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岩佐徹のOFF-MIKE

toruiwa.exblog.jp

実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

カテゴリ:放送全般( 174 )

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おはようございます。

M9.0…日本が初めて経験する激しい地震が発生してから4日目の朝を迎えました。
家族や愛する人の命、家事道具など、かけがえのない多くのものを一瞬で失った
被災地の方たちばかりでなく、国中の人に“重いもの”を残していった自然の猛威。
今度の災害では全国民が“当事者”であるような気がします。

今年に入ってエキサイトに転居したのを機に、土曜日、日曜日は古い記事の中から
更新するだけにしていましたが、今回は2本ずつ、4本のエントリーを書きました。
すべて、報道に関わるものです。発生直後からテレビの前に座り続け、もどかしい
思いを綴りました。一本目を書いたとき、いつも通りツイッターで告知したところ、
このブログとしては異常なスピードでアクセスが増えました。

報道にかかわるセクションで仕事をした期間は短いですが、アナウンサーとして
ニュースはたくさん読みましたし、飛行機の墜落事故などでなんども現場を経験し、
特番の司会をしたこともあります。こういうときに報道部内でスタッフが何を考え、
どんな動きをするかは、手に取るように分かります。事件・事故のたびにその時の
光景が目に浮かびます。外部の人にはうかがい知れない部分だけに“読者”の関心も
高いことが分かります。

私が見聞きしたことはフジテレビだけの“特別”なケースかもしれませんが、各局の
放送を見る限り、同じ“におい”がします。すべてを書くことはためらわれます。
しかし、昨日の朝 更新した「素の声が出てしまった !!~失われた信用・信頼~」は
決して特殊だと思わないほうがいいでしょう。
今朝、ツイッターを見たとき、私宛にこんな書き込みがありました。

ずっと報道みてますが、同じ映像垂れ流しでドラマもどきのワイドショーに仕立て、
壊滅しないと災害ではない、報道する必要ない、という考え方がマスコミならぬ、
マスゴミの報道方針での理解でよろしいのでしょうか?(原文のまま)


…そこまで極論されても、と思わないでもありませんが、ポイントをついています。
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内容はほぼ地震関連に限定されていますが、各局とも通常編成に戻りました。。
猛烈なスピードで事態が動いているときには放送する余裕もなかった映像が少しずつ
見られるようになってきました。大津波が人命や家屋を蹂躙するつらい映像のあと、
数十時間ぶりに再会を果たした家族の姿を見るとほっとします。
同時に、地震発生時、津波に襲われた時の体験談を聞くにつけて、被災者が味わった
恐怖がどれほどのものだったかと、恐怖にかられます。

ツィッターにあるprayforjapanには日本語のほかに、英語、ドイツ語、フランス語、
スペイン語、アラビア語、ロシア語…ありとあらゆる言語で世界中からメッセージが
寄せられて感動を呼んでいます。
いまも、読み切れないほどのスピードで増えています。
http://bit.ly/ex8Ewa  
http://bit.ly/fZIpMG心に残るものを集めた日本語のツイート集


スポーツ界、芸能界からも声が上がっています。
ブログ、ツイッター、フェースブックと、ツールが増えたことで彼らがメッセージを
発信しやすくなったためですが、勇気・元気をもらう被災者もおいででしょう。

昨日の夕方 更新した「M9.0とテレビ~伝えたこと・伝えなかったこと~」に…

マスメディアの持つ力はとてつもなく大きい。
そのパワーを使って、テレビだからこそできること、
テレビにしかできないことをやってほしい。


と、書きました。具体的に“何か”は頭にありませんでした。
しかし、フジテレビの特番に電話で出演していたお笑いコンビ、サンドウィッチマンの
伊達みきおの言葉が“目からうろこ”でした。
「連絡がつかず心配している人がたくさんいる。ぜひ、避難している人たちの顔を
写してあげてほしい」と話しました。それを見て安心する人もいるからです。
年配者で家族の消息を知るために急きょツイッターを始めた人もいらっしゃいました。
顔を写す…簡単なことですが、それこそテレビにしかできないことです。

こんな災害は二度と御免ですが、万一、再び起きたときに、テレビはこの言葉をぜひ
ヒントにしてほしいものです。

4日目の今日になっても、この関係以外の記事を書く気になりません。
明日は、休むかもしれません。

by toruiwa2010 | 2011-03-14 09:41 | 放送全般 | Comments(11)
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テレビは2台あるが、1台はNHKにほぼ固定している。
残りの1台は、フジテレビを基本として民放をザッピングしている。

新聞に出ている番組表には各局の考え方が透けて見える。
上から、地震発生翌日・12日付け朝刊、その下が夕刊、一番下はきょうの朝刊
左2列はNHK総合と教育、以下、日テレ、テレ朝、TBS、テレ東、フジと並んでいる。
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NHKは国営放送であることの自覚に加えて、“第一級の災害”であると正確に判断して
地震発生の夜、新聞発表の時間までに12日は1日中、地震関連の放送をすると決めた。
民放では、テレ朝だけは午前9時半までは前夜からの特別番組を続け、以後、いつもの
土曜日の編成に戻す予定だった。
それ以外の局は各局とも早朝から通常番組を放送するつもりだった。

以上はすべて、推測の域を出ないことをお断りしておく。

民放の判断は甘かった…かもしれない。大津波が町を蹂躙して行く光景を目にしながら、
これほどのことになるとは予想できなかった。
各局とも、他局の出方をうかがっていたのだろう。
結局、翌日は通常編成で“横並び”になった。
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しかし、時間の経過とともに事態の深刻さは誰の目にも明らかだった。
徹夜の放送を続け、そのまま、終日、特番を続けることになった。
夕刊の番組表を見ると、テレビ東京は7時以降、通常編成に戻すことになっていたが、
実際は、他局と足並みをそろえて特番を続けていた。

発生から3日目の今日、これまで「地震関連」、「緊急特番」の文字があるだけで全体に
白っぽかった番組表に変化が出てきた。
まず、テレ東が朝から、日テレが夕方5時半の「笑点」以後、通常番組に戻すと決めた。
フジは夜9時のドラマ「スクール!」から普段の日曜日の編成に戻すようだ。
*実際は日テレも特番を続けている。フジはどうするか?おそらく、他局が続けたら、
やめられないだろうと思うが。


全部は確認できないが、全局、CM抜きの放送になっている。ことの性質を考えると、
当然だろう。テレビ東京が他局より早く通常放送に切り替えたのは営業を考えてのことだ。

さて、そのテレビが伝えたことは何だったか、と考える。
メディアの特性だが、映像の持つ威力と速報性ではほかのメディアを圧倒している。
しかし、それ以外に何があっただろう?
想像を超える災害が起き、おびただしい数の犠牲者・被災者が出た。情報が錯綜する中、
そのことは伝えられたと思うが、被災者がどんな状況に置かれ、何を求めているかなど
“地味な”話について、十分に伝えているかと言えば、そうではなかった。
マスメディアの持つ力はとてつもなく大きい。そのパワーを使って、テレビだからこそ
できること、テレビにしかできないことをやってほしい。

民放の場合、すべての時間帯が全国放送だったのかどうかは分からない。
阪神淡路大震災のとき、神戸新聞が地元に密着した情報を市民に提供し続けたことは
よく知られている。テレビの場合、いつ、東京からの呼びかけがあるか分からない
状況の中で、地元向けの放送ができなったかもしれない。時間帯を区切ってローカルの
放送枠が確保されていたと思いたいが。

以下、すでに書いたこととダブる部分もあるが、望みたいことをいくつか。

今回のような自然災害が発生したとき、人々が知りたいのは、何が起きたかについての
正確で詳細な情報、どうすべきか、次に何が起き、それに備えて何をすべきか…
だと思う。なぜ起きたか、や責任論は後回しでいいのだ。

ブログやつぶやきへの反応から見ると、こういうときのメイン・キャスターには男性が
望ましい、というのがコンセンサスのようだ。被災者はもちろん、テレビを視聴する
人たちは不安を抱えている。高いトーンの声で早口で話されると、その不安が増幅する。
けたたましい声でまくしたて、リポートをさえぎるキャスターが多い。
少しでもストレスがかからない方向で放送に当たるべきではないか。

かじっただけの知識で専門家に質問してはたしなめられるキャスターも目につく。
キャスターが理解できない解説は視聴者も分からないのだから、分かりやすい言葉で
話してもらうように誘導すべきだが、次の話に移ってしまうケースもある。
NHKには科学文化部があって、中間の立場でうまく“通訳”してくれるが、民放には
そういう人員を雇用する余裕はない。中途半端な情報は視聴者が受け付けない。これを
続けていると、“事件・事故のときはNHK”がますます定着してしまう。

たとえば、原発の爆発で避難…となったとき、記者は「できるだけ早く部屋の中に入り、
換気扇は切りなさい。外に出るときは肌を露出しないように。マスクをするか、タオルを
ぬらすなどして口にあてなさい。放射物質が体内に入ることを防げます」と話した。
避難する人たちは、どうすればいいかがよく分かったと思う。基本的な情報がどれだけ
大事かを示している。

ふたたび、たとえばだが、よかれと思って見舞いのメールを携帯に送ると、それだけで
バッテリーを消費するそうだ。知らなかった。知らない人が圧倒的に多いと思う。

スタジオから現場にいるリポーターに問いかけるスタイルが多いのは仕方がない。
声が届くのに“時差”が生じることをどんな修羅場でも覚えておかなければいけない。
そして、現場のリポーターは大きな画面で見ているわけではないし、日差しが強くて
モニターが見にくい状況にあることも。
何度も現場に出たはずの“キャスター”が「画面の右の…」と言っても、相手には
見えていない場合があるのだ。

これだけ技術が進歩しているのだから、映像にGPSをからませることはできないのか。
自衛隊が発生日の夜、仙台市内の火災の模様を撮影した映像には位置が示されていた。
どの地点でどの方向に向かって撮影されたものかが分からなくては、情報にならない。
GPSが不可能なら、せめて、“何月何日何時 場所 左が海”程度の字幕はほしい。
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断定的なことは言えないが、見た範囲内では、仙台放送のスタジオのアナウンサー、
現場からのリポーターの多くがいい仕事ぶりだった。
前述の“けたたましさ”がなく、落ち着いた口調で“親局”であるフジテレビにくらべ
はるかに聞きやすかった。

すべてを、となると難しいのかもしれないが、手話つきの放送も考えなければいけない
のではないだろうか。NHKが今日午後から始めている。

今週はアーカイブからの更新を休みます。
by toruiwa2010 | 2011-03-13 17:16 | 放送全般 | Comments(10)
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若いころにエリア・カザンの映画「群衆の中の一つの顔」を見た。
ラジオで一気にスターに駆け上がった若者がどうにもならない我がままになった。
ブレーキをかけるために、育ての親はマイクを切るタイミングであえて切らなかった。
大衆を馬鹿にするひとり言がそのまま電波に乗り、たちまち、彼は転落する…
そんな筋だったと思う。


一部で、大騒ぎになっているのはフジテレビのものと“思われる”youtubeの音声だ。
昨夜の菅総理会見中、マイクが完全にオフになっていなかったために、男女の声が
拾われてしまったものだ。ここに再録するのもはばかるような、素の声がはからずも
表に出てしまった形だ。
ピンマイクをつけているのを忘れたブッシュ前大統領が暴言を吐いたように、どんな
立場の人間でも公の発言と胸の内は違うだろうが、TPOを考えたら、かなり大きな
ダメージがあるのではないか。
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誤解を恐れずに言えば、報道に関わる人間は特別ではないと考えなければいけない。
使命感・正義感を持った報道マンも当然いるだろうが、大部分は、一般の人とおなじ
感覚の持ち主だ。だから、この場合、発言の主を特定し、攻撃することに意味はない。
Aアナという説が圧倒的だが、だとすれば、少なくとも、今後画面に出てニュースを
伝える資格はない。今朝も出ているから、違うのかもしれないが。

テレビは今や時代の最先端を行く。
そこで働く社員、特に若者に考え違いをする者がいても、私は驚かないが、視聴者は
「とんでもないこと」「信じられない」と思うだろう。当然だ。
フジだったことは否定できないようだ。OBとして恥ずかしい。失われた信用・信頼を
取り戻すには途方もない時間と努力が必要だ。

せめて、アナウンサーではなかったと思いたい。

確認が不十分のところがあります。
間違いがあったら、すぐにご指摘ください。


夕方、テレビについて、もう少し書く予定です。
今週はアーカイブからの更新を休みます。

by toruiwa2010 | 2011-03-13 11:49 | 放送全般 | Comments(16)
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学生さんや、会社勤めの皆さんには「教室や仕事場にこれは絶対必要」というものは
あるのでしょうか。
“人それぞれ”だと思いますが、アナウンサーには、放送席につくとき、資料のほかに、
必ず持ち込むものがあるはずです。
少なくとも、私には「三種の神器」と呼んでいるものがありました。
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まず、試合の経過時間を知るためのストップウオッチ。
これは、アナウンサーなら誰でも持っていると思います。WOWOW時代、仕事で使って
いたのはSEIKOのデジタルです。
実を言うと、机の引き出しの奥には、見るたびに懐かしさがこみ上げてくるMINERVAの
ストップウオッチが眠っています。アナログの傑作です。
フジテレビ入社のときに支給されたものですが、もちろん私物ではなく、会社の備品です。
82年2月、報道センターに異動したとき、88年9月、WOWOWに出向したとき、さらに、
98年9月、定年で退社するとき…返却の機会はあったのですが、忘れていたのです。

いえ、決して意図的ではなく、家にあることさえ忘れていた、うっかりしただけです。
もし、これを読んだフジテレビ関係者が「返せ」と言えばもちろんお返ししますよ。
言わないでしょうが。ハハハ。
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二つ目は、藤沢薬品のナザール・ブロックという点鼻薬です。
そんなにひどいわけではないのですが、花粉症があり、鼻中隔が湾曲していてどうしても
左の鼻が詰まりがちです。鼻声にならないために放送が始まる直前に使いました。
ただし、医者からは「あまり、連続して使わないように」とクギをさされていました。
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三つ目はPOLOです。
「知らん」とおっしゃる方が多いかもしれません。以前はあちこちで見かけたものですが、
売っているいる店がどんどん減って、探すのに苦労しました。
特に、以前は扱っていたキオスクがやめてしまってからは必死で探したものです。
包み紙にあった輸入元のネスレに電話をかけて、扱っている店を聞き出し、お金を送って
10本入りの箱を宅急便(着払い)で配達してもらうという荒ワザも使いました。ハハハ。

POLOはちょうどトローチと同じリング状のキャンディーなんです。
8年半のブランクの後WOWOWで現役に戻った91年、しばらくしゃべるとのどが渇き、
声がかすれるようになっていました。ポリープでもできたのかと思いましたが、専門医に
診てもらっても、声帯に異常はありませんでした。
“うるおす”ことで改善できるのですが、問題はその方法です。そのつど、水を飲んだら
長い試合になったとき、“別のトラブル”に見舞われる心配が出てきます。ハハハ。

試行錯誤の末、たどり着いた解消法が、アメのようなものをなめて唾液を“継続的”に
のどに流し込んでやることでした。
しゃべりながらですから、大きなものでは声に影響が出てしまいます。また、どうしても
糖分を含んだものになりますから、幾つも使用するのは避けたいところです。つまり、
すぐ溶けてしまうのも困るのです。

POLOのよさは、リング状のものをカットして小さくすることもできるし、何より硬くて、
口の中で“長持ち”してくれ点でした。ピルケースに入れて放送席に持ち込みました。
15年ほどお世話になりました。便利な奴なんです。ハハハ。
残念なことに、その後、すべての店頭から姿が消えてしまって、ネットで検索しても
全く見つからなくなりました。
マイクの前を離れたいま、職業的な心配はありません。
しかし、日常生活でも、あれば使いたい品です。
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手元に残っているのはこれだけになりました。
“賞味期限2003.03”となっていますが、異常はなく、使う上で全く心配しません。ハハハ。

今の私の三種の神器はこのセットです。
眠気を吹っ飛ばすガム、のどがいがらっぽくなった時のためのニッキあめ、
そして、くしゃみが2発出るか、ぞくっとした時のための葛根湯です。
放送のための三品と同じで、持って出ないと不安です。ハハハ。
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by toruiwa2010 | 2011-03-09 06:06 | 放送全般 | Comments(2)
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65歳にもなると、若いスタッフは放送のあと「あそこがよかった。ここが悪かった」とは
言わなくなります。まして、「岩佐さん、もうそろそろおやめになったほうが…」などとは
悪酔いしても言わないでしょう。ハハハ。
というか、言わせないようにしなければと肝に銘じています。いえ、抑え込むのではなく、
自分のひきぎわ、マイクを置く時期は自分で決めなければいけないと思っています。
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私はいま、テニスとサッカーの実況が主な仕事になっていますが、求められるスタミナ、
スピード、瞬発力、集中力、資料準備などを比べると、どう考えてもサッカーのほうが
先に“きつく”なるはずです。
現に、数年前からもうきつくなり始めています。

正直なところ、“正攻法”では柄沢アナや田中アナのような実況には勝てません。
なんとかがんばっていられるのは、経験が財産になっているからでしょうか。
早足で近づいてくる衰えをカバーするには、その経験に頼らざるを得ません。
プレーの描写、解説者とのやりとり、情報を入れるタイミングや量などの組み合わせに
バラエティーを持たせることで放送全体のリズム、テンポに変化をつけようと、いつも
考えています。見ている人に「退屈しない」、「邪魔にならない」と感じていただこうと
しているのです。
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どんなに工夫しても、しばしば「そんなことより、選手を間違えるな」、「つまらない」と
言われてしまいますから、この商売も楽じゃありません。ハハハ。
何度もお話してきたように、実況の良し悪しを決める絶対的な基準はありません。
すべては、その実況のスタイルが好きか嫌いかで決まります。
出来不出来の波はあっても、「好きなアナの実況イコールいい実況」で、そこには他人が
入り込む余地はまったくありません。

どのアナウンサーにも、それぞれが求める「スタイル」があって、完成することはなく、
どんな実況が好まれるのかを考えながら試行錯誤を繰り返しています。
ただし、十人十色ですから、すべての人から好かれることはありえません。
「7割、せめて6割の人に…」と必死なのです。

幸いなことに、そしてありがたいことに、私にも支持してくださる方がいらっしゃいます。
「どこがいいんだ」と思う方もいるでしょうが、人の好みはそれぞれですからね。ハハハ。
それだけに、そういうファンは大事にしなければと思っていましたが、今度のこと***
「これまでは大好きだったけど、あのコラムを読んで嫌いになった」とおっしゃる方が
結構いました。貴重なファンを失ったことは痛恨の極みです。

「ひきぎわ」の話に戻りましょう。
うまく、ひと試合をしゃべり切れたときの満足感を思えば、サッカーの実況をやめるのは
かなりつらいですが、いずれ“そのとき”は必ず来ます。
金子勝彦アナが4年先輩になります。「だったら、金子先輩の引退を見届けたあと4年間は
がんばりたい」と思っていたのですが、とても、そんなにはもちそうにありません。
経験だけで持たせるのにも限界がありますから。
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うれしいことに、私にはテニスという強い味方があります。ハハハ。
このスポーツの実況では、一つ一つのプレーを追う必要はありません。
むしろ、いちいち描写するとお叱りを受けます。しかも、解説者とゆっくり話す時間も
あります。個人競技らしく、対戦する二人の個性をうまく紹介しながら、試合の流れを
とらえられたときの快感はチーム競技とは違ったものがあります。
つまり、経験がモノをいう部分が大きいのです。
ですから、仮に、サッカーに関しては自らに引導を渡したとしても、健康さえゆるせば、
テニスでは、まだまだ「実況する喜び」を味わえる、と思っています。甘いか。ハハハ。

私の実況スタイルを評して“縁側のひだまり実況”と、どこかに書いてありました。
言い得て妙で、思わず笑ってしまいました。
小春日和の縁側でマイペースの実況ができれば、それこそ、私の実況人生の“最終章”に
ふさわしいかなと考えています。ハハハ。(2003.11.22)

***2003年8月に書いた「リーガ・ゲッツ!」が騒動を引き起こしました。

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by toruiwa2010 | 2011-02-20 07:48 | 放送全般 | Comments(6)
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5日の夜、たまたま「ニュースステーション」を見ていました。
第一項目の「生ごみ処理施設での爆発事故」が終わったあと、久米キャスターが突然、
バレーボール・ワールドカップの話を始めました。
アドリブ風に「ここまで3連勝とがんばってきました」と話し、さらに「過去形で言いました。
といいますのも、今日の試合はとっくに終わっているからです」と続け「今日はイタリアと
対戦してセットカウント、3対1で敗れました。完敗でした」と結んだのです。
次の項目が「アルカイダと関係あるパキスタン人」でしたから、バレーボールの話は
いかにも“とってつけた”感がありました。
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「ははーん」と思いましたね。このとき、時計を見ると10時1分でした。
この日、フジテレビは9時15分からその試合の模様を放送する予定でしたが、野球の
オリンピック予選の試合が延びて10時5分からに変更されていました。
つまり、「ニュースステーション」の視聴率アップのために、このあと、ライバル局が
放送を開始する試合が「すでに終わっていて、日本が負けた。しかも完敗だった」と
告げて、見る意欲を失わせようとしているのは明らかでした。

これを見て思い出したことがあります。

80年代の終盤、フジテレビがF1のモナコGPを放送した日、TBSはインディ500を
生中継しました。そして、実況アナウンサーは放送開始直後「(まもなく放送が始まる)
モナコGPはアイルトン・セナが勝ちました」と“報告”したのです。
タモリ風に言えば、どちらも「フェアじゃないっちゃあ、フェアじゃない」ですよね。
もっとも、ルール違反というわけではありません。
「そこまでして数字を稼ぎたくはない」というプライドがあるかないか…です。ハハハ。

ただし、テレビの世界はコンマ1の視聴率を争う時代になって、数字を取るためには
手段を選ばない状況になっています。最近の日本TVプロデューサーのスキャンダルは
まさにその象徴でしょう。***

ユーロ2000の時には、スカパーのTVEチャンネルにユーロの中継がそのまま流れ、
“ただ”で見られてしまったことがありました。ペイTVにとっては死活問題ですから
当然WOWOWはすぐにしかるべき措置をとりましたが、これなどは、「権利」のことを
十分承知しながらの話で、アンフェアかつルール違反と言っていいと思います。

d0164636_932851.jpgd0164636_93478.jpg叩かれるのを覚悟で言えば、WOWOWがリーガ・エスパニョーラの権利を獲得したのは
テレビ間の競争ではあっても、事情がまったく違います。
私がコラムに「こうなったらスペイン・リーグをとるべきですと経営者に話した」と
書いたことで「CLをとられた報復としてスカパー(JSS)からとった」ととらえた方が
多かったようですが、それは違うのです。

まず、どんなに悔しくたって、復讐、報復に何億という金を使うことはありえません。
それは論外として、映画、スポーツ、音楽を3本の柱とするWOWOWはCLという
大きなコンテンツを失った以上、手をこまねいているわけにはいきません。
早い機会に、代わりになる何かを獲得しなければならない状況だったのです。
そして「何があるか」と市場を見渡したら、“リーガ”があり、それは、すでに契約が
終わったJSSのものではなく、誰もが手にすることができる状態にあったのです。

長い交渉のプロセスは、WOWOWがCLを失ったときも、リーガを獲得したときも
まったく同じでした。相手の出方を読む、かけ引きもする、時にはブラフ(はったり)も…
絶対に取りたいときには、相場を大きく上回る金額を提示することもあるでしょう。
この「権利獲得競争」はこれからもなくなることはありません。
むしろ、ますます激しくなると考えたほうがいいでしょう。道連れにされる視聴者には
迷惑な話でしょうが、テレビ局が生きていくためには“いいコンテンツを持つ”ことが
絶対条件ですから。

「WOWOWはその、せっかくのコンテンツを生かしていない」というご意見があります。
お話したいことはありますが、やめておきましょう。
ここから先は何を言っても、私個人の意見とWOWOWの考えを混同される可能性が
大ですからね。いつか、2冊目の本を書くことがあったら、そのときには思いのたけを
書くことにしましょう。ハハハ。(2003.11.07)

***探偵業者を利用してビデオリサーチのモニター世帯を割り出し、
制作費を流用して視聴を依頼した“事件”

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昨夜8時ごろに見たこのブログのランキングです。
時間の経過とともに順位は少しずつ変化しているようですから、
これが、ベストだったかどうかは分かりません。どちらにしても
ビックリするほど、評価していただいています。
数字のまま受け取っていいのだろうか、と不安になるぐらいです。
ハハハ。

by toruiwa2010 | 2011-02-19 09:16 | 放送全般 | Comments(6)
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なになに、

「日本スプリントのカリスマ」 男子200メートル:末續
「日本スプリントのパイオニア」 男子100メートル:朝原
「侍ハードラー」 男子400ハードル:為末
「ハードル王子」 男子400ハードル:成迫
「笑顔の爆走娘」 女子長距離:福士
「東洋の真珠」 女子走り高跳び:池田
「ミスターUSA」 男子短距離:ゲイ
「黒船ハードラー」 女子100メートル・ハードル:ペリー
「ワールドレコードアーティスト」 女子棒高跳び:イシンバエワ
「母なる大地の女傑ハードラー」 女子400メートル・ハードル:ペチョンキナ


…笑えるもの(いい意味ではなく)、「言われた本人は嬉しいだろうけど、なんだかなあ」、
「失礼だろう」、「考えた奴もやけっぱちだったに違いない」…感想はいろいろですが、
TBSが懲りもせず、日本人選手や有力外国人選手にニックネームをつけまくっています。
センスがいいと思えるものはひとつもありませんね。ハハハ。

「今、自分がTBSのアナウンサーだったらどうするだろう?」と自問する私がいます。
まったく、意味ないけですけど。ハハハ。
「果たして、制作側の要求にしたがって、こういう実況ができるだろうか…それより前に
この屈辱的な制作体制の中で気持ちよく仕事が出来るだろうか?」と考えるのです。
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もちろん、考えるまでもなく、答えは決まっています。
選手の名前を言うたびに“○○のひとつ覚え”のごとく、“意味不明”のニックネームを
つけることを求められる実況が私にできるはずはありません。ハハハ。
6(7?)大会連続で起用されているのですから、きっと「あれがいい」とする視聴者もいる
のでしょうが、スポーツ実況の世界ではるかに長いキャリアを過ごしてきた者から見ると、
どこがいいのかという司会者に仕切られることにもきっと我慢が出来ないでしょう。
「やってられるか、こんなもん!」と、マイクを投げ捨て、荷物をまとめて東京行きの
新幹線に乗ってしまうこと、間違いなしです。
…というか、私の性格では、大阪まで行っていないと思います。ハハハ。

TBSだけでなく、今は“スポーツ・アナ受難の時代”です。
特に地上波のアナウンサーたちには同情を禁じえません。
ゴールデン・アワーに放送されるものはすべてがエンターテインメントと化しています。
どの局、どの種目でも、視聴率を上げるためと称して、派手な演出をすることに血眼です。
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最近は、新聞のテレビ欄で「実況 ○○○○」という表示を見る事がなくなりました。
出ているのは、大金をつぎ込んで連れてきたタレントの名前ばかりで、アナウンサーは
完全な脇役にまわっています。
数年前の全米オープンテニスのときにTBSのスタッフが「司会の二人に金がかかるので、
ニューヨークにはアナウンサーをひとりしか連れてこられないんですよ」とぼやいていた
ことを思い出します。ハハハ。

TBS の世界陸上のHPを見ても、“キャスター紹介”のところに実況アナの名前は一人も
載っていません。ひとごととは思えないほど猛烈に腹が立ちます。ハハハ。

私が若いころのTBSのスポーツ実況陣は、好き嫌いはともかく、粒が揃っていました。
渡辺謙太郎、石井智、山田二郎、石川顕、多田護、松下賢次…亡くなった人も含めて、
華やかな時代を築いた彼らは、今、どんな気持ちで放送を見ているのでしょうか?

今回の実況陣は 林正浩アナを中心に、椎野茂、土井敏之、佐藤文康といったところです。
林アナの実況はさすがにエースらしい出来だと思うのですが、女子100と800メートルの
決勝のあと、“まとめ”のところで言葉がもつれてしまいました。アナウンサーにとっては
“あと”を引くミスを2日連続でやってしまったのは大きな減点になるでしょう。
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全部を見ているわけではないせいもあって、ほかのアナの印象がほとんどありませんが、
棒高跳びを実況した若手アナが、イシンバエワの世界記録への挑戦のたびに、ほぼ同じ
コメントで実況していたのがとても耳障りでした。一般の方には分からないでしょうが、
成功した場合にはその部分だけを大会中に繰り返し使うし、アーカイブに入りますから、
気持ちは分かります。しかし、それにしても、もうすこし工夫してほしいですね。
大差をつけられて予選で敗れた日本人選手に「よくがんばりました」もそらぞらしくて
やめたほうがいいと思うのですが、どうでしょうか?

メインのキャスター席については、「何を言ってもムダ」の心境です。ハハハ。
古舘伊知郎、みのもんた、松岡修造と共通した“押し付け”はいい加減でカンベンして
ほしいですが、どうにもならんのでしょうね。ただでさえ残暑がきびしいんですから、
自分だけ盛り上がるのはやめてほしいなあ。
織田裕二との温度差が大きすぎて、中井美穂が苦労しているのが気の毒です。
これまで彼女が組んだ相手の中でも一番難しいのではないでしょうか。
誰と組んでも“合わせる”ことができる彼女でも、呼吸がまったく合っていません。
誰がやっても合わないでしょうが。ハハハ。

決勝が終わるたびに「67億の1位」と出すのも笑ってしまいます。どうやら、TBSは
男女の別は考えないらしい。ハハハ。

世界陸上が5日目を迎えました。
暑さが厳し過ぎるせいかレースとして面白いものはあっても記録が伸びず、全体としては、
すこし盛り上がりに欠けている気がしますね。
完全に引き込まれたのは、男女100メートルの決勝だけでした。

タイソン・ゲイの後半の走りは、素人目にもまったくフォームの崩れがなく、勝ったのは
当然だったかもしれません。
女子のゴールは、肉眼ではまったくわからず、コンピューターをも悩ませるほど接近した
ものでした。私の目には、2位と判定されたウイリアムズが勝ったように見えましたが、
結果的には「着差ありの同タイム」でキャンベルに優勝をさらわれました。

それにしても、いつも思います。
一流のアスリートたち、特に女子選手の鍛え上げた肉体のなんと美しいことか!!


「世界陸上を見る 2」

仕事が“アナウンサー”なのに、人前で話すことが苦手です。
たとえ5,6人でも目の前に人がいると、話し出して間もなく足が震えだすのが分かります。
意識すると、緊張はますます強まって、アドリブの場合は考えがまとまらなくなるのです。
“アガリ症”と言っていいでしょう。

助かったのは、マイクを持つと、カメラの向こうに何百万の視聴者がいることが分かって
いても、あがらなかったことです。
格好をつければ“プロ意識”なのかもしれませんが、胸を張って言えるほどのものでは
ありません。ハハハ。

最近はあまり耳にしませんが、「日本人は“テンション民族”だ」と言われていたことが
あります。うまい言い方ですね。“テンション”はtensionですから、いろいろな場面で
緊張しがちな民族だと言いたいのでしょう。
自分自身のことを振り返っても、「当たっている」と思わざるを得ません。ハハハ。

沢野は今どんな思いでいるでしょうか?
メダルはともかく、少なくとも長居に集まった観客やテレビ視聴者を楽しませてくれる
だろうと思っていたのに、バーの高さまで体を持ち上げることさえできませんでした。
5メートル40をパスして5メートル55からスタートしましたが、1回目から異変が起きます。
ポールをボックスに突っ込んだ瞬間に、両手のグリップが崩れて、そのままマットに倒れ
こみました。ありえない“大失敗”です。
実況・解説ともにその言葉は使いませんでしたが。ハハハ。
2回目は、途中で助走をやめました。足に違和感があるジェスチャーを見せていました。
持ち時間ぎりぎりで再スタートしましたが、ポールを突き立てるところまでも行かずに
跳躍をやめます。
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すでにほとんどの選手がこの高さをクリアしていましたので、最後の跳躍順が来るまで
時間が短く、回復するのは無理と判断して3回目をパス、5メートル65に賭けましたが、
結果は見えていました。
再び、助走をやり直ししたあと、辛うじて体は持ち上がったもののバーの下をくぐるのが
やっとでした。
この3本目などは、内面の緊張が肉体にまで及んでいるのがありありと分かりました。

“地元開催”はプラス面も多い反面、プレッシャーがかかることは容易に想像できます。
世界の舞台で最高のパフォーマンスを見せることが、口で言うほど簡単ではないことも
よく分かります。しかし、事前の“あおり”番組であれほど期待を持たされた側にして
みると、「もうちょっと、なんとかならないのか」と言いたくなります。
“あおった”のはテレビ局で、選手に罪がないのは言うまでもないことで、責めるのは
不本意ですが。

「オリンピックをはじめ、各競技の世界選手権などに出て行く選手たちはもうそれだけで
立派だ」という意見に異論はありません。
たとえ、持ちタイムや力から考えたら予選も突破できそうにない選手でも、出て行くこと
“そのもの”に意味はあると思います。どんな分野でも“経験”して初めて分かることが
たくさんあるからです。
しかし、せめて自己記録に近いものは出してほしいと思います。

TBSの世界陸上のHPにこんな記事が出ていました。

世界陸上で極端な不振が続く日本選手団について沢木啓祐団長は30日、理由の
一つとして「予選や決勝を見据えた直前の戦略的トレーニングが足りない」との
見解を示した。
また28日からけいれん予防や暑さ対策のため「岩塩」を選手控室などに配備した
ことも明らかにした。沢木団長は男子100mの朝原宣治(大阪ガス)、同200mの
末續慎吾(ミズノ)らの走りに波が大きかった例を出し「調整自体はうまくいっていたが
予選や準決勝で強弱をつけて走る戦術が足りない」と説明。
― 後 略 ― 


…なんだかなあと思います。

緊張のあまり普段のパフォーマンスが出せないテンション民族。
末續(200メートル)、為末(400ハードル)、池田(女子幅跳び)、そして昨日の沢野…
相次いで“惨敗”した日本勢にくらべ、走り高飛びのトーマス(バハマ)や走り幅跳びの
サラディノ(パナマ)が土壇場で見せつけた底力、たくましさ、図太さ…を見ると、
「世界は広い」と考えざるを得ません。
サッカーのビッグ・マッチが終わったときに主力選手たちが「課題は分かった。つぎに
つなげたい」と繰り返すことにも飽きました。「分かったから、結果を見せてくれよ」と
言いたいですね。


それにしても「さあ、これから決勝だ」と、レース前から緊張が高まって行く時間の流れを
じっくり楽しみたいのに、こちらの気持ちとは大きくかけ離れたテンションで中身のない
“熱い”だけのトークを聞かされるのはいい加減でカンベンしてくれませんか。
これは先日書いたこととかぶりますが、ストレスの解放のために、もう一度だけ言わせて
もらいます。ハハハ。

スタンドはがらがらだし、視聴率はいったいどうなっているんですかね?
仮に、良かったとしても決して“KY”織田裕二のせいじゃないぞ、TBS!

「スポーツ万歳:世界陸上を見る」

世界陸上が終わりました。
ある意味、文字通り“喧騒”の大会でした。ハハハ。

陸上はマラソンしか実況の経験がありません(それも一回だけ)が、見るのは大好きです。
もともと、私の持論は「一流のものはすべて面白い」です。
フジテレビで経験した“ワールド・クラス”は、メジャーとバレーボールぐらいです。
しかし、メディアとしては小さいですが、WOWOWで実況した種目は、担当した順番に
挙げると、アイスホッケー(世界選手権、NHL)、ボクシング(マイク・タイソン、イベンダー・
ホリフィールド)、テニス(全豪、全仏、全米)、サッカー(セリエA、ヨーロッパ選手権、
チャンピオンズ・リーグ)、ゴルフ(全米プロ、ライダー・カップ)…金を払ってでも見て
みたいイベントばかりです。
それを、一番いい席(放送ブース)で見ることができるばかりか実況までできるのですから、
これ以上幸せなことはありません。“アナウンサー冥利”に尽きる思いです。


絵画・彫刻、音楽・映画、文学…日常的に私たちに喜びを与えたくれるものはたくさん
ありますが、一流のアスリートが見せるパフォーマンスほど掛け値なしに楽しめるものは
ほかにないでしょう。
ここ数十年、スポーツの世界にもコマーシャリズムが入り込んできて、裏側ではいやな
ことがたくさんあるようですから、それに目をつぶりさえすれば、の話ですが。
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男子の鍛えぬいた筋肉の美しさ、女子の“作り物”ではない美しい容姿に見とれました。
特に、ほとんど素顔に近い形でトラックやフィールドに立つ女性の場合、それは造形的な
ものではなく、内面の豊かさや激しい練習で培った自信が表れた美しさだと思います。

野球では、ホームランを打ったときのバッティング・フォームは美しいと言いますが、
この大会でも、どんな種目でも、勝った選手たちが見せたフォームの美しさも見事でした。
美しくなかったのは、あえて言えば、走り高跳びのドナルド・トーマスと男400ハードルの
カーロン・クレメントぐらいではないでしょうか?…冗談ですよ。ハハハ。
そして、先日も書きましたが、“これが最後のチャンス”というときに、逆転して一気に
トップに立つジャンプや投てきをやってのける精神力にはおどろきます。


放送について、クレームをつけても始まらないことは分かっています。ハハハ。
どうやら、すべての局の製作者たちが、テレビ・スポーツの中継スタイルはこれしかないと
思い込んでいるようですから、彼らが“全とっかえ”にならないかぎり、私たちの声が
届くことはないでしょう。
今でもその傾向は進んでいますが、ゆくゆくはすべてのビッグ・イベントが有料化される
時代になると思います。そうなれば視聴率という“化け物”をそれほど気にすることなく
番組を作れるようになるはずです。無駄な演出は無用になるのです。
そのときがくるまで、視聴者にとっての“冬の時代”は続きます。

今回も、私が名づけた“絶叫中継”がほとんどでしたが、アナウンサーは責められません。
制作サイドがそういう実況を求めているに違いないからです。応じなければ、次回から
外されると思えば従わざるを得ないでしょう。私ぐらいのひねくれ者でなければなかなか
“NO”とは言えません。ハハハ。

私が、“絶叫中継”を嫌う理由はうるさいからだけではありません。
送り手(実況・解説)のテンションが見ている側のそれと完全に一致していれば、違和感は
少ないのですが、多くの場合はそうではありません。騒げば騒ぐほど、そこで起きている
“感動”、“オドロキ”を味わう権利を視聴者から奪うことになっているから“拒絶反応”が
起きるのだと思います。

“その時、その場面は実況者や解説が独占しているのではなく、視聴者と共有している”
ことを忘れてはいけないでしょう。
その、共有している瞬間をともに楽しみ、喜びを分かち合うにはどうすべきかを考えれば、
落としどころは自然に決まってくるはずです。
私は、WOWOWに移ったころから「スポーツの感動はプレーそのもの中にあるのだから
言葉で飾るのはやめよう」と決めました。

2004年7月に、ギャラクシー賞の月間賞をいただいたとき、「やってきたことが間違って
いなかった」という実感がありました。
この年の全仏と、ユーロ2004の実況を評価されたものです。
WOWOWのように小さな局の、しかもスポーツ・アナの仕事がいわば“専門家”の目に
とまったことに驚きましたが、「見る人は見てくれている」と、意を強くしたものです。

NHKにさえ絶叫するアナが出始めています。時代の流れでもあるでしょう。残念ですが、
この傾向はまだまだ続くと覚悟しなければいけないと思います。
“せめてこれだけは”と注文したいのは、実況に、押し付けがましいセンチメンタリズムや
センセーショナリズムを持ち込まないでほしいということ、それに尽きます。
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織田裕二キャスターには、各方面から「違和感」を訴える声があがっています。
視聴者を置いてきぼりにしたテンションの高さはこういったイベントのたびに起用される
タレントに共通したものがあって、年配者は特についていくのが難しいです。ハハハ。

7日目でした。
アメリカのウォリナーが圧勝した男子400メートルが終わって、キャスター席に画面が
切り替わったとき、「43秒45!ダブリュー・エル(WL)!」と、彼がまるでセリフのように
ドラマチックに結果を告げました。
隣の中井美穂が「なんですかWLって?」と聞きました。「ワールド・レコードッ!」と
叫ぶ織田裕二。
パソコンに向かっていたのですが、思わず、「えっ!」と画面を振り返ってしまいました。
ワールド・レコードなら、もちろん“WR”…“WL”はワールド・リーディング=今季の
世界最高 です。

織田が「ダブリュー・エル」と言ったとき、知ってるはずの中井が「ワールド・リーディング、
今シーズンの世界最高ですね」と続ければよかったのでしょうが、彼女は、流れから織田に
言わせたほうがいいと判断して「なんですか?」と振ったのだと思います。
「知っているかどうか試してやれ」などと思ったわけではないでしょう。ハハハ。

しかし、なんということ! 織田裕二は知らなかったのです。
それにしては自信たっぷりに言い切っていました。それとも、“レコード”のスペルが
“L”で始まると思っていて疑問を持たなかったのか。
私は、初めて“WL”を見たとき、すぐに調べました。知らないことは調べる、人に聞く…
アナとして、恥をかかないための鉄則です。ハハハ。

重箱の隅をつついているつもりはありません。その気になれば、長ーい記事になります。
たぶん、織田が「ワールド・レコードッ!」と返してきた瞬間、中井は「しまった!」と
思ったに違いありません。訂正する時間もないままCMに入り、戻ったときにも訂正は
ありませんでした。
CMの間に中井は言えなかったか?言ったけど「かまやしない」と無視されたか?
中井は何も言わず、ディレクターも“シカト”を決め込んだか?
おかげで、今でも「“WL”は世界記録のこと」と思い込んでいる人が全国に何十万人も
いることでしょう。ハハハ。

このレベルのナビゲーターが仕切るスポーツ中継を見せられている視聴者は不幸です。
2009年は、ドイツからですか。いい種目の決勝は早朝になるはずですね。
今回ほど見ないでしょうから、ま、いいか。ハハハ。


“完読”された方、お疲れさまでした。ハハハ。
2007世界陸上を見て書いたものです。


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by toruiwa2010 | 2011-02-06 08:31 | 放送全般 | Comments(10)
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日本のスポーツ実況は、放送局がNHKしかないころに始まりました。もちろんラジオです。
“見たままを言葉にする”からスタートしたのだろうと思います。
「神宮球場どんよりとした雲、黒く低くたれた空、カラスが1羽、2羽、3羽、4羽、
風雲いよいよ急を告げております」
…戦前の六大学野球で松内則三アナが残した名実況です。

1932年のロサンゼルス・オリンピックでは理由は分かりませんが、競技場からの中継が
認められませんでした。そこで生まれた窮余の一策は「実感放送」でした。
アナウンサーが見てきたことをスタジオで描写するのです。
当時でも11秒ぐらいで走ったはずの100メートルなのに、放送では1分もかかってしまう
珍現象も起きたそうです。ハハハ。
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私が子供のころは、NHKのラジオしかない時代でした。
スポーツ大好き少年だった私は、各種のスポーツ中継に熱心に耳を傾けたものです。
その中に、アナウンサーとしては初めて野球の殿堂入りした志村正順さんがいました。
野球と相撲を主に担当した名アナです。
NHKからはその後も、続々と花形スポーツ・アナウンサーが生まれました。
ただし、目に映ったことを言葉にする、という流れは基本的には変わりませんでした。

やがて、テレビの誕生です。
まだ学生のころのことですから、細かいことは覚えていないのですが、新聞でどなたかが
こんな主旨のことを書いていたことを覚えています。
「これまでなら『横綱、照国が西から登場しました』と言うところだろうが、○○アナは
“西から登場したのは横綱、照国”と言った。これがテレビの実況である」
…音声だけのラジオと映像があるテレビでは実況の仕方に違いがあってしかるべきだと
いうのです。なるほど。

しかし、全体としては、“ラジオ的”な実況を続けるアナウンサーが圧倒的に多かったと
思います。
やがて、業界内からも、視聴者からも「見りゃ分かることをしゃべる必要はない」という
声が出始めました。私がフジテレビに入ったのはちょうどそのころです。
当時のアナウンサーたちは「じゃあ、何をしゃべり、何をしゃべらないのか?」について
まだ迷っていました。

実は、この「見りゃ、分かる」をどう考えるかはとても難しいところなんです。
言葉通り、画面を見れば、現場で何が行われているかがすべて分かる人もいるでしょう。
一方、本人は分かっているつもりでも、理解が間違っていたり全く分からなかったりする
人もいるはずです。
先輩たちが迷っていたのは、どこを落としどころにするか、ということだったのでしょう。
また、競技によっては画面ですべて見えていても実況がないと物足りないものもあります。
ボクシングなど、格闘技が典型的な例ですね。

雰囲気的に、ないとおかしな競技もあります。競馬中継に実況がないと落ち着きません。
金銭がからみますから、アナウンサーには“絶対ミスはできない”というプレッシャーが
かかりますが。ハハハ。

最後は、似ていますが、非常に微妙な“盛り上げるため”の実況があります。
見えていることでも、アナウンサーが実況することで視聴者の興奮をさらに高めよう、
というわけです。
その弊害がここ10年ぐらい激増している「絶叫型」の実況ではないでしょうか?

年齢的なことでしょうが、この夏のスポーツ中継、私には暑苦しいです。ハハハ。
バレーボールのワールド・グランプリ、世界水泳、サッカーの東アジア選手権、世界陸上…
まず、スタジオの司会陣が熱すぎて!! 
誰がどう、ということではなく、“生理的に”どうしても受付けないんですから、しょうが
ないですよね。
「この演出が本当に必要か?」「視聴者はこれが好きなのか?」と考え込んでしまいます。
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第一、同業者である、局のアナウンサーたちの気持ちを考えると複雑です。
加えて、テレビ朝日の森下アナを除くと、騒々しいアナウンサーばかりですから。ハハハ。
局の方針もあるでしょうから、アナウンサーばかりを責めることはできませんがね。
今年は、水泳や陸上で、独りよがりの古館節を聞かないですむのが唯一の救いでした。

「数字を上げるためなら、金に糸目はつけない。何をやってもいいから」と、1995年の
バレーボール・ワールド・カップ中継を任された親しいプロデューサーは、バレー中継の
経験の浅い三宅アナに加え、ネット局から“絶叫系”のアナウンサーを二人、呼びました。
「どうですかね?」と聞かれたとき、「そんなの無理だよ」と答えました。
しかし、分からないものです。ふたを開けてみると、三アナをのぞけば、テクニックも
なにもない“やかましいだけ”の放送(ハハハ)が“いろどり”として起用したV6効果も
あって、前回大会を大きく上回る視聴率を稼ぎ出したのです。

私の認識では、プロレス以外で“絶叫型”が誕生したのはこのときです。
あっという間に、各局足並みをそろえて、スポーツ中継は実況中継ならぬ「絶叫中継」に
なっていきました。

アナウンサーが絶叫する理由ですか。いくつか考えられます。

局の方針に従っている
かっこいいと思っている
視聴者の共感を得ていると思っている
盛り上げる方法をほかに知らない
この場面を伝えるにはこれ以外にないと思っている…


こんなところでしょうか。

私の本にも書きましたが(MY BOOK)、状況を考えない絶叫は視聴者が拒否反応を
起こすのだと思います。とても難しいですが、絶叫する場面が視聴者の気持ちの高まりと
“シンクロ”すれば、違和感はないはずです。

絶叫は我慢するとしても、事実に目をつぶって、「まだチャンスはある」「巻き返せる」と、
専門家である解説者まで巻き込んで、視聴者を“間違った方向”に引っ張っていく昨日の
マラソンのような放送の仕方は勘弁して欲しいものです。

WOWOWに移ってからの私は、“癒し系”とか“絶叫とは対極にいるアナ”とか言われ、
いくつかのサイトに取り上げられたことがあります。
私も、“絶叫”しないわけではありません。ここという場面では、放送上の効果を狙って、
声を張り上げることもしばしばですが、全体のトーンが、“おとなしめ”なので、そういう
印象を与えるのだと思います。

今のスポーツ中継は全体として、“にぎやかな演出”を好む傾向に向かっていますから、
若いアナほどその方向に合わせた実況をしなくては生き残れないでしょう。
当面、オーソドックスな実況をするアナウンサーが出てくる可能性は低いかもしれません。

ここ数年は、NHKにさえ、サッカーのJリーグや高校野球に出てくる若いアナの中には、
かつては考えられなかったような絶叫型アナウンサーが時々います。
アテネ・オリンピックでも、若い人の中にはかなり絶叫する人がいてびっくりしました。
「ブルータス、おまえもか?」と言いたいですね。
年寄りには、だんだん見るものがなくなって住みにくい世の中になってきました。ハハハ。


2005年世界陸上のころに書いた記事です。
自分の関心が高いだけかもしれませんが、関連した記事はたくさん書いています。
明日は、2007年世界陸上についてのエントリーを再録します。
いくつかの記事をまとめたものですから、“とてつもなく”長いです。
読むときは覚悟してください。ハハハ。


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by toruiwa2010 | 2011-02-05 08:43 | 放送全般 | Comments(22)
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「シェフチェンコ。切り返して、シュートーッ!」
恥ずかしいほど裏返った声で描写したあと、私は沈黙しました。
振り返ると、隣の早野さんも勘のいい方ですから心得たもので、しゃべり出す心配は
ありませんでした。
2003年5月13日、チャンピオンズ・リーグ準決勝第2戦、インテルを相手にミランが
先制した場面です。手元のモニターには、喜びに沸く数的には劣勢のミラニスタたち、
めずらしく顔面を紅潮させているアンチェロッティ監督、抱き合って喜び合うミランの
イレブン…頭に浮かぶフレーズを飲み込んでゴール・シーンのスローが出るまで31秒、
しゃべるのを我慢しました。ハハハ。
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9月25日。
全米オープン・テニス初日のナイト・セッションでは、第1試合のあとに、偉大な足跡を
残したピート・サンプラスの引退セレモニーが行われました。
舞台がととのったところで呼び出された彼がセンター・コートの入り口に姿を見せると、
2万人を超えるスタンドのファンが立ち上がって拍手を送り始めました。
このときも、出席者たちと挨拶を終えたサンプラスがこのスタンディング・オベーションに
思わず嗚咽し始めたところから司会者がセレモニーをスタートさせるまでの1分53秒間、
黙っていました。

しゃべりたいのを我慢して、画面に語らせる。すべての人に受け入れられるかどうかは
分かりませんが、これが私の好きなスタイルです。
「もう少ししゃべったほうがいい」と考える人の中には、試合のハイライトや年末の
総集編などを担当するディレクターもいます。
「チッ、これじゃ盛り上がんないジャン」(ハハハ)とか言ってるに違いないのですが、
私はそのとき、その瞬間を視聴者と共有することを優先するようにしています。

テレビ放送が始まって50年、「見れば分かることはしゃべるな」とよく言われます。
アナウンサーになりたてのころ、先輩から耳にタコができるほど教えられたものです。
しかし、基本的にはその通りですが、実際はそうも行かないのです。
一つ一つのプレー、技を描写しなくてもいいのは、フィギュアスケート、体操、ゴルフ、
テニス、相撲など限られた種目だと思います。
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まったく実況しないのではなく、「ここからが見せ場です」、「見事に決まりました!」、
「あざやかなパッシング・ショット」、「よく残しました」など、ここという場面では
視聴者の気持ちを惹きつけるために最小限の描写は入れます。
逆に、ボクシング、競馬などは、「見れば分かる」と分かったうえで、ほとんどすべての
動きを言葉で追っていきます。
視聴者が映像を見ながら実況によって気持ちを盛り上げることを知っているからでしょう。
面白いことに、アメリカでもこの両種目は日本と同じようにラジオ風の実況をしています。

残りの種目については、両者の中間、つまり、少し“抑え目”に実況をつけているのが
現状だろうと思います。たとえば、ラジオなら「センターサークルにはボールをはさんで
手前にロナウド、向こうにラウール、その向こうにレフェリーのコッリーナさんの顔が
見えています」としゃべるところをテレビは「顔がロナウド、背中はラウール。
レフェリーはコッリーナさんです」で終わりです。
「そのメンツなら名前もいらない」などとチャチャを入れないように。ハハハ。

このように、“どれぐらい実況するか”は、種目ごとにこれまでの放送の歴史の中で自然に
「落しどころ」が決まってきたのだと思います。あとは個人差でしょう。
ただし、その“個人差”はしゃべり手と受け手、それぞれにありますから微妙です。
わずかな差でも実況が多いと感じれば「いちいち言わなくても分かるよ、うるせえな」、
逆に情報が多すぎると思えば「どうでもいいことばっかりしゃべってないで、ちゃんと
実況しろよ」とお叱りを受けますからね。
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落しどころと似ているものに用語などについての「不文律」もあります。
たとえば、ゴルフでは、「1から10までは英語で、11以上は日本語で」という不思議な
現象が定着しています。つまり、「ワン・アンダー」、「ワン・ストローク」から「テン・
アンダー」、「テン・ストローク」まで英語のあと、いきなり「じゅういち・アンダー」、
「じゅういち・ストローク」になるのです。長年こう聞かされてきた大多数のゴルフ・
ファンには違和感がないでしょう。「慣れ」があるからです。

ところが、10年ほど前、NHKの中継であるアナウンサーが「イレブン・アンダー、
トゥエルブ・アンダー」と言い始めたときには「おやっ?」と思いました。
ディレクターと話し合った上でのトライだろうとは想像がつきました。
しかし、ラウンドが進んで「フィフティーン・アンダー、シックスティーン・アンダー」
あたりになるとやはり違和感を覚えるようになりました。

私の記憶では、この試みはその大会だけで終わり、元に戻ったと思います。
本来おかしな言い方に違和感がなく、正しい言い方のほうがおかしく感じる、それこそ
おかしな現象が起きたことになります。

テレビでラグビーを見ることが減ったので、「定着」しているかどうか分かりませんが、
ファウルがあってプレーが止められたときに「A大学にペナルティーがありました」と
実況するアナウンサーがNHKにもいて驚いたことがあります。
本来、まず「B大学にファウルがあって」その結果として「A大学にペナルティー・キック」
なんですが、ファウルとペナルティーがごっちゃになっているのです。

WOWOWでアイス・ホッケーを担当していたときにもまったく同じことが起きました。
しかも、専門家である解説者が疑問を感じていないので困ったことがあります。
何度か話をして、一度は「確かに言われてみればそうだね」と納得してもらったのですが、
とにかく、何十年もしみ込んでしまっているのですぐ元に戻ってしまい、最後には私が
ギブアップすることになりました。
このあたりのことは書き出すとキリがありません。長くなってしまいましたので、続きは
またの機会ということにしましょう。

10日にメディカル・チェック、11日にはぴあ主催のテニス・トーク・ショーをやって
12日にオーストラリアに向かいます。
では、今年もヨロシクお願いします。

*2004年1月、旧HPに書いた記事です。
“ファウル・ペナルティー”の件については、先日、学生ラグビーの準決勝、決勝を
見ましたが、NHK,の実況アナは今でも、同じ言い方をしているようです。
たぶん、私がこだわりすぎなんでしょうね。ハハハ。

あとで、落合の殿堂入りについて書く予定です。

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by toruiwa2010 | 2011-01-16 08:05 | 放送全般 | Comments(4)
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紛糾し、怒号が飛んだ民主党大会のビデオのあと、、MCの小倉が切り出した。
「活発な議論…という印象かもしれないけど、そうじゃなくて、ぐちゃぐちゃなんだ」
ゲストの田崎史郎(時事通信)が「政党として機能しなくなってる」と応じた。
ここで、大村リポーターが内定している改造新内閣の顔ぶれを紹介。

小倉が、仙石から枝野に替わったことについて尋ねると田崎はこう答えた。
「仙石と枝野は義兄弟のようなもので非常に仲がいい。問題ない」
小倉「それで、うまく行くのかどうか?」
田崎「この政権は、つきつめると、菅・岡田・仙石・枝野の4人で動かしている。
小沢を切ることについても、4人でやってきた。チームワークに問題はない」
小倉「(この人事は)閣僚にとってはいいこと?」
田崎「政権がwork(機能)していくためにはいい人事だと思う」

ここで大村が与謝野馨の著書「民主党が日本経済を破壊する」を紹介。
「…こういう人を閣僚にするのはおかしいんじゃないかという声も…」
岩上「いや、おかしい。(顔面紅潮)どう考えたって…」
小倉「おかしい?」
岩上「おかしいですよ、そりゃ。明らかにね」

岩上の剣幕に小倉はまとめようとする。
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顔面紅潮の岩上氏

田崎「この陣容を見ると節操がない。参議院議長を務めた人がいち閣僚なんて変なこと。
与謝野さんにしてもあれほど民主党を批判してきたし、前の選挙では自民党から
比例代表で当選している」
小倉「岩上さん、与謝野さんは誰に負けたんでしたっけ?」
岩上「東京1区の海江田さんと闘って負けた。その東京1区の勝者と敗者が同じ内閣に
  入って、しかも、昨日まで別の党。“立ちあがれ”にいた人が内閣に座っちゃった。
  立ちあがってた人が座っちゃった。(スタジオに笑い)
  マニフェストでは増税しないと言ってたのに、今度は増税しろという人が入ってくる。  
  でたらめ内閣だ。
  さっき、田崎さんが素晴らしい人事だといったが、とんでもない人事だと思う」
田崎「僕は枝野さんの起用について申し上げた」
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突然かみつかれ当惑気味に口をつぐみ、苦笑いの田崎。

小倉「小沢さんが(閣僚を)入れようとしないからこうなる?」
田崎「それもあるが、家庭内別居みたいなもので、菅・仙石から見ると、小沢サイドが
足を引っ張ると。だから、こっちでやってくんだ…というところもある」
岩上「普通に見たら、逆じゃないか。“小沢排除”って言い続けている側が排除してる。  
  どう考えたって、それは言い方がおかしい」
田崎「おかしいと思わない」
岩上「いやいや、全然おかしいと思う」
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もてあます小倉
なおも、“言いあい“は続いたが以下カット。

底流に、記者クラブや官房機密費をめぐって“既存の”政治ジャーナリストたちを批判し
続けてきたフリーランス・ジャーナリストの一人として、岩上の田崎に対する“一定の
感情”があったと思われる。
このコーナーは小倉が田崎に話を聞く形で進めることになっていたはずだが、横で聞いて
いるうちに、岩上の中で田崎の発言に対する不満がこみ上げて冷静さを失ってしまった。
そのきっかけは、岩上のちょっとした“誤解”だったと思う。

なぜ、そう書くかといえば、大村は“顔ぶれ紹介”の中で与謝野のことにも触れていたが、
小倉と田崎の最初のやりとりは小倉が「仙石から枝野は?」と振ったことから始まったし、
田崎の「いい人事」は枝野について語ったと分かるからだ。
岩上の“不満の爆発”はそれを“与謝野入閣”も含めていると思い込んでしまったためだ。
もともと、田崎-岩上間で意見が一致するとは思わないが、少なくとも最初の田崎発言を
正しくとらえて聞いていたら、あれほど、頭に血がのぼることはなかったはずだ。

いやあ、しかし、久しぶりで面白いシーンを見せてもらった。
本来の意味とは少し違う使われかたをしているが“予定調和”という言葉がある。
あらかじめ決めてある着地点に話を導いて行ってまとめる…というワイドショーの進行は
まさに予定調和の典型だが、昨日の、このコーナーはみごとな予定“不”調和だった。

問題のシーンを見ながらもう一つ頭に浮かんだ言葉がある。“破調の美”…。
台本や進行表通りに話が進むと見た目はすっきりするが、面白くはならない。
番組のリズムが乱れたとき、面白いものが見られる。
違った意見の持ち主が5~6人出演する「サンデーモーニング」でさえ、激しい議論は
ほとんど聞けない。予定調和だ。
誰に話を振るかは項目ごとに決めてあるのだろうし、全員が“その気”で議論を始めれば
エンドレスになる可能性もあるが。ハハハ。
だから、江川vs張本は面白かったのだ。

小倉は少々焦ったかもしれない。短命に終わったが、土曜日に番組をもったときも田崎は
レギュラーだった。お気に入りなんだろう。


ちなみに、これまで岩上の発言に違和感を覚えたことはない。
まさか、フジテレビもこんなことで、番組から消すようなことはしないだろうな。
それほどのアホとは思いたくないぞ。
岩上本人は、昨日の昼ごろ同じような懸念を書いた書き込みにこうつぶやき返している。

ないとはいえません。でも、黙って見過ごすわけにはいきませんでした。

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by toruiwa2010 | 2011-01-15 10:22 | 放送全般 | Comments(1)