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岩佐徹のOFF-MIKE

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NHKの実況に変化が…その2~アーカイブから~ 17/11/19

用意した言葉、応援放送etc

NHKも変わったなあ~(2011.09.03 初出 )

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…つづき


*あからさまな応援放送


WOWOWテニスの実況には14年間かかわりました。

初期のころをのぞいて、日本人選手の試合を担当することは

ほとんどありませんでした。担当すると、伊達公子にしても

松岡修造にしても、負けることが多かったからです。

私の考え方とは違いますが、WOWOWとしては日本人選手が

勝ち進んだ方がありがたいわけですから、“まずい”のです。

ハハハ。

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もちろん、“たまたま”に過ぎないことは分かっているのですが、

“ゲン”を担ぐ意味でも遠慮するほうがいいだろうと判断して、

若いアナウンサーにゆずりました。

「世界のテニスを見せなければいけないのになあ」という思いに

とらわれながらの実況より、若い人が それなりに割り切って

“松岡(伊達)がんばれ的な放送をする方が「日本人を見たい」と

おっしゃる視聴者にも“受け”がいいだろうとも考えました。


日本人ですから、世界の舞台で日本人選手が活躍するのは、

それがどんな競技であってもうれしいとは思います。しかし、

実況者として、試合を伝える立場のプロとしては“応援放送”を

することには強い抵抗があります。

聞いているのは日本人ですから、どんなに露骨な“ニッポン、

チャ・チャ・チャ”的な放送をしても文句は出ないでしょう。

南米のアナウンサーたちのサッカー実況がわが同僚たちとは

くらべようもないほど“熱い”ことは知っています。

ですから、“応援放送”を全否定するつもりはありません。ただ、

自分がやるか?となるとNoです。どうしても“わざとらしい”

放送になってしまうのです。ハハハ。

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最近の「メジャー・リーグ中継」にはうんざりしています。

日本人メジャー・リーガーの打席のたびに、あるいは松坂や

岡島がマウンドに上がるたびにかなりあからさまな“応援実況”を

やってはばかりません。イチローのヒット性の当たりが相手の

グラブに納まったり、松坂が大きな当たりを打たれたりすると、

“悲鳴”が上がったりするのはいささか異常なことだと思います。

ハハハ。


NHKとして、日本人選手がこれだけ多くなったメジャーは

強力なコンテンツでしょう。これを武器にして、衛星放送の

契約を増やそう。そのためには日本人を前面に出していこう…

そう考えただろうことは容易に想像できます。

しかし、それと“応援”は、どう考えても結びつきません。

コメンタリーが応援すれば、選手がいいプレーをするという

わけではないでしょう。誰に遠慮しているのかミスを指摘せず、

誰のごきげん伺いをしているのか、ちょっとしたプレーでも

“必要以上に”ほめるのを聞くことがしばしばです。


「打たれましたが、“次につながる”投球だった」、「ヒットには

ならなかったが、“内容のある”バッティングだった」…

口にしていて、恥ずかしくないのだろうか、と思います。

実況は実況の、解説は解説の仕事をほぼ放棄しているように

見えます。


“応援”は、見ている者がすればいいのではないですか?


*絶叫中継


NHKの実況で“決定的”に変わったなあと思うのは、高校野球、

大相撲、サッカーなどで きわどいシーンのたびにけたたましい

声で絶叫するアナが、特に若い人に増えたことでしょう。

私より上の世代のNHKの先輩たちは、ここという場面では

逆に声のトーンを抑えてしゃべっていたような印象があります。

それで、十分だったのです。

実況のあるべき姿は決してひとつではありませんから、絶叫も

“全否定”するつもりはありません。

応援も絶叫も、視聴者の気持ちと完全にシンクロすれば問題は

まったくないと思います。ただし、かなり難しいことでしょう。


絶叫の理由はいくつか考えられます。

・かっこいいと思っている

・視聴者の共感を得ていると思っている

・盛り上げる方法をほかに知らない

・この場面を伝えるにはこれ以外にないと思っている

・局の方針に従っている


“絶叫”の怖いところは さよなら・ホームランや決勝ゴールなど

劇的な場面やプレーを精一杯張った声でうまく描写できたときの

快感は病みつきになることです。ハハハ。

“用意した言葉”と同じで“麻薬”だと思わなければいけません。


立会いの変化やはたき込み(相撲)、ラボーナやバイシクル・

キック(サッカー)、スロー・カーブやセーフティー・バント

(野球)、ドロップ・ショットや股抜きショット(テニス)…

どんなスポーツにも、多少、危険はあるけどうまく決まったら

“してやったり”という気持ちになれるプレーがあります。

“絶叫”は 一度、成功すると、「あの快感をもう一度」という

“誘惑”にうちかつのが難しい点で共通するものがあります。


用意された言葉、あからさまな応援放送、絶叫中継…どれも、

「なんとか いい放送をしたい」、「視聴者に受けたい」、「かっこ

いいと思われたい」という気持ちの表れですから、若いうちは

仕方がないと思います。ただし、私個人は好きではありません。

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やろうと思えば、できるでしょう。

“言葉を用意する”ことは、かなり得意な分野だろうと思います。

しかし、自分のスタイルとは違いすぎますし、“恥ずかしくて”

できません。ハハハ。


アナウンサーではありませんが、ついでに書いておきます。

野球中継に登場する解説者たち、イニシャルで言えば奇しくも

TIM(ハハハ)…みんな、どうしようもなく暗い!

「面白くないならやめれば」と言いたくなります。スポーツは

明るくなくては、ね。

見ている者の気持ちを沈ませてどうするの?


そうかと思えば、日本オープン・ゴルフの優勝インタビューで

片山晋呉に向かって「…ゴルフを“見して”もらいました」と

質問したアナウンサーがいたのには驚きました。


いろいろな意味で、NHKは確実に変わっているようです。

ハハハ。


by toruiwa2010 | 2017-11-19 07:51 | アーカイブから | Comments(2)
Commented by 花みさき at 2017-11-19 14:02 x
岩佐さん、こんにちは。
「用意された言葉」は逆にシラケてしまいます。
自分の言葉に酔っているなぁ~とド素人の私でさえ思います。
それ以上に絶叫も苦手です。。
Commented by toruiwa2010 at 2017-11-19 14:07
花みさきサン、こんにちは。

白ける…たしかにねえ。
結局、その場にあってないからだと
思うんですよね。
絶叫も”酔う”んです。ハハハ。
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