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岩佐徹のOFF-MIKE

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実況アナへの注文~アーカイブから~17/12/09

独特の、紙のにおいがたまりませんでした。

“それなりに”苦労して書いた原稿が形になったのです。

2002114日、出来上がって、届けられた本の山を

目にしたときの感動を忘れることはありません。

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「絶対、本を書くべきですよ」という後輩の言葉に背中を

押されるように、スポーツ・アナとしての自分を振り返る

原稿を書き始めたのは前年の6月、全仏オープンの出張を

終えたあとでしたから、完成まで1年半かかっています。


出版社を探す努力もしませんでしたから、500冊限定の

自費出版になりました。

タイトルは「WOWOWの岩佐ですが なにか?」ハハハ。


視聴者には抽選で差し上げたのですが、外れた方の中から、

残念と言う声が届いていました。

2003年に始めたHPのコンテンツに「MY BOOK」として

全文を再録しました。“ハプニング”のため中断しましたが、

先日、ようやく完了しました。( 2011.08.06 )


棚の上の自分 ( 2004.09.20 初出 )


タイトルの意味は、「自分のことは棚に上げて」です。念のため。ハハハ。


ちょうど「リーガ・ゲッツ」のころ、「MY BOOK」の更新が

デンジャラス・ゾーンにさしかかっていました。そこで、

無用の摩擦は避けようとアップを中断しました。

自伝的な部分や「アナウンス論」などは、賛否があっても

それなりに読んでいただけると思いましたが、「テレビで人気の

アナたち」で取り上げている“同業者”たちには固有のファンが

いらっしゃいますからね。

「ちょっと、“トーンダウン”させておこうか」と考えないでも

なかったのですが、それでは、そもそもこの本を書いた意味が

なくなってしまうので、“まんま”更新できる状況になるまで

中断することにあしたのです。

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本を書き始めた当初は、必ず出版社を見つけられると思って

いましたから、書店に並ぶことを想定して書いていました。

「でも、本音は隠さないように書こう」と考えていました。

逆に、残念ながら自費出版になったときに「プライベートな

ものなら、もっと激辛にしようか」とも思いませんでした。

“元の文章”を知っているのは自分だけですが、だからといって、

状況しだいで中身を変えるのはフェアではないと考えたのです。

その流れで行けば、HPに再録するときも“オリジナルのまま”が

正解でしょう。


今回、アップを再開すると決めたのは、「1年たったから、もう

いいだろう」ではありません。

2回分を残して長く中断しているのは気持が落ち着かないのと、

そこまで読んでいただいた方たちもきっと“中途半端”だろうと

考えたからです。

でも、特に山本、倉敷アナには強烈なファンが多いからなあ…

って、まだ迷ってます。ハハハ。


いや、この結果として「彼らも好きだが、岩佐も支持する」と

言って下さっていた方たちにそっぽを向かれても仕方がないと

覚悟はできてますから大丈夫です。

それに、書き始めた動機のひとつにこの部分があるのですから、

今になって動揺したらおかしいのです。

参照

MY BOOK 49(山本アナ) http://bit.ly/2j0iGDt

MY BOOK 50(倉敷アナ) http://bit.ly/2nC8ySC


この本では、ずいぶん勝手なことを書かせてもらいました。

若手にはかなり厳しいことを書いています。しかし、少し前に、

NHKの島村アナと話したときに、私が「今の若手たちは

僕の若いころにくらべると はるかにうまい」と言ったところ、

彼も同感でした。彼が私とまったく同じことを感じているか

どうかは分かりませんが、少なくとも私は、フジテレビ時代の

自分の実況を今聞くと「情けない」と思います。


02年の暮れから自分の古いテープをDVDにコピーする作業を

しています。懐かしさから、時々聞いてみると、盛り上がった

場面でのけたたましいしゃべり、解説者おいてきぼり、自説の

押し付け、情報の押し売り…若手に「やっちゃいけない」と

今、お説教していることをそのまま実践している若い自分が

そこにいるのですから やり切れません。


その場に居合わせた後輩のアナが「今の若手は昔の人の実況を

“たたき台”にして、それに上乗せしているんですからうまくて

当然ですよね」と、フォローしてくれました。

便乗するわけではありませんが、それはあるかもしれませんね。


アナウンスにかぎったことではなく、たとえば、スポーツの

どんな種目を見ても、10年前にくらべれば、今の選手の方が、

肉体面はもちろん、テクニックも戦術眼も優れています。

それは、先輩のいいところを学び、新しいものを積みあげて

いった結果だろうと思います。


なんだそうなんだ、ま、そんなに下手だったわけじゃないし、

「フジテレビ 将来のエース」とか言われたこともあったしなあ。

ハハハ。


冗談はともかく、若い人の中には“達者なアナ”が大勢います。

怖いのは“達者”だと、自分に酔ってしまいがちなことです。

アナウンサーが考えなければいけないのは「自分が納得するか」

ではなくて、「視聴者が面白いと思うか」なんです。

ただし、自分のスタイルは守りながら、視聴者が求めるものを

織り込んでいくことが大事で、「迎合する」「おもねる」のとは

違います。微妙なところですが、そこをしっかり認識しないと、

せっかくいい素質を持っていても視聴者にそっぽを向かれる

アナウンサーになってしまうでしょう。

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私は、去年の夏、とうとう世界水泳を楽しめませんでした。

生理的に“古舘節”を受け付けることができず、ボリュームを

上げる気にならなくて、チャンネルを変えてしまいました。

そういう視聴者は多かったと思います。

前回も同じ批判はあったはずですが、テレビ局が同じやり方を

選んだのは、“成果”があったと見ているからでしょう。

何度も書いていますが、スポーツ実況のよしあしに関しては

絶対的な“物差し”がありません。すべては人それぞれの好みで

決まりますから、いろいろなスタイルがあっていいと思います。

しかし、おのずから、落しどころ、最大公約数があるだろうと

思いたいのですが、その答えがああいう放送だとは思えません。 

悲しいことに、スポーツそのものを愛する人たちにとっては、

この“受難の時代”はまだまだ続くことになりそうです。トホホ。


古舘アナは「報道ステーション」の司会者になりました。

当然ながら、キャスターとして、私が“現代の講談”と名づけた

スポーツ実況とは違う方向を目指していますが、まだ答えは

見つかっていないようです。“才人”であることは誰もが認めて

います。この先どんなスタイルを作り上げるのか、皮肉でなく、

とても楽しみです。


こう書くと、自然の流れで「お前はどうなの?」となりますよね。

私は、2004年でサッカーの実況から足を洗いました。いわば

“半分隠居状態”ですが、現役アナとして仕事をしている以上、

常に批判の対象にされることは避けられません。

特に、これから先は、「衰えた」、「口が回らない」、「反応が遅い」

などの指摘はますます増えるでしょう。それは、私自身にも

十分、自覚があります。ハハハ。


年齢から来るこうした現象は止めようがありません。

ただ、今でもそれなりに応援してもらえるのは、そういった

マイナス面を補うなんらかの要素が私の実況の中にあるのだと

自負しています。

それがなかったら、私はとっくの昔に、マイクを置かざるを

得なかっただろうと思います。

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くどいようですが、細かい点はともかく、自分のしゃべりには

納得しています。40年以上の経験で、一応“自分のスタイル”を

見つけたつもりですが、視聴者がどう感じるかはまた別の話です。

実況アナウンサーとしての“ゴール”は見えていますが、時間と

競争しながら一人でも多くの方の共感を得られるような実況を

していきたいと考えています。


*この記事を書いた1年後、“現役生活”に

終止符を打ちました。

これでも、実況についてのエントリーを書くとき、

現役中は多少の遠慮があったのですが、辞めてからは

なくなりました。“タガ”が外れたのです。

現役の後輩には迷惑な話でしょうが。

ハハハ。


by toruiwa2010 | 2017-12-09 08:15 | アーカイブから | Comments(0)
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