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岩佐徹のOFF-MIKE

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“腐ったトマト”?~必ずしも一致しないけど~16/12/02

胸騒ぎのシチリア 80


圧倒的な人気を誇るロック歌手・マリアン(ティルだ・スウィントン)は、恋人・ポール

(マティアス・スーナールツ)と手術をしたばかりの声帯を癒しながら休暇を楽しんでいた。

イタリアのシチリア島とアフリカ大陸のちょうど中間、地中海の真ん中に浮かぶ小さな島、

パンテッレリア島は忙しいスケジュールを逃れて恋人同士が過ごすには絶好の場所だった。


彼らが借りている家は丘の中腹にあり、食事や買い物でふもとの村に出かけるとき以外は

まともに服も身にまとわないでいられる。その“自由”は上空を飛ぶ飛行機からの電話で

あっさり終わりを告げた。迷惑な声の主はマリアンの“元カレ”でポールもよく知っている

音楽プロデューサー、ハリー(レイフ・ファインズ)だった。


しぶしぶ空港に出迎えた二人の前に姿を見せたハリーはやたらテンションが高かった。

あとからゲートを出てきた若い女(ダコタ・ジョンソン)を娘だと紹介した。


二人の悪い予感は的中する…

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見に行くなら、物語の舞台を頭に入れておくといいかもしれません。

鹿児島の桜島、熱海の初島のように、パンテッレリア島はシチリアの近くにあるとばかり

思っていましたが、こんなところにあるんですね。大金をつぎ込んだリゾート地ではなく

お忍びカップルのプライバシーが保てるのが売りというタイプの観光地のようです。


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金持ちたちは素朴な自然や完全なプライバシーを求めてこの島に来るのでしょう。

酒と食事とセックス…彼らがいささか“乱れた”生活を送る島の沖合の海では中東の難民が

毎日のように命を落としています。描かれてはいませんが、話として伝わります。真意は

分からないものの、制作者には伝えたい気持ちがあったのだと思います。


日本人にはハリーという人物が理解しにくいかもしれません。少なくとも私は、いきなり

彼がマリアンと別れたあとの苦しみについて話すことに強い違和感がありました。

「君の生活ぶりを見てると、とてもそんなことでへこむようには見えないぜ」と言いたい

衝動にかられます。ハハハ。


この映画は最後の30分ほどで思いもかけない展開を見せます。そして、私に言わせれば、

かなりいい加減な終わり方をします。ネタバレになるので書きませんが、イタリア人が

見たらきっと“vaffanculo!”(バッファンクーロ)と言うでしょうね。アメリカの映画人は

イタリアに行ってもしばらくはカラビニエリに近寄らない方がいいかもしれません。ハハハ。


余談ですが、ヌードも披露するスウィントンが撮影した当時、55歳だったとあとで知って、

腰が抜けるほどびっくりしました。その年齢で“脱げる”日本人女優って誰がいるだろう…と

考え込んでしまいました。かろうじて頭に浮かんだのは宮沢りえだけでした

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もう一つ驚いたのは、NYタイムズ、LAタイムズ、ボストン・グローブ、ワシントン・

ポスト、USAトゥデイ、AP、ローリング・ストーン、ヴァラエティといったメディアの

コラムニストたちが好意的な記事を書いていることです。

ときどき参考にしている“くさったトマト”では35人の記者・評論家たちのうち30人が

書いた記事について「この映画を“新鮮”と認めている」と判定しています。


ま、エロティックなシーンやぼかしの入った裸を見たければどうぞ。

ちなみに、初日の2回目、1055分からの回、ピカデリーは30人ぐらいしか入って

いませんでした。


ハンズ・オブ・ラヴ 85


ニュージャージー州オーシャン郡の女性刑事、ローレル(ジュリアン・ムーア)は自分が

同性愛者であることを相棒・デーン(マイケル・シャノン)にも隠していた。オーシャンは

保守的な土地だったし、警察という組織の性格も決して“オープン”ではなかったからだ。

自動車整備工のステーシー(エレン・ペイジ)と出会い、郊外の一軒家で同居が始まった。

しばらくは、それなりに幸せな生活が続いたが、ある日、ローレルにがんが宣告された。


かなり進行した肺がんだった…

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問題はそれだけではありません。余命が短いことを知ったローレルは自分が死んだあと、

ステーシーが遺族年金を受け取れるようにしたいと考えます。“妻”なら問題ないのですが、

当時のニュージャージー州はまだ同性婚を認めていませんでした。

命の期限を切られ、周りの目も厳しい中でローレルはステーシーやデーンの助けを借りて

抗議行動を続けます。


同性愛についてはどんなに努力してもよく理解できません。

現在の私の周囲にはいませんが、若いころに友人がそうだったら、少しずつ疎遠になって

いったでしょう。差別する気持ちはないものの、“不自然”という気持ちは抑えられません。

ただし、この映画の主題は同性愛ではなく、権利を求めて戦う人の強さです。

その部分では十分に訴える力がある映画でした。「胸騒ぎ…」とは逆に“くさったトマト”の

評価はびっくりするほど低かったのですが、私の基準では85点に値すると思います。


ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち 85


第二次世界大戦前夜、チェコスロヴァキアはナチスドイツの脅威にさらされていた。

特にユダヤ人は戦争の足音が高まる中で子供たちの命をどう守るかが喫緊の課題だった…

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この映画で初めて知りましたが、チェコで本当にあった物語です。

当時の記録映像やニュース映像と一部再現ドラマで構成された映画の主人公はイギリスの

ビジネスマン、ニコラス・ウィントンです。

自分たちはどうなってもいい、せめて子供の命を助けたい…絶望的な親たちの依頼を受け、

ウィントンは子供たちを自分の母国に送り、そこで希望するイギリス国民と養子縁組する

仕組みを考えて実行に移したのです。


この仕組みによって669人もの子どもたちの命が救われましたが、ウィントンの存在は

長い間、世に知られていませんでした。“救出劇”から50年後の1988年、彼の妻が物置で

ほこりをかぶったスクラップブックを見つけたことで明るみに出ました。そこにすべてが

記されていたからです。


一人の男の行動がきっかけで命を救われた669人の子どもたち、彼らの子や孫…どこまで

“裾野”が広がっていくかを考えると感動します。終わりに近いころ、館内にはたくさんの

すすり泣きが聞こえました。


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by toruiwa2010 | 2016-12-02 08:41 | 映画が好き | Comments(0)
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