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岩佐徹のOFF-MIKE

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実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

カテゴリ:映画が好き( 221 )

ラスト・レシピ 85


福祉施設・すずらん園の一室にひつぎが置かれている。

窓ぎわに立ち庭に集まった弔問客に目をやりながらスマホを

手にした健(綾野剛)が怒りを叩きつけていた。

「絶対 来いって言ったよな。どうして来ないんだ⁉」

相手は、ともにこの施設で育ち、故人にまるで息子のように

可愛がられていた充(みつる:二宮和也)だった。


その充は、料理道具が詰まった大きなキャリーバッグを引いて

“客”の病室を訪れていた。重い病気で先が長くない患者が望む

最後の料理を作るためだった。

一度 食べた料理の味を決して忘れない“麒麟の舌”を持つと

言われた充は超一流の料理人として内外からの客を集めていた。


しかし、自分にも周囲にも厳しく接するやり方がスタッフや

なじみの客を遠ざける結果となった。店を閉め、あとに残った

膨大な借金を返済するために始めたのが高額の謝礼が得られる

“最後の料理”づくりだった。


ある日、意外なところから依頼の電話が入った。北京からだ。

300万円の謝礼に惹かれて北京を訪れた充に依頼主は名乗った。

「楊晴明(ようせいめい)です」…

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物語の舞台は旧満州国です。時代は1930年代が中心です。

数十年後の充が物語の“案内役”になっています。

「成功報酬は5000万円」と告げた楊は充に ある“レシピ”を

探すよう求めます。映画は“レシピ”を探し求める充の作業を

中心に描いていますが、実は、レシピを作った人物の物語でも

あるのです。


1932年の建国から数年後の満州に宮内庁で天皇陛下に料理を

作っていた山形直太朗(西島秀俊)が送り込まれました。

この西島こそ物語の主人公です。満州に着いた山形に関東軍の

将校・三宅(竹野内豊)が告げたのは天皇陛下が行幸する際に

提供する史上最高のメニューを考えてくれということでした。

それを“大日本帝国食菜全席”と称することも。

全編を引っ張る西島の演技が光ります。形の上では、“主演”は

二宮でしょうが、この映画を支えたのは西島だと思います。


レシピにはいろいろ、“からくり”があるのですが、ネタバレに

なるので止めておきましょう。ハハハ。


90点に近い出来でしたが、最終的に85点に落ち着きました。

いくつか、納得いかないことがあるのです。

オープニングから間もなく、“びんた”の場面があるのですが、

これが、“ゆるい”んだなあ。相手が少年だからしょうがないと

思いつつ、それなら、両肩を摑んで揺さぶるとか、いくらでも

演出のやり方はあるはずです。「おくりびと」の監督にしては

“ぬかった”なあと。ハハハ。


もう一つ、日本の軍部が”統治”していた当時の満州だったら

通りの表記やホテル名などが“左横書き”(左から右に書く)

なのはおかしいのではないかということです。


さらに、屋外の映像になると、合成感、CG感がありありで、

もっとうまい処理の仕方はなかったのかなあと思いました。


ル・コルビュジエとアイリーン 75


近代建築の巨人と称されるル・コルビュジエとインテリア・

デザイナー、アイリーン・グレイの伝記映画です。

…はいはい、実は、アイリーンは建築家としても素晴らしい

ものを残しています。南フランスに建てたE.1027と呼ばれる

彼女の別荘は建築史上の傑作だそうです。その割に、あまり

丁寧に見せてはくれませんが。ハハハ。

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で、ル・コルビュジエはこのことで激しく彼女に嫉妬します。

人生で唯一 嫉妬した相手だとさえ言われています。

で、彼は理解不能な行動に出ますが、激怒して当然なのに、

アイリーンは具体的な抗議はしません。ル・コルビュジエを

深くリスペクトしているからのようですが、これについても

映画は十分に観客を説得しきれていません。


もう一つ、アイリーンには建築評論家の“恋人”がいるのですが、

この二人の関係もかなり“もわーっと”しています。映像的には

美しいけれど、見たあとの“もやもや”は否定できません。

ル・コルビュジエは 亡くなったとき、国葬が行われたほどの

建築家ですが、この映画で描かれているのは“小物”です。

遺族は納得してるのか? と、不安になりました。ハハハ。


ノクターナル・アニマルズ 80


スーザン(エイミー・アダムス)の新しい画廊のくオープ二ング・

パーティは大成功だった。深夜に帰宅した自宅も大きな金属の

自動ドアがついた豪華なものだった。しかし、二度目の夫との

関係は決してうまくいっていない。パーティにも、最後まで

顔を見せなかった。


ある日、彼女のもとに小包みが届いた。開けてみると元の夫、

エドワード(ジェイク・ギレンホール)からだった。「本を書いた。

読んでみてほしい」というメモが添えられていた…

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現在進行形の話、最初の夫との間にあったこと、“本の内容”が

行ったり来たりします。ギレンホールが一人二役で”劇中劇”の

主人公も演じます。


いきなり、映像化されて出てくる本の内容がかなり強烈です。

いささか辟易して、妻を促して立ち上がろうかと思いましたが、

外食の予定まで時間が余り過ぎると、思いとどまりました。

“帰りに食事”だったために途中でギブアップしなかった映画が

かなりあります。ハハハ。


タイトルを日本語にすると”夜の獣たち”…本の題名です。

辛口の腐ったトマトの評価は73%でした。“評価”は必ずしも

正確ではありませんね。好意的な記事を書いた専門家・記者が

全体の73%いるという意味です。見に行こうかどうしようかで

迷ったときには参考になります。日本でもこういうサイトが

出来ないものかと、いつも思います。


最後の疑問:“彼”はなんで現れなかったのか?

細部まで、全部説明してくれとは言いません。

しかし、“思わせぶり”はほどほどに。ハハハ。


by toruiwa2010 | 2017-11-10 08:10 | 映画が好き | Comments(0)

先生 85


県立南高校の体育館で始業式が行われていた。

校長の長い挨拶が続き、退屈した新入生の一人、島田響(ひびき:

広瀬すず)が小さくあくびをした。いけない、という顔になって

周りを見渡した彼女の視線の先に、こぶしで口元を隠しながら

やはりあくびをする教師がいた。伊藤(生田斗真)だった。


でも、あの頃の私は分かっていなかった、恋がどういうものか

ということを。いま、響はそう思う。


一年が過ぎたある日、響が小さな失敗をした。

親友・千草恵(森川葵)に頼まれた関谷先生宛てのラブレターを

誤って伊藤の靴箱に入れてしまつたのだ…

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遠い昔、私も学園の中で恋をしました。キャラクターも環境も

全然 違いますが、そのころに戻って“キュンキュン”しました。

113分、しっかり、“青春”させてもらったことに感謝です。


思わず頬を緩ませて(きっと)広瀬すずに見とれてしまいました。

79歳の私が、いま、最も“惚れて”いる若手女優です。決して

若手女優の“一人”じゃありません。“最も”です。差があります。

ハハハ。


ちょっとした表情や仕草がたまりません。彼女の演技の特徴は、

“あと”だけではなく、“前”にも余韻がある。分かりますか?

分かんねえだろうなあ。(by 松鶴家千とせ)


ありがちなストーリーですが、まったく問題ありません。

高校の先生と教え子の恋愛を扱った映画は有村架純・松本潤の

「ナラタージュ」と同じですが、仕上がりはまったく違います。

私の中で、広瀬>有村だし生田>松本だからかもしれませんが、

演出が“ぐずぐず”だった「ナラタージュ」にくらべ、こっちは 

正面からの正攻法です。だから、“共感”を生むのだと思います。


お前がいつか出遭う災いは

お前がおろそかにした過去の報いだ ――ナポレオン


…示唆に富んでますなあ。ハハハ。


ネリー・アルカン ???


採点不能。

娼婦にして作家…“フランス文学界のマリリン・モンロー”と

呼ばれた女性の人生と作品に基づく映画と聞いていましたから

性描写が多いことは覚悟していました。映像的にはそれほど

露骨なところはなかった(あくまで初めの方の話です)のですが、

字幕に出てくる性に関する単語の“氾濫”に辟易しました。

余談ですが、字幕◯◯◯◯と女性名のあと、“字幕監修”として

男性の名前が並んでいました。“専門用語”の監修ですかね?

ハハハ。

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それはともかく、「これは初めだけ、そのうち、“文学の方向に

話が展開するだろう」と我慢しましたが、20分が限界でした。

これから見ようとしている方、くれぐれも、付き合ってから

日の浅い彼女や彼氏を誘ったりしないように。誤解されます。

ハハハ。


彼女がその名を知らない鳥たち 85


アパートの一室で十和子(蒼井優)が電話をしている。

デパートの時計売り場にクレームを入れていた。頼んでいた

腕時計の修理が進んでおらず、対応が悪いことを強い口調で

なじっていた。


DVDレンタルの店でも店員とやり合っていた。借りたDVD

キズが付いていて途中で見られなくなったと。

恐縮し「キズのない別のものをお貸ししますので」と対応する

店員に向かって十和子は言い放つ。「そういうことやないねん。

途中まで見た私の時間をどうしてくれるねん?という話や」。


夕方、慌ただしく陣治(じんじ:阿部サダヲ)が帰宅した。

15歳年上で50歳近い陣治を十和子は“同居人”と称している。

ガサツで品がない。見た目も不潔な男とまだ十分に若い十和子。

この二人、いかにもいわくがありそうだ…

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「十和子のためならなんだってする」と陣治は献身的ですが、

彼女はそれにかまわず、自由に生きています。

“イケメン”にとても弱い傾向があります。自宅まで詫びに来た

時計売り場の主任、水島(松坂桃李)にもひとめぼれします。

手ひどい振られ方をした、かつての恋人、黒崎(竹野内豊)

忘れることもできません。


水島も黒崎も“最低”の男です。こういう男、世間にはうようよ

いるようです。そういう男に弱い女性もうようよいそうです。

だから、こういう物語も成立するのでしょう。

「先生」の教師と生徒もそうですが、男と女…理屈だけでは

どうにもならないものがあるようです。だから、文学、絵画、

音楽、そして、映画の題材も尽きないわけで。ハハハ。


蒼井優ありきの作品だと思いました。

そして、陣治を演じる役者も阿部以外に思い浮かびません。

賞の対象になってもおかしくない出来でした。


by toruiwa2010 | 2017-11-02 09:18 | 映画が好き | Comments(0)

あゝ、荒野 80


歌舞伎町に暮らす新次(菅田将暉)と健二(ヤン・イクチュン)

ともに経験の浅いプロボクサーです。

二人を育てるマネジャー、堀口(ユースケ・サンタマリア)は

怪しげなオーナーからジムを預かっています。そして、試合に

向けた練習を監督するトレーナー、馬場にでんでんが扮します。

韓国出身のヤンは初めて見ましたが、実力を備えたクセの強い

役者が揃いました。おかげで、その演技はどうなの?という

シーンはほとんどありませんでした。


前・後編だし、合わせて5時間強だし、どうしようかなあ、

だけど、乗ってる菅田将暉だしなあと迷い、評判を見てからに

しようと決めていました。公開後、どのサイトを見てもバカに

評判がいいので行くことにしたのです。

前編を見たときは「これはいい。85点はある。後編次第では

90点になるかも。菅田は今年の主演ではNo1じゃないか」と

思ったほど気に入っていました。

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…分からないものです。

後編も途中まではいい感じだったのに、徐々に暗転しました。

“因縁”の相手とグラブを交えた試合あたりから“怪しく”なり、

主人公同士が戦う試合があまりにも“劇画チック”だったこと、

最後の20分のいくつかのエピソードの描き方が雑だったこと

などで評価が下がってしまいました。


ボクシングを本物っぽく撮るのは難しいでしょうし、監督には

考えがあってあのように描いたのでしょうが、無茶すぎます。

終盤のエピソードの描き方も原作者・寺山修司の思いを何とか

伝えたかったからだと思いますが、そこまでの流れからすると

“木に竹を接ぐ”違和感がぬぐえません。同様に“水と油”感が

ぬぐえなかったのが自殺防止のための集会や“なにやら法”に

反対するデモでした。制作者の思いは分かりますが、それが

空回りしていました。


設定が2021年になっている意味も私には理解不能です。

オリンピックのあとですが、その“空気”はどこにもありません。

そういうものは歌舞伎町とは無縁だといいたいのでしょうか?

寺山が生きていたらこれらの設定を納得したでしょうか?


ユースケ、でんでん、木村多江、さすがです。

名前が分かりませんが、芳子の母役の女優さんがグッドでした。

ヤン…熱演に好感を持ちましたが、序盤で、原口あきまさに

似てると気づいてから、最後まで集中できませんでした。

ハハハ。


ミックス。 80


幼いころ、卓球の天才少女だった多満子(たまこ:新垣結衣)

厳しいコーチでもあった母が死ぬとすぐに競技から足を洗って、

15年後の今、アラサーです。憧れていた男に再会していい仲に

なりますが、手ひどく裏切られてふるさとに帰ってきました。


一方、日本2位まで行った元プロボクサーの萩原久(瑛太)

引退後、仕事を転々とする中で妻に裏切られ(誤解だったが)

多満子の町まで流れてきました。

“いろいろ”あって、二人はつぶれる寸前の卓球クラブで出会い、

ミックスダブルスのコンビを組むことになります!

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序盤のペースがスローだなあと感じましたが、二人の気持ちが

通い始めたところからはいいと思いました。好きな俳優二人の

恋が成就するといいなあと祈るような気持ちでした。ハハハ。


瑛太はいいなあ。シリアスなものもコメディ・タッチのものも

こなせる素晴らしい役者です。ただし、「それでも、生きてゆく」、

「最高の離婚」、「まほろ駅前番外地」、「若者たち2014」など、

印象に残る作品があるドラマにくらべ、映画の方は、なかなか

私のストライクゾーンに入る当たり役が少なくて寂しいです。

この数年では「64-ロクヨン-」ぐらいか。

「リングサイド・ストーリー」…どうしようかなあ?


ガッキーはどの場面を見ても可愛いです。私の年齢の男には

たまりません!ハハハ。

でも、なぜか、寡作ですね。最近こそ、「逃げ恥」と「コード・

ブルー」がありましたが、同年代の女優にくらべ、圧倒的に

少ないと思います。役柄が固定されているのも惜しいです。

“抜群”とは言いませんが、普通に演じる力は十分あります。

ラブストーリーを見てみたいけどなあ。


話は変わりますが、映画でスポーツが大事な要素になるとき、

嘘っぽくなると台無しですが、実際は難しいですね。

「あゝ、荒野」のボクシングと同じように、この映画の卓球の

シーンもストレートには描かれず、“デフォルメ”されています。

それも仕方がありません。


古今東西の作品を思い出してみても、“これは…”というのは

ありません。ラブシーンや殺人の場面はあれほど本物らしく

出来るのに…と思います。演技でカバーできない部分があって

口で言うほど簡単じゃないことは分かりますが。ハハハ。


by toruiwa2010 | 2017-10-27 08:47 | 映画が好き | Comments(7)

ナラタージュ 70


深夜のオフィスで電話か鳴っている。

(有村架純)が出ると「ねえ、見た?」と女の声が聞いてきた。

メールで送った子供の写真を見たかと聞いているのだ。

会話は電話の向こうで赤ん坊が泣き始めたため短く終わった。


いつの間にか外は雨になっているようだ。

立ち上がり、窓際まで行って、ブラインドのすき間からそれを

確認した泉は 手にした懐中時計を見つめた…

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泉の思いは高校生の頃に飛びます。

今も忘れられないのです。学校の中で孤立しがちだった彼女を

演劇部に誘ってくれた顧問の葉山先生(松本潤)のことが。

映画は二人の恋を中心に描いていきます。しかし、気持ちは

一直線ですが、内に秘めるタイプの泉と、教師という立場から

“受け身”一方の葉山ですから、なかなか前に進みません。


この“じれったさ”がたまらないのかもしれません。若い人で

いっぱいの客席で二人の心の揺れが理解できる79歳の自分に

気づき、精神はまだ“しなやか”なんだと満足しました。ハハハ。


前半は「85点ぐらいかな」と思いながら見ていました。しかし、

途中から様子が変わっていきます。

葉山には 病気で別居中の妻がいるのを知ったことなどから、

卒業以来疎遠になっていた二人ですが、大学生のとき、突然、

葉山から泉の携帯に電話がかかります。「部員が足りないので

文化祭の公演を手伝ってくれないか?」。

再会を機に、ふたたび互いの気持ちが高まりますが、二人とも

積極的にアプローチしませんから、相変わらず“グダグダ”です。

ハハハ。


その原因は、途中から“参戦”の演劇仲間・小野(坂口健太郎)

含めた3人の立ち位置がはっきりしないからだと思います。

高校生部員の自殺、小野の“豹変”ぶり、物語の結末…すべてが

“いきなり”すぎて、どんどん、評価が下がっていきました。


松本がよかったし、有村はもっとよかったです。この子はいい。

泉が風邪で寝込んだとき、葉山が見舞うシーンがあります。

泉が珍しく感情をぶつけるセリフが“なかなか”でした。


気がないんだったら、どうしてこんなに

優しいことするんですか?


先生、私の気持ち、ずっと知ってましたよね。


私のことどう思ってるんですか?


世間の評価は私ほど悪くないようです。

朝日夕刊で専門家のこんな批評に出会いました。


(行定監督の別の作品にくらべ)今回のダメ恋愛はなんと

豊潤なことか。ロマンチシズムを程良く含んだ観念化の

回路を通すことで、きっと彼の個性は完成するのではないか。

キラキラとドロドロが不意に反転し、観客は年齢を重ねても

消えない人間の不定形で未分化な感情にゴツッとぶち当たる。

心情描写に余白を残し、説明しすぎない抑制も見事。

監督を始め万全の座組みが全力投球した心地よさに満ちている。

ヒットして欲しい。


映画を上回る分かりにくさに面食らいました。ハハハ。


蛇足


泉が葉山を助手席に乗せて雨の中を走るシーンがあります。

最低でも30キロか40キロは出しているはずです。ところが、

車内のカメラがとらえた窓に当たる雨の“様子”が変です。

雨の量、走る車…絶対に、あんなじゃないはずです!きりっ。


ドリーム 90


1961年のアメリカはまだ人種差別がはびこつていた。

人間を乗せたロケットを宇宙に向けて打ち上げようとする

NASAでさえ、それは同じだった。


組織の中枢である技術関係の職場には白人しかいなかつた。

トイレ、水飲み器、コーヒーメーカーなど、いたるところに

差別が見られた…

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この作品は、そんな時代に、国家的事業としての宇宙開発を

陰で支えた黒人女性たちの姿を実話に基づいて描いています。

中でも、幼いころから数学の天才だったキャサリンは配属された

特別研究本部でずば抜けた計算能力を発揮して、さまざまな

宇宙計画の成功に大きく貢献します。コンピュータが本格的に

登場する前ですから彼女の存在はものを言いました。

彼女の能力が あからさまな差別をしながら偉そうに振る舞う

白人たちの鼻をあかすシーンは 見ていて痛快でした。


技術部門でエンジニアを希望しながら、超えなければいけない

壁の高さを知っている女性のセリフが胸に突き刺さります。

「私は黒人ですから、叶わない夢は持ちません(大意)」。


そして、いまも差別があることを世界中が知っています。

若いころからアメリカが好きな私も最近は少々うんざりです。

この国は進んでるようで遅れてるんですかね。


アウトレイジ最終章 60


この映画について何かを書こうという気になれません。

いつものことですが、役者たちは、そろいもそろって、精一杯

むつかしい顔を作り、思い切りドスをきかせ、声を張り上げて

セリフをまき散らすだけ…せっかくいい演技ができる役者を

揃えたのにもったいない話です。終わりに近いところで館内から

笑いが、明らかな失笑が起きていたことを報告しておきます。

ハハハ。


何度も書いていますが、芸人たけしは好きですが、文化人を

“気取る”北野武は嫌いです。“60点”はその先入観のせいだと

言われても否定できません。

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しかし、それにしても、この映画はひどい。ひどいを何十回

書いても足りないぐらいです。

ネット上で案外評判がいいのは熱狂的なファンが書きこんで

いるからだと思うことにしています。


オープニングロールのバックなど 何カットか、北野監督らしい

美しい映像があったことは認めますが、ほかに収穫はありません。

ストレスの発散になる人もいるでしょうが、私はぜんぜん…。

セリフはショボいし、編集もおかしな箇所があったなあ。

北野は、「銃の種類に応じて本物の音をつけてる。薬きょうが

落ちる音も本物だ。こだわってる」と豪語しているようですが、

そこにこだわるなら、聞くに堪えない関西弁を何とかせい!

ハハハ。


で、大友はなぜ死んだのかな?


ナミヤ雑貨店の奇蹟 75


一人で行っていたら、妻が大好きな東野圭吾の原作でなければ、

この日が私の誕生日で、映画のあと外食する予定がなかったら、

間違いなく途中退場していたでしょう。ハハハ。


“いい話”っぽくて好きなカテゴリの物語ですが、古い雑貨店の

郵便ポストを介した手紙のやり取りが、“33年”という 時間の

経過の中で行われていることが初めから分かっているのでは

興覚めです。“虚構”と分かっていると乗れないのです。

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*今日の記事は、昨日、半日かけてほぼ書きあげてありました。

書き足したいことを思い出してファイルを開けると、せっかく

書いた記事の大半がどこかに消えていました。

今朝は早起きして、記憶をたどりながら、しこしこと書きました。

ほとんど、一から書いたようなものです。疲れました。ハハハ。


by toruiwa2010 | 2017-10-13 08:45 | 映画が好き | Comments(2)

報告が遅くなりましたが、最近見た4本について…

作品はダメでも、それぞれに“救い”がありました。


散歩する侵略者 60


家を飛び出していった夫・真治(松田龍平)が帰ってきた。

性格から食事の好みまで何もかもがすっかり変わっていて、

迎えた妻・鳴海(長澤まさみ)を戸惑わせた…

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ネタバレになりますが、帰ってきた真治には侵略者=宇宙人が

とりついているのです。ここを理解できない人にはこの映画の

本当の面白さは分からないでしょう。最後まで見終えた私が

言うのですから、間違いありません。ハハハ。


“そういう”傾向の映画だと分かっていました。“苦手”なのに

出かけたのは主演の松田&長澤がお気に入りだからです。

特に、いまの長澤からは目を離すまいと決めています。

若いころの彼女はあまり好きではなかったのですが、映画は

「海街diary」、「追憶」、ドラマでは「若者たち2014」、

「真田丸」あたりから彼女が変化し、私の評価も上がりました。

“決定打”は松尾スズキと共演したキンチョーのCMです。

はっちゃけていました。腹をくくった女優は凄いと思います。

ハハハ。


長澤は納得でした。そして、出番は初めの方の数分だけだった

前田悦子がとてもいい味を出していました。

しかし、作品としては評価できません。

“原作(戯曲)には無能な国家への批判も込められている”

78点をつけた週刊新潮に書いてあってぶったまげました。

お好きなように。ハハハ。


奥田民生になりたいボーイと

出会う男すべて狂わせるガール 70


ライフスタイル誌「マレ」に移ってきたコーロキ(妻夫木聡)

歓迎会は大いに盛り上がり、好きな音楽の話になっていた。

同僚の口から飛び出す歌手の名前も曲名もカタカナばかりで

コーロキはまるでついていけなかった。なにしろ力まない

カッコいい大人”・奥田民生にあこがれてるんだから。


数日後、先輩について訪れたアパレル・メーカーで彼はそこの

プレス担当・天海あかり(水原希子)に出会ってひとめぼれ…

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恋に落ちたコーロキは自由奔放なあかりに振り回されます。

計算ずくの小池百合子と違って(ハハハ)悪気はないのですが、

惚れた弱みから、嫉妬や妄想にさいなまれます。

その挙句、物語は予想もしない展開を見せるのですが、それは

見てのお楽しみ。


どんなに頑張っても70点が精いっぱいでした。

その中で、一人 輝きを放っていたのは、“魔性の女”を演じる

水原希子でした。

初めて彼女の存在を知ったのは映画「ノルウェイの森」ですが、

従来の日本女優にない独特の“何か”に惹きつけられました。

演技を離れても、フォトジェニックな写真やインスタグラムに

載せた“トイレ写真”も彼女らしくていいと思います。ネットを

騒がせていたようですが、負けないでほしいです。

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妻夫木とのキスシーンも“日本人離れ”しています。

ちゃんと、それらしくキスしています。銀座の“やりてママ”・

武井咲が惚れた男・江口洋介に“自分から求めた”はずのキスが

“おままごと”のようだったことを思い出し、見事な女優魂だと

感心しました。他人事ですが、マイコ(妻夫木の妻)が見たら

嫉妬するんじゃないか?と心配したほどです。ハハハ。


アフターマス 70


建設会社で現場のリーダーをつとめるローマン(アーノルド・

シュワルツェネッガー)はベテランらしく作業員をしっかり

掌握し、上司の受けもよかった。今日も仕事は順調に運び、

工程全体も予定より一日 早く進んでいた。

控室に戻ると、ボスが「もう帰っていい」と声をかけた。

渋るローマンにボスが言った。「家族が帰ってくるんだから

早く家に戻って、迎える準備でもしろ」と送り出してくれた。


いったん家に帰ってから空港に迎えに行ったローマンだが、

心がずたずたに切り裂かれるような知らせが待っていた…

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実話だと聞きましが、とんでもない悲劇に見舞われて激しく

落ち込んだローマンのその後の行動が私には理解できません。

ネタバレになってしまいかすから、詳しくは書きませんが、

最後の30分ほどはあれよあれよ…という感じでした。

実話じゃ文句も言えませんが。


唯一の救いは、それが楽しみで出かけた“ノー・アクション”の

シュワルツェネッガーがまあまあ渋くてOKだったことです。

ハハハ。


プラネタリウム 65


ローラ(ナタリー・ポートマン)とケイトの姉妹はアメリカ人。

第二次世界大戦前夜のヨーロッパを“巡業”中の降霊術師だ。

ケイトには死者と生者をつなぐ生まれついての才能があった…

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見に行く日、「ジュリーと恋と靴工場」との間で迷いました。

ネットを見るとどちらもあまり評判がよくありません。

腐ったトマトの「プラネタリウム」の評価も“14%”だったし。

最後の決め手は「ジュリー…」が“フランスのミュージカル”だと

分かったことでした。フランスのミュージカルを馬鹿にするのは

偏見と言われるでしょうが、そりゃダメだ。

見た結果を言えば、結局、どっちもダメだった。ハハハ。


物語もはっきりしないし、収穫は主演 ナタリー・ポートマンの

美しさだけでした。


by toruiwa2010 | 2017-10-04 08:16 | 映画が好き | Comments(0)

ダンケルク 90


ベルギーとの国境に近いフランス北部の港町、ダンケルクの

人影のない通りを6人のイギリス兵が行く。降伏を呼び掛ける

ドイツ軍のビラが彼らの頭上に降り注ぐ。フランス軍とともに

完全に追いつめられていた。


ドイツ軍の銃撃を逃れてたどり着いた浜辺には無数の兵が

列を作っていた。母国からの救援の船を待っているのだ…

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このとき、ダンケルクにはドイツ軍に追い込まれた40万人の

イギリス・フランス兵がいたと言われています。

いつ来るか分からない船を待って 浜に立ち尽くす兵の群れに

ドイツの戦闘機は容赦なく襲い掛かります。双眼鏡を覗けば

HOME(イギリス)はすぐそこですが、船はなかなか来ません。

本国では民間の小型船も徴用してダンケルクに向かわせます。


絶望感が漂うダンケルクの浜、救出のためドーバー海峡を渡る

民間の船、上空でドイツ機と交戦するイギリス空軍の戦闘機…

映画は、複数のエピソードを少しずつ時間をずらし、たくみに

つなぎ合わせて歴史的な“ダンケルクの戦い”を描いています。


19405月末と言えば、ヨーロッパで戦端が開かれてから

間もないころです。戦史に残る有名な作戦ですが、こんなに

早い時期に実行されたのだとは知りませんでした。

いずれにしても、当時のドイツは圧倒的に強かったのでしょう。


撤退作戦を大きくとらえつつ、その中できっと無数に起きたに

違いない小さな出来事を丁寧に描き、しかも、2時間弱の中に

凝縮した監督の手腕は凄いと思います。


全体に 映像の持つ迫力に圧倒されました。

特に 畳み込んでくる最終章は見事です。

興味深かったのは、ヨーロッパを舞台にした第2次世界大戦を

描いているのに、ラストシーンの“おぼろな”二人をのぞくと、

ドイツ兵がまったく映らなかったことです。監督のこだわりの

“中身”を知りたいです。


戦争映画のレビューはいつも微妙です。“面白い”と書くのは

どうしても気が引けます。しかし、惹きこまれたのは事実です。

ただし、“あからさま”ではないものの、それでも、勝った側が

戦争を描くと“ヒロイズム”と無縁ではいられないのだなあ…

という感想は持ちました。

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評価が高いようです。

辛口の“腐ったトマト”でさえ、93%をマークしていました。

週刊朝日の映画通4人のうち3人が“超お勧め、ぜひ見て”の

サムアップx4を与えていました。

私も90点をつけましたが、同じ点数の「マンチェスター・

バイ・ザ・シー」の方が好きです。


三度目の殺人 90


夜更けの河原を二人の男が歩いていく。

一人は三隅高司(役所広司)、その前を行くのは元雇い主だ。

ふところに手を入れて何かを取り出した三隅がものも言わず、

背後から殴り掛かった。倒れ込んだ相手に、何度も何度も、

手にしたものを振り下ろす。

息絶えた男にガソリンを振りかけて三隅は平然と火を放った。


逮捕され、起訴された三隅を三人の弁護士が接見に訪れた。

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謎めいたエンディングに不満ああるものの、“完成度”の高さは

認めざるを得ません。細かいところを丁寧に描いています。

それでいて、長いと感じさせない出来上がりは見事です。


三隅を訪れた3人の男の一人、主任弁護士の重盛に扮したのが

福山雅治ですが、初めて登場したシーンのセリフを聞いたとき、

うん、なんだ、ミスキャストじゃないのかと思いました。

本人のせいではなくて気の毒ですが、“二枚目すぎる”ことが

邪魔をして、言葉の一つ一つが素直に入ってこないのです。

ただし、この作品では、時間の経過とともに、なぜ 是枝監督が

気に入って使うのかが少し分かる気がしました。


役所はこの映画でも納得の出来ですが、被害者の娘を演じた

広瀬すずが素晴らしい演技を見せています。

特に、後半で弁護士たちに自分の暗い過去を告白するシーンは

圧巻です。助演女優賞の候補に名前が挙がるだろうと思います。


by toruiwa2010 | 2017-09-22 08:11 | 映画が好き | Comments(0)

芦屋に“単身赴任”したこともあり、映画鑑賞という気分では

なかったので、今年は回数が激減しました。

2月こそ、やることが限られていたので8本見ましたが、以後、

徐々に精神的な余裕を失い、私的にはラインナップに魅力が

なかったこともあって本数が減り、2~6月までの4ヶ月間で

12本しか見ていません。


帰京後の7月は、上映開始から1時間足らずでギブアップした

「忍びの国」だけ、8月も“食欲”を刺激されないままでした。

現在のところ、今年 見たのは32本。普通の人にくらべれば

それでも多いのでしょうが、この時期までに68本も見ていた

去年にくらべると半分以下です。


8月末公開の「関ヶ原」から“復活”の兆しがあります。ハハハ。

ネットの評価より甘いかもしれませんが、85点の邦画が3本。

本格的な秋に入って、今後も見たい映画が目白押しです。

では、最近見た3本について…


トリガール 85


キャンパスに向かうバスの中で冴えない“メガネ男”の集団に

囲まれて辟易したゆきな(土屋太鳳)は思わず停車ボタンを

押して途中で飛び降りた。歩いたほうがマシだわ。

バスを見送る彼女の横をさっそうと走り抜けていく競技用の

自転車があった。


第一希望だった他校の建築学部に落ち、仕方なくこの大学の

応用化学部に入ったものの、初日から絶望したゆきなだったが、

オリエンテーションで出会ったクラブのとりこになった。

部長がイケメンだったこともあるが…

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日テレの鳥人間コンテストに参加する大学のクラブに入った

ゆきなが“漕ぎ手”として成長していく様子を描いた青春ものです。

私は面白く見ましたが、序盤がはしゃぎすぎていて年寄りには

けっこう“きつい”作りになってますね。後半の出来はいいので

もったいない気がします。


土屋太鳳…この子の笑顔にはやられるわ。素晴らしい!ハハハ。


幼子われらに生まれ 85


遊園地に向かう人の流れの中で男(浅野忠信)がしゃがみ込んで

靴の紐を結び直している。後方から来た小学校高学年に見える

少女が駆け寄って勢いよく飛びついた。3ヶ月ぶりの再会だ。

二人は親子だが、現在は一緒には暮らしていない。男と少女の

母親は6年前に離婚し、年に4回しか会えないのだ…

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バツイチ同士で再婚した夫婦と妻の二人の連れ子という家庭。

男が別れた妻も娘を連れて再婚しています。

男の妻はDVなどが原因で前の夫と別れています。

妻のおなかに新しい命が宿ったことで複雑さが増します。


人間関係を頭の中で整理するのに時間がかかります。ハハハ。

男はいい夫です。血がつながっていない二人の娘にとっても

いい父親でありたいと努力しています。しかし、幼い 下の娘は

懐いてくれますが、微妙な年齢になっている上の子は反発して

本当の父親に会わせてほしいと無理を言って男を困らせます。


テアトル新宿で見ました。いかにもこの劇場の客が好きそうな

映画です。そして、地味ですが、90点でもいいかなと思うほど

かなりいい出来です。5点減らした理由はハッキリしています。

重松清の原作に忠実なのか、脚色が不出来なのか不明ですが、

バツイチ同士夫婦の長女に対する“初期対応”が悪すぎます。

“反発”がはっきり分かるのに、二人はありえないほど鈍感です。

ま、だから物語が成立するわけですが。ハハハ。


冴えない中年男を演じた宮藤官九郎がいいと思いました。

浅野(主演)とともに、助演賞の候補になるかもしれません。


関ヶ原 85


歴史にからきし弱い私には、石田三成と言えば 根拠もなく、

“ヒール”のイメージだったのですが、この映画はまったく違う

描き方をしています。歴史に登場する人物のキャラクターは

どうしても作り手の主観が強く投影されるものだと思って

いるので、特に違和感はありません。


公開後のネットで見た YAHOO映画、映画com、ぴあ、Movie

Walkerでの評価が低かったので心配しながら出かけました。

序盤の5分ほどは「なるほど」と思いました。説明不足のまま

時代が“飛ぶ”ので観客はついていけないところがありました。

ただし、そこから先は結構面白かったです。要するに、全部、

分かろうとしちゃダメなんです。たとえば、ギリシャ映画を

字幕なしで見ているつもりになれば問題ありません。ハハハ。

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三成を演じる岡田准一からは「俺が引っ張る」という気迫が

伝わってきます。映画の評価とは別に、賞の対象になるかも

しれません。「岩佐は岡田に甘すぎる」と叱られそうですが、

今年の彼はすでに「追憶」で主演男優賞の候補です。あくまで

“私的”に。ハハハ。

ちなみに、やはり大好きな役所も素晴らしい演技でした。


「蜩ノ記」以来?の岡田と役所の相性はとてもいいみたいです。


by toruiwa2010 | 2017-09-11 08:16 | 映画が好き | Comments(2)

TAP THE LAST SHOW 70


古ぼけたビデオテープ。画面の隅に“1988.12.24”の文字がある。

ステージの上では一人の男がタップを踏んでいる。ものすごい

盛り上がりの中でアクシデントが起き、男が突然倒れた。

「幕を下ろせ!」という狼狽し、緊迫したスタッフの声が飛ぶ。


長い年月が過ぎた。

あの事故で足が不自由になり、その後 演出家として生きてきた

渡真二郎(わたりしんじろう:水谷豊)は川べりの倉庫のような

住まいで酒におぼれている。その渡を毛利(岸部一徳)が訪れた。

経営するショウパブ“THE TOPS”を閉めることになったので、

最後の公演に力を貸してほしいと頼みに来たのだ…

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紆余曲折あるものの、物語はハッピーエンド。

封切り二日目、日曜日の午後、西宮TOHO150人ほど入る

スクリーンはおまけしても五分の入りでした。

私の感想点は70が精いっぱいですが、帰宅後 ネットを見ると

案外 高く評価しているサイトがあることに驚きました。


若いころから水谷豊が温めてきた企画だと聞きます。たしかに

その思い入れは伝わります。しかし、全体にただよう“既視感”が

ひどすぎませんか?


MAKOTO(清水夏生)がオーディションに遅刻した。

力は認めつつ、「出ていけ」と声を荒らげる渡。

しかし、MAKOTOは追い出されても、どんな罵声を浴びても

劇場に押しかけ、稽古に参加し、結局、ショウの主役をつかむ。

彼を支える女性(北乃きい)はひそかにキャバクラで働いている。

出産費用を稼ぐためだ。


主演級4人の男女のうち、二番手の男は渡に気に入られている

MAKOTOに激しく嫉妬し、露骨な態度も取るが、何があったか、

いつの間にか仲直り。

この男、仲間のシューズを切り裂いた疑いが濃厚だったのだが、

最後までお咎めはなかった。


女性No1ダンサーの父親は絵に描いたような”頑固な男“で

娘が人前で足をあげたり、開いたりすることを認めていない。

「この公演が最後だから」と必死の願いも退けられた娘は

家を抜け出し、母親が夫に隠れてそれを手助けする。


エピソードすべてをどこかで見聞きした気がします。

なにより、詰め込み過ぎです。結果として、中途半端になり、

経緯が省略されて何がどうなったかが観客に伝わりません。


見どころは、ショウのシーンだけでした。ただし、エンド・

ロールの前のラストカットはふたたびひどいなあ。

総合的な感想を一言で書くならば“失敗作”です。

ファンには申し訳ないけど。


by toruiwa2010 | 2017-06-23 08:26 | 映画が好き | Comments(0)

22年目の告白 75


1995117日早朝、阪神・淡路を襲った大地震は各地に

甚大な被害を生んだ。

そのころ、東京では連続強盗殺人事件が起きていた。

懸命の捜査にもかかわらず、時間が過ぎていき、15年後の

2010年、事件は時効を迎えた。


それからさらに7年が過ぎた2017年のある日、テレビ画面に

若い男が登場した。落ち着き払い、“浜口倫太郎”と名乗る男

(藤原竜也)はとんでもないことを言い始めた。

「私が犯人です」・・・

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警視庁内でテレビを囲んだ刑事たちの中に怒りのこもった目で

画面をにらみつける牧村航(伊藤英明)がいました。

彼は時効になる前に犯人を追いつめたことがあり、もう少し

というところで取り逃がした悔しさがあるのです。


曽根崎と牧村を軸に、発生当時からこの事件を追っていた

ニュースキャスター・仙堂俊雄(仲村トオル)がからんで

物語は進みます。役者はそろっているし、真実っぽいけど

実は…というストーリーの展開も悪くないと思うのですが、

最後の30~40分は無理がありすぎますね。 


昼顔 85


海辺の小さな町のカフェレストランで木下紗和(上戸彩)

面接を受けている。やる気があるように見えないオーナー

(平山浩行)の「この町の出身じゃないんだね」という

ぶしつけな質問に小さな声で「3カ月ぐらい前から…」と

答えた。


仮採用となって働き始め、疲れ切って帰宅したアパートで

迷い込んだカナブンを追っていた紗和の目がテーブルの上に

置いたチラシに目が留まった。


“講師・北野裕一郎”・・・

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二度と会わない、連絡を取ってもいけないという合意書を

交わし、自分は離婚し、北野は妻の元へ帰って行ってから

3年の月日がたっています。

あの人がこの町に来る! 紗和の胸が騒ぎ始めます。


あまり期待していませんでした。ドラマも見たんだから

行ってみますか、ぐらいの気持ちで出かけたのですが、

振り返ってみると、最近見た5本の中ではこの映画が

一番いいと思いました。


ドラマを見ていなくても問題はありません。

素直に作られた“普通の”恋愛ドラマだと思います。

この映画の宣伝は“不倫”をクローズアップしていましたが、

方法を間違えたんじゃないでしょうか。


全編を通して感じたのは上戸と斎藤工の相性の良さでした。

キャラクターがぴったりと合っていて、いいハーモニーを

生んでいます。

上戸はかなり頑張っていました。賞レースに名前が出るかも。


海辺のリア 75


緑に囲まれた隧道の中からぶつぶつと男の声が聞こえてくる。

怒りが含まれていることは分かるものの、意味不明の言葉を

吐き散らしながら、やがて男が隧道の出口に姿を現した。

老人のようだ。伸び放題のひげと長髪を風になびかせ大股で

歩を進める男は、ロングコートを羽織っているが、その下は

絹のパジャマ姿だった。キャリーバッグを引いている。


途中で立ち止まった老人は 腹立ちまぎれに、履いていた靴を

脱ぎ捨てると 休むことなく裸足で歩き続け、海辺に出てきた…

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認知症を発症し、入っていた施設を“脱走”した昭和の大スター・

桑畑兆吉(仲代達矢)を家族が探します。娘(原田美枝子)とその夫

(阿部寛)、愛人に産ませたもう一人の娘(黒木華)…人間関係も

複雑なら、兆吉に対する感情も入り組んでいます。


ストーリーはそれほど複雑ではなく、途中までは結構面白いと

思って見ていましたが、同じことの繰り返しに飽きました。


この映画を見ようと思った理由は二つ。

“主演・仲代達矢”と“監督・小林政広”です。

このコンビで2010年に作られた「春との旅」は小品ながら

素晴らしくて、その年の“私の”No1でした。当然…というか、

残念ながらというか、キネ旬や日本アカデミーは候補にも

してくれませんでしたが。ハハハ。


ロングショットだったり後ろを向いていたり、うつむいている

ショットが多く、アップなどまったくなかった小林薫の役…

誰でもよかったんじゃね?


もちろん、ジョークですよ。


と、はっきり書いておかないと、監督が面倒な奴なんです。

201391415日の当ブログに詳しく書いています。


最近は、ほかに、「花戦さ」(75)、「光」(75)を見ました。

「海辺の…」もそうですが、この手の映画は難しいですね。

評価をしなければ、「こいつ、映画のことを何も知らない」と

言われそうで。ハハハ。


共通しているのは、監督を初めとする作り手側の自己満足&

自己陶酔がちらついているし、その思い入れが作品に

投影しきれていなくて見る者に伝わってこないことです。

それぞれの“感想点”は私の精一杯の評価です。



by toruiwa2010 | 2017-06-16 08:15 | 映画が好き | Comments(2)

家族はつらいよ2 90


朝の洗面所で周造(橋爪功)が鏡を見ながら鼻毛を切っている。

お気に入りの野球帽をかぶると満足げな表情で玄関に向かった。

廊下を曲がったところで、起きてきた長男・幸之助(西村雅彦)

鉢合わせした。いい匂いを残して無言で立ち去る父親の背中に

幸之助が叫ぶ。

「俺のオーデコロン、使わないでくれよ。高いんだから」。


台所にいた妻(夏川結衣)に出て行った父親の行く先を尋ねると

「早起き体操よ」という答えだった。そこで、行きつけの



飲み屋の女将(風吹ジュン)と会うのが朝の楽しみなのだ。


出勤する幸之助と妻が周造の車をチェックしている。

新しく“こすった”跡が見つかった。全体に傷だらけだ。

「危ないから運転をやめさせよう」が家族の総意だった…

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妻が友達とオーロラを見に北欧に出かけて“にわか”独身になり、

周造は少々浮かれて羽目を外します。深夜に、高校時代の友人

(小林稔侍)を自宅に連れ帰ったのは、幸之助の提案で開かれた

家族会議の前日でした。議案はもちろん“免許返上”です。

しかし、その日、話し合いに入る前に“事件”が発覚します。


…ご存知の通り、世間で“大御所”と称される連中が苦手です。

本作の脚本・監督、山田洋次もその一人です。ハハハ。

したがって、大きな期待を持たずに出かけました。

面白かったです。素直に楽しめました。

終盤で、困窮した年寄りが炎天下で働かざるを得ないのは

政治が悪いからだと周造が“スピーチ”をする場面が唐突だし、

そこだけ、山田作品のいやなところが出ていますが、ほかには

“瑕疵”がありません。完成度の高い喜劇と言っていいでしょう。


思えば、ここ数年、山田作品はたくさん見ていますが、前作は

80点だったし、世間的に高く評価されていた二宮和也・吉永

小百合の「母と暮らせば」は75点でした。「武士の一分」、

「小さいおうち」、「東京物語」も85点が精いっぱいだったので、

初めての90点作品ということになります。


俳優陣もみんな“はまって”いて、見事なキャスティングですね。

浮いている俳優が一人もいないというのは驚きです。


ちなみに、休載期間中に見た作品は以下の通りです。

そのときにつけた感想点と見た直後にツイートしたものを

そのまま採録しておきます。


ジャッキー 85


無限の住人 45


木村拓哉の「無限の住人」を初日の西宮で見た。

8分の入りだった。ひどかった。

これほどひどいのは久ぶりだ。

キムタクの演技を云々する以前の出来の悪さだ。

ネットの評判がそれほど悪くないことに驚く。

木村なら、三池崇史ならなんでもよしという

手合いが多いのか?


木村拓哉主演「無限の住人」…評価は45点!

タテの迫力はアップが多いから。木村演じる

万次は剣の達人かと思ったが、何度も手首を

切り落とされる。""のおかげで再生するから

死なないだけ。

よかったのは杉咲花の熱演と海老蔵のセリフ

回しだけだった。まれにみる愚作だ。

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3月のライオン 後編 80 


映画「3月のライオン 後編」…80点かなあ。

前編でも詰め込み過ぎていると感じたが、

後編の"いじめ""父帰る"のエピソードも

うまくつながってない。整理すれば2部作にする

必要もなかった気がする。

有村架純が一段ランクを上げた。賞レースに

名前が出てもいいと思う。


カフェ・ソサエティ 75


追憶 90 


岡田准一の「追憶」…

文句なしに今年上半期で最も優れた映画 だ。

「軍師官兵衛」をはじめ岡田はこの数年いい作品に

恵まれてる。しっかりドラマを引っ張っている。

小栗旬(助演男優)、長澤まさみ(助演女優)、木村大作

(撮影)…岡田とともに賞レースに名前が出そうだ。


@xxxx 随所に出てくる映像美木村大作がその瞬間を

フィルムに焼き付けたいと強く思ったに違いないと

思わされる。あれを見るにはスクリーンに限るかと。


映画「追憶」

ネットの評判は思ったほどよくないが、2017

上半期の最優秀作という私の評価はまったく揺るがない。

岡田、小栗の熱演に心惹かれるが、キンチョーの

CMでも吹っ切れた演技を見せる長澤まさみに驚く。

あと数年で大化けするのではないか。

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マンチェスター・バイ・ザ・シー 90


マンチェスターバイザシー

最後までひきつけられた。

主人公の心のひだを丁寧に描いた演出とケーシー・

アフレックの演技に納得。

ムーンライトは見ていないが、ここ数年のアカデミー

作品賞を獲った作品より出来がいいと思う。

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*今年、これまでに公開された洋画の中では

 No1だと思っています。


by toruiwa2010 | 2017-06-07 08:33 | 映画が好き | Comments(2)