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岩佐徹のOFF-MIKE

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年の瀬に90点が2本!!~アイ・イン・ザ・スカイ&SMOKE~ 16/12/27

アイ・イン・ザ・スカイ 90


アフリカ東部、ケニアの首都ナイロビ郊外に粗末な住宅が立ち並ぶ一角がある。

早朝だったが、一軒の家の庭で少女がフラフープをしていた。父親のお手製だった。


この日、同じ時間帯のナイロビ上空20000フイートには米軍の無人機、ドローンが飛び、

イギリスで、アメリカでも緊張をはらんだ慌ただしい動きがあった。その中心にいたのは

イギリス陸軍のキャサリン・パウエル大佐(ヘレン、ミレン)だった。国際的な共同作戦で

テロリストを追っていた。6年をかけてようやく見つけ出したイギリス人とアメリカ人の

ターゲットをこの日 捕獲することになっていた…

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戦争ではなく、テロとの戦いを描いています。

当初、この作戦では上空を飛ぶ米軍のドローン“リーパー”と地上に展開する諜報員が操る

ハチドリや虫の形のロボット・カメラで標的が一軒の家に集まったことを確認できたら、

ケニア軍が急襲して“生け捕り”にする予定でした。しかし、ロボットのカメラが 別室で

自爆テロの準備が進んでいる映像を送ってきたことでこの作戦は一変します。

その場で殺害しないと大勢の犠牲者が出るからです。


キャサリンはアメリカ・ネバダ州の米軍基地を介して“リーパー”からのミサイル発射を

依頼する一方、イギリス国内の作戦本部に攻撃の許可を求めます。発射準備は整いますが、

一般市民を巻き添えにすることを恐れて許可はなかなかおりません。遠く離れた本部で

議論されるのは少女の命よりも、リスクを冒してGOを出したときの政治的、法律的な

責任がどうなるかに比重が置かれています。

しかも、やっと許可が下りたかと思えば今度は標的の民家の横にオープニング・シーンで

フラフープを回していた少女・アイアが来て母親が焼いたパンを売る準備を始めます!


新しい問題が持ち上がり、やきもきするキャサリン、作戦本部、ミサイル発射を担当する

ネバダの基地、そして、発射ボタンに指をかけて命令を待つ兵隊の気持ちは ロボットや

ドローンのカメラがとらえる精密な映像を前にして千々に乱れます。


現代の戦争で用いられるドローンが陰の主役になっているのがこの映画の特徴です。

今回はアフリカ上空のドローンをネバダの基地の一室から操作していました。

実際の戦場から数千キロ離れた場所から戦闘に参加するのです。絶対に自分には身体的な

危険が及ぶことはありません。物語として見る者には“ゲーム”の感覚です。…であっても、

自分たちの決断・命令・行動が引き起こす結果は高精度カメラの画像で突き付けられます。

非現実のように見えるけど“現実”です。


作戦が終了したとき、作戦本部に参加していた女性の政府関係者が「恥ずべき作戦ね」と

本部を取り仕切り、キャサリンと直接やり取りしていた将官に言います。的を射ています。

しかし、彼は厳しい顔で言い返しました。


「テロの直後の現場を5回も見ている

戦争の代償を知らぬなどと、二度と軍人に言うな」。


戦争の現代的な側面を伝える映画として高く評価します。


ヒトラーの忘れもの 85


19455月、デンマーク。

5年に及んだドイツによる占領が終わり、敗れたドイツ兵が長い列を作って行進していた。


翌日、海岸に駆り出された14名の兵士の一群があつた。少年兵だった。

“戦争の後始末”として彼らに与えられた任務は海岸に埋められた地雷の除去作業だった。

ドイツ軍は北海に面したデンマークの西海岸一帯に220万個もの地雷を敷設していた。

連合軍の上陸を阻止するためだった。


彼らに命令を下し、監視するのはカールという名の鬼軍曹だった…

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鑑賞中ずっと、緊張を強いられました。上映時間の何割か分かりませんが、少年たちは

浜辺に腹ばいになり素手で砂をかき分けながら地雷から信管を抜いて処理していきます。

どの瞬間かに爆発する 膨らみ続ける風船をリレーするゲームをやっている感覚でした。


少年とはいっても捕虜になったドイツ兵ですから困難な作業を命じられるのも仕方がない

かもしれませんが、本当に幼い顔つきの彼らがカールの容赦ない罵声を浴びて、必死に

地雷に取り組む姿を見ていると、彼らもまた戦争の犠牲者だと思えてきます。

その意味では、珍しく、原題の“Land of Mines”「地雷の土地」より邦題の方がぴったりです。

地雷も少年兵も“ヒトラーの忘れもの”ですね。


見て楽しい映画ではありませんが、この機会に歴史に埋もれた知られざる事実を知るのは

いいことかもしれません。


この世界の片隅に 85


昭和85月の広島市江波。

この瀬戸内海に近い小さな町で、まだ幼かった浦野すず(声:のん)の毎日は、おだやかに、

平和に過ぎていた。それは、戦争が始まっても、しばらくは変わらなかった。

昭和19年、すずは望まれて海軍の街で知られる呉(くれ)で鎮守府に努める男に嫁いだ。


つかみどころがなく、のんびりした性格のすずは優しい夫の愛情に守られて新しい環境に

なじんでいくが、戦争の厳しさは都会を遠く離れた呉にも及ぶようになる

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苦手なアニメだし、見るつもりはまったくなかったのですが、あまりにも“騒がしい”ので

出かけることにしました。見てよかったと思いました。勧めてくれた方に感謝です。


“戦争反対”を前面に押し出す映画は多いですが、静かに反戦を訴えるこの種の映画には

共感を覚えます。終盤ですずが口にする「ぼうーっとして、なにも考えないウチのまま

死にたかった」という短くさりげないセリフにすべてが込められている気がします。

そして、そのメッセージはしっかり伝わります。


今年のアニメでは「君の名は。」の方が人気は上でしょうが、私の感想点は75点でした。

“入れ替わる”ということが理解できず、最初から最後まで、キツネにつままれた気分で

楽しめませんでした。こちらは分かりやすく、絵の雰囲気も使われている色もおだやかで

見やすかったです。


SMOKE 90


オーギー(ハーヴエイ・カイテル)がタバコと雑貨を扱う店はブルックリンの16丁目と

プロスペクト・パーク西の角にあって近くの住民のたまり場になっていた。

彼らの多くは競馬新聞とスポーツ紙しか読まない連中だったが、常連の一人、ポール・

ベンジャミン(ウイリアム・ハート)はインテリだ。


作家だが、長い間 新作を書いていなかった。数年前、妊娠中だった妻が銀行強盗事件に

巻き込まれて死んで以来、立ち直れていないのだ。オーギーはその日の彼女を覚えている。

もし、彼女が釣りの要らないぴったりの小銭を持っていなかったら、もし、店がもう少し

混んでいたら、ほんの少しの差で彼女は死ななくて済んだかもしれない…

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ある日、オーギーの店でたばこを買った帰り、トラックにはねられそうだったポールを

間一髪で助けた黒人少年、ラシード、遠い昔に家族を捨てたラシードの父親、サイラス、

18年前にオーギーを裏切って彼の元を去っていったルビー、そんな登場人物の人生の

“一コマ”が描かれています。


どのエピソードもどことなく“漂っている”感があって、それがSMOKEなのかもしれません。

1995年に公開された作品のデジタル・リマスター版です。

小品ながら、丁寧に作られた秀作です。クリスマス・イブに しみじみと心に沁み入ってくる

いい映画に出会いました。


皆さま、ごきげんよう ???


今年たぶん最後の映画…作者の独りよがりとしか思えない、訳の分からん1本だった。

35分我慢したが、隣を見ると妻が深く首を折っていたので即、退散した。

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by toruiwa2010 | 2016-12-27 08:23 | 映画が好き | Comments(2)
Commented by CraftHQ at 2016-12-27 14:17
"この世界の片隅に"気に入られたようですね、
"君の名は"同様リピータも多いようでこの規模の映画としては大成功でしょう。
私はまだ見ていませんが短い予告動画をみて画法や仕草表現(動画)が原作"こうの史代"氏の世界観を良く表現しており機会があれば見ておこうかな位にしか思っていなかったのですが、あの内容のアニメ作品がここまで一般的に受け入れられるとは思わず(君の名はもそうなのですが)驚きと共に(あの解り難い原作を)どう料理したのか強い関心が湧き、なんらかの形で必ず見ておこうと今は思っております。
日テレが以前テレビドラマ作成してたんですけどその時はぱっとしなかったんですよね。("すず"が"北川景子"違うだろ)
まあ、私自身は"この世界の片隅に"より(実写映画化された)"夕凪の街 桜の国"の方が好きなんですがね。

Commented by toruiwa2010 at 2016-12-27 14:39
CraftHQさん、こんにちは。

このアニメは物語が分かりやすかったです。
「君の名は。」は、ファンタジーすぎて…
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