ブログトップ | ログイン

岩佐徹のOFF-MIKE

toruiwa.exblog.jp

実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

危なかったのかもしれない~アナとうつ:私の場合~ 17/10/06

入社1年目、バラエティ番組の司会陣の一人に起用されたが、

僅か3回で降ろされたことがある。言い渡されてアナウンス室に

戻ったとき、恥ずかしくて顔を上げられなかった。尊敬していた

先輩アナが「気にするな、岩佐。もともと、お前には向いて

いなかったんだから」と声をかけてくれたりしたおかげで、

どうにもならないほど落ち込むことはなかった。

d0164636_08325209.jpg






数年後、野球中継のテストが行われた。

スポーツ部としては“岩佐が使えるかどうか”を見極めるための、

“意味がある”ものだった。ちゃんとやらなければいけなかった。

しかし、私ときたら、当時、試合開始から放送が始まるまで、

先輩アナの代わりに実況の“真似事”をしていたのと同じ程度の

感覚で“タラタラ”しゃべったのだった! ひどく叱られたし、

それからしばらくスポーツ部幹部の“当たり”が強かった。

ハハハ。


それでも、ひどく落ち込んだ記憶はない。


もともと、人間関係を構築するのが下手だし、少年のころから

胃腸がとても弱かった。加えて、虚勢を張っていても性格的に

“追い込まれると弱い”、“問題が起きると正面から向き合わず、

逃げを選択しがち”という自覚もあった。

大学の先輩からアナウンサーの仕事は神経をつかうものだと

聞いていたこともあり、入社のころから、俺は、いずれきっと

胃潰瘍になるのだと覚悟していた。なぜか、胃潰瘍。ハハハ。


…生き残った。思ってた以上にしぶとかったんだね。ハハハ。

性格の弱さが、逆に、決定的な場面を避けさせたのかもしれない。


しかし、本人が自覚していないだけでピンチはあった。

19822月にフジテレビでアナウンサーをやめたあとだ。

「ここを出ないと神経をやられてしまう」という強迫観念があり

「やり残したことはない」と強がってやめたのだが、報道部の

環境や与えられた仕事に戸惑いがあって、つらい日々だった。


自分では“普通に”ふるまっているつもりだったが、どこかが

“普通じゃなかった”のだろう。そんな私をそばで見ていた妻は

気が気ではなかったそうだ。数年たってからそう話してくれた。


落ち込んじゃダメ、アクティブにしなければと分かっていても

「やめたのは正解だったか?」、「我慢すべきだったのでは?」、

「戻る道はないか?」とひまさえあれば考えていた気がする。

たぶん 数か月は続いたと思う。どの時点かで、どこかのネジが

飛んでいてもおかしくなかったのだ。だから、アーカイブで

更新した「アナが抱える病気」や「追いつめられたのか?」に

書いた後輩アナたちの“心の動き”がある程度 分かるのだ。

d0164636_08365895.jpg







頭の中で 出口の見えない“堂々めぐり”の自問自答が続く。

答えに行きつくのは簡単ではない。周り(私の場合は妻)も声を

かけられる状況ではないのだと思う。結果的に“孤立”する。

その危機を乗り越えるには肉体的にも強くなければいけない。


似たような危機に遭遇した同業者はたくさんいるはずだ。

遠い昔、地道に努力している後輩がいた。しかし、なかなか

番組に恵まれず、やりたかった仕事をあとから入社してきた

アナたちに奪われて悔しがっていた。数年のち、念願だった

大きな“役”が回ってきた。周りも「よかった」と喜んだ。


実際にその仕事が始まる前から、異常なほど“ハイ”な様子を

見せるようになった。

高価な学術書のような書籍を買い込んで配ったりしていた。

待ちに待ったチャンスを得て舞い上がってしまったのだ。

その様子を見て、デスクはナマのニュース番組(読むだけだが)

などはやらせないようにしていたが、会社として専門医に

診てもらうように指示をしたかどうかは定かでない。


…悲しい結果になった。本人は無念だっただろうが、周囲の者も

どうしようもない無力感に襲われた。


私がアナウンス部を離れてからも、同様の話は伝わってきた。

幸いなことに、いずれも、現場に戻っている。

目立つだけで、アナウンサーだから心の病に見舞われるという

わけではない。しかし、対処が難しいのは事実だ。


私のように、かすかな“きざし”の段階ですりぬける例もあれば、

現場を離れたり、最悪の結果になったりすることも多い。

これ以上、胸痛むニュースに接することがないように願う。
by toruiwa2010 | 2017-10-06 08:39 | アナウンサー・実況 | Comments(0)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。