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岩佐徹のOFF-MIKE

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面白かった一冊~みんな、うまいもんだ~16/12/15

先日、映画を見に銀座に出かけた。シネスイッチ銀座のラインナップは魅力的なのだが、
ここはなぜかオンライン予約ができない。自分の好みの席で見たいと思えば、たっぷりと
余裕を持って劇場に行き、チケットを買うしかない。必然的に時間があまる。どうするか?
私たち夫婦はチケット購入後、まず 近くのプランタンに行き、好物・“アンジェリーナ”の
モンブランをいただく。映画を見る前だから飲み物は無用だが、この店では「すみません、
ワンドリンクをお願いしてるんです」と言われてしまう。ガッデム!ハハハ。
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会話の少ない夫婦はケーキを心行くまで楽しんだあとでも時間が余る。劇場方向に戻り、
教文館に入る。書店だ。2階に上がると、それぞれ自由行動で本を見て回る。
俳句関係の本やミステリー本など…ふと、思い出したことがあった。「アメトーーク」の
“本屋で…読書芸人”の回だ。
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又吉直樹、光浦靖子、若林正恭、カズレーザー…本好きな芸人たちが読書の楽しさを語る
“恒例”の企画の中で光浦が勧めていた本が気になっていたのだ。“ながら見”だったので
はっきり分からなかったが、小説の書き出し部分だけを集めた本らしかった。
タイトルも覚えておらず、どこを探せばいいのかもさっぱりだったのでベテランらしい
店員さんを捕まえて尋ねると、話の途中で「ああ、それなら…」と連れて行かれた先に、
“アメトーーク:読書芸人が勧める本”がまとめられた“コーナー”があった!
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プロの作家の作品から書き出し部分だけを集めたのだと思いこんでいたが、そうではなく、
ネットサイト“デイリーポータルZ”で一般から募ったものだった。
当ブログに 毎日の記事で書き出しに苦労していることは書いているし、「文章作法」など
いくつかの記事で“小説を書くなら”と、何作か披露した。例えば…

トンネルを抜けて間もなく右手の視界が開け、雪をかぶった富士山が姿を見せた。

抜けるように青い空にひとつだけ浮かんだ雲は動く気配がなかった。風がないようだ。

「昨日の話なんだけどさあ」。いきなり睦が会話の流れとは関係のない話をはじめた。

その朝のことは忘れない。元気に走り出した琴子の後ろ姿。「パパ行ってきます」の声。

バックミラーに映る後続の車がやけに近く感じられた。辰夫の胸をかすかな不安がよぎる。

やむ気配のない雨の中を広志は駅に向かっていた。約束の時間に遅れそうだった。

「よしましょうよ、こんな話…」。しばらく続いた沈黙のあと、芳江が言った。
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突然の雷だった。何の予告も無く、大音響が建物を揺らした。

200メートルほど先にカーブが見えてきた。ハンドルを握る正夫の手に緊張が走る。
どういうものか、左カーブが苦手なのだ。

その朝のことは、今でも鮮やかに思い出すことが出来る。何よりも、夜半まで
降っていた雨がうそのような真っ青な空が目に浮かぶ。

黒い雲が低く垂れこめていた。遠くで雷が鳴っている。線路際のアジサイがきれいだ。

初めてのデートでラーメンを食べに行ったのは失敗だったかもしれない。

エリア内でパスを受けた本田が左足を振りぬくと、ボールは勢いよくネットを揺らした。

その若い女はまるで周囲にだれもいないかのような顔で眉毛の手入れを続けていた。

「何よ、それ」。鋭い声で明美が言った。その瞬間、部屋の空気が変わるのが分かった。

「分かったわ」と美代子が言った。強い意志がこもった言い方だった。

建物の外に出ると、暗くなっていた。しかも、静かに雨が降り始めていた。

「君たち。それくらいにしたらどうかね」。
 奥の席にいた紳士が声をかけて来た。知らぬ間に声が大きくなっていたようだ。

久しぶりに長い距離を走ったが、楽勝だった。武史の顔に笑みが広がる。

場内が明るくなったとき横を見ると、妻の目が潤んでいた。そうだよなと思った。

1枚目はマルゲリータと決めていた。そのあとをクァトロフォルマッジにするか
生ハムとルッコラのピザにするか、まだ迷っていた。

…いくつかはそのまま書き続けられそうだが、多くは物語の“先”が描けそうもない。
だから小説家は目指していないわけだが。ハハハ。

さて、読むのに時間がかかりそうもなかったので購入して帰ったこの本は、思った通り
1時間少々で読み終えた。本になるほどだから面白いものが多い。
中でもタイトルにもなっている“挫折を経て、猫は丸くなった。(もんぜん)”はうまいなあ。
どんな物語を続けても違和感がなさそうだ。

ほかにも…
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カナブンが一直線に飛んできた。私のファーストキスだった。(日向)

「これの色違いありますか」八百屋に妙な客が来た。(義ん母)

通りすがりの鼻唄盗んで夕暮れの商店街をすり抜ける。(Xissa)

深夜の公園に懐中電灯のあかりがふたつ。何かを捜している。(Xissa)

その罵倒が告白だと気づいたのは翌日の放課後だった。(Suzukishika)

欠伸をすると、祭り囃子がすこし遠ざかった。(紀野珍)

父の遺品はすべて二つセットだった。心配性な父は予備を買っておく癖があった。
有楽町で私そっくりな人に出会った。(山本ゆうご)

高層階の蚊はエレベーターでやってくる。(Gyudon)

ガンジーが生涯でただ一人、殴った男の話をしよう。(高橋明治男)

特に、“通りすがりの…”が大好きだ。
読了後、私も上記の“作品”で応募したら、いくつか採用されたかもしれないと思った。
うぬぼれとそしられるだろうが。ハハハ。

本を閉じたあと、「この程度なら俺にもチャンスがあったなあ」と徹は思った。ハハハ。

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でもって、今日はフルーツケーキ。
年末か新年にかけては1キロ増を覚悟。


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by toruiwa2010 | 2016-12-15 09:15 | 読書・歌・趣味 | Comments(2)
Commented by 花みさき at 2016-12-15 11:10 x
岩佐さん、こんにちは。
岩佐さんのその後の物語、読んでみたいと思いました。
昨日の奥様お手製のチーズケーキ、今日のフルーツケーキ、
美味しそうですね~。ベルト緩めて頬張る姿が浮かびます。
私もケーキ作ってみようかな~(^^♪
Commented by toruiwa2010 at 2016-12-15 12:28
花みさきサン、こんにちは。

手製のケーキは"気持ち"のものですから
少々、型崩れしたって関係ありません。
作ってあげる相手がいるならぜひ。
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