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岩佐徹のOFF-MIKE

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実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

カテゴリ:サッカー( 53 )

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08/03のツイート
なでしこの作戦について、「やるからには
勝つことを目指すべきだった。
仮に引き分けを狙っても、監督は公言する
べきでなない」とサッカー評論家・大住良之。
現場を知っている人間の言葉とも思えない。
なくしたければ完全な勝ちぬき戦にしなければ。

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グループ・リーグで2勝して決勝トーナメント進出を決めたあとの第3戦で
なでしこの佐々木則夫監督が 途中から“引き分け狙い”を指示したことに
ついて批判が出ているという。分からなくはない。“フェアプレー精神”に
照らしてどうか…という話だ。直後にバドミントンで発生した“不祥事”が
伝えられたから余計だ。

二つをまったく同じだと考えるなら、「そりゃダメだろう」ということになる。
しかし、なでしこの選手は、自分のゴールにボールを蹴り込んだか?
いいポジションにいる相手にパスを出したか?ゴール前でつかんだ決定的な
シュート・チャンスに故意に転んだりしたか?…答えはすべてノーだ。
彼女たちがやったのは、対戦相手を含めて、より良い条件で次の準々決勝を
プレーするためにと考えて、監督が出した指示を忠実に守ったことだけだ。

決勝トーナメントへの進出はすでに決まっている。グループの1位になれば
相手は直前の試合で完敗していた国になる。試合会場も800キロ離れた街だ。
2位ならば、4月に4-1で勝っている国が相手になり、会場も同じところだ。
…チーム力にもよるだろうが、この条件で1位になることを選択する監督が
どれぐらいいるだろうか?
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“引き分け狙い…なでしこ、フェアプレー精神はどこへ”と題したコラムで
大住某は、1968年メキシコ・オリンピックを例にとって、当時の長沼監督が
同じように引き分けを指示したことを書いている。特に批判していない。
「そのころの日本は世界の男子サッカーでまったくのアウトサイダーだった。
日本で生中継があったわけでも、少年少女を含めた国民の何分の一かが
見守っていたわけでもない」から…らしい。笑う。

だって、おかしいもの。
フェアプレーっていうのは、チームの強さやテレビの生中継があるかないか、
それをどれぐらいの人が見ているかと関係するのかい、と聞きたい。
フェアプレーとは、自分たちの力がどうであれ、人が見ていようといまいと、
ベストを尽くすことではなかったのか。

こんなセンスでクオリティペーパーにコラムを書く神経が分からない。
しかも、男子の関塚監督が やや似た状況で似たような戦略を用いたことに
ついては批判らしきことを書いていない。雰囲気は、むしろ“容認”だ。
それって、それこそ“フェアプレーの精神”としてどうなんだろう?

日本中で、眠い目をこすりながら大勢の少年少女が見ていたかもしれない。
それについては佐々木監督も会見の中で謝罪の言葉を口にしている。
*「応援してくれる人、少年少女にサッカーのスペクタクル(面白さ)を
見せるということに対しては本当に申し訳ない」

すべての試合を、勝つことを目的としてプレーする…それは“理想”だ。
敢えて言えば、きれいごとすぎる。
試合のフォーマットとして、その選択肢を選んだ方が優勝を狙うチャンスが
大きくなるなら、そうするのが指揮官の仕事だろう。
ウサイン・ボルトが力を抜いて予選を走ったからと言って、イシンバエワが
4メートル55センチまで跳ばないからと言って、彼らを批判する陸上記者が
いたら連れてきてほしい。

当ブロガーも競技場で何度も見かけたことがある大住某は記者生活も長く、
そんなことを知らないはずはない。一貫して、こういう主張をしてきたのか
どうかを知りたいものだ。
今回の記事は“スタンドプレー”のそしりも免れない。

彼に限らず、“引き分け狙い”を批判する人たちは、南アフリカ戦もベスト
メンバーで戦ってしっかり勝ち、長い距離を移動して、いいイメージがない
フランス相手に初めての競技場で戦え、と言いたかったのか?

ならば 聞くが、男子のA代表がワールド・カップに出てグループ・リーグ
1-2戦を連勝し、次の試合に勝てば1位に、引き分けや負けなら2位になる。
1位なら、準々決勝は800キロ移動して中2日でスペインとの対戦が濃厚…
というとき、それでも、第3戦も勝ちに行けと言うのだろうか?
…ほう、“そこは2位を狙うのが当然だ”とは思わないんだ。そんな奴とは
とても、付き合えない。

大住のコラムに戻ると、男子はもっと厳しいスケジュールをこなしていると
具体的に書き、「そのタフさと比較すると、何と“ひ弱”になってしまった
のだろう」となでしこを批判している。意味が分からん。
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さらに、WC後のなでしこが、リードしている試合の終盤、コーナー付近で
ボールをキープして時間稼ぎをするようになったとも批判している。
いわゆる“マリーシア”と考えているのだとすればストイックすぎる。
ドーハで武田が味方が誰もいないゴール前にパスをせず、キープしていたら、
日本は一大会早くワールド・カップに行けたのではないのか?

違う競技だが、野球ではチーム一のエースでも数日に1回しか登板しない。
どんな試合も全力で…というなら、全試合にエースを投げさせることになる。
もちろん、極論だが、すべてのスポーツでチームはトップに立つために何が
大事かを考えて戦うのだ。メジャーリーグではケガでも不調でもない選手を
ときどき休ませる。オケージョナル・レストという。たとえ主力選手でも、
天下分け目の1戦でもだ。それが長いシーズンを戦って優勝を目指すための
ベストの方法だからだ。
親に連れられて、数百キロも離れた場所から“年に一度”の野球見物に来る
少年少女がいるかもしれないけれど、そうする。

大住さんは現場だけのことを考えて発言した
のでしょうか?私にはそうは思えませんでした。
サッカーファンに、もしくは日本国民に、
倫理面と現実的な面を考えるための記事に
感じました。


私のツイートかブログを読んだ人からのツイートだ。
虚をつかれた。それほど大所高所に立った記事とは思いもしなかったからだ。
すぐに返信した。

大住がそんなに偉い記者とは知りませんでした。
金子達仁、杉山茂樹…サッカーにはしばしば
「監督・選手たちより俺の方がサッカーを
知っている」と勘違いして上から目線の輩が
出てきます。どの試合も全力で…は正しいでしょうが、
裏目に出たとき、叩くのもこういう連中です。


1行目はもちろん、皮肉だ。
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…昨日の朝日夕刊トップの見出しも「監督発言の波紋 吹き飛ばした」となっていた。
スポーツ紙がどう伝えたか知らないが、一般紙はこの“論調”で足並みがそろって
いるのかもしれない。“波紋”とは具体的に何を指すのか?
<作戦の是非をめぐり議論が起きた>と書いているが、どんな議論が起きたのか?
準々決勝のあとブラジル監督が「我々はそんなことはしない。フェアじゃない」と
批判したことを紹介しているが、少なくとも“蜂の巣をつついた”ほどの騒ぎには
なっていないと思う。“大住コラム”以外は具体的に批判したものを見かけないが、
この調子だと、この件は尾を引くことになるかもしれない。分かりやすい話なのに。

男子も準決勝へ!

日本サッカーがこんな時代を迎えるなんて想像もしませんでした。
メキシコ以来44年ぶりのオリンピックの準決勝ですか。
日本の2ゴールは、いずれも 当時の言い方で 左ウイングの杉山からゴールの
ほぼ正面のセンターフォワード、釜本にパスが渡り、ネットを揺らしました。
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昨日の試合は、スコアほど楽なものではなかったと思います。
先制点は、積極的な守備をした清武と快速・永井のホットラインから生まれました。
右サイドの高い位置で相手ボールを奪いった清武がゴール正面に走り込む永井へ
絶妙のコントロールのパスを送る。DFに競り勝った永井が決める。
…流れるようなゴールでした。

しかし、永井が負傷退場のあと、日本はおかしくなりました。
たった一人代わっただけなのに、全体のケミストリー=化学反応が変わりました。
前日のなでしこと同じように攻められる時間が多くなりました。
「次の1点をとられると流れが一気に相手に行ってしまうなあ」と思いましたが、
さいわい、前半は1-0のまま終わりました。

後半30分過ぎに“次の1点”を吉田のヘッドがたたき出し、2-0としたところで
安心してベッドに入りました。午前2時から、黒田が先発するヤンキースの試合が
始まるからです。

…よく眠れました。本当にぐっすりと。目が覚めたら3時半でした。
バカじゃないのか! 目覚ましのかけ方を間違えるなんて!
そんなわけで、少し落ち込み気味の日曜の朝です。ハハハ。
by toruiwa2010 | 2012-08-05 09:33 | サッカー | Comments(25)
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悩んだ末に柔道・杉本美香の準決勝を録画に回し、なでしこの準々決勝を選択して
8時40分にベッドに入った。こんな時間に就寝するのは何十年ぶりのことだ。
さすがに、なかなか寝付けなかったが、いろいろ試みているうちに眠っていた。
決め手はエディ・ルイスの「Blues for Klook」だった。フィギュアスケートの
高橋大輔が昨シーズン使っていた曲だ。
高橋の演技と見事にマッチしていたが、曲そのものにほれ込んで原曲をiPhoneに
落としこんでよく聞いている。

「♪べよーん びよーん ぶぶぶよ~ん」…この三つの音で始まる7分超の曲を
最後まで聞かないうちに眠りに落ちていることが多い。ハハハ。
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何度か目が覚めたが、10時20分ごろの次が0時57分だった。目覚ましをかけて
いなかったが、1時キックオフにぴったり合わせたこの覚醒! 
先日、男子のモロッコ戦のときもソファでの仮眠から目が覚めてテレビをつけると
ちょうどキックオフだった。我ながら驚く。神業の域だ。ハハハ。

さて、なでしこだ。
グループ・リーグ第3戦を勝ちにいかず、準々決勝の相手としてフランスではなく
ブラジルを選択した。思わぬ騒ぎになった。結果次第で叩かれるのはヒッシだから
少なくとも監督はヒッシ?ハハハ。

序盤は苦しんだ。大野のオープニング・シュートのあとは、相手の攻撃が続いた。
しかもかなり長かった。こういうときはしのぐしかないのだが、よく守った。   
あれだけ長い時間攻められるとDF陣が疲れるものだが、組織が崩される場面は
なかったと思う。

我慢の時間が過ぎて、潮目が変わった。あきらかに、今度は日本が先にゴールを
奪う流れになった。この流れを生かせるかどうかでチーム力が試されるわけだが、
日本はみんな、焦っていないようだし、パスの出し方を見ても、周囲がよく見えて
いることに感心した。そんなところに、ワールドカップのときよりチームとして
成長していることがうかがえた。

日本の先制ゴールは、一瞬のすきを突いた澤の抜け目なさが生んだと言っていい。
リスタートだったが、あうんの呼吸で大儀見がライン際をタテに走り出し、絶妙の
タイミングで澤がパスを送った。“スマート"なサッカーでゴールが生まれた。
単なる先制ではなく、苦しい時間帯のあとに訪れた流れを確実に生かしたことが
大きいのだと思う。

ボールがゴールラインに達する前に「決まったっ!」と内山アナ。
お堅いNHKのアナにしては珍しい。しかし、ボールとゴールラインの間に相手の
DFはいなかったのだし、“アリ”だと思う。
しかし、後半開始の「負けられないのがこの準々決勝」「勝負をかけた45分」は
突っ込もうと思えば突っ込める。やめとくけど。ハハハ。
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日本2点目も相手の攻撃を耐えた直後だった。
左サイドの鮫島からGKへ。「もう一度開いてボールをもらいたいですね」という
解説・宮本の声が聞こえたかのように、左に開いた鮫島にGKからボールが戻り、
そこからタテに出して大儀見へ、さらに大野へと渡った。大野がゴールエリア内で
切り返したあと、落ち着いてシュートを決めた。
厳しい守りのあとに訪れたワン・チャンスを確実にものにしたところは先制点と
同じパターンだ。

2-0、ブラジルを下してSFに進出をきめた。
このステージになるとどこが相手でも難敵だが、よく守り、数少ないチャンスを
ゴールに結びつけた。思えば、1点目の澤の素早いリスタートがすべてだったかも。
さすが百戦錬磨だ。

次はフランスか。きわめて難しい相手だなあ。

杉本の銀を誉める

なでしこと並行して、隣のテレビで柔道の録画放送を見た。
杉本美香はいい柔道をしたと思う。男前の柔道だった。金メダルを逃がしたのは
残念だが、彼女が負けたというより相手が勝ったという感じだ。
試合中も、試合後も堂々としていて、負けても悪びれなかった態度を誉めたい。
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by toruiwa2010 | 2012-08-04 05:16 | サッカー | Comments(6)
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もともと、勝負事だから結果はやってみなければ分からかったのだが、グループ・
リーグ最終戦の相手、南アフリカはかなり格下だから、なでしこがその気になれば
おそらく勝てたはずだ。0-0のドローに終わった。
すでに決勝トーナメントへの進出を決めていたから、佐々木監督が主力を温存して
試合に望んだのは当然だ。休ませることもできるし、控え選手にプレーの機会を
与えることもできる。
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試合前から、勝つべきか、引き分けを狙うかが問題だった。
グループ・リーグの1位になるか2位になるかで準々決勝の相手が変わるからだ。
監督は他会場の経過を見守りつつ、決断の時期をうかがっていたのだろう。
後半13分、川澄をピッチに送りだすとき、「申し訳ないが、あなたの素晴らしい
中へ切れ込んでのシュートはやめてくれ」と言ったそうだ。言葉使いは丁寧だが、
彼女が最も得意とするテクニックを封印しろ、と命じたわけだ。
川澄から“ドロー狙い”がチーム全員に伝わった。

女子バドミントンでは、中国、韓国、インドネシアの4ペアが失格になった。
やはり、準々決勝の対戦相手を有利にするためにわざと負けたと判断された。
厳しいが、競技の尊厳を守るためには仕方がないのだろう。
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オリンピックは世界中から観客が集まる大会だ。
“その日、その試合”を見るためにだけ、はるばる旅をする人たちもいる。
彼らの目の前で行われるものが、気の抜けた、一方が負けるためにプレーしている
試合だったとしたら、こんなに気の毒な話はない。

判断は難しい。アスリートが競技に臨むときに、初めから勝ちを放棄する…
普通はあり得ないことだが、勝ち負けによって相手が変わる、あるいは選べるなら
考えざるを得なくなる。個人戦なら比較的簡単だろうが、チーム競技では監督に
すべての責任がかかるから大変だ。“外野”からのアドバイスもあっただろう。

試合後の会見で佐々木監督は言葉を選びつつ、釈明していた。
「応援してくださる方にスペクタルな試合を見せないといけない、という意味では
申し訳なかった。それを戦略としてやらせたのは僕の責任。次を勝って、準決勝に
行くことに尽きる」
加えて、この試合を見た子供たちへの配慮の言葉があったのがこの人らしかった。

そして、最後の一言の通り、結果がどう出ても今回の選択の責任は監督が負う。
それが、仕事を引き受けたときからの覚悟だったはずだ。
ただし、それは監督の立場に立てばの話であって、私たちはこの判断を支持したい。
つまり、結果が悪くても監督を責めることは慎みたい。もし、準々決勝で負ければ、
どっちにしても監督は辞めるだろうが。


ナダルの場合

ナダルくんのマスターズシリーズを「どうでもいい」というのは、
とても不愉快です。足の怪我からの復帰にハードでの経験をつむべく
あのアメリカの2大会に照準を合わせてがんばってるというのに。
代弁、なんて気安く言わないでほしい。―― さっち>>>

2006年3月に書いた記事に熱狂的なファンと思われる女性に噛みつかれた。

2005年終盤から足の故障が長引いてマスターズ・カップも全豪も欠場し、
ファンをがっかりさせたラファエル・ナダルがコートに戻ってきました。
    (中 略)
多くのテニス・ファンの気持を代弁しておきましょうか。
ラファ、マスターズシリーズはどうでもいいんだ。ベスト・コンディションは
全仏まで残しておいて年間グランドスラムを狙うフェデラーと最高の試合を
見せてほしいんだよ…ハハハ。
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意図は、ハードコートは体に厳しいサーフェスだから、脚に故障を抱えたナダルに
無理をしてほしくない。彼に望むのはローラン・ギャロスでの2連覇なのだから…
だった。つまり、長いシーズンを考えて、愛情から書いたのだが、通じなかった。

そこで、これを見てほしい。

5/27~6/10 Roland Garros
6/25~7/8 Wimbledon
7/28~8/5 London Olympics
8/27~9/9 US Open


今シーズンのテニス選手は夏の日程が“超過密”と言えるほど込み合っている。
3ヶ月半の間にグランドスラム3大会と4年に一度のオリンピック。
3セットマッチの女子はともかく、グランドスラムでは5セットマッチを戦う
男子の心身への負担は大きい。
たぶん。あくまで“たぶん”だが、上位選手はそれぞれに“勝ちに行く”大会を
決めていると思う。

すべての大会、すべての試合に全力を尽くす…それは理想だし、そうあってほしい。
しかし、実際は難しい。
各グランドスラムの前には、それぞれのコートに慣れるために、前哨戦にも出る
必要がある。どの大会でもベスト8、ベスト4に進出する選手たちは、3ヶ月半に
神経をすり減らし、体力も消耗するたくさんの試合を重ねなければならない。
ここでも負担は、必ず、あとでつけとして回ってくる。

テニスには、試合途中で勝ちを放棄することを指す“TANK”という言葉がある。
まさか、オリンピックの舞台でタンクする選手はいないだろう。オリンピックだし、
サッカーやバドミントンと違って、“負ければ終わり”だし、最後まで頑張るのが
普通だろうが、ケガの兆候が出たり、疲労が頂点に達したとき、全米オープンを
見据えて、無理をしない選手が出てきても不思議ではない。

競技者が勝負の場に立てば、勝つことを目指す。しかし、そうでない場合もある。
第三者がとやかく言うのは難しい。
by toruiwa2010 | 2012-08-02 08:49 | サッカー | Comments(9)
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サッカー 3大会ぶりベスト8へ!

07/30 01:04 AMのツイート
柔道を見たあと、0時過ぎにソファで
横になっていたが、いま自然に目がさめた。
起きてPCの前に座ってテレビに目をやると、
ときまさにサッカーのキックオフだった。
驚いた。奇跡に近い。
これから、北島の100決勝まで頑張る。


73歳の年寄りがこんなことをして体にいいわけはないのだが、長年、スポーツを
追いかけることが仕事だったから、オリンピックともなると血が騒いでしまう。
昨日は就寝が午前1時過ぎ、起床は6時前だった。昼寝を30分、夕飯のあと40分、
そして、柔道を見終えてからソファで小一時間の仮眠…睡眠時間はそれだけ…
冗談じゃなく、もうやめなきゃ。ハハハ。

“グラスゴーの奇跡”から中2日でU-23がモロッコと対戦した。
初めて見るチームだが、試合前に抱いていたイメージと違っていた。粗っぽいけど
どこか“危険”のにおいがする。A代表のFIFAランクは低いし、U-23の実力が
どの程度か知らないが、あなどれない気がした。しかも、日本は攻めあぐんでるし、
ときどき相手の鋭い攻撃を受けていた。

前半に何度か決定的なチャンスがあったが決め切れなかった。“決定力不足”という
聞きたくない言葉がよみがえる。まあ、相手の守りもよかったのだから仕方がない。
前半の45分は眠気がとれないうちに終わってしまった。
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後半、大津がドリブルで中央に回り込んでいったとき、前に広いシュートコースが
見えたが、これも決まらなかった。毎度のことだが、これだけ惜しいチャンスを
逃がし続けると嫌な感じになる。
しかし、0-0で迎えた後半39分、センター・サークルから清武が縦に蹴り出した
ロングボールに永井が反応した。持ち前の快速で相手DFを振り切って追いつくと、
飛び出してきたキーパーの頭上をふわりと超えるループシュート。
ボールは懸命に追うDFをあざ笑うように無人のゴールに転がり込んだ。
スペインの監督が激賞した彼のスピードが最大限に生きた場面だった。そう言えば
1998ワールド・カップ予選のころは、“野人”・岡野某がいたなあ。ハハハ。

終了直前に何度かピンチがあったが、なんとかしのいでベスト8進出を決めた。
よかった、よかった。なかなかゴールが奪えないまま、試合が進む中、スペインに
勝ったのは奇跡だと言うなら、モロッコと引き分けるのはなんと言うのだろうかと
考え続けていたが。ハハハ。 


ああ、北島康介…

3大会連続2冠などとマスコミは簡単に言うが
やれたら神の域だろう。しかしいつも照準を
合わせてきっちり仕上げる北島が全体の6位で
決勝進出とは予想しなかったね。
メダルに届けば立派と思うのが普通の感覚だが
この男、常人では考えもつかないことをやって
のけるからなあ。


4月の日本選手権で100.200メートルともに若い立石を抑え込んで優勝したとき、
もしかして、本当に3大会連続2冠はありうるんじゃないかと思ったものだ。
しかし、予選が始まり、準決勝のあとには「タイムが伸びなかった」と、珍しく
考え込んでいるように見えた。
それでも「チェックする。なにか考えないといけない」と語っていた部分に僅かな
望みをつないで決勝のときを待った。
引き締まった表情で入場した。結果はともかく、力を出し切ってほしいと願った。
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…残念だが、レースで見せ場を作ることはできなかった。あの北島も及ばなかった。
ゴールのあとの目がうつろだった。胸に去来したものは何だったか?
しかし、北島康介…つくづく幸せな男だと思う。初出場のシドニーから12年間、
わき目もふらず、ひたすらオリンピックで戦う喜びを味わい続けてきたのだもの。
勝って奢らず、次の高みを目指してきた。水泳で4大会出場、それだけで凄い男だ。

さぞ悔しさでいっぱいだっただろうが、プールから上がってインタビューに応じる
表情は意外にさばさばしているように見えた。
期待してくれた人たちに「申し訳ない」と言ったが、無用だ。誰も君を責めない。
金メダルだ、連続2冠だと騒いだのは周囲の勝手なんだから。
by toruiwa2010 | 2012-07-30 06:49 | サッカー | Comments(1)
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07/26のツイート
サッカー:日本が先制!優勝候補筆頭の
スペインを相手に五分に渡り合っていたが
コーナーキックから大津が決めた。
正直、ここまでやるとは思っていなかった。
NHK/曽根アナ・・・夏のオリンピックは
初めてのはずだがいい実況をしているね。
全く邪魔にならない。


立ち上がりから日本の動きはよかったように思う。
最前線の選手がチャンスのないボールでも相手ペナルティエリア付近まで追って
プレッシャーをかけていた。これで運動量が保てるのかと心配したほどに。
しろうと目に映った勝因のひとつは、前から前から忠実に一人一人がチェックに
行って、かなり相手ボールを奪っていたことだと思う。

もう一つは、技術的・戦術的なことではなく、現代っ子たちの“物怖じしない”
メンタリティではないか。
序盤、形勢は五分に見えてもやはりスペインには余裕があるように見えた。
しかし、20分過ぎぐらいからは明らかに日本代表にまったく気後れがなかった。
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日本人は“テンション民族”と言われた時代があって、大きな舞台、ここという
場面になると、緊張して体も硬くなってしまうことがしばしばだった。
戦後、街にあふれた若者は“アプレゲール”(戦後派)と呼ばれ、戦争から解放され、
奔放な言動で大人たちのひんしゅくを買った。

その若者たちや少しあとの世代の私たちでも、外国人や、大物を相手にすると、
“位負け(クライマケ)”をするなど、緊張体質は抜けなかった。
しかし、現代っ子たちは違う。世界のひのき舞台で優勝候補筆頭を相手にしても
“気おくれ”など一切見せない。たくましさがまぶしい。

大津の先制ゴールも、そんな若者たちのメンタリティが生んだ気がする。
「スペインがナンボのもんじゃい」と言っているようだった。
相手に退場者が出て11人対10人になり、前半を1-0とリードして終わった。
確かに、抜ければ決定的な場面だった。しかし、一発レッドとは思わなかった。
ワールドカップ予選のオーストラリア戦で疑惑のカードを受けた内田の例もあるが、
少し気の毒だった。逆に日本選手があそこでレッドカードを受けていたら、深夜の
日本中が大騒ぎになったのではないか。ハハハ。
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スタジオでの山本解説に光る一言があった。
「審判のメンタルを考えると、日本にカードが出やすい状況だ。注意したい」。
スペインにレッドカードを出した主審の気持ちが、どこかでバランスをとる方向に
傾くことを警戒した解説だった。
どうしても、戦術や技術の話になりがちで忘れてしまうのだが、きちんとおさえた
一言は現地でグダグダしゃべっていた長谷川の話をはるかに超えていた。

間違っても守りに入ることはないように、と願いながら後半を見た。
昨日は岩隈の登板だったので朝早く起きていたため前半途中で“根落ち”しそうな
時間帯があったが、先制ゴールで目が覚め、後半は眠気が訪れることはなかった。

さすがはスペイン…一人少ないという感じはしなかった。それでも、日本は多くの
チャンスを作った。15分前後 立て続けに3回 相手ゴール前でビッグ・チャンスを
つかんだし、永井がフリーになる場面もあったが、ゴールは奪えなかった。
「これはちょっとヤバいぞ」と思った。“試合の流れ”を考えるからだ。

案の定、連続チャンスをゴールに結び付けられなかったことで余裕をなくし、逆に
スペインに攻め込まれた。勝ちを意識しはじめる時間帯と重なったこともあって、
プレーする選手にとっても見ている者にとっても長い長い最後の20分になったが、
よくしのいだ。見事な勝利だった。

なでしこの2ゴールも美しかった。
大野が足の裏で出した川澄へのラストパスも、宮間のゴールに結びついた鮫島の
センタリングも冴えていた。
走り込んで来るはず、ボールが出てくるはず…互いの信頼感が見えた。

なでしこがカナダに勝ったあと、佐々木監督が「なでしことしても、オール
ジャパンとしてもいいスタートになった」と語ったが、その通りだ。
いいことは伝染するはずだ。

解説は「?」だったが、実況のNHK・曽根アナがよかった。
今回、NHKが送りこんだアナは全員が50才未満だ。放送量が増え、仕事の量も
半端じゃないのだろうか。少しでも若いアナで…ということだろうが、視聴者に
ベストのものを届けるという“みなさまのNHK”の使命を忘れていないか?
ベテランにはベテランの味がある。舞台が大きくなればなるほど経験が生きる。
もったいないことをするんじゃないっ!

いかん、“ちょっとだけ”のつもりが長くなってしまった。
今日は別の記事を用意してあるのに。
by toruiwa2010 | 2012-07-27 08:29 | サッカー | Comments(10)
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“たけなわ”のユーロ2012の準々決勝をみた。…収録で。
いくら"毎日が日曜日“でも、連日 あの時間に起きるなんて、自殺行為だ。ハハハ。
自分がかかわったことがあり、もう一つの母局、WOWOWが放送しているからか、
誰かが言うように、ワールド・カップより、一つずつの試合の中身が濃いような。

ざっとだが、見た感想を。


準々決勝

ポルトガル1-0チェコ  宮沢ミシェル・田中大士

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打っても打ってもネットを揺らすことができなかったクリスチアノ・ロナウドが
体ごと突っ込んでいったヘディングは美しかった。
数年前は精神的に幼いところがあったが、スケールの大きな選手に成長したもんだ。
すでに言われているのだろうが、ふとした瞬間の口元などはトム・クルーズに似た
雰囲気があるね。クルーズのファンは怒るかな。ハハハ。
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田中アナの実況は相変わらず安定している。ただし、テンションが低くないか?
“ワクワク”感に欠けるのだが、きっと考えがあるのだろう。
この人は実況を楽しんでいる。“視聴者とともに”とは感じないが。
NHKでよく話していたころの宮沢はもっとシャープだったような気がする。


ドイツ4-2ギリシャ  野口・久保田光彦
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スコア以上に力の差がある試合だった。ドイツ、強いわ。
若手が次々に頭角を現してくるようだが、伸びるかどうかのカギは使う側にあって、
監督に実戦で起用する決断力があるかどうか、ということじゃないのかな?

どうも、久保田アナの“けたたましさ”には慣れることがない。
サッカーを知っているか、描写が的確かどうか以前の問題だ。
“うるさい”感が先に立って、ともに盛り上がることにならないのは残念だ。
解説者から話を引き出すのではなく"誘導"する感じの聞き方も違和感がある。
この人も楽しんでいる空気はあるのだが、視聴者は置いてきぼりになっている。

野口さんは地味だが、その”普通っぽい”ところがいい。好きな解説者だ。
今回も現地に行っていると分かって嬉しい。


スペイン2-0フランス  奥寺康彦・柄沢晃弘
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前回の覇者だからスペインが勝って“順当”なんだろうが、見ていて、それほど
力の差があるようにも思えなかった。“差”を感じるのは結束力だね。

聞きなれた2人の解説・実況だから違和感がない。
一部の戦術・技術論“かぶれ”のファンが奥寺解説にイチャモンをつけているのを
見かけることがあるが、片腹痛い。長い経験に裏打ちされた解説は分かりやすい。
代表戦や世界レベルのイベントしか見ない視聴者にはこれが“必要十分”な解説だ。
WOWOWがこの人を大事にしてくれるのは嬉しいことだ。

グループ・リーグをたまたま見たときにも同じことを感じたのだが、久しぶりに
聞いた柄沢アナのテンションが以前より低いようだ。
田中アナにも同じ印象を持った。もしかすると、よほど、ヘッドセットの密閉度が
しっかりしているのだろうか?

現役時代、控室で実況を聞き直してみて、自分のテンションが思ったほど上がって
いなかったとき、ヘッドセットをずらしてスタンドの騒音が聞けるようにしたら
いい感じになったことを思い出す。
たまにだが、放送が終わったとき耳が痛くなっているほどしっかり出来たヘッド
セットマイクがある。周囲のノイズを完全にシャットアウトすると欧米では歓声を
低く抑える傾向があるので、密室にいるような錯覚を起こして実況がおとなしく
なってしまうことがある。この二人はベテランだからそんなことではなく、実況の
スタイルを少し変えただけなのかもしれない。

山田泰三アナが東京に帰っているのが残念だ。あとは誰が残っているんだ?
たしか、山田アナは前回大会でスタジオを担当していた。見た目が良くて、口跡も
よかったので、実況を聞きたいと思ったものだ。GLでちらっと聞いたがよかった。
才能のあるアナだと思う。WOWOW的には 年功序列にとらわれず、こういう人に
決勝トーナメントの経験を積ませたらよかったのになあ。


イタリア 0-0(PK:4-2) イングランド 野口・久保田
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ブッフォンに始まってブッフォンで終わった…かな。
マン・オブ・ザ・マッチはピルロになっているが、あの、左手一本で止めた最初の
セーブがこの試合の流れを決めたような気がする。
120分 あれだけ攻めていたんだから、シュートアウトの結果イタリアがSF進出で
よかったんじゃないか。カルチョが好きだから言うわけじゃないけど。ハハハ。

コメンタリーについてはすでに触れたので割愛。
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試合を離れて興味があるのはハワード・ウェブが決勝で主審を務めるかどうかだ。
ユーロ2008を舞台に作られたドキュメンタリー映画「レフェリー 知られざる
サッカーの舞台裏」で取り上げられた審判の一人だ。
2008大会でのGLでポーランドに不利な笛を吹いた。決勝の舞台がワルシャワなら
選ばれることはなかっただろうが、キエフらしいし、イングランドが敗退したから
チャンスは十分ではないだろうか。
Jスポーツであと3回オンエアが予定されている。
金もらってるわけじゃないがサッカー・ファンにはお勧めだ。
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さて、大体分かったから、準決勝・決勝は副音声で見ることにする。
悪気はないんだ。勘弁してくれ。ハハハ。
ポルトガルvsスペインとドイツvsイタリア…かあ。
27時45分ねえ。やっぱり、ナマかなあ
by toruiwa2010 | 2012-06-27 07:16 | サッカー | Comments(11)
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ローランギャロスの終盤と重なるように始まったサッカーのユーロ2012は早くも
決勝トーナメントに進む8ヶ国が決まりました。今回はポーランドとウクライナの
共同開催でしたが、残念ながら両国ともグループ・リーグで敗退しました。
オランダとロシアを除く有力どころが揃いました。豪華な顔ぶれですね。
後輩アナや懐かしい解説者たちが現地から熱戦の模様を伝えていることでしょう。

…他人事のようですが、ええ、時差がきつすぎて、実は今日までまともに見のは
イタリアvsスペインと、フランスvsイングランドぐらいです。確か、前回大会が
終わったときには4年後を楽しみだと思った記憶があるのにこのザマです。ハハハ。
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WOWOWがユーロの放送を始めたのは1996年イングランド大会からでした。
当時はよほどのマニアでなければ話題にしなかったヨーロッパ選手権…話を聞けば、
実力が伯仲する国同士の対戦が多く、ワールド・カップよりむしろレベルは上だと
言う人もいましたが、私は初めて訪れるロンドンから中継するという点で興奮した
程度の関心しかなかったのです。ハハハ。

実況アナとして困ったのは例によって資料集めでした。
パソコンが普及し始めていましたが、インターネットはまだ発展途上でしたから
大した情報は得られませんでした。新聞に記事が出ることはなく、雑誌の記事は
目にするころには古くなっていて使い物になりません。
しかも、私は、直前の全仏オープン・テニスのために早々と日本を出てしまうので
ますます、資料を集めるのが困難でした。

結局、厚かましくも ニューヨークの知人に資料を集めてもらいました。
ネットで拾った記事をプリントアウトしてパリの私のホテルにファックスで送って
もらったのです。毎日、テニス会場からホテルに戻ると、呆れ顔のフロントマンが
山のようなファックスの束を渡してくれたものです。ハハハ。

テニスの期間中は読んでいる時間はありません。最終日の翌日、ロンドンに向かう
飛行機の中でようやく読み始めました。
大会はすでに始まっていて、ロンドンにつくと一気に熱気が押し寄せてきました。
イングランドにしてみれば、1966年のワールド・カップ優勝から40年目に地元で
開かれるビッグ・イベントでしたから無理もありません。

この大会の序盤の目玉はなんと言ってもイングランドvsスコットランドでした。
1996年6月15日、ロンドンのウエンブリー・スタジアムは8万人近い大観衆に
埋め尽くされ、試合開始前から終了後まで盛り上がりっぱなしでした。
遅れて現地に入った私が最初に担当したのがこの試合です。
プレッシャーもありましたが、一方、武者震いに似た“高揚感”もありました。
解説は、会うのも話をするのも初めての岡田武史(当時・代表監督)さんです。
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好調だったイングランドのエース、シアラーの先制ゴールも見事でしたが、
忘れられないのは問題児・“ガッザ”こと、ポール・ガスコインのゴールです。
ペナルティー・エリア前に走り込むガスコインに左後方から長いパスが送られると、
彼は左足でこのボールを浮かしてDFの頭上を抜き、落ちてくるボールを右足で
鋭くシュートしました。流れに乗った見事なシュートだった。
自分のサッカー実況の中で、もっとも強く記憶に残るベスト・ゴールのひとつです。

この大会では、サッカーに関わるものにとってあこがれの地であるウエンブリーで
ドイツvsチェコの決勝を含めて5試合も実況できたのは幸せでした。
このとき、大規模な改修が決まっていました。古ぼけたエレベーターは乗るたびに
途中で止まってしまうのではないかと思うほどガタガタでした。しかし、操作する
80歳近くに見えたお爺さんは誇らしそうでした。
決勝トーナメントに入ってからPKにもつれこむ試合が多かったのですが、決勝が
ビアホフのゴールで決着したあと、このエレベーターで偶然、隣り合わせになった
フリットに「どうでしたか」と聞くと、笑顔で「PKにならなくてよかったね」と
言ったことを思い出します。ハハハ。
彼も 名古屋グランパスでプレーしたリネカーもこのときはテレビの解説者として
仕事をしていました。2人ともビシッと決めたスーツ姿がほれぼれするほどでした。
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オランダ・ベルギーの共同開催だったユーロ2000は私だけでなくWOWOWに
とっても忘れられない大会になりました。
男子の決勝と、98ワールド・カップの優勝国・フランスの試合が重なったのです。
テニスの試合経過はブラジルのグスタボ・クエルテンがスウェーデンのマグナス・
ノーマンを62/63とリードして、サッカーの試合に余裕で間に合いそうでした。
しかし、途中からノーマンが粘りを見せてとうとう生放送の予定だったサッカーを
録画にせざるを得なくなりました。

「このまま、テニス中継を続けさせていただきます。どうぞご了承ください。
世界最高峰の戦い、両者がテクニックを尽くして戦っています」とお詫びの言葉を
口にしながら、翌日、ベルギーに移動する私もサッカーは大好きですから「まあ、
何を言ったって許してはもらえないだろうな」と考えていたことを思い出します。
ハハハ。
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この大会、WOWOWの現地本部はオランダのアムステルダムにおかれていました。
ところが、日本を出る前に渡されたスケジュールでは、私は準決勝までベルギーの
競技場で仕事をすることになっていました。普通、決勝を担当するアナウンサーは
会場での実況を何度か経験するように日程を組むものですが、何をどう考えたのか
プロデューサーは私を遠ざけたのです。折り合いが悪かったし。ハハハ。

スポーツ部長からは「決勝を実況してもらいます」と言われていたのに、ひそかに
作っていた彼の担当表では、決勝は後輩のアナがやることになっていました。
準決勝までの担当も、それに合わせて作ってあったのです。つまり、「岩佐さんは
ベルギーから日本に帰って下さい」ということです。
控えめな私(笑うところです)にもプライドはありますから、部長にねじ込みました。
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…決勝は私の担当になりましたが、準決勝までの予定は変わりませんでした。
準決勝が終わったあと、オランダに入りましたが、ホテルはほかのスタッフから
離れていました。よほど私が嫌いだったのですね。気の毒に。ハハハ。
ロッテルダムで行われた決勝は応援していたフランスとイタリアの対決でしたから、
嫌な気分はさっぱり忘れて放送席に座りました。

イタリアに勝たせたかったし、“ほぼ”勝っていたのに、ロス・タイムに追いつかれ、
延長の末敗れました。
フランスの決勝ゴールは左サイド深く持ち込んだピレスからゴール前のトレゼゲに
絶妙のクロスが送られて決まりました。
ゴールの瞬間の前後、10秒ほどの間に私が口にした二つの言葉は忘れません。

クロスが入る前:「正面にトレゼゲがいる」…“保険”が効果的でした。
ゴール後:「フランス サヨナラ勝ち!」…野球じゃないんだから、と言われました。

どちらも、“確信犯的犯行”でした。なんとでも言って下さい。ハハハ。
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ユーロ2004は楽しく過ごせた大会ですが、ほろ苦さもあります。
前立腺がんが見つかったときに、手術の時期が確定しないうちにWOWOW側に
話してしまったため、私の立場が微妙になってしまったのです。
「行けない可能性がある」と告げた2日ぐらいあとに“手術は大会後でもOK”に
なったのですが、混乱させた責任を感じて、「グループ・リーグまででいいよ」と
申し出ました。

「そう言わずに」と言ってくれることを期待しましたが、そうはなりませんでした。
ハハハ。
北沢豪は予定より1日遅れて現地には行ってきました。乗り継ぎに失敗したため
パリに一泊したからです。そういう説明でした。しかし、私は、マネージャーが
同行していてそれは考えられない、きっと、これも“確信犯”で、初めから企んで
いたに違いないと思っています。ハハハ。
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8年前、彼と三浦知良はフランスを目の前にして日本に帰されました。そのときの
“恨み”を晴らしたのです。放送には支障がなかったですし、気持ちは分かるので
非難する気持ちはまったくありません。
この大会では、井原正巳さんともども現地で初めて会いましたが、気分のいい人で、
なじみの解説陣、奥寺さん、信藤さん、野口さんたちと、ジャカランダが咲いて
気候もよく、食べ物もおいしい6月のポルトガルを存分に楽しみました。

制作陣はさすがにグループ・リーグまでで日本に帰すのは“ふびん”と考えたのか、
結局、準々決勝まで実況させてくれました。どちらにしても、チャンピオンズ・
リーグ以外のビッグ・イベントでは必ず決勝を実況していましたから、大会途中で
帰国するのはとても奇妙な気分でした。しかも、担当した準々決勝がフランス対
ギリシャで実に退屈な試合だったことが悔しいです。
この大会を最後にサッカー実況を引退しましたから、今でも心残りです。
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さて、明日から決勝トーナメントですか。せっかくですから、しっかり見ますかね。
えーと、3時半は無理ですから、夕方の再放送を…。準決勝・決勝は、カードが
決まったときに、生で見るかどうかを考えますわ。ハハハ。
by toruiwa2010 | 2012-06-20 07:41 | サッカー | Comments(6)
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右足でキックしたボールがゴール左隅のネットを揺らした瞬間、ドログバはこの日 
2度目のヒーローになりました。もちろん 個人の喜びはどうでもよかったでしょう。
チーム競技のよさは、何があっても最後は仲間全員で喜び、全員で悲しむところに
あるのですから。チェルシーにとって初めてのビッグ・イヤーですか。
オイル・マネーにものを言わせて、手当たり次第にいい選手を獲得しまくっていた
時期があって、とっくに優勝しているように錯覚してましたが。ハハハ。
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前夜、横になってからこの日が決勝だったことを知りました。
リビングに戻ってビデオをセットするのも面倒なので“間に合えば見る”という
スタンスで臨んだのですが、起きたら延長が始まるところでした。ハハハ。
あまり積極的ではなかった理由は実況です。
ボリュームを下げて見ましたが、この人独特のテンションとリズムが、試合を見て
私が持つフィーリングと大きくかけ離れているのです。

ゲーム中ほとんどしゃべりっぱなしのサッカーはプレーを描写する時間が長いので
この二つが合わないと見ていて“苦痛”です。
彼には、競馬でもサッカーでもファンがいるようですから、ぴったり合う人もいる
のでしょうが、私はダメです。

これで、ヨーロッパのサッカー・シーズンは終わったことになるんですかね。
以前は、UCL決勝のあとも、スペインのリーグが続いていたような気もしますが…。
最近は、こまかいことまったく分からなくて。ハハハ。
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WOWOWでセリエAの放送が始まったのは1991年9月でした。
初めはほとんど無関心でした。よほど熱心なファンでなければ「それ 何?」という
存在だったと思います。
プロデューサーは私がフジテレビ時代にサッカー実況の実績があることを知らずに、
ラジオのアナウンサーたちを起用していました。頭にきて余計興味を持つ気持ちに
なれませんでした。ショート・テンパー。ハハハ。

しかし、10月の半ばごろ、そのプロデューサーが私のところにやってきました。
「11月にダービーというビッグ・マッチを現地から放送することになった。ぜひ
WOWOWのアナウンサーでやりたいのだがどうか?」ということでした。
すぐにOKしました。待ってましたから。ハハハ。
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意気揚々とミラノに乗り込みましたが、「やれるさ」と見得を切って引受けた手前、
下手な実況をしたら笑いものになると、内心は不安だらけでした。
そのときのミラン、インテル、両チームの先発メンバーがこれです。
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お分かりのように、ミランにはファン・バステン、フリット、ライカールトという
オランダ・トリオがいて、対するインテルは マテウス、クリンスマン、ブレーメの
ドイツ・トリオです。当時、世界最高のリーグと言われたセリエの中でもひときわ
華やかな顔ぶれがそろっていました。
ファン・バステンのゴールでミランが先制し、クリンスマンのボレーでインテルが
追いつくという素晴らしい展開でサンシーロは大いに盛り上がりました。

その後も ダービーは毎回、行っていました。カルチョは私のサッカーの原点です。

中でも、ACミランは私の好みのチームでした。
このときのメンバーは布陣まで鮮やかに目に浮かびます。
GKロッシ、DFは右からタソッティ、コスタクルタ、バレージ、マルディーニ。
中盤は中央にアルベルティーニ、サイドにドナドニとライカールトで、フリットは
自由自在にポジションを変えていました。トップはファン・バステン、下がり目に
マッサーロです。そして、この年、前任者のアリゴ・サッキからバトンを託された
ファビオ・カッペッロが指揮をとっていました。いや、懐かしい!
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数年前にマルディーニが引退、ネスタ、インザーギ、ガットゥーゾも今シーズンが
最後になると聞きました。
ネスタはスマートな選手でした。足が遅くなってからは厳しかったですが。
何度オフサイドを取られても、繰り返しDFの裏に飛び出して行くインザーギは
実況しがいのあるFWでしたし、一発レッドをとられてもおかしくないタックルで
相手を威嚇するファイトむき出しのガットゥーゾも好きなタイプの選手でした。
「漢字にすると“根性”」の早野語録とともに。ハハハ。

ミランの次に好きだったのはユベントスでした。
スキャンダルでセリエBに落ちていた時期もありましたが、2011-12シーズンは
6シーズンぶりにスクデットを獲得しました。見事な復活優勝です。“トリプル
増毛疑惑”のコンテ監督1年目の快挙にビックリです。ハハハ。
メンバー表を見ると、知っている選手はデル・ピエロ、ブッフォンとピルロしか
残っていません。一時、引退かと噂されていたデル・ピエロは「まだやめない」と
言っているらしいですが、もう、かつてのプレーは期待できないでしょう。
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プラチニの名を挙げる人がいるかもしれませんが、あの華やかさ、プレーした長さ、
Bに落ちたときも留まったことを考えるとユベントスと言えばデル・ピエロです。
セリエやCLで何度も実況しましたが、ゴールラインが近付き左45度でボールを
持ったときは期待して呼吸を止めたものです。ハハハ。

私がセリエのレギュラー・シーズンの実況陣に加わった93-94シーズンは 彼の
プリンスとしての華々しいデビューと重なるだけに思い入れが強いのです。
“当たり”には強くなかったものの、ひと目見たときから、その美しいプレー・
スタイルにはすっかり魅せられました。
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ここ数年は、セリエを見る機会がありません。
Twellvでミランの試合を放送しているのは知っているのですが、なかなか、食指が
動きません。サッカー自体、代表の試合ぐらいしか見なくなりました。

私が愛したカルチョがどんどん遠くなります。トホホ。

ネット上でこんなものを見つけました。
98-98シーズンのペルージャvsカリアリです。 http://bit.ly/KDpXvy
いいところばかり編集してありますから、自分で言うのもなんですが、
なかなかGJです。ハハハ。
このシーズンは中田がセリエ入りしました。
私のサッカー実況ではこのころがピークだったかもしれません。
たいしたことねえな…などと言わないように。ハハハ。

by toruiwa2010 | 2012-05-22 07:52 | サッカー | Comments(11)
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今シーズンのUEFAチャンピオンズ・リーグ(UCL)の決勝カードが決まりましたね。
バルサ&レアルが敗れたのは残念ですが、チェルシーvsバイエルンも悪くありません。
しかも、会場がミュンヘンじゃないですか。いやいやいや。思い出しますねえ。
いえ、この新スタジアムはまったく知りませんし、古いオリンピアシュタディオンも、
外から見たことがあるだけで、中に入ったことはありません。
しかし、UCLとミュンヘンがからむと印象深い思い出がよみがえるのです。
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UCLの存在を知ったのは、セリエAの実況陣に加わった1993年でした。
当時 イタリア・サッカーについての情報はガゼッタ・デッロ・スポルトという有名な
スポーツ新聞に頼っていました。分かるのは数字と固有名詞だけですが。ハハハ。

シーズンが終盤を迎えたころです。そのピンクの新聞でUCL決勝のスケジュールを
見ていて、会場がMONACOだと知りました。
準決勝を勝ち上がったのはフランスのマルセイユとイタリアのACミランです。
放送の中で決勝のスケジュールなどを伝えて、「モナコなら、マルセイユとミラノの
ちょうど中間ですから 応援に行く両チームのサポーターにとっても好都合ですね」と
解説者に話しかけたことを思い出します。

ところが。ところが、です。これがとんでもない間違いだったのです。
英語ではたとえばユベントスの本拠地・TorinoはTurinと表記されることが多いです。
全部が全部ではありませんが、ヨーロッパの非英語圏の国では、英語名を持つ街が
たくさんあります。イタリアでいえばMilan(ミラノ)、Florence(フィレンツェ)、
Venice(ベネツィア)、Naples(ナポリ)などがそうです。
ドイツにはMunich(ミュンヘン)やCologne(ケルン)があり、他にもPrague(プラハ/
チェコ)、Moscow(モスクワ/ロシア)Vienna(ウイーン/オーストリア)、Athens(アテネ/
ギリシャ)…イタリアにはほかにもRome(ローマ)、Sicily(シチリア)などがあって一番
多いように思います。
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スポーツ関係の記事を英語で読むようになってからは 都市名の英語読みにもだいぶ
なじんでいて間違うことなどほとんどなかったのですが、“落とし穴”がありました。
放送から4,5日たったとき、なんと、“イタリア語のMonaco”はモナコ公国のほかに
ミュンヘンのことも指すのだと聞かされたのです!!
青天の霹靂です。少しも疑うことなく、得意げに話したことが恥ずかしい!
しばらくは、結構、落ち込みました。ハハハ。

この思いではもう一つの思い出につながりました。

4月18日はツイート3周年の記念日でしたが、考えて見ると 24日は私がブログを
開設した記念日です。
当時はまだ“ブログ”という言葉はなくてホーム・ページ(HP)と呼んでいました。
資料収集のためにインターネットはなんとかやっていましたが、HPとなるとまるで
手が出ず、指をくわえて眺めているだけでした。

テニス中継を見ていた若者が「手伝いますから、やりませんか」と声をかけてくれて
大喜びで飛びつきました。書き上げた記事をメールで送ると、時間があるときに彼が
アップしてくれる、というやり方でした。
はじめは週1回のペースでの更新でした。間もなく、私の方は頻繁に更新したくなる、
かといって、好意で手つだってくれる相手に迷惑をかけられない…というジレンマに
悩んだ結果、2年後にはコラムの部分をブログ化しました。
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初代HPのタイトルは「岩佐徹のon-air off-air」でした。
アナウンサーらしいものにしたかったのです。そして、コンテンツのひとつだった
コラムのタイトルが「OFF-MIKE」でした。
今はもう、私のパソコンの中でしか見られなくなりましたが、この懐かしいHPが
スタートしたのが9年前、2003年の4月24日でした。
“いたずら”や“荒らし”に悩まされ、それなりに変遷があって当ブログにたどり
着いて、開設から10年目に突入しています。

UCL決勝が近づいたことで、“MONACO”を思い出し、HPのコラム第1号に書いた
チャンピオンズ・リーグにまつわる記事を思い出したのです。
読んだ方もおいででしょうが、懐かしい固有名詞も出てきますので、連休中にでも
読んでみてください。


「長かった4月23日」2003.04.24

4月23日(実際は24日ですが)でチャンピオンズ・リーグ(以下CL)のスタジオからの
実況が終わりました。画面だけを見てスタジアムにいるかのように実況することを
オフチューブ方式といいますが、サッカーの実況アナウンサーとしてはかなり高齢の
私にとっては条件が厳しいやり方です。これで、CLに限って言えば、現地でのセミ・
ファイナル2試合になりましたから、ひと安心です。

23日は結構忙しい一日でした。
まず、午前中にこの日担当のマンチェスター U対レアル・マドリッドの資料作りを
ひととおり終えて、午後はビデオ・チェックに入りました。
はじめに前日の夜NHKで放送したクラシコ、レアル・マドリッド対バルセロナ、
次に、朝のCL バルセロナ対ユベントス、レアル・マドリッド対マンチェスターの
それぞれの第一戦、いずれもポイントを絞ってチェック。
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普通なら、最後は気に入っている自分の実況テープを見て“感じ”をつかむことで
準備の仕上げをするのですが、この日は見ておきたいものがもう1本ありました。
それは、なかなかのすぐれもの、マンチェスターUのヒストリーDVDです。
最後までは見られませんでしたが、いくつかネタを仕込むことができました。ハハハ。

一般の家庭にくらべたらかなり早めの晩御飯をすませて家を出ます。
サッカー担当の日は睡眠を確保するため、放送の前後 スタジオ近くのホテルでやすむ
ことにしているのです。ヨーロッパはサマータイムですからキックオフは日本時間の
3時45分です。集合は午前2時、それまでに少しでも寝ておかないとつらいのです。
一度、15分しか眠れなかったときはしゃべりたいことが頭の中でうまくまとまらず
かなり苦労しました。
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この日は、いつもより早い午前1時に局に着きました。ちょうどロビーでは 制作側と
技術さんの打ち合わせが行われていました。
二つのカードを担当するスタッフはあわせると45名ほどになるでしょう。
信藤さん、柄沢アナ、奥寺さんの順に到着して今度は解説・実況陣の打ち合わせです。
その打ち合わせが終わったころ、UEFAからのメンバー表が手元に届きます。
マンチェスターは 負傷していると伝えられていたベロンが先発し、ベッカムではなく
スールシャールが右サイドです。やっぱり、そう来たかという感じでした。
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レアルはといえば、盲腸のラウルのかわりにグティが入っているのは分かるとして、
ボランチのところになんとマクマナマン! 奥寺さんの意見は「イングランド出身と
いうことを買ったんじゃないのかな」ということでした。

第一戦がレアルの3-1に終わっているのはバルサにとって厳しいですが、スーパー・
スターをそろえた名門同士の対決、舞台は「夢の劇場」、オールド・トラッフォード、
しかも主審はコッリーナさんです。リハーサルから胸が躍りました。久しぶりです。
テレビマンとして視聴率を稼ぐために面白い展開を期待するのは当然でしょう。
それには 追う立場のマンチェスターが先に点を取ることです。しかし、大歓声の中で
始まった試合はこちらの思惑とは反対に ロナウドのゴールでレアルが先制、その後も、
追いつかれる度にロナウドがネットをゆらして突き放す展開になってしまいました。
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救われたのはマンチェスターの選手たちの闘争心が最後まで失われなかったことと
サポーターが彼らに大声援を送り続けたことです。
結果はレアルが2試合合計得点でマンチェスターを下して準決勝進出を決めました。
早い段階で「レアル勝ち上がり」の可能性が濃くなってしまったのは残念でしたが、
私個人は結構のびのびしゃべれて、いつもお叱りを受ける選手名の間違いも少なくて
久しぶりの奥寺さんとのコンビを楽しめました。同じように思った方が多かったのか
展開の割には視聴率も4.3%とかなりのものでした。

番組が終わってひと息入れているとプロデューサーがセミ・ファイナル放送用の番宣
(番組宣伝)について打ち合わせるためにスタジオに入ってきました。
カードについて一言ずつ話したあと「何日の何時から放送です」と締めるのですが、
かなり大変なんです。一人で自由にしゃべるなら問題はありませんが、言うことは
ほぼ決まっている上に「編集したくないので30秒ぴったりでお願いします」などと
平気で注文をつけてきますからね。ハハハ。
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3、4回の取り直しで終わりましたが、寝不足に加えて2時間実況したあとでしたから、
最後は情けない声になっていました。
控え室に戻ると、先にメークを落としていた後輩のアナがさわやかな顔で「いやあ、
こっちはいい試合でしたよ。そちらとは逆の展開で、ミランが先に先に点を取って、
最後91分に決勝ゴールですから」と話しかけてきました。

…「なぜ そういうことを言うかなあ」と、試合展開も結果もいまいちだっただけに
気分がすぐれない私としては言いたいところですが、ぐっと我慢して「そう、それは
よかったね」と返しました。先輩はつらいのです。ハハハ。
冗談はともかく、WOWOWでは 面白くなりそうな試合を送り出すAスタジオは1階、
もう一試合のBスタジオは2階にあるのですが、今シーズンのCLは終わってみると
2階のほうが内容で上回るケースがとても多かったのです。
プロデューサーが年寄りの私に気を使って、全部Aスタの担当にしてくれたのですが、
終了後、勝ち誇ったように喜色満面で引き上げて来るBスタ担当をほろ苦い思いで
迎えたことが何度あったでしょうか。ハハハ。

さて、レアル、ユーベ、インテル、ミランと豪華な顔ぶれが出揃って5月に入ると
いよいよセミ・ファイナルです。
私の行き先も決まりました。まず、3年連続のマドリッドでレアルvsユーベ。
ここは、スタジアムまで歩いて5、6分ですからとても気分が楽です。

そして、第2戦は4年ぶりのミラノからインテルvsミランのダービーです。
実は、インテルが勝てば文句なしにミラノに行けるはずだったのですが、数日前には
プロデューサーから「岩佐さん、もし、準決勝がクラシコ(レアルvsバルセロナ)に
なったら、取材の関係で日程を変更してそちらを担当してもらいますので」と無情の
宣告をされていたのです。
「そんなにオレをイタリアに行かせたくないのか、よーし」と、バルサのファンには
申し訳ないと思いつつ、今回ばかりは思いっきりユーベを応援させてもらいました。
ハハハ。

ホテルで1時間ほどうとうとしただけで帰宅してこれを書き上げました。
ずいぶん長くなりましたが、一回目ということで勘弁してください。
マドリードへの出発は3日です。それまでにもう一回 書く予定ですが、現地からも
できるだけアップしたいと思っています。

どこに出かけるわけでもないのですが、
3日から6日まで休みます。あしからず。

by toruiwa2010 | 2012-05-02 14:06 | サッカー | Comments(0)
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1999年6月23日、WOWOWのサッカー班は解説者数人とともに、西麻布のイタリアン・
レストランに集まっていました。長かった98~99シーズンの打ち上げのためです。
中田英寿がペルージャで初めてプレーしたシーズンでした。彼の活躍のおかげで視聴者の
手ごたえも上々でしたから、集まった面々の気分は高揚していました。
会が始まってしばらくすると、編集局長が姿を現してあいさつに立ちました。
「みなさん、喜んでください。心配かけましたが、18チームのうち14チームと契約が
できることになりました」…店内に歓声が響きました。
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実は次のシーズンからセリエの契約形態が変わって、チームごとに契約交渉をしなければ
いけないようになり、スカパーとの間で激しい戦いが続いていたのです。
14/18チームが確保できれば、放送を続けることができるし、視聴者に納得してもらえる
カードの提供が可能になりますから、誰もが喜びいっぱいだったわけです。

しかし、それから1ヶ月もたたないうちだったと思いますが、出社すると、デスクの上に
メモが置かれていて、セリエの放映権がスカパーに渡ったことを知りました!
93~94シーズンから実況にかかわっていました。特に、98~99シーズンは 相性が悪かった
プロデューサーが交代したこともあっって全34節で27試合を担当しました。
自分で言うのもおかしいですが、脂が乗っていたのです。
テレビで仕事をしていると、イベントの権利を獲得したり失ったりは日常茶飯事ですから、
何度も経験していますが、このときに覚えた“喪失感”は2002~2003シーズンを最後に
チャンピオンズ・リーグの権利を失ったときと並んで忘れられない記憶です。
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木曜日の朝日の夕刊で嬉しい記事を読みました。
ユベントスが久々に優勝争いをしていることを伝えていたのです。
ミーハーっぽくて恐縮ですが、実況する機会が多かったこともあって ミラン、インテルと
ユーベは常に関心があり大好きなチームです。イタリアNo1の名門でありながら、審判の
買収などでセリエBに降格された苦い経験からユーベが立ち直りの気配を見せているのは
とてもうれしいニュースです。

監督がアントニオ・コンテなんですね。
現役時代はファイターでした。しつこい選手でした。髪が薄くなりかけていました。
あるとき、“変化”に気づいて増毛疑惑をしゃべった記憶があります。ハハハ。
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ためしにメンバーを見ると、私が実況していたころにプレーをしていた選手の中で今でも
現役なのは、ブッフォンとデルピエロだけのようです。
ミランのメンバー表を見ると、ネスタ(!)を初め、インザーギ、ガットゥーゾ、セードルフ、
アンブロジーニ、ザンブロッタ…レギュラーではない選手が多いようですが、懐かしさが
こみ上げる顔ぶれが残っています。

WOWOWで初めてJAPANの試合を実況したのはユベントスが来日したときです。
6シーズンぶりに監督に復帰したトラパットーニが率いて1992年に来日しました。
日本選抜(監督:オフト)と2試合やったのですが、神戸のユニバー記念競技場での試合を
実況しました。解説は奥寺さんと加茂周さんでした。奥寺さんはミラン・ダービーで一度
お手合わせがすんでいますが、加茂さんとは初対面…なのに、放送席に腰を下ろしたのは
選手が入場する5分前というあわただしさでした。

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リーグ“前夜”で、サッカー熱が盛り上がりを見せていていました。
WOWOWが放送する予定もなく、私もあまり関心がなかったのですが、その“たたり”で、
日本選抜のメンバーを伝えるとき、チーム名を「日産浦和マリノス」などと とんでもない
ミスをしています。「どこにそんなチームあんねん」と突っ込まれたことでしょう。ハハハ。

このときのユーベは、ロベルト・バッジョがキャプテンを務め、ビアッリがセンター・
フォワード、ほかに ドイツ代表のメラーやコーラーがいて、若き日のコンテが左サイドで
プレーしていました。日本選抜は 三浦知良、福田、井原、都並、キーパーは松永でした。
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試合は、吉田光範のゴールで前半に先制した日本選抜が後半16分にも福田の
スルーパスに反応した三浦知良が 追いすがるジュリオ・セザールをかわして
ゴール右隅に決めて2-0とリードを広げ、加茂・奥寺のご両人のテンションは
最高潮でした。ハハハ。
ヨーロッパの強豪・ユベントスのイレブンがカッカする場面がみられて面白い試合でした。
“本気”になったユーベは34分にバッジョのPKで1点差にすると、ロスタイムに入って
ドイツ代表のメラーのヘディング・シュートでとうとう同点に持ち込みました。
直後に試合終了の笛。
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「さすがはユベントス、インジャリータイムで追いつきました」と声を張り上げる私とは
対照的に、2人の解説者の口が思い切り重くなってしまい、何を聞いても“はかばかしい”
答えが返ってこなくなったのです。ハハハ。

あのころが心身ともに一番充実していたかもしれません。懐かしいなあ、セリエ。

坂の上には何もなかった…

12/25
女子フリーに3時間枠・・・どう考えたって、7時から
演技を見せるわけはないから6時~7時半はBSで
「坂の上の雲」最終回を視聴する。
これが正しいテレビの見方。w。みんながこうすれば
苛立つこともないのに。


…そんなわけで、昨日は6時からNHK-BS「坂の上の雲」、終わってからフジテレビの
「全日本フィギュア」を楽しませてもらいました。

「坂の上の雲」は最終回でした。
沖ノ島沖での東郷平八郎率いる日本海軍とロシアのバルチック艦隊との長い海戦シーンが
冒頭から実に30分近く続きました。迫力はありましたが、CGが多かったのは事実です。
それよりも疑問に思ったのは、この海戦を100年以上たった今描くことにどんな意味が
あるのか、ということです。

日露開戦あたりからは“戦争映画”を見ているようでした。
司馬遼太郎の原作はともかく、NHKのドラマはこれだけの大金を使って今の時代の我々…
特に若い世代に何を伝えたかったのでしょうか?
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結局、このドラマは何を描きたかったのか。
人間は秋山兄弟と子規までが限界だった。つまり、
人間は描ききれず、戦争は描いたが、歴史全体を
描こうとしてナレーションでのごまかし。
そして、随分素っ頓狂な終わり方をしてくれたもんだ。
「これから一人で逝きますから」…か。


全体の4話目ぐらいまでは、毎週、次の日曜日が待ち遠しいと思うほど引き込まれました。
“松山時代”です。律(菅野美穂)を含めて秋山兄弟、正岡子規たちの豊かな個性や強い絆が
丁寧に描かれ、魅力ある“人間ドラマ”になっていました。
最終回で唯一ぐっときたのは、帰宅した真之(元木雅弘)が母親の遺体と対面して語りかける
シーンでした。人間・真之がせまってきたからです。
ドラマ全体を通して、元木と菅野、香川の演技には胸を打たれました。

たぶん、このドラマへの世間の評価は高いのでしょう。ただし、その根拠は何でしょう?
「俳優陣が豪華だった」「さすがはNHK」「会戦・海戦シーンに迫力があった」…まさかね。

私には不満が残りました。
3年も引っ張っておきながら、“坂の上”に何が見えたのか?
司馬遼太郎の原作にもその部分は書かれていなかったのでしょうか?
自分で考えろ?
いやあ、あの作り方・終わり方では考える手がかりもないわ。ハハハ。

浅田真央については、素直にほめる…それに尽きます。

今日見ないかもしれませんが、週末の視聴率です。

フィギア(土)   22.7%
     (日)   26.7%

すべらない話  12.9%

NHK  坂の上の雲  11.4%


            
by toruiwa2010 | 2011-12-26 10:02 | サッカー | Comments(2)