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岩佐徹のOFF-MIKE

toruiwa.exblog.jp

実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

カテゴリ:読書・歌・趣味( 35 )

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11/29
WOWOWで収録したSTINGのライブを見る。
妻が好きなのにつられているわけだが、オープニングから素晴らしい。
♪ 酸素、炭素、窒素・・・と聞こえるが。ハハハ。


2ヶ月近く映画を見ていませんが、骨折が治ればまた劇場通いが始まるでしょう。
3回に1回の割で妻が一緒です。あとの2回も私が“拒否”しているわけではなく、
妻の守備範囲に入っていないからです。妻には“家事”があるからかもしれません。

結婚した理由の中でのランクは高くありませんが、趣味が合う夫婦だと思っています。
何にでも手を出す…したがって 見たり、食べたり、聞いたり、集めたりするものが
結果として“玉石混交”になる私にくらべ、妻が選ぶものはレベルが高いです。
ほとんど興味のなかった美術に目を向けさせてくれましたし、音楽でもヨーヨー・マの
CDでチェロの音色の素晴らしさを、ブルース・スプリングスティーンやスティングで、
私が何となく避けていた分野の音楽の良さに気づかせてくれたのも妻でした。

…口惜しいですが、いわゆる“趣味がいい”のは妻だと認めざるを得ません。ハハハ。

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日曜日にWOWOWが放送したスティングのベルリンでのライブを見ました。
2時間15分を堪能しました。

弦楽器を中心にした、静かで柔らかい前奏で始まるオープニングから惹きつけられます。
「A Thousand Years」です。
冒頭から繰り返される魅力的なメロディの部分の歌詞が「サンソ、タンソ、チッソ…」と
聞こえて仕方ありません。単純にヒアリング能力が悪いからですが、一度そう聞こえると
そのようにしか聞こえません。
数年前に聞いた 子供のころの紳助が「赤い靴」の歌詞、「♪ 異人さんに連れられて」の
“異人さん”を“ひい爺さん”だと思い込んでいたという話を思い出しました。ハハハ。

調べてみると、実際は…

A thousand years, a thousand more,
A thousand times a million doors to eternity


どこにも、いかなる元素名もありませんでした。当たり前ですが。ハハハ。
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いや、いいなあ、スティング。
アンコールで歌った最後のアカペラをふくめ、退屈な歌が1曲もありませんでした。
“それ自体が音楽”という声がありますが、彼の声がまさにそうです。深みがあって、
“艶”も“色”もあって、聞く者のハートをわしづかみにします。

どの曲も素晴らしいですが、ライブの中盤で歌った「You Will Be My Ain True Love」が
気に入りました。映画「コールド・マウンテン」に提供した曲だそうです。
ライブで一貫してスティングを支え、彼の声を際立たせていた女性ヴォーカリストとの
ハーモニーが絶妙でした。

スティング・ライブ・イン・ベルリン…このDVDは保存版です。

1月3日と29日に再放送があるようです。
今回、見そこなった人はお忘れなく。

by toruiwa2010 | 2011-11-30 10:53 | 読書・歌・趣味 | Comments(15)
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見落としているだけかもしれませんが、村上春樹が
今年もノーベル賞の選考から漏れたことについて
大きく取り上げた記事をほとんど見かけませんね。
それほど有力ではなかったということでしょうか。

文学賞は業績全体が対象になっているのでしょうが、
「1Q84」だけを取り上げれば、この物語を外国人が
理解し、評価するとは 私にはとても思えません。

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「読んでたまるか“1Q84”~分かった“フリ”はやめようぜ~ 」10/04/17

「予約したほうがいいかしら?」
「大丈夫ですよ、売れないから。前の2部だって評判よくなかったし…」
「私は好きで、ほかの作品も全部読みましたよ」
「そうですか(不満そうに)」
「主人には悪評でしたけどね」
「私と同じだわ(満足そうに)」

数日前、行きつけの本屋の店頭で妻と本屋の奥さんが交わした会話を
おおざっぱに再現するとこんな感じだったようです。
話題の中心はもちろん、村上春樹の「1Q84」BOOK3です。
昨日の午前零時に発売開始とかで、中には行列ができた本屋もあった
らしいですね。iPadの売り出しじゃあるまいし。ハハハ。

ここ10数年は、ほとんど原書(ミステリー&小説)しか読まない
生活をしていますが、時々は日本語のものも読みます。
「1Q84」はその数少ない“例外”のひとつです。
あまりにも大きな話題になっていたのと、妻が購入したからです。
わざわざ買う気はないけど、そこにあるなら読んでみようか…
それぐらいの関心度でした。

正直、2冊読むのにかかった時間を返してほしいと思いました。
読んでいるうちに、猛烈に腹が立ち、読了後と合わせて2度も
ブログに長文の記事を書きましたから、その時間も。ハハハ。
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村上ファンは若者を中心に大勢いるらしいですね。
あもししかも、翻訳されて海外でも高い評価を得ていますし、ノーベル・
文学賞の候補にさえ取りざたされているほどですから、その才能は
疑う余地がないのでしょう。

しかし、「1Q84」を読んだ限り、私にはその良さが理解できません。
純文学にありがちな“比喩”の多用…、いや“乱用”にあきれます。
はいはいはい。それこそが村上文学の面白さ・真髄じゃないか、と
言われることは覚悟しています。あれが好きなら“はまる”でしょう。
私にとっては、感心するような比喩はほとんどありませんでしたが。
また、純文学なら読んだあとに何かが残るはずなのに、私には混乱と
脱力感しか残りませんでした。

<<<皮肉でなく、この本に書かれていることを理解できた、と言う人は
“すごい!”と思います。私には、とても無理です。
ただし、文学って、こんなにややこしいものでいいのか?という疑問が
残ります。そして、“理解できた”人たちが、「“理解できない”とは
格好悪くて言えないから」との思いから、そうおっしゃっているのでは
ないことを祈ります。ハハハ。

…BOOK1-2読了後の「“駄作”としか思えない・・・」の終りのほうに
そう書いています。
どうか皆さん、正直になってください。分かった“フリ”をするのは
お互いにやめましょうよ。本当は分からないでしょう?ハハハ。

もちろん、BOOK3は読みません。
もっと言えば、読んでたまるか!の心境です。
青豆や天吾の運命にも、リトル・ピープルや空気さなぎとは何かにも
全く興味がありません。ハハハ。
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読んでみようかどうしようかと悩んでいるのでしたら、以下の2本の
記事をどうぞ。少しは参考になるかもしれません。
ただし、世間的に評価の高い人や物を簡単には認めないことが多い男、
つまり、私が書いた記事であることをお忘れなく。

・村上春樹「1Q84 」を読む~げに 純文学とはややこしきもの~ 
 http://bit.ly/9p58Pw
・「“駄作”としか思えない」 
 http://bit.ly/bVGeQT

タイミングがいいので、放送関係のシリーズを中断して
お届けしましたが、あまり反応がありませんでした。
関心がない…ということですかね。


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by toruiwa2010 | 2011-10-10 08:44 | 読書・歌・趣味 | Comments(22)
「1Q84」のBOOK3が出たときに書いた記事には
多くのコメントがありました。
私は、書いた通り、とうとう読みませんでした。
コメント欄とツイッターのやりとりの中で提唱した
“読んでたまるか・クラブ”にはトータルで18人の
加入申し込みがありました。一切 活動してませんが。
ハハハ。

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ちゃんと読んでいらっしゃるので批評する権利をお持ちの
岩佐さんと違って私なんぞは「最初っから読んでない」のです。
もともと村上春樹の作品に興味がないのです。いくつか読んだことは
あるものの、大した感銘はなかったんでしょうね。数年後に図書館の
棚に常備されるまで待とうと思っています。
今は貸し出し予約が1年以上待ちらしいですから。
活字離れが問題だとされている世の中にとっては、いいことでは
ないでしょうか。普段あまり本を読まない人には、これをきっかけに
他の多くの本を読んでもらいたいですね。

桜の花が長持ちした年は、総じて天候不順だそうです。
東京の遅い雪もその表れの一つなんでしょうか。アイスランドの
火山噴火によるヨーロッパ中の空路大混乱も大変そうですが…[ はせぴょん ]


村上春樹に関しては、私は一時期親しんだ体験があり、特に
『ダンスダンスダンス』などは良かった記憶を持っています。
最高傑作は『ねじまき鳥クロニクル』だと思っていますが、
『1Q84』はそれには遠く及ばないとネットで見たので、関心は
なくなりました。

私もミステリは好きで、最近では『ミレニアム』に嵌りました。
映画はイマイチでしたが、続編も見に行くつもりです。 [ 塩野 ]


ブログのほうははせぴょんサンが一番乗りでしたが、
ツイッターには早々と3件、“同意”の反応がありました。
“クラブ・読むもんか”が結成できそうです。ハハハ。


塩野さん、こんにちは。
ミレニアムは3冊とも手元にあるのですが、
継続中の本があるので、実際に読むのは、
まだ先の話になりそうです。


岩佐さん、こんにちは。
ついつい村上春樹には反応してしまう私。
図書館でいつから貸し出しが始まるかチェック中です。
奥さまが一番気に入られた作品が何かとても気になります。

あとお詫びなのですが、ニュースキャスター関連のスレでかなり
感情的なレスを勢いでつけてしまい、反省して削除しました。
岩佐さんからは「なぜ削除したのですか?」と言われそうな
気もしたのですが、私の主義に反していたのでお許しくださいませ。 [ masa ]



masaさん、ちゃんと読んでますって。ハハハ。
気にしなくていいです。
ただし、多少、感情が強めに出ていましたから
削除されてよかったかもしれません。

さらに、ただし・・・です。
書かれた“発言“がどんなものだったのか
とても興味があり、検索してみてわかりました。

彼は、訓練された記者でしたから、自分の発言には
気を配っているはずなので、聞き間違いであってほしいと
思いますが、ネット上に同様の記事がありましたからね。


私も クラブ・読むもんか に入りたいのですが・・(笑)
へその曲がり具合なら、岩佐さんのヘソくらいまでは届いている
自信があります!失礼しました♪ [ shin555 ]


shin555さん、大歓迎です。

・・・ただねえ、カミサンは会員にはならんのですよ。
ハハハ。


こんにちは。
ハルキですかー。そうですね・・・ずっと前に「ノルウェーの森」を
立ち読みして、さむざむしい気分になって以来読んでいません。
エッセイは好きで、「村上朝日堂」とか「日出づる国の工場」とか
数冊文庫本を買ったものです。安西水丸の挿絵につられたのもありますが。
今回の騒ぎも、何も夜中に売り出し始めなくてもいいと思い、あきれて
います。好きならば、図書館貸し出しを待たずに速攻買ってあげてください。
(^o^)~♪ [ min*777*p ]


min*777*pさん、こんにちは。

えっと、入会希望ということでいいですか?
ハハハ。


こんにちは。

昨日の報道によると「1Q84」は累計80万部に達したそうで、印税が
いくらになるのか、つい計算してしまいました……。

比喩多用の文体は、村上氏自身がどんなつもりかはわかりませんが、
こけおどしとしか感じません。
ただ、私の周辺でもそうですが、修飾語句で飾りたてた饒舌な表現や
持ってまわった言いまわし、くどくどしくて説明的な文章が、読者には
「うまい」「筆力がある」と受けとられがちであることは確かです。
物書きは基本的に書くことが大好きな人種ですので、言葉数を増やそうと
おもえば、いくらでも書けます。
しかし平易で読みやすくて、一見簡単に書けそうに見える文章の方が、
実は難易度が高いものなんですがね……。 [ レニ ]



レニさん、こんにちは。
あなたの周辺の方の受け止め方が一般的だと思います。

私は専門家ではありませんが、「平易で読みやすい」文章を
心がけています。
ただし、「言葉数を増やそうとおもえば、いくらでも書ける」ため
ついつい長くなる傾向があります。ごめんなさい。ハハハ。


岩佐さんこんにちは。
愛読書が「御宿かわせみ」の私には全く縁のない作家さんですが、
題名を付けるのは巧いと思います。 [ けん ]

岩佐さん、こんにちは。
岩佐さんの温かいお言葉に感謝します。
そしてこれからもよろしくお願いします! [ masa ]



けんサン、こんにちは。

確かに、タイトルはうまいかもしれませんね。
「なんだろう?」と思わせますから。
その手に乗っちゃダメなんですが。ハハハ。


岩佐さん、こんばんは。

村上ミステリーより、『刑事コロンボ』の方が
解りやすくていいですね~
夫は毎週録画をして、今更ですがかなりハマッて
見ています。 [ モクレン ]


モクレンさん、こんばんは。

刑事コロンボ…30年近く前に放送されていたころは
必ず見たものですが、今見ると、やはり鮮度がねえ。ハハハ。
ご主人が楽しければ、それでいいのですが。


村上春樹、高校生の頃にけっこう読んでいた記憶がありますが、
今話題の本は買うのはもちろん読む気にはなれません。(入会します!)
今好きな作家は宮部さんと辻村深月と、最近お亡くなりになりましたが
北森鴻さんですかね。北森さんは、シリーズ物が多くてはまってました。

うちの母親も、毎週BSで放送されている「コロンボ」を録画してあげると、
喜んで見てます。何度も見ていても、それでも面白いらしいです。 [ pon ]


ponさん、こんばんは。

クラブ・読んでたまるかへようこそ。
数え方が難しいですが、ツイッターと合わせると
たぶん12人目の会員です。ハハハ。


クラブができたんですネ。
愉快なネーミングと、スカッとする今日のタイトル!に、
傑作ボタンを押していきます(^^) [ 老・ましゃこ ]

クラブ読んでたまるか、盛り上がってますなぁ( ̄▽ ̄)
blogの一番乗りですが、なんとなく読む気がしないんです…
ぐらいですので、わたしは準会員ということにしといて頂ければ(苦笑)

作家の書きたいこと、あるいは読ませたい文章と、読者が読みたいもの、
ないしは読んでよかったと思わせる文章が一致した作品がベストセラーに
なるとは限らないということかもしれません。だからこそ、私のような
活字中毒患者は、面白い本を探して果てしない旅を繰り広げるわけですが。
[ はせぴょん ]


老・ましゃこサン、おはようございます。

入会審査も規約もないクラブです。
ついでに、活動もありません。
読まないんですから。ハハハ。


以前の2本の記事もあわせて読ませていただきました。
ワタシは昔からのファンで、小説はすべて読んでいるものなので、
気持ちよくはありませんが、でも、むしろ安心しました。
だって、あくまでもメインストリームではなくアンダーグラウンドに
一部の固定ファンがこっそり楽しむタイプの娯楽だと思うからです。
やめられないけど、公言するのは憚られる、悪い癖みたいなものなんです。
ワイドショーに取り上げられ、「ハルキスト」などと名乗ってバーで酒を
飲みながら本作を読んでみせインタビューに答えている人を見かけると、
はっきり言って気持ち悪い。
自分はそうならないようにしようと思わざるをえません。 [ ts_*rk ]


<<<メインストリームではなくアンダーグラウンドに
一部の固定ファンがこっそり楽しむタイプの娯楽だと
思うからです。やめられないけど、公言するのは憚られる、
悪い癖みたいなものなんです。

ものすごく意外です。
そんな風に考えている春樹ファンは
あなただけではないですか?
ツイッターを見ると、みなさん、
「われこそが村上文学の理解者」
と思っているみたいですが。


どうなんでしょう?よく言うあれじゃないでしょうか。
見えているのは氷山の一角に過ぎないってやつです。
むしろ見えたがる部分ばかりが水面に出てきて、
見られたくない部分は潜っているのかも知れませんよ。
ワタシもツイッターとかmixiのコミュニティとか見ると、
「あれ?」って違和感があります。
S…2って名でツイートしてます。 [ ts_*rk ]



ts_*rk さん、分かりました。

でも、つくづく意外です。
そんな読者に支えられている作家が
ノーベル賞候補になるのですから。

うーん、だとしたら、あまりからかうような
書き方をしたら悪いかもしれないなあ、と
少し心配になってきました。遅いですが。ハハハ。


彼のエッセイとかドキュメントは読まないのと、
図書館とか文庫本とかで読むので、経済的には
あまり支えになってないかと思います(笑)
ノーベル賞候補っていうのもワタシにはよくわかりません。
でも、大江健三郎もわからないので、そんなものなんでしょうか。
純文学というくくりに入っているのもイマイチ納得いってません(笑)
煙草みたいなもので、吸わない人に無理にすすめようとは思いません。

からかうような書き方をすると悪い…なんてことはないと思いますよ。
読まない人、読んで嫌いな人、嫌いなので読まない人、いろいろいて
当たり前ですし、そうでない風な風潮が気味悪く感じていましたので、
安心しているところです。長々とおじゃましました。 [ ts_*rk ]


読みやすさを考えて、コメントを先に更新しました。

by toruiwa2010 | 2011-10-10 08:43 | 読書・歌・趣味 | Comments(0)
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村上春樹「1Q84」のBOOK1~2を読むのにどれほどの時間が
かかったのか、今になると思いだせません。途方もない時間
だったような気もしますし、あっという間だったような気も…。

どちらにしても、“充実したいい時間”を過ごしたという
記憶はありません。ハハハ。


「“駄作”としか思えない」2009.07.31


苛立つ自分をなだめながら、なんとか、村上春樹著「1Q84」を読み終えました。
本を読んで、これほどストレスがたまったのは初めてです。
読了後の感想を率直に書くなら、“駄作”以外の言葉が思い浮かびません。
私自身が5件 書き込みましたが、それをのぞいても8件の“反応”がありました。
最近では、“カレー騒動”に次ぐ“珍事”です。ハハハ。
内容を分析すると、正面から私のエントリーに“不快感”を示したものはほとんどなく、
村上ファンと認めつつ 私の感想にも“おおらかな”反応を見せた方が数人…、なによりも、
感情的な反論がなかったことを嬉しく思います。
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「説明しなくてはそれがわからんというのは、つまり、どれだけ説明しても
わからんということだ」


物語の中では、認知症が少しずつ進行している天吾の父親が語った言葉ですが、それは、
どう考えても、作者が言いたいことでもあるのでしょう。
決して、重箱の隅をつつくつもりはありません。
しかし、無償で、読みたい人だけが読めばいい、ささやかなブログを書いている私などと
違って、BOOK 1-2で合わせて3780円も払わなければ読めない本を書く世界的な大作家で
あるならば、これほどに、読む者を混乱させる文章は書かないでほしいと思います。
それとも、“説明責任”なんて言葉も辞書から削除しますか?載ってないけど。ハハハ。

読んでいるときから「どうして、こんなことを書いたのだろう?」という疑問が頭から
離れなかった描写があります。ともに、BOOK 1です。

ぱっとしない左右でいびつな乳房と、手入れの悪いサッカー場を思わせる○毛。
(204P )

乳房は大きさが足りないし、おまけに左右非対称だ。○毛は行進する歩兵部隊に
踏みつけられた草むらみたいな生え方をしている。(326P)


特別の意味があって、この部分を選んだわけではありません。当ブログの訪問者は皆さん、
“オトナ”だと思っていますから、これぐらいの“下ねた”は大丈夫なはずです。
品位を保つために、1文字 伏せてありますが(ハハハ)、これはダメでしょう。
これだけ長い小説であれば、“無駄な”文章も、あって不思議ではありません。
しかし、この二つの描写で、村上春樹は青豆について何を言いたかったのか?
その意図がさっぱり分からず、単なる“言葉遊び”としか、思えません。

初めて読む村上春樹作品が“これ”だったのがわが身の“不運”なのかもしれません。
過去の作品もすべてこの調子なんでしょうか? まさかね。
内外で高い評価を受けている作家ですから、そんなはずはないでしょう。
ただ、私が、果てしない“混乱”の中でこの本を読んだことは事実です。
途中から、「これはSFなのか?」と思い始めました。
「それならそうと、初めから言ってよ。映画でも小説でも、SFものは“敬遠”することに
しているんだから。“絶不調”だった5番・新井の前の4番・金本みたいに…」。ハハハ。

青豆が、見落とすはずがない大きな事件についての情報の“洩れ”を自覚するあたりから
「怪しいな」と思い始めました。
さらに、この物語が進行している年、1984年を“1Q84年”と呼ぶことに決め、やがて、
空に浮かんだ“二つの月”に気づき、それが、彼女の一時的な“錯覚”や“思いこみ”で
終わらないと分かった時点で、読み続けることが苦痛になってきました。

この作家は“錯乱”しているのではないか?
言いたいことは何なのか?
あちらの世界、こちらの世界とは何か?
空気さなぎとは、リトル・ピープルとは何を象徴しているのか?
また、それらを登場させることで作者はどんなメッセージを伝えようとしているのか?
…ナゾは、何一つ解けることなく、ナゾのまま残りました。ハハハ。

それでも、BOOK 2の中盤で青豆と教祖が“1対1”になるところまでは、その先の展開に
いくらかの期待がありました。
しかし、見事に裏切られ 残ったのは時間がもったいなかったという思いと“疲労感”です。

圧倒的に“高い評価”で新人賞を取ったとされる「空気さなぎ」が一部 登場しますが、
それほどのものとも思えません。
BOOK 2の396ページに<<<『空気さなぎ』は幻想的な物語のかたちをとっているものの、
基本的には読みやすい小説だった。>>>とあります。おそらく、作者は、「1Q84」もそうだ
と言いたいのでしょうが、私には、どちらも“ちんぷんかんぷん”です。ハハハ。

そもそも、小学校4年生(10歳)のある放課後に、少女が少年の手を握っただけなのに、
20年後になっても、その二人が互いを想い続ける…なんてことがあるのだろうか?
それが、まさに1Q84年の、あっちだかこっちだかの世界だからこそ見られる現象なのか?
脳細胞を総動員してもこの本に書かれていることを理解するのは不可能でした。

そういえば、何かの受賞のスピーチが話題になっていたなあと思って、ウイキペディアを
のぞいてみたところ、斉藤環氏の書いたこととしてこんな記述がありました。
「隠喩能力を、異なった二つのイメージ間のジャンプ力と考えるなら、彼ほど遠くまで
ジャンプする日本の作家は存在しない」

…なるほど。えーと、これはほめているんですよね。
「たしかに」、「これはうまいなあ」と思うものもありますから、評価があるのも当然です。
隠喩や比喩については、前のエントリーで散々書きましたから、これ以上は書きません。
しかし、これほど“乱発”しちゃあダメでしょう。ここというときに“放って”こそ、
値打ちがあるというものです。WBCのイチローのように。ハハハ。
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指摘されるまでもなく、これが“書評”の類でないことは本人が一番よく分かっています。
“ありてい”に言えば、単なる感想? いけませんか? 
新聞や週刊誌では、専門家の書評を見かけないので、ネットで検索して、そのいくつかを
読んでみましたが、読まなきゃよかったと思いました。
本編を読む以上に混乱してしまったからです。
もっと恐ろしいのは“上・下巻”ではなく、“BOOK 1” 、“BOOK 2”となっている以上、
“BOOK 3”、“BOOK 4”が出てもおかしくないとする説があることです!!
「これ以上、いじめんとって」…ハハハ。

絵画、音楽、文学…どんな分野であっても、「分からない奴は分からなくていい」という
タイプの芸術は認めないことにしています。
“ミロのヴィーナス”は美しいし、素直に感動しますが、“ゲルニカ”などは、何度見ても
よさが理解できません。専門家の解説を聞いても、です。
芸術作品の評価を決めるものさしの中に“見て、聞いて、読んで、万人が理解できる”を
入れるべきではないでしょうか?

そういえば、政治体制を「壁」、人間を「卵」にたとえたエルサレム賞のスピーチですが、
「どんなに壁が正しく、どんなに卵が間違っていても、私は卵の側に立つ」…
私の胸には響きません。どちらかといえば“うすっぺら”、“空虚”という印象です。
ムツさん(「秩父山中 花のあとさき」NHKドキュメンとタリー)の言葉のほうがはるかに
訴える力を持っています。それは“頭でつむがれた”のではなく“ハート”から出てきた
言葉だからです。
“大作家”と“山里のおばあさん”だと、前者の言葉に感心してしまいますがちですが。

皮肉でなく、この本に書かれていることを理解できたと言う人は“すごい!”と思います。
私には、とても無理です。
ただし、文学って、こんなにややこしいものでいいのか?という疑問が残ります。
そして、“理解できた”人たちが、「“理解できない”とは格好悪くて言えないから」との
思いから、そうおっしゃっているのではないことを祈ります。ハハハ。

1冊読んだだけで、大作家を切り捨てたのでは後悔するかもしれないと思い、初期の作品、
「ノルウェイの森」を購入しました。私より先に読んだ妻は「似たようなもの」と言って
いたのに、さらに、「ねじまき鳥クロニクル」と「海辺のカフカ」を買ってきました!
この期に及んで「はまりそうだわ」と言い出していますが、「お好きなように」と言って
おきました。ハハハ。
「ノルウェイの森」を含め、私が読む可能性は低そうです。
5日前に、注文してあった4冊の新作がAmazonから届いたからです。

マイケル・コネリーの「The Brass Verdict」
ネルソン・デミルの「The Gate House」
マイケル・コネリーの「The Scarecrow」
ケン・フォレットの「World without End」

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好きな作家ばかりで、わくわくします。12月にかけてさらに4冊、届く予定です。
頭が痛くなるような、わけの分からん小説を読んでいる“ヒマ”はないのです。ハハハ。


先日の朝日新聞(青be)に「村上春樹の作品を読んだことがありますか?」との設問があり、
「ある」が45%、「ない」が55%、「ある」人に「好きですか?」と尋ねると、その回答は
「はい」が51%、「いいえ」が49%だったそうです。
「はい」と答えた人たちにその「魅力」を聞くと、回答の上位ふたつは次のとおりでした。
「隠喩多用の文章」22%
「幻想的な物語」22%

…そのふたつが気に入らない私には、読む資格がないようです。
口惜しくもないし、困ることもありませんが。ハハハ。

前の記事、“村上春樹「1Q84 」を読む~げに 純文学とはややこしきもの~”と
ほぼ同数のコメントがありました。コアな意見が多かったような気がします。
⇓ に更新してあります。


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by toruiwa2010 | 2011-10-09 08:20 | 読書・歌・趣味 | Comments(2)
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貴重な情報ありがとうございました。私も、その作品、購入しようかどうか
迷っていたのですが、やはり、そうでしたか。[ mimo ]

おはようございます。昔は「風の歌を訊け」「1973年のピンボール」
「羊を巡る冒険」と、後から青春三部作といわれた作品がとても新鮮で
好きでした。以降は、ノルウエーの森も途中で放棄。この辺から
『「はい」と答えた人たちの「魅力」』的な小説になっていき・・・、
岩佐さん同様、私も、もう読む機会もないでしょう。[ 空 ]

村上春樹作品は謎だらけの中でいろいろな想像をすることを楽しんでいます。
理解できない中で空想するのがお気に入りです。
多様な感想があるのは当たり前で、それぞれお気に入りの本を読めば良いと
思います。 [ ぞうやん ]

"空"さんとほぼ同じです。でも本屋さんで平積みされているのを見るたび
どうしようか考えていましたが・・・やっぱやめます。
もしかして、英語やフランス語に翻訳されると新たな魅力が生まれるのかも
なんてあるんでしょうか。 [ yy ]

こんにちは
村上春樹、「羊を巡る冒険」は好きでした。内容も記憶に残っています。
高校生の時に「ノルウェイの森」でギブアップ。
その後、全く手が遠のいてしまいました。

優れた芸術作品ってナンなんでしょうね。
映画や文学を見ていて世界的に評価されてこれは素晴らしいといわれたものが
私には理解できないものがあります。
よく分からないというと「だから凡人は・・・」って言われちゃったり。

そーかなあ、世の中には凡人のほうが多い気もするけど。
さりげなく分かりやすく、面白いほうが親切だと思うんだけど。
そういった素晴らしい芸術作品(1Q84以外のものも含めて)
分かったフリは自分らしくないので、やっぱり「よく理解できない」と
言い続けるんでしょうね。ま、いろいろな感覚の人がいるから、生活してて
楽しいんだし。 [ orangepanya_yuko ]

作家という人達は、年齢を経るに従い、自分独自の世界を構築するようになります。
読者不在の文法を用いるようになり、やがて本人と担当編集者にしか理解できない
文章を書くように…その段階に至ると、世間は、その人を芸術家と呼び、作品を
離れて名声だけが一人歩きをはじめます。
そうなると、書いている本人、孤独でしょうね。[ mimo ]

あまりに否定派が多いのでフォローを。
「ノルウェイの森」が流行った時、わたしも読みましたが正直なぜそんなに
ベストセラーになったのかわかりませんでした。そして結婚して夫の本棚に
あるのを見つけ読み直してみたらなかなかよい作品だなぁ…
と全く異なった感想を持ちました。
その時の精神状態によって村上春樹は訴えかけてくる時と来ない時があります。
ちなみに、わたしは図書館で借りて読んでから気に入ったら買う派です。[ masa ]

フリージャズを聴かされているような苦痛を感じて以来、
避けて通っています。 [ けん ]

昔からHP・ブログを拝見してますが、岩佐さん、変わりましたね。 [ TK ]

結局は、ある人にとっての傑作は、他人にとっては駄作になりうるって
ことですね~

1点気になったのですが、所詮は芸術ってすべて「分からない奴は
分からなくていい」ものではないでしょうか。
岩佐さんは“ミロのヴィーナス”は美しいけど“ゲルニカ”は
理解できないとおっしゃいますが、それとまったく逆の感性を持つ人も
いっぱいいますよね。
(たとえば先入観のない子供は、古典美術よりピカソ後期の作品に
興味を持つと聞いたことがあります。)
となると、「万人が理解できる」かどうかを、誰のものさしで判断すれば
よいのでしょう…
やっぱり芸術って伝わる人に伝わればよいのではないでしょうか?

それにしても、“IQ84”の報道ぶりはちょっと異常ですね。
マスコミに流されず、自分で好みの作品を見出すところに読書の面白さが
あるのになぁって思います。 [ きゅう ]


きゅうサン、こんにちは。
このブログ全体がそうですが、ものさし…の部分は
私はこう思う、ということを書いたまでです。
異論があるのは当然です。
そして、おっしゃる意味はよーく分かります。

私が口をさしはさまないうちに、コメントが
10件に達しました。
良くも悪くも、“ハルキ”には皆さん、関心が
あるということでしょうか。ハハハ。

岩佐さん、こんばんは。
久しぶりに書き込みします。

「村上春樹」論ですか…。
作品の世界観が作者自身の感性にものすごく依拠しているのが
強烈に感じられ、その感性に読者側が歩み寄らなければ
なかなか理解することが難しい、作者の世界観に
乗っかることのできる人以外を排除してしまう傾向にある
(本人にその意図はなく、読者側だけの問題なのかもしれませんが)
作家の1人だと思います。

むしろ、登場人物が抱く青春期のどこかしら屈折した心情など、
理解できない部分もまったくないわけではないんですけども。

「ノルウェイ」「ねじまき鳥」「カフカ」…。
このうち「カフカ」は未読なので何とも言えませんが、
物語の世界が比較的つかみやすい、という点で言うなら、
あえて以上のどれでもなく、
「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を
お勧めします。

とりとめなく、長々と失礼いたしました。 [ a73*su*4shi ]


a73*su*4shiさん、こんばんは。

…という、書き込みがあったと
妻に伝えておきます。ハハハ。

私は、二度とあの疲労感と時間を
無駄にした気分を味わいたくないので、
読むことはありません。

私は村上作品は最新作を除きすべて読みました。それも繰り返し。
周りの人に聞くと大好きと嫌いか分からないにはっきり分かれます。
奥様の場合は、「ねじまき鳥クロニクル」を読まれた後に、はまりそうだと
おっしゃったなら、村上に親和性がある方だと思います。
ユング派の故河合隼雄氏が、これは、夫婦のことを扱ったすごい本ですね、
と二人の対談本の中で言ってました。 [ chacha ]

読みやすさを考えて、コメントを先に更新しました。
岩佐さん、変わりましたね・・・と、ドスの利いた一言をのこした
TKさんはその後姿を消しました。最後っ屁。ハハハ。

by toruiwa2010 | 2011-10-09 08:20 | 読書・歌・趣味 | Comments(0)
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「ノルウェーの森」ではなく“スウェーデンの詩人”でした。
…ええ、今年のノーベル文学賞の受賞者ですが。ハハハ。
がっくりするハルキストたちには同情申し上げます。
申し訳ないですが、私はなんとも思いません。
「1Q84」を読む限り、賞に値するとは思わないので。

2年前、この小説が発売されたときには“社会現象”になりました。
普段なら絶対に読まないのですが、“たまりかねて”読みました。
妻が買っていたからですが。
私にとっては突っ込みどころが満載でした。ハハハ。

今回の“落選”で2年前を思い出してしまいました。
そんなわけで、タイミングもいいので今週は放送関係を一休みして
村上春樹シリーズの3連発です。
なお、ハルキストはやめといたほうがいい、アドバイスしときます。
アドバイスしましたよね。読んだあと怒っても知りませんよ。ハハハ。
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“村上春樹「1Q84 」を読む~げに 純文学とはややこしきもの~”2009.07.10



・投げた石が必ず落ちるように俺は確実に死ぬ。

・が、テストを受けなければ、今全身をわし掴みにしている不安が永遠に続くことも
またハッキリしていた。墜落機の中にでもいるような激しい衝撃は収まったが、高みに
渡されたガラス板の上に立って下を見るような、踏ん張りのきかない絶望感が彼の全身を
しっかりと捉えていた。

・まるで糸の切れた凧のように嬉々として、彼はたちまちラグビーに打ち込んだ。

・それは目まいに似た暗闇を頭の中に喚起して彼をたちまち恐怖の底に突き落とした。

・たちまち彼の気分とは噛み合わない交換手の呑気な声が返ってくる。

出張先の海外で 文学を志す友人から「習作だけど、読んで感想を聞かせてくれないか」と
言われて預かった小説のコピーが手元にあります。
帰国の飛行機の中から読みはじめました。15年も前のことです。
…結局、彼に“感想”を伝えることはありませんでした。
頻繁に登場する、純文学にはありがちな“修辞法”(同じことを言い換えたり 単純な名詞や
動詞に回りくどい形容詞や形容詞句を書き足したりするやりかた)にひどく違和感を覚え、
ほかにも、“日本語的”におかしいと思える表現がたくさんあったからです。
それを伝えてこそ“友”でしょうが、最後の数行を除くと、共感するところ、感心する
言い回しがほとんどなくて、「これではなあ…」とためらってしまったのです。

広辞苑では“純文学”をこう説明しています。
<<<② 大衆文学に対して、純粋な芸術を志向する文芸作品、殊に小説>>>

4年前、0420「岩佐徹的比較文化論」に書いたとおり、私は、一貫して、芥川賞作品より
直木賞作品のほうが好きでした。
物語としての面白さを追及して、比較的分かりやすい言葉で簡潔に話を前に進めていく
大衆文学に対して、作家が大事だと考える“テーマ”を“言い換え”や“たとえ話”を
ちりばめて書き進めるあまり、なかなかストーリーが進展しない純文学は、“生理的”に
受けつけないところがあるのです。ハハハ。

“帰省中”にフレデリック・フォーサイスの「アヴェンジャー」を読み終えたあと、さて、
次は何を読もうかと本棚を探したのですが、適当なものが見つかりませんでした。
未読の原書は、全部、芦屋に運んであったからです。
うっかり、妻が読み終えてテーブルに積んであった“話題騒然”、村上春樹の「1Q84」が
目に入ってしまいました。
最近は 芥川賞作品をはじめ、かなり話題になっていても、日本人作家の作品はほとんど
読んでいなかったのですが、すさまじい人気のこの作品には関心がありました。
「そんなにすごいの?」「どこがそれほど面白いの?」…
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見た目は“しゃきっとした”キャリア・ウーマン、実は…という女、青豆(あおまめ)と
作家を目指す青年、天吾(てんご)が、1章ずつ、交互に登場して物語が進行していきます。

読み出してはみたものの、たちまち、“15年前”と同じ感覚を味わうことになりました。
もちろん、友人には悪いですが、レベルは大きく違います。
しかし、「普通に書けばいいじゃない?」「どうして、そんなに得意げなの?」
「なぜ、まるで『どうだ、うまいだろう。こういう言い換えは俺にしかできないのだ』と
言わんばかりに くどい形容詞や形容詞句を書き連ねなければいけないの?」と、へきえき
した気分になるところは同じです。ハハハ。
冒頭の3-5行目にかけて、こんな文章があります。

・中年の運転手は、まるで舳先に立って不吉な潮目を読む老練な漁師のように、
前方に途切れなく並んだ車の列を、ただ口を閉ざして見つめていた。

…“余計な”文節のおかげで、かえって運転手の表情が頭に浮かんできません。ハハハ。
“中年の運転手は、前方に途切れなく並んだ車の列を、ただ口を閉ざして見つめていた”
では、どうしてもダメなのか?
それに、“途切れなく”という日本語、あるんですかね?
私のボキャブラリーには“途切れることなく”または、“切れ目なく”しかありませんので、
この言葉に出会って、びっくりしました。
推敲に推敲を重ねたはずですから、“大作家”に間違いはなく、私が知らなかっただけ…
このブログでは、とりあえず そういうことにしておきましょう。ハハハ。

珍しい苗字を持つ主人公の一人が、行く先々の町で電話帳を開いてみるが、同じ名前を
持つ人物は見当たらなかった…という記述のあとに
“そのたびに彼女は、大海原に投げ出された孤独な漂流者のような気持ちになった。”と
書かれています。数行後には
“名刺を渡すと相手はしばしそれを凝視した。まるで出し抜けに不幸の手紙でも渡された
みたいに。”とあります。

ほかにも・・・。

・なのに、その音楽の冒頭の一節を聴いた瞬間から、彼女の頭にいろんな知識が反射的に
浮かんできたのだ。開いた窓から一群の鳥が部屋に飛び込んでくるみたいに。

・録音された拍手を長く聞いていると、そのうちに拍手に聞こえなくなる。終わりのない
火星の砂嵐に耳を澄ませているみたいな気持ちになる。

・「現実はいつだってひとつしかありません」、書物の大事な一節にアンダーラインを
引くように、運転手はゆっくりと繰り返した。

・それは揺れというよりはうねりに近い。荒波の上に浮かんだ航空母艦の甲板を歩いて
いるようだ。

・堅く閉じられた唇は、よほどの必要がなければ微笑ひとつ浮かべなかった。その両目は
優秀な甲板監視員のように、怠りなく冷ややかだった。

傾向はお分かりでしょう。
省かれていることが多いですが、一つの文章を説明するときに、“まるで(たとえば)、
・・・のように(みたいに)”という形の文章が続くのです。
第1章、19ページ分の文章の中だけでこんなにあります。“てんこ盛り”。ハハハ。
ファンの多い、世界的に有名な作家ですから、当然、「それが村上文学さ」とおっしゃる
読者がたくさんいるのでしょう。だからこそ、意図的に宣伝しなかったのに、初日だけで
数十万部を売り上げたのでかもしれません。

しかし、天邪鬼の私はそれほど、感心したり、「参った」と言ったりしません。ハハハ。
これは、作家の“言葉遊び”じゃないかと思うのです。
それが好きだと言う人もいるでしょう。しかし“いちいち”感心したりしない私のような
読者には余分なものでしかありません。どんなに高邁なテーマで小説を書いたって 読者に
伝わらなければ意味がないじゃん。
分類上、純文学だろうが、大衆文学だろうが、分かりやすいことが肝心じゃないのかなあ。

考えすぎでしょうが、なによりも、読者に「うまいなあ」と言わせたがっているように
思えてなりません。大向こうに受けることを狙っているようで、好きにはなれません。
もともと、世間が“絶対視”する事物には、“眉につばする”ことにしている私ですから、
大作家がこういう“自己満足”的なことをやっているのが我慢できないのです。ハハハ。
ウエアや音楽をはじめ、やたらにブランド名や“うんちく”が出てくるのも、かえって、
作品全体の質を落としているように感じます。そんなことは、“やすおチャン”に任せて
おけばいいのに…。

純文学とは“対極”に位置する分野(推理・探偵小説)になりますが、私の大好きな作家に、
“ハリー・ボッシュ・シリーズ”で知られる、マイケル・コネリーがいます。
探偵小説を馬鹿にしてはいけません。彼は、新聞記者として“ピューリッツァー賞”の
候補にもなったほどの実績を残していて、今では、日本でもファンが増えています。
ときどき“うんちく”は出てきますが、英語で読んでも、彼の書き方のほうが“無駄”が
少なく、はるかにスマートです。
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…そんなことを言いつつ、BOOK1を読み終えてしまいました。ハハハ。
こうなった以上 最後まで読むつもりですが、いまのところ、高い評価に値する小説だとは
思いません。“面白い”とも思いません。“行きがかり上”、読み進んでいるだけです。

BOOK1の終り近くにこんな箇所があります。

「世界というのはね、青豆さん、ひとつの記憶とその反対側の記憶との
果てしない戦いなんだよ」
「たしかに」と青豆は言った。


…文化人類学者や哲学者ではなく、“普通の”20歳代半ばの女性二人の会話です。
すっげー!小説だから、と言ってしまえばそれまでだし、こういう深ーい会話ができる
若い女性がいたっておかしくはないのですが、ひたすら尊敬しちゃいますねえ。ハハハ。

501ページに、編集者が天吾に向かって電話で 「ホットケーキみたいに作るそばから
どんどん売れている」と話す場面があります。
哀れな私の頭は“混乱”します。
“花畑牧場の生キャラメルみたいに、作るそばから…”なら、私の頭でも分かります。
しかし、この作家の書き方だと、“ホットケーキ”とは、“作るそばから売れる”もの、
ということになり、それはとてもおかしな“決め付け”です。それとも、1984年当時は
ホットケーキが“爆発的に”売れていたんでしょうか。まさかね。ハハハ。 

読みはじめたばかりのBOOK2にも、いきなりこんな記述があります。
・百合は大きく、瞑想にふける異国の小さな動物のようにもったりしていた。
・唇には色がなく、長い眉の外端は、まるで万有引力に抗することを
あきらめたかのように、わずかに下に降りていた。

相変わらず…。ハハハ。
こういう描写が、ものすごく気になるのです。

ただし、初めは、まったく接点がなさそうに見えていた2人の主要な登場人物の間に、
少しずつ、“絆”があることが明らかになってきています。これから面白くなるのか?!
読み終えたときの感想が大きく変わっていても私を責めないでください。ハハハ。


このエントリーを書くのに、少し“ためらい”がありました。
ささやかではありますが、不特定多数の方の目に留まるブログで、ノーベル賞を獲ろうか
という世界レベルの作家の作品に“いちゃもん”をつけ 文章にまでごちゃごちゃ言うのは
それなりの“勇気”が要ることなのです。ハハハ。

これを何と言えばいいのでしょうか?
“飛んで火に入る夏の虫”?…じゃあないでしょう。
“風車に挑んだドン・キホーテ”?…違いますねえ。
“蟷螂の斧”?…これも違うなあ。
“「私を総裁候補に」の東国原知事”?…。ハハハ。

ピッタリの言葉は見つかりませんが、周囲からの“冷ややかな”目を意識しながら、
勝てる見込みのない相手に挑んでいる自分が見えます。ハハハ。

参考のために、この記事に対するコメントを先に(⇓)
更新してあります。興味があったらどうぞ。

by toruiwa2010 | 2011-10-08 09:12 | 読書・歌・趣味 | Comments(5)
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多くのファンを持つ村上作品をけなしたのですから、反発は覚悟していました。
“村上春樹「1Q84 」を読む~げに 純文学とはややこしきもの~”に対する
コメントは以下の通りでした。そのまま再録します。



こんにちわ。この作品はまだ読んでいません。
村上春樹はけっこう好きです。
春樹らしさが好きなのかもしれません。
でも、この記事は全然嫌味でなく、とても正直で、
素直になるほどなあと楽しめました。勇気、頭が下がります。
迎合するだけでは、世の中ちっとも面白くありませんものね。(笑)[ 咲耶子 ]


咲耶子さん、こんにちは。
最初のコメントが“好意的”なもので
ほっとしました。ハハハ。

好き・嫌いは人それぞれですからね。

13歳でデビュー作を読んでから今日まで
村上春樹作品とともに人生を歩んできました。
私は「全面肯定」ですが、そうでない人がいても不思議ではないです。
「ファンだけがわかればいい」と驕っているのではなく・・・
感じ方人それぞれ、ですよね。 [ きょん ]


先日、妻が電話でこう言いました。***
「テレビで、誰かが、これだけ話題に
なっているのに、私の周りで、この本を
読んだという人を知らないって言ってたわ」

200万部売れたと言っても、BOOK1-2合計ですから
実質100万・・・全人口の1%足らず。
周りに、読んだ人がいなくても不思議ではないですね。

なのに、ここには、3人も!
当ブログの来訪者の反応はとても
理性的なので嬉しいです。

いつか、原書に読みつかれたとき、彼の
ほかの作品を読んでみようという気になります。
ハハハ。
***このころ、私は芦屋に単身“赴任”中でした。

私としては,このエントリーの,考えすぎでしょうが...から,
やすおチャンに任せておけばいいのに..の部分が,岩佐さん流を感じて,
とってもおもしろかったです.岩佐さんのブログを放っておけない理由が
ここにあります. [ lal*l*o ]


ブログを書く喜びは、
通じる人には通じると
分かったときに味わえます。

私は「生キャラメル」のくだりが笑えましたよ。
いくらなんでもそれは無いだろうって。
小説を読まなくなってだいぶになります(評論本ばかり)
それでもパトリシア・コーンウエルはシリーズ読みしたので、
岩佐さんの言われるマイケル・コネリー読んでみようかなと思います
翻訳本でもいいですか? [ 瀬戸の生ガキ ]


瀬戸の生ガキ さん、おはようございます。
“きざ”なようですが、コネリーは
原書でしか読んだことがありませんので
訳されたものが面白いかどうか、保証の
かぎりではありませんが、とにかく、一冊
お試しになってみてはいかがでしょうか?

“ハリー・ボッシュ・シリーズ”が
特にお勧めです。
パラパラっとめくって、「ボッシュ」の文字が
あるものを選んでください。

なお、日本では、「マイクル・コナリー」と
されています。

楽しんでいただけるといいのですが。

岩佐さんに共感です。
一般とは違う意味で、姉妹で春樹ブームです。

そして本日、本屋の「1Q84」コーナーの前にて、
20代の女性3人の会話。
「あっ、1Q84!」
「読んだ?」
「読んでない」(3人共)
「面白いかな?」
「だって有名だから」

最後の言葉に一人ニヤリとしてしまいました。 [ にこさん ]


もうすぐ、読み終えます。
いずれ、結果の報告をします。ハハハ。

私も今まさにBOOK2を読んでいるところです。
大まかな感想は岩佐さんとほぼ同じです。
好きではないけど、うまいな・・・
と感じる部分は確かにあります。
岩佐さんの報告が楽しみです。 [ hir*mam*2 ]

初めて村上さんの本を読みました。
もっと小難しいのかな、って思いましたが、
読みやすかったです。
くどい感じはありますが、それは僕に読解力が足りない
せいなのかなと思ってました。
でも、最後まで楽しかったですよ。ハハハ。 [ futago ]

たしかに過剰なまでの比喩ですね。
この記事にあげられたように連続して目にすると辟易する
感がありますね。
ホットケーキの比喩は、英語の(sell) like hotcakesを
借用したのでしょう。日本語に直訳?して使うあたりにも
彼なりのある文学的計算?があるのかもしれませんが、
ちょっとネ、という気持ちにもなりますね。[eosan]


eosanさん、おはようございます。

古いもの***を読んでいただいてありがとうございます。
読み返してみましたが、よく書けてました。ハハハ。
***7月に書いた記事に対してコメントは12月でした。


*読みやすさを考えて、コメントを先に更新しました。
by toruiwa2010 | 2011-10-08 09:11 | 読書・歌・趣味 | Comments(0)
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1981年6月7日 日曜日16時、シナイ砂漠のエチオンにあるイスラエル空軍基地から
14機の航空機が離陸した。すべてが最新式で、F16が8機とF15が6機だった。
ただし、このミッションではF16の機関砲と空対空ミサイルは外され、その代わりに
900キロ爆弾と長距離用燃料タンクが装着されていた。援護役のF15の装備は通常の
ままだった。やはり、長距離用燃料タンクをつけていたが。
F15がF16を囲むように少し高く飛んで航空機はアカバ湾の上を低空で通過した。
離陸から6分後、編隊はサウジアラビアの海岸線を横切り、ヨルダン国境と並行する
コースに入った。
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16時52分、ヨルダンのマアーン基地で空軍の技術軍曹が突然 背筋を伸ばした。
彼の前のレーダー画面に14の輝点がゆっくりと現れたのだ。30秒後 マアーンの管制塔は
航空機に身分を明らかにするよう求めた。応じた指揮官が流ちょうなアラビア語で 彼らは
タブーク基地所属のサウジアラビア空軍で、訓練中だと説明した。
彼はマアーンの管制と適切なコードとちょっとしたジョークを交わしたあと、東に進んだ。
3分後、14の輝点はレーダー画面から消えた。
ヨルダンとサウジアラビアの間には統一された軍事的な航空管制システムがなかったため
マアーンの管制はタブークにもほかのアラブの基地にもこの飛行を報告しなかった。
17時、編隊はまっすぐイラク国境に向かう東北東に進路を変えた。

…A.J.クイネル著「スナップ・ショット」の冒頭、“プロローグ”です。
待望の1冊の到着とマイクル・コナリーの「The Reversal(逆転)」の読了がタイミングよく
重なりました。いいことがある兆しのようでうれしいです。ハハハ。
プロローグはもう少し続きますが、この編隊のミッションはイラクの原子力関連施設を
破壊することでした。爆撃などについてここに書かれていることはほぼ事実のようです。
ただし、8機のF16のうち、当初の目標に爆弾を投下したのは7機で、残り1機だけが
わずかに航路を外れて別行動をとっていた…というあたりから先に展開するもう一つの
物語は当然フィクションです。クイネルの面目はそこにあります。
まだ、本編に入って20ページほどしか読んでいませんが、十数年前に日本語で読んだとき、
私を包んだ興奮は英語で読んでも“健在”でした。「こんなはずじゃなかった…」とならず、
ホッとしました。ハハハ。
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私のつたない日本語訳では原作の持つ独特の“スピード感”がうまく伝わりませんが、
大熊栄訳による文庫本は最高に面白いです。特に、冒険ものが好きな男性は必読です。

プロローグが終わって本編に入ると、時計の針が巻き戻されて1960年代後半のアジアに
物語の舞台が移ります。
とりあえずの主人公は戦場カメラマンを“隠れみの”にするCIA要員のダフです。
ベトナムに従軍しますが、なかなか、これはという写真が撮れません。
そんな日々が続く中、ある同業者のカメラ用具一式がオークションにかけられるという
電話を受け取ります。デイブ・マンガーは戦争の過酷な現実を記録した写真で数々の賞を
獲得している、ダフがリスペクトする男でした。

普通、カメラマンの持ち物がオークションにかけられるのは彼が死亡したときです。
しかし、マンガーのケースは違いました。
数日前に同行取材した現場での経験がトラウマになったようです。突然、仕事への意欲を
失ったのです。サイゴン市内のレストランで、一人放心したように座り続けるマンガーを
彼を知る男たちはキツネにつままれた思いで見守るのです。
最後に訪れた戦場で何があったか…それは謎として残ったまま、マンガーは消えます。

このころサイゴンをベースに仕事をしていた人々の人生は 数年後、別の場所でそれぞれの
立場を変えてふたたび交わるようになります。
物語は このあと イスラエルの諜報機関・モサドやCIAなどの活動が軸になり マンガーが
本当の主人公として再ビ表舞台に登場する…はずです。面白いもので、話の展開が記憶と
同じなら嬉しいし、違っていると、それはそれで“儲けた”気分です。どちらにしても、
私たちが歴史的な出来事として知っている当時の中東情勢の裏側でひょっとするとこんな
エピソードがあったかもしれないと思いながら読むと興奮がさらに高まります。ハハハ。
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残念ながら数年前に亡くなったクイネルは謎が多い作家でした。
戦争、内戦、不正…世界のダークサイドを舞台にした作品ばかりで、扱うテーマの周辺が
極めて危険なため、正体を明かせないのだという話がまことしやかに伝わっていました。
私にしてみれば、“相当 面白い”のに、置いてある本屋が少ないのが不思議でした。
でも、いつかきっと彼の真価は発揮される日が来るさ と思っているうちに亡くなったのが
つくづく残念でなりません。
せめて、このブログを読むみなさんには…と思ってのアピールです。ハハハ。

Women's Final
Stosur d.Serena W. 62/63


女子決勝は山場の少ない試合だった。
ストーサーがここまで強くなっているとは想像もしなかった。
セレモニーを終えてストーサーがコートの出口に差しかかったとき、
マイクを手にしてハグしたアリシア・モリクのほうがオーストラリアの
将来を背負う選手として大きな期待がかかっていた。

オーストラリア女性の全米優勝は1973年のマーガレット・スミス・コート
以来のことだそうだ。
積極的に攻めるというゲーム・プランを実行しての優勝を讃えたい。
見事な決断をした、この試合の主審をほめておきたい。
ストーサーがボールをプレーする前にセレナが大きな声を出した。
hindrance・・・相手のプレーの邪魔をしたと判断された。
プレー中に帽子が飛ぶのと同じことだ。
ショットが見事なウイナーだったし、セレナの地元、アメリカでの
大会だけに難しい判断だったと思うが、主審のファインプレーだった。
あれを認めてしまうと、、テニスの形が変わってしまう。声の大きい
選手は有利になる。練習メニューの中に“発声”を入れることになる。
ハハハ。

勇気ある決断をした主審に拍手を。(07:40AM 加筆)

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by toruiwa2010 | 2011-09-12 06:26 | 読書・歌・趣味 | Comments(13)
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なにしろ友人が少なく、家族も関西に兄が2人いるだけですから
家の電話が鳴ることはほとんどありません。電話代が無駄です。
たまに、夕方から夜にかけてこの電話が鳴るとき、その95%は
駅前の本屋さんからのものです。妻が頼んでおいた本の入荷を
知らせてくるのです。私の横にある電話をとるたびに「どうせ
君あてなんだから、とればいいのに」と思います。ハハハ。

家計に占める書籍代の割合はかなり高いです。90%が妻です。
物凄い勢いで購入しています。なにしろ、読むのが速いですから。
私も、数カ月に一度、アマゾンでまとめて注文します。
読むのは先のことなのに 本棚に並ぶ本を見るのは嬉しいものです。

「ツンドク」2005.12.15


ようやくグリシャムの“The Last Juror”(最後の陪審員)を読み終えることができました。
3ヶ月かかっていますね。
「ダビンチ・コード」のように難しい単語が多いものならしかたがないのですが、比較的
やさしい言葉を使っているグリシャムの場合、普通1ヵ月半ぐらいで読めるはずなんです。
3ヶ月もかかった理由はただひとつ、外出する回数が激減したことです。ハハハ。

WOWOWのオフィスに通う電車の中で読めば、1日に14、5ページは進みますからね。
家にいるとブログを書いたり記事を読んだりしていない時はテレビを見てしまいますから、
“消化”が進まないのです。
おかげで全米オープンのときにニューヨークでまとめ買いをしたこともあって、本棚には
ごらんのとおり、読まれるのを待っている(ハハハ)本がこんなに並んでしまいました。
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最近はあまり耳にしなくなりましたが、かつては、熟読、乱読などにひっかけて「積ん読」
(ツンドク)と言いました。本屋さんで見かけてとりあえず買ったのはいいけど、読む時間が
なくて部屋のすみに“積んでおく”ことを指しています。
私の場合は積んでるわけではないので、“立て読”(タテトク)でしょうか。ハハハ。

グリシャムは、この数日 集中的に時間を作って読むようにしていたおかげでゴールイン
できたのですが、この調子だとこれから先も、あまりペースが上がりそうもありません。
ニューヨークでは「今後は、(現役を辞めたことで)簡単に入手できなくなるから」とまとめ
買いをしたのですが、まさか、こんなことになるとは予想しませんでした。ハハハ。
しかも、日本の書店で新刊を目にしたとき、もう行くことはなくなっているのに ついつい
「メルボルンの本屋で買えるからいいか」などと買い控えようとすることがありますから、
支離滅裂ですね。ハハハ。

本屋に行くと“Non Fiction/Mystery”のセクションをAから順番に見て行きます。
まず、Jeffrey Archerです。
「ジェフリー・アーチャー」にも書きましたが、大好きな作家です。
多作と言っていいと思います。しかも、駄作がありません。この人の作品を読んでいると、
「達者」という言葉が頭に浮かびます。
短編から長編まで、幅広い題材を取り上げ、読む者を退屈させない“腕”は見事です。

続いてMichael Connelly。
ロサンゼルス警察の刑事・ハリー・ボッシュを主人公にしたシリーズが中心です。
おさない時に母親が殺されて、施設で育ったつらい過去を持ち、ベトナム戦争も経験した
ハリー・ボッシュ。この男の、寡黙で 暗い過去の陰影が作り上げている個性が魅力的です。
周辺に登場する女性がとてもいい感じなんです。当然、見たことはないのですが。ハハハ。
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この人も処女作から15-6作になりますね。日本語訳も出ています。
友人に贈ったとき、本屋さんでなかなか見つかりませんでした。
店員さんに尋ねて案内されると、「マイクル・コナリー」になっていました。断固として、
“マイケル”でも“コネリー”でもないらしいです。
“マイコー”じゃないのが救いでしたが「これじゃ、007もショーン・コナリーだ」と
ひそかに笑ってしまいました。ハハハ。***

Nelson DeMilleは、最近、作品発表のペースが落ちてきたようで心配です。
この人も題材の幅が広い作家だと思います。これまで読んだ中で、とくに面白かったのは、
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By The Rivers of Babylon(バビロン脱出)
Word of Honour(誓約)
The Generl’s Daughter(将軍の娘)
Spencerville(スペンサーヴィル)
Up Country(アップ・カントリー)・・・です。日本語訳も出ています。


Ken Follettも“達者な”作家の一人だと思います。
「The Pillars of the Earth」(大聖堂)だけは途中でギブアップしましたが、これまでに
15作品を読みました。そのすべてが面白かったです。
特に最近の作品はお勧めです。
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Jackdaws(鴉よ闇へ翔べ)
Code to Zero(コード・トゥ・ゼロ)
The Hammer of Eden(ハンマー・オブ・エデン)
The Third Twin(第三双生児)
A Place Called Freedom(自由の地を求めて)
A Dangerous Fortune(ピラスター銀行の清算)
Night Over Water(飛行艇クリッパーの客)


John Grishamは今、乗りに乗っている作家ですね。6作品が映画化されています。
それもそのはずだと思います。読んでいて、この人ほど映像が頭に浮かんでくる作家は
ほかにいません。
弁護士出身だけに、特に法廷を舞台にしたものは、迫力があります。
どういう狙いがあるのか、法律用語以外にはあまり難しい単語が使われていません。
受験勉強で“アカタン”をやらなかった私は、大いに助かります。ハハハ。
50歳と若いですから、まだまだ楽しませてくれることでしょう。10年ぐらい後に、どんな
作品を書くか、にも興味があります。

最近このリストにDan Brownが加わりました。
大ベスト・セラー・「ダヴィンチ・コード」の作家です。しかし、彼は流行作家になるには
寡作です。調べた限りでは、2003年出版の4作目、「ダヴィンチ・コード」以後、新作は
出ていません。あれだけ複雑な内容の作品を書くにはかなりの時間がかかることは容易に
想像できますがね。もっとも、未読の作品が一冊残っていますし、新作が出ても読むのは
先のことになるでしょう。とにかく、難しい単語が多くて…。ハハハ。

引退したFredrick Forsyth、亡くなったA.J.Quinnell、どこを探しても見つからない
William G.Tupplyについては、今後、新しい作品を読むことはありません。残念です。
さらに、英語で読むようになるキッカケを作ったSydney Sheldonは、読んでいない作品が
たくさんありますから、当分買うことはないでしょう。
可能性はあまり高くありませんが、万一 読むものが減っても心配はありません。
Robert B. Parkerを愛読作家のグループに入れれば、とんでもなく多作の作家ですから、
即座に問題解決です。ハハハ。

Robert James Waller(ロバート・ジェームズ・ウォラー)という作家をご存知ですか?
あの、大ベスト・セラー、「マディソン郡の橋」の作者です。
今、若い人の間では、純愛ものがブームになっているようですが、 この作品は、いわば、
大人の純愛を描いたものです。最後の部分を電車の中で読んだとき、涙があふれてきて
大慌てした覚えがあります。ハハハ。泣きたい人は日本語訳も出ていますので、どうぞ。

「マディソン郡…」以外にも、味わい深い作品があります。 寡作なのが残念です。
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Old Songs and New Café(一本の道さえあれば…)
Slow Waltz in Cedar Bend(スローワルツの川)
Border Music(ボーダー・ミュージック)…泣けなかったら、訳者が悪いと思います。ハハハ。


実をいうと、この原稿はだいぶ前に書いたものです。
ネタが薄くなったときに出そう、と考えていたのですが、なんとなく書くことがあって
“日の目をみる”ことがなかったのです。
グリシャムの後、マイケル・コネリーの「クローザー(Closers)」を読みましたが2週間
ちょっとで読み終えてしまいました。読みやすいから、と、午後の2時間前後を読書に
あてているからです。
そんなに急いで読むこともないですが、未読の本が15冊ぐらいありますからねえ。
「ツンドク」を少しでも減らさないと。ハハハ。

***“007”のスペルはSean Conneryだと知ったのは最近のことです。
恥ずかしい。
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本屋に入ると尿意を催す人がいる、と聞きます。本当ですかね。
読まれる日を待っている本が今も私の後ろの棚に並んでいますが
まったくその気配はありません。ハハハ。
しかし、新しい本のにおいは独特ですね。


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by toruiwa2010 | 2011-08-21 09:18 | 読書・歌・趣味 | Comments(4)
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おととい、映画の帰りに近所の本屋さんで妻が捜していた本が
簡単に見つかったとき、すごく得した気分になりました。ハハハ。
テレビで見ていたエベレスト関係のドキュメンタリーの中に
覚えのある名前が出てきました。
ジョージ・マロリー…イギリスの登山家です。
「確か、アーチャーが書いていたはず」と調べてみるとやはり
ありました。「Paths of Glory」
妻の読書欲を刺激したようです。ハハハ。

邦題が分からなかったのですが、「エベレスト登山の話だ」と
言うと、店員さんがすぐに見つけてくれました。
「遥かなる未踏峰」でした。

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「ジェフリー・アーチャー」 05/07/25

A.J.クイネルが亡くなったとき、真っ先に考えたのは「これで、アーチャーが死んだら
どうなるんだ?」でした。
海外の作家で好きなのは、ほかにもK.フォレット、J.グリシャム、N.デミル、M.コネリー、
S.シェルダンと大勢いますが、中でもアーチャーはクイネルと並んで、常に新作が出るのを
待ちかねていた作家だからです。

“読書家”というほど本を読んでいませんので、偉そうなことは 言えません。しかし、
ストーリー・テラーとしてのジェフリー・アーチャーは天才だと思っています。ハハハ。
読み始めると時間がたつのを忘れるぐらい筋立てがうまく、あとで効いてくる“カギ”の
ちりばめ方やどんでん返しにもって行く展開のうまさは抜群です。さらに、短編などで
時おり見せる見事な“オチ”には舌を巻いてしまいます。

イギリス人の彼は1969年に最年少の下院議員となりますが、投資が失敗に終わって破産!
経験を必ず生かすのがこの人の特徴ですが、このときもすぐに辞任し、借金返済のために
書いた「100万ドルを取り返せ!」がいきなりベスト・セラーになって、作家としての道を
歩き始めました。
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多作、と言っていいでしょう。それもタイプの違う物語を続々と世に送り出してきます。
私は、全作品を読んでいますが、一冊たりとも駄作がないのには驚きます。
物語の展開の早さ、作品によっては適当なユーモアを交えた語り口で読者をぐいぐいと
物語の世界に引き込んでいきます。彼の作品は読み出すととまりません。次のページでは
話がどんな展開を見せるのか、とワクワクします。
「次から次にページをめくらせる、面白い本」という意味で英語では、“page turner”と
言うらしいのですが、言いえて妙、という感じです。

初めて読んだのは「大統領に知らせますか?」(Shall We Tell the President?)です。
びっくりするほど面白かったのではまってしまったのですが、日本語訳のうまさが大いに
影響していると思います。
外国作家の作品の良し悪しは、翻訳がうまいかどうかで決まってしまうところがあると
堅く信じていますが、永井淳の翻訳はアーチャーの面白さを余すところなく伝えています。

逆のケースが、シドニー・シェルダンでした。
途中から版権がアカデミー出版に移り“超訳”というわけの分からない訳し方になって、
それまでの面白さが伝わらなくなってしまいました。
「こんな翻訳で読むぐらいなら、いっそのこと原語で読んでみるか」と考えて、たいした
語学力もないのに英語のぺーパー・バックを読み始めたのはこの超訳がきっかけでした。
50歳を過ぎて新しい楽しみを見つけたのですから、感謝しなければいけませんが。ハハハ。

そういう方が多いでしょうが、一冊 読んで面白いとなると、全作品を読むのが私流です。
第1作からすべてを買いこんで、アーチャーの世界にどっぷりとつかりました。

100万ドルを取り返せ!(Not a Penny More, Not a Penny Less)
ケインとアベル(Kane And Abel)
十二本の毒矢(A Quiver Full of Arrows)
ロスノフスキ家の娘(A Prodigal Daughter)
めざせダウニング街10番地(First Among Equals)
ロシア皇帝の密約(A Matter of Honour)

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どれも、文句なしに楽しめました。こういう作家に出会えると幸せを感じますね。
人間的には、いいことばかり言われているわけではないようですが、読む立場からすれば、
本が面白ければ…ですね。
これだけ、面白い作品を提供してくれる作家はそう簡単に世に出ないと思います。
できるだけ長生きして、これからも奇想天外の物語を書いて欲しいものです。
スキャンダルがらみの裁判での偽証罪や司法妨害などで実際に収監されたことがあります。
その経験を「獄中記」として出版するなど、転んでもただでは起きない彼のことですから、
まだまだ興味深い材料を山ほど持っているに違いありません。ハハハ。

今、私は「Sons of Fortune」(運命の息子)を読んでいますが、相変わらず面白いです。
慣れない単語が多くて苦労した「ダビンチ・コード」などの作家 ダン・ブラウンに比べれば
三分の一ぐらいの時間で読んでしまいそうです。
読むのが楽しいクセに「終わってしまうのが惜しい」と思いつつ読んでいます。ハハハ。

まだ、読んだことのない方には、だまされたつもりで一冊お読んでみることを勧めます。
決して、裏切られることはないと保証します。少なくとも娯楽読み物としては一級品です。
「十二本の毒矢」以外にも何冊か出ている短編集からはじめるのもいい方法でしょう。

十二の意外な結末(A Twist In the Tale)
十二枚のだまし絵(Twelve Red Herrings)
十四の嘘と真実(To Cut a Long Story Short)


ほかに 日本語タイトルが分かりませんが、「The Collected Short Stories」 もあります。
ジョフリー・アーチャーというきわめて紛らわしい名前の作家がいますのでお間違いの
ないように。ハハハ。

…これでも食指が動かなかったら、まあ、書き方が
悪いのだとあきらめましょう。
大好きな作家なので、何度か取り上げています。
また紹介することがあるでしょう。悪しからず。ハハハ。


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by toruiwa2010 | 2011-08-20 09:24 | 読書・歌・趣味 | Comments(6)