にもたれかかっていた。2階の住人だった。

スーツ姿でネクタイを締め、身なりはきちんとしている。駆け寄ったオヤジに男が言った。

「会館まで連れて行ってくれませんか」。


将棋会館に到着したタクシーから降りるとオヤジの肩を借りてかろうじて部屋につく。

盤の前の座布団に正座すると、盤上の駒袋から駒を取り出し、一枚ずつ並べていく。

立ち合い人に促されて第一手を指す。7六歩。9枚並ぶ歩の左から3番目を突いて出た。


男は村山聖(さとし:松山ケンイチ)、関西では怪童と呼ばれる棋士だった

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将棋界では羽生善治(東出昌大)が史上初の五冠を達成し、飛ぶ鳥を落とす勢いでした。

聖はその羽生を追うグループの一人として将来を嘱望されていましたが、大きなハンデを

背負っていました。幼いころから重い腎臓病、ネフローゼを患っていたのです。

羽生を倒さなければ将棋の世界でトップになれないと、意を決して東京に移ったころには

病気が進行していました。しかし、回復に半年、1年かかると聞いて手術を拒みます。


羽生を倒すことだけを目標とする聖の前に病気が立ちふさがっていたのです。

時間が限られている聖は人生のすべてを将棋に集中させます。焦り、いらだつ聖を松山が

余すところなく演じています。病気が原因で太ってしまう聖に扮するため20キロ増量し、

体形が変わってしまった松山はまったく別人のように見えますが、そうしないと聖には

なり切れないと思ったのでしょう。役者魂と言いますが、それを超えるものを感じました。


羽生との友情の在り方がいいですね。挫折を知らずにトップに駆け上がった羽生に対し、

病魔と闘いながらその羽生に追いつき追い越そうと努力を重ねた村山、キャラクターが

真逆に見える二人の間に流れた“相手を認める”感情は美しいと思いました。

やりたいことがあるのに残された時間は短かい…つきつけられた厳しい現実と格闘し、

29歳で逝ったという村山聖は“無念”だったでしょうか?

私には、生き切ったことに満足感があるように見えますが、答えはもちろん本人にしか

分からないことですね。


蛇足ですが、東出は羽生に似せようとしすぎて失敗した気がします。


92歳のパリジェンヌ 85


鏡を見ながらマドレーヌは口紅を塗っていた。今日は家族に話そうと心に決めていた。

娘のディアーヌの家で92回目の誕生日が祝われることになっていて全員が集まるのだ。


祝いの席でマドレーヌが告げた。

2ヶ月後の1017日に逝くことにしたわ。その日が来たのよ」と。

しばらく、家族の誰ひとり 口を開かなかった…

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“老い”の問題は厄介ですが、誰にもやがて必ず訪れます。有名でも金持ちでも。ハハハ。

この映画の評価は見る人の年齢によって大きく分かれると思います。78歳の私にとっては

きわめて身近な問題ですから、そう遠くない将来、我が身にも起こることとして見ました。

当然、“身につまされる”シーンが何度も出てきました。


彼女は通いの家政婦に手伝ってもらって一人暮らしをしていますが、きつくなっています。

車を運転すれば、せまい道でエンストを起こして渋滞を招くし、先日は尿もれでシーツを

汚してしまいました。家政婦のヴィクトリアは優しく慰めてくれますが、“いよいよだ”と

覚悟しました。気力がなくなって、日常生活で不便なことが増えてきたら、この世から

いなくなろうと決めていたのです。


マドレーヌは家族に迷惑をかけたくないとかたくなに思っています。私も同じです。

自分で判断できるうちに逝きたいと願っています。私も同じです。

そこから先は人それぞれです。個々の事情に大きく左右されるでしょう。

物語の結末についての感想も人によって違うでしょう。また、こういう映画の評価には

信仰を持っているかどうかも影響を与えるでしょうし、一定の条件のもとで“安楽死”を

認めている国があるヨーロッパと日本では受け止め方に差があるだろうと思います。


ブルゴーニュで会いましょう 90


シャルリのテイスティングが続いている。定評のある評論家だった。

色、香り、味、そして後味まで手際よく判定し、短くコメントする。女性アシスタントが

メモを取っている。最後に総合点をつける。20点満点だが二桁に達するものは滅多にない。

今年で7年目になる彼のワインブックはよく売れていた。

シャルリは束縛を嫌い、父親に反抗して若いころに家をとびだし、パリで評論家として

頭角をあらわしていた。目下、順風満帆だった。


父・フランソワはピンチを迎えていた。

先祖から受け継いできたワイナリーが巨額の負債を抱え、人生をかけてきたブドウ園を

売却しなければいけないところまで追いつめられていた…

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結局、シャルリがブルゴーニュに戻って立て直しを図ることになりました。

この手のタイトルには何回となく騙されてきましたが、期待以上に良かったです。


絵のように美しいブドウ畑。

改めて知るワイン造りのプロセス、自然との闘い。

少しうまくいきすぎるなあと思う部分はあるものの、いろいろなエピソードがいい具合に

溶け合っています。普通だったら“不倫だ”と非難されそうなシャルリと隣の農園の娘との

恋物語さえ、美しいと思ってしまいました。“ゲス”でない不倫。ハハハ。


原題は“プレミエ・クリュ”…1級の畠と言うことのようです。シャルリのブドウ園全体を

指すのではなく、極めて質の高いブドウが取れるのはわずかな一角らしいです。


マイ・ベスト・フレンド 85


小学生のとき ジェスがアメリカからロンドンに来て、ミリーのクラスに編入されて以来、

二人は親友だった。派手で社交的なミリー、地味で控えめなジェス、性格は正反対だが、

気が合った。どこに行くのも、何をするのも一緒だった…

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二人の友情は結婚してからも続きます。

しかし、ミリー(トニ・コレット)2児を授かりますが、ジェス(ドリュー・バリモア)

懸命の努力にもかかわらず子宝に恵まれません。それでも友情は変わりませんでした。

ある日、ミリーに乳がんが宣告されます。ほぼ同時にジェスは懐妊します!

親友には死の宣告、自分には念願の妊娠…運命のいたずらです。


ミリーの不屈の精神力には圧倒されます。ジェスの変わらぬ友情も美しいです。

しかし、二人の関係は“理想”でしょうね。現実には、なかなかここまで思い合う友達は

いないだろうと思います。えっ、いますか? 

まあ、普通の友人も少ない私には何も言えませんが。ハハハ。


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by toruiwa2010 | 2016-11-25 08:41 | 映画が好き | Comments(0)
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