ブログトップ | ログイン

岩佐徹のOFF-MIKE

toruiwa.exblog.jp

実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

2011年3月の記憶 4~アーカイブから~17/03/19

d0164636_08072521.jpg




「命がけで」と言ったはず

~どこか他人事ではないのか~( 2011.03.16 初出 )


化学だの物理だのと言う前に理科がダメだった。

言うまでもなく、原子力発電についてはド素人もいいところで、

原子炉全体の構造も今回初めて知った。それでも、地震発生

以来の福島原発の状況は綱渡りを続けているように見える。

加えて、政府・保安院・東京電力の発表に時差があり、統一が

取れていないし、説明に明快さを欠き国民は疑心暗鬼になった。

「危険はないと言うが本当か。何かを隠していないか」と。

生命が危険にさらされている可能性がある以上 当然だ。


昨日の朝、ようやく福島原発に関する統合対策本部を設けて

菅総理が本部長になったが、とんでもなく遅すぎる。

最悪の場合には数十万単位の人命が関わるだろう事案なのに

いち民間企業の東京電力に任せきっていたために国としての

対応が遅れた。

“遅れた”と断定するのは本部長になった菅総理が東電関係者に

苦言を呈したことを伝えるこの記事を読んだからだ。

MSN 産経ニュース) 


首相は「テレビで爆発が放映されているのに、

首相官邸には1時間くらい連絡がなかった」と

東電の対応に苦言を示した。さらに「撤退など

あり得ない。覚悟を決めてほしい。撤退した

ときには東電は100%つぶれる」と厳命した


つまり、それまで東電は覚悟を決めていなかったらしいのだ。

そして、官邸はその1時間、連絡をひたすら待っていたわけだ。

危機感のなさは底が抜けている。

原発の視察は敷地内を10分回っただけ、関係者との話し合いも

20分だったと朝日新聞は伝えている。上空のヘリから仙台・

石巻の様子を見て、こう語っていた。

「今回の地震は大きな津波を伴ったことによって大変甚大な

被害を及ぼしていることがこの視察によって明らかになった」…


聞いていて言葉を失った。現地に行かなくたって、テレビで

津波が町を蹂躙する光景を見ただけで「これはとんでもない

ことになる」と思った国民がどれほどいたことか。

視察は長ければいい、というものではない。しかし、これなら、

やっても意味がない。そもそも、“指揮官”が現地に行っても

「大変だ」と思って帰ってくるのがオチだ。

受け入れ側はその対応に追われて、事故対策に使う時間が減る。

パフォーマンスだ、と非難されても言い訳できないだろう。

やっていることがどこか他人事なのだ。

d0164636_08073334.jpg








菅総理の会見は午後5時からだった。

発生からおよそ2時間後の記者発表を見た。政治家の言葉は

いつも“無表情”に聞こえるが、菅の話には人間としての情が

全く感じ取れない。“メッセージ性”に至ってはゼロにひとしい。


1日半が過ぎた12日夜に行われた会見では「私も全身全霊、

まさに命がけで」と語った。

しかし、この人はあらゆる機会をとらえて「全力を挙げて」、

「死ぬ気で」と話すから真実味はとうになくなっている。

東電関係者に「覚悟を決めろ」と言ったのは統合対策本部長に

なったあとだ。ならば、「“我々”は覚悟を決めなければならない」と

言うべきだろう。ここでも他人事…。


今朝、フジテレビを見ているとき、インタビューを受けていた

看護師に後ろから鋭い声がかかった。「看護婦さん!!」。

車いすの患者に急変が起きたのだ。すぐに駆け寄って優しく

抱きしめる彼女の姿に思わず涙が噴きこぼれた。

彼女たちは決して「全力を挙げて」や「命がけで」という言葉を

口にすることはないだろう。そんなに軽々しいことではないと

分かっているからだ。

d0164636_08073616.jpg









本当は、原発についてもっと書くつもりだったが、長くなった。

あと1点だけ。


各地からのリポートを見ると原発の状況に次いで大きな問題は

薬や水の不足で、せっかく生き抜いた命が危ないことだ。

生まれた赤ちゃんに産湯をつかわすこともできないという。

昨日は、避難所で寝たままの90歳近いと思われる女性に夫が

スプーンでカユかヨーグルトを与えていた。正視できなかった。

3月の被災地は寒さが厳しいだろう。まさか、一人に毛布1枚で

事足れりと思っていないだろうな。

計画停電の中に当初、被災地が含まれていたことも信じられない。


センチメンタルになることは避けたいが、いまある命を大事に。

d0164636_08074369.jpg









アスリートや芸能人の支援の輪も広がりつつある。

サンドウィッチマンの声(http://bit.ly/fYk47t )が届いたのか、

今朝のフジテレビでは、被災者の顔を写していた。被災者側が

頼んでいたのだが、少しずつでも、広がることを祈りたい。

まさに、テレビしかできないことだから。


私は…

災害や報道についての情報を発信することしかできない。

d0164636_08072320.jpg




いま 報道姿勢が問われる

~フジテレビの評判が悪い~ ( 2011.03.18 初出 )


たしか、火曜日だと思う。アメリカの大手一般紙はスポーツ・

セクションのスペースを割いて前週末のスポーツ放送について

論評を載せていた。評論家が解説や実況だけでなく、番組担当の

プロデューサーについてまで、名指しでコメントするのだ。

いっさいの容赦なく。

日本でも試みられたが、国民性の違いで、長続きしなかった。


1995年の阪神淡路大震災発生のときは日本にいなかったから、

各テレビ局がどう伝え、どのような評価だったかについては

まったく情報を持っていない。

それを前提とするなら、メディア史上、今回ほど報道の姿勢が

問われる事件・事故は、初めてだったのではないかと思う。


ラジオにもいい点があることはよく理解しているつもりだが、

多くの情報を市民に届けるメディアとしてテレビの優位性は

動かない。映像があるからだ。映像が持つパワーは音声だけの

ラジオのそれを大きく上回っている。しかし、そのパワーは、

実は“両刃の剣”だ。そして、今回のような災害報道の場合は

よほど気をつけて扱わないと“裏目”に出ることになる。

d0164636_08074913.jpg









行方が分からない身内を探す人にカメラを向ければ、人によって

拒絶反応を示す。ラジオも新聞・雑誌も似たような取材をする。

しかし、聴く人も読む人も“その場面”は目にせず、取材の結果を

受け取るだけだ。仮に、どれほどしつこい取材が行われても。


カメラマンも記者もすべてが無礼な人間ではないと信じたい。

先日 書いたように、現役時代、事件・事故の取材で家族・遺族に

マイクを向けるときは「ご心痛のところ申し訳ありません」と

お詫びしながらやったものだ。先輩を見ならったものだが、

後輩たちにも伝わったはずだ。

しかし、ナマならそのまま電波に乗るが、ビデオだと編集で

その部分はカットされがちで、放送されたとき、断りもなく、

いきなりカメラやマイクを向けたように見えてしまう。


テレビを見ていると、途中から、避難者がいる体育館などに

入る前に「お許しを得て、入らせていただきます」と言うように

している局もある。ビデオ・ライブを問わずに。

抗議を受けて、デスクから現場に指示したのではないかと見る。

これなら、見るほうのストレスも減る。

私たちは遺体安置場所などから中継するときは、リポート後、

そちらの方向に一礼していた。たとえ、パフォーマンスだと

言われても、形にしないと、見る人には気持ちが伝わらないのだ。

いずれにしても、“遺族”にしつこく付きまとう形の取材には

疑問がある。本当に必要かどうかを徹底的に考えてみるべきだ。

d0164636_08075683.jpg










報道姿勢を批判する声の中に“同じ映像を何度も流すな”がある。

行き過ぎがあることは否定しないが、面白がってやっている

わけではないだろう。

津波の発生は午後3時半前後だった。最初に放送された映像を

見た人にとっては、それ以後は“2度目、3度目だが、2度目の

放送で初めて見る人もいる。夜になって初めて見る人もいる。

人々がある情報に初めて接する時間には時差があるのだ。

ワイドショーで、同じニュースを短いサイクルで繰り返すのも

同じ理由による。


今回、初めの数日は2台並んだテレビの1台をNHKに合わせて

音声を出し、もう1台は音を消して民放をザッピングしていた。

民放育ちとしてNHKには強いライバル心がある。受信料に

支えられて恵まれた“環境”を妬ましく思い、実況中継などでは、

ミスによる“減点”を恐れて正確さだけを追求するスタイルに

不満があることも否定しない。

しかし、客観的に見て、今回のNHK の放送は高く評価されて

いいと思う。


もちろん細かい注文はある。

視聴した中で最も驚いたのは今、なお全人口の半数近い8000人が

安否不明の宮城・南三陸町で起きた“物語”だ。

この街の病院に勤務する医師は勤務中に津波に襲われたが、

5階に逃れて無事だった。臨月だった妻は別のところにいて

何度もメールを送ったが連絡がつかなかった。しかし、のちに

夫も立ち会って新たな命が誕生した。

d0164636_08080115.jpg









…「えっ!?」と思ったのは、妻が夫にメールを送る場面が

映像として流れたときだ。そこは撮影しているわけがないのに。

そして、ナレーションで十分に説明できるのに、まったく余計な

“演出”をしたことで、せっかくのいい話が台無しになった。

“一事が万事”と視聴者に思わせた可能性もある。“事実”として

放送されているが、実は“加工”されているんじゃないか?

 

ブログ開設以来、フジテレビのOBであることを明かしている。

今回、ネット上でその“母局”の評判が悪いことに胸が痛む。

個人的に、キャスターに不満もあるし、“バッシング”の中に、

理解できるものもある。しかし、バラエティ系の番組が多い

ことで災害報道まで批判するのはフェアじゃないし、特定の

誰かが嫌いだからと“まとめて”ものを言うのもどうかと思う。


ひどかったのは、昨日、ツイッター上にあふれたつぶやきだ。


仙台市民だが、緊急車両のみの給油所に

フジテレビの中継車が来ていたよ…(以下略)


事実だとすれば問題だと思い、この件についての情報を求めたが、

1件をのぞいてまったく反応がなく、その後もこの“悪事”を

暴いたつぶやきは拡散を続けた。

自分で調べた結果、最初の発信は2chからだったと判明した。

2ch=すべてウソと断定はしないが、軽々に面白がってそれを

拡散して行くのは危険な話だ。


おととい、こんなつぶやきが私宛に発信されてきた。

そのあとのやりとりも含めて、そのまま再録すると…


@kuroiwayuji @toruiwa 今回の地震で

フジテレビの報道姿勢が批判されていますが、

軽チャー路線のツケがこんなかたちでくるとは

おもいませんでした。


えっ、報道姿勢が批判されているんですか?

「笑えるわ」の件ですか?あれは確定なんですか?

すみません、掲示板でそういう評判をきいただけです。

しかし、フジテレビの報道はスーパーニュースの

キャスターが安藤優子氏にかわってから変だと思います。


ツイッターの怖さがここにある。書かれていることを単純に

信じてしまう。しかも、初め、気がつかなかったが、@の次、

toruiwaより前にkuroiwayujiがある。

後輩で、私同様、すでにフジを退社している黒岩祐次だ。

つまり、ツイッター上で見つけたフジテレビOBに、無差別に

送られたものだろう。

程度の悪い嫌がらせとしか思えない。“確たる証拠”はないが。


フジテレビの後輩たちにこのささやかなブログの声が届くとも

思えないが、批判が当たっていてもいなくても、この機会に

一度 謙虚になってみたらどうだろうか?

国の電波を預かって行う仕事には、極めて重大な責任が伴う

ものなのだから。


異論・反論はあろうかと思います。私への批判もあるでしょう。

きちんと整理されたコメントなら残しますが、感情的なものや、

他人のコメントへの批判は削除しますのでご了承ください。
by toruiwa2010 | 2017-03-19 08:15 | アーカイブから | Comments(0)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。