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岩佐徹のOFF-MIKE

toruiwa.exblog.jp

実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

カテゴリ:映画が好き( 221 )

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「岳」75

北アルプスの2000㍍級の山を男が登っていた。しばらくすると、アイゼンに詰まった雪で
靴が重くなった。立ち止まった男はアイゼンを靴から外した。「軽い、軽い」とスピードが
上がったと思った瞬間 足を滑らせた男は斜面を滑落して行き、やがて、数十メートル下に
口を開けたクレバスに吸い込まれて行った。

連絡を受けた長野県警山岳救助隊本部は救助に向かおうとするが、時間的に間に合わない
可能性があった。隊長の頭に一人の男の顔が浮かんだ。「サンポがいる」。
伝説の山男、島崎三歩(小栗旬)だ・・・
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予告編はなかなか良かったし、小栗は母校の後輩(明星学園:中退?)だし、番宣番組に
出演していた“健康体”の長沢まさみがきれいだったので見ることにしました。ハハハ。

しかし、これはダメでしょう。
山岳救助隊を描いた映画ですから、何度も事故が起き、必死の救助活動が行われますが、
どれも描き方が中途半端です。転落するところ、助け上げるところ…“肝心”のところが
ほとんど描かれていません。ヘリを飛ばしたりして、明らかに山のロケもやっているのに
「これはもしかして…セット撮影かな?」と思ってしまうような“チャチ”な映像もあって
がっかりです。
せっかく、小栗旬、長沢まさみという人気者をキャスティングし、二人も“熱い”演技を
見せているのに、何かすっきりしない気分でした。

冒頭のエピソードの違和感が尾を引いたかもしれません。
このクラスの山に冬季 単独で登るのですから、経験も能力もあるのでしょう。その男が、
重いからと言ってアイゼンを外しますかね?

終盤の救出劇でも納得しがたい“展開”を見ました。
切り立った岩壁のテラスのような岩場にいる要救助者を救い出すためにヘリが飛びます。
視界が悪い上に強風が吹いています。どんな素人だって、こんな条件でヘリが飛ぶなんて
考えないでしょう。それでもヘリは飛びました。しかも、長沢隊員と遭難者をロープで
釣り上げるシーンではほとんど揺れもしません。

漫画を原作とするフィクションですから、何でもありだということは分かります。
しかし、あまりにも現実離れしていて、全体が“嘘っぽく”見えました。

そう言えば、エンディングでアルプスの峰に立つ小栗の顔に当たっていた朝日(夕日?)も
きわめて怪しいです。カメラ・ポジションもおかしいし、アップはもしかしてスタジオ?
いくらなんでも、まさかね。ハハハ。


「まほろ駅前 多田便利軒」85

「間引き運転の事実はありませんでした」
まほろ駅前で便利屋をしている多田啓介(瑛太)が依頼主に調査結果を報告して車に戻ると
助手席にいたはずのチワワのハナコがいなくなっていた。正月に帰省するらしい女性から
預かっていたものだ。あわてて探し回る多田。ハナコは最終バスが出たあとの停留所の
ベンチですぐに見つかった。ベンチに腰を下ろした若い男の膝の上にうずくまっていた。
男の顔には見覚えがある。中学の同級生、行天春彦(ぎょうてん:松田龍平)だ…
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「何を言いたいのか、わけが分からん」と言う人もきっといるでしょう。
しかし、ほんの少し前 コーエン兄弟の“胡散臭さ”に辟易した私にしてみれば、はるかに
分かりやすくて楽しめる作品でした。
いくつかのエピソードを積み重ねて行くだけです。何かが学べるわけでもありません。
しかし、見たあとの気分が気に入りました。
何よりも、“肩の力が抜けた”二人の生き方が心地いいです。普通なら、こんな心構えで
世間を渡って行くのは難しいのでしょう。しかし、悩んだり、悔んだりすることが多い中、
二人のように、焦らず、急がず、“まーたり”と生きていけたらいいなあ、と思うときが
誰にだってあるのではないでしょうかね。

それぞれに“過去”を引きずっている二人の若者の間の“距離感”が絶妙です。
距離感を生みだしているのは、ゆったりしたテンポで交わされるセリフとその“間”です。
演技力もあって売れっ子の二人の若い俳優が実にいい味を出しています。感心しました。
“小難しい”映画理論を振り回したい人には向かないでしょうが、やさしく、ゆっくりと
流れる時間を味わいたかったらお勧めです。特に、ストレスがたまっている人が見れば
見終わったときには忘れているかもしれません。ハハハ。


「アンノウン」85

マーティン・ハリスは妻のリズとともに初めて訪れる街、ベルリンに向かっていた。
植物学会で発表するためだった。
ついていなかった。飛行機の中では一睡もできず、空港からホテルに向かうタクシーに
乗ったときには、ドライバーがアタッシェケースを積み残した。
妻にチェックインを任せたあとそのことに気付いたマーティンはあわてて空港に戻るため
タクシーに飛び乗った。スピードを上げたタクシーが対向車を避けようとしてハンドルを
切った瞬間、車は川に転落した。

4日間の昏睡から覚めたマーティンは医師の制止を振り切って病院を飛び出した。
妻が心配しながら待っているはずだからだ。しかし、レセプションに出席していたリズは
彼を「知らない男だ」と言い張った。マーティンを襲い続ける不可解な出来事…
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歯医者さんの予約の前、時間的にぴったりだったという理由だけで、あまり期待せずに
見たのですが、“拾いもの”でした。
カルトっぽいところがありますが、その手の映画が嫌いな私でも、次第にひきこまれて行く
面白さがありました。1000円(シニア料金)でこれだけ楽しめれば“御の字”でしょう。
同じ85点でも「多田便利軒」とはだいぶ意味が違いますのでお気を付けください。ハハハ。

75 岳 アルプスを舞台にした救助隊の物語…というスケール感がない どこかちゃっちい
85 多田便利軒 全体のペースや間合いが心地いい 瑛太と松田龍平の呼吸もぴったりだ
85 アンノウン 昏睡から覚めた男を待っていたのは理不尽な出来事 1000円なら御の字

特報!!!

どうでもいいことですが、明日の未明にかけて10万件を超えそうです。


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by toruiwa2010 | 2011-05-17 08:04 | 映画が好き | Comments(10)
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災害の発生以後、なぜか、映画館に向かう足がためらうようになってしまいました。
4月末までに10本しか見ていません。4月は6本だけ!今月はまだ1本も…。
風邪をひいたり、ゴールデン・ウイークの人込みを避けたりしたからですが、これから
ペースを上げて行かないと、“年間100本”が怪しくなります。イチローの半分。ハハハ。

たまたま、ローテーションがそうなっただけでしょうが、先月前半は、コーエン兄弟の
作品を2本見ることになりました。
「パリ、ジュテーム」、「ノーカントリー」…これまでに2作品を見た経験から、彼らの
映画には十分気をつけなければいけないことは分かっていました。
なにしろ、この2作についての私のレ評価は低く、彼らの映画が好みに合わないことは
ほぼ、はっきりしています。
お好きな人から見れば、「君は映画が分かってない」ということなんでしょう、きっと。

「まあ、話題だから見ておこうか」…ぐらいの気持ちで出かけました。
「シリアスマン」は去年のアカデミー賞の候補作品だし、「トゥルー・グリット」のほうは
今年のアカデミーの作品賞候補ですからねえ。
数年前まではアカデミー賞候補になったと言えば、それだけで“値打ち”がありましたが、
10本もあるいまはそれほどのものではありません。それでも、映画ウォッチャーとしては
見ないわけにはいかないだろう、となったのです。

…結果は、1勝1敗でした。ハハハ。

「シリアスマン」70

平凡だが満ち足りた生活を送っている大学教授のラリーを、突然、不幸が襲い始めた。
敷地の境界線をめぐる隣人とのもめごと。妻からの離婚要求。そして、韓国人学生からは
採点についての強硬な抗議。娘は鼻の整形を計画し、息子はクラスメイトに脅される。
一難去ってまた一難。降りかかる火の粉を懸命に振り払うラリー。ひとつずつクリアして
終わりかと思えば、また新たな難題が持ち上がりそうな気配のところでエンディング…。
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善良な人物に次々に牙をむく災難、という構図はよくあります。勧善懲悪の真逆?
少し、違いますかね?ハハハ。

ラリーを主人公とするこの話そのものが数十年前の設定ですが、映画の冒頭には“昔”の
物語が短く紹介されています。雪が降りしきる深夜に帰宅した亭主が女房に客人を連れて
きたと話します。荷車が壊れて困っているとき、知り合いの男が助けてくれたのでお礼を
したいのだと言って。
しかし、話を聞いた女房は「その人はとっくに死んだ。死霊に違いない」と言い張ります。
入ってきた男は女房にナイフで刺されて飛び出していきます。
夫婦はあとを追いませんでした。

当然、あるはずのこの物語と“本編”のつながりが、私には理解不能でした。
ラリーがユダヤ教徒であることとも関係があるのでしょうが、それも分かりません。
キツネにつままれた気分で劇場をあとにしました。
私とは違う角度からものが見える鋭い感覚の持ち主の妻もやはり首を振っていました。

帰宅後、何人かのレビューを読みましたが、さっぱりです。高く評価している人ほど、
コーエン兄弟の言わんとすること分かるようです。それがきわめて不愉快です。
彼らの作品を“分かる”と言う人の理解力を尊敬しますが、基本的には疑ってます。
なわけねえだろうと。ハハハ。

ざっと“我が身に起きるすべてのことをありのままに受け入れよ”というのが共通した
とらえ方みたいですが、それにしては、何とも分かりにくい作り方をしたものです。
チラシにこう書かれています。

今やアメリカを代表する巨匠となった彼らが、さらにストレンジで、
シュールで、どうしようもなく切なくて滑稽な悲喜劇を完成させた。

人間のおかしさが弾け、人生の不条理が暴走する
“世界一不幸な男”の想像を絶する運命とは?


うーん、宣伝マンもどう説明したらいいのか大いに悩んだ、というのが真実かも。ハハハ。


「トゥルー・グリット」85

父親が殺された。酒を飲んでケンカを始めた雇い人のチェイニーを止めようとして。
遺体を引き取りに来た娘のマティ(ヘイリー・スタインフェルド)は復讐を誓う。
しかし、彼女はまだ14歳、いくら聡明で芯がしっかりした少女でも、先住民の居留地に
逃げ込んだチェイニーを一人で追うのはとても無理な話だった。
なんとしてもチェイニーに裁きを受けさせたいと願うマティは金を工面して連邦保安官の
ルースター・コグバーン(ジェフ・ブリッジス)を雇うことにした。

これまでに悪党を20人以上殺していると称するルースターは頼もしい助っ人だった。
二度の離婚歴があり、大酒のみのルースターは、はじめ、幼い娘を相手にしなかったが、
マティの熱意と報酬に負けて、チェイニー探しを手伝うことに同意し、居留地に向かった。
別の事件でチェイニーを追っている誇り高いテキサス・レンジャーのラビーフ(マット・
デイモン)も加わって…
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なによ。
ずいぶん分かりやすいじゃないですか? 同じ監督の作品とは思えません。
スティーブン・スピルバーグが噛んでいるからですかね。
枝野官房長官のような“持って回った言い方”を避けて小泉純一郎のようなストレートな
物言いでこの映画を撮っているのがいいですね。気に入りました。
たぶん、コーエン・マニアには“ひねり”がきいていないところが物足りないでしょうが、
おかげで普通の映画ファンが普通に楽しめる映画です。分かりやすいのが一番!ハハハ。

ただし、作品賞候補になるほどの映画だとは思いません。ジェフ・ブリッジスが主演賞に
ノミネートされているのも不思議です。去年、オスカーを獲った「クレイジー・ハート」と
同じタイプの演技をしているのですから。

しかし、14歳の少女、スタインフェルドは見事です。見る者を惹きつける力がありますね。
オスカーは「ザ・ファイター」のメリッサ・レオに譲りましたが、いずれ、手にする日が
来るのは間違いないでしょう。
将来を約束された女優…見ながら連想したのは蒼井優でした。ハハハ。

この映画は、冒頭に「悪しき者は追われなくても逃げる」(箴言の28章1節)という言葉が
紹介されています。思わせぶりな“前ふり”がつくところが2作の共通点です。ハハハ。

75 お家をさがそう 彼女の妊娠をきっかけに生活の基盤となる家探しの旅が始まった 
70 アンチクライスト 分かんねえだろうなと思いつつ見たが 案の定分からなかった
70 シリアスマン コーエン兄弟らしいと言えばいいのか 回りくどい作りに辟易する
85 サラエボ、希望の街角 人も羨む仲のカップルに亀裂が 主演女優の瑞々しさが最高
80 トゥルー・グリット “父の仇を”…少女の依頼に飲んだくれ保安官が立ちあがった   
80 SOMEWHERE 離婚して気ままなホテル暮らしの俳優「俺は何をしているのか?」

***
自分のメモ代わりのエントリーです。
数時間後に~げに ツイッターは難しい 2~を更新します。


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by toruiwa2010 | 2011-05-08 06:31 | 映画が好き | Comments(6)
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はじめにお断りしておきますが、コーエン兄弟が好きな人、“まともな”映画レビューを
読みたい人はこの記事を読まないほうがいいと思います。時間の無駄です。ハハハ。

たまたま、ローテーションがそうなっただけでしょうが、今月前半は、コーエン兄弟の
作品を2本見ることになりました。
「パリ、ジュテーム」、「ノーカントリー」…これまでに2作品を見た経験から、彼らの
映画には十分気をつけなければいけないことは分かっていました。
なにしろ、この2作についての私のレビュー(抜粋)はこんな感じでしたから。

「パリ、ジュテーム」65
5-6分のストーリーが18本…そう、オムニバスなのですが、正直言って 三つ目が終わった
あたりで席を立ちたくなりました。
長編映画の一部を切り取っただけのような中途半端さがどのエピソードにも共通していて、
オチのないショート・コントを続けさまに見せられている気がしました。ハハハ。
別にオチがなくたって構いませんが、監督たちは、逆に話を完結させないところがいいと
思っている…つまり、作り手だけが悦に入っている感じで少しも面白くなかったのです。

「ノーカントリー」80 
大金をかすめ取った男とそれを追う殺人鬼…どこがいいのかよく分からん。
本作を「いい」と考える人がいても、まったく問題はありません。
「さすがはコーエン兄弟」とか「ノーカントリー、よく分かる」という人がいても少しも
おかしくないと思います。オスカーを獲った作品ですから、「分からん」と言うほうが、
間違っているのでしょう。たぶん…。別にいいけど。ハハハ。
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“ハハハ”と言ってる場合じゃないんですが、彼らの映画が私の好みに合わないことは
ほぼ、はっきりしています。
お好きな人から見れば、「君は映画が分かってない」ということなんでしょう、きっと。
お言葉を返すようですが“映画は、基本 エンターテインメント”と私は思っていますから、
分かりにくいもの、おぞましい映像(避けられない場合を除き)、楽しくないもの、鑑賞後の
気分が悪いもの、全部ダメなんですよ。ハハハ。
簡単に人が死んでいく「ノーカントリー」、「第9地区」、「アウトレイジ」、「十三人の刺客」、
最後まで見ても何を描きたいのかが理解できない「トスカーナの贋作」、「ゴースト」…
話題になっているから見ておこうかと思って出かけましたが、受け付けませんでした。
 
今回も同じです。
「シリアスマン」は去年のアカデミー賞の候補作品だし、「トゥルー・グリット」のほうは
今年のアカデミーの作品賞候補ですからねえ。
数年前まではアカデミー賞候補になったと言えば、それだけで“値打ち”がありましたが、
10本もあるいまはそれほどのものではありません。それでも、映画ウォッチャーとしては
見ないわけにはいかないだろう、となったのです。

…結果は、1勝1敗でした。ハハハ。

「シリアスマン」70

平凡だが満ち足りた生活を送っている大学教授のラリーを、突然、不幸が襲い始めた。
敷地の境界線をめぐる隣人とのもめごと。妻からの離婚要求。そして、韓国人学生からは
採点についての強硬な抗議。娘は鼻の整形を計画し、息子はクラスメイトに脅される。
一難去ってまた一難。降りかかる火の粉を懸命に振り払うラリー。ひとつずつクリアして
終わりかと思えば、また新たな難題が持ち上がりそうな気配のところでエンディング…。
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善良な人物に次々に牙をむく災難、という構図はよくあります。勧善懲悪の真逆?
少し、違いますかね?ハハハ。

ラリーを主人公とするこの話そのものが数十年前の設定ですが、映画の冒頭には“昔”の
物語が短く紹介されています。雪が降りしきる深夜に帰宅した亭主が女房に客人を連れて
きたと話します。荷車が壊れて困っているとき、知り合いの男が助けてくれたのでお礼を
したいのだと言って。
しかし、話を聞いた女房は「その人はとっくに死んだ。死霊に違いない」と言い張ります。
入ってきた男は女房にナイフで刺されて飛び出していきます。
夫婦はあとを追いませんでした。

当然、あるはずのこの物語と“本編”のつながりが、私には理解不能でした。
ラリーがユダヤ教徒であることとも関係があるのでしょうが、それも分かりません。
キツネにつままれた気分で劇場をあとにしました。
私とは違う角度からものが見える鋭い感覚の持ち主の妻もやはり首を振っていました。

帰宅後、何人かのレビューを読みましたが、さっぱりです。高く評価している人ほど、
コーエン兄弟の言わんとすること分かるようです。それがきわめて不愉快です。
彼らの作品を“分かる”と言う人の理解力を尊敬しますが、基本的には疑ってます。
なわけねえだろうと。ハハハ。

ざっと“我が身に起きるすべてのことをありのままに受け入れよ”というのが共通した
とらえ方みたいですが、それにしては、何とも分かりにくい作り方をしたものです。
チラシにこう書かれています。

今やアメリカを代表する巨匠となった彼らが、さらにストレンジで、
シュールで、どうしようもなく切なくて滑稽な悲喜劇を完成させた。

人間のおかしさが弾け、人生の不条理が暴走する
“世界一不幸な男”の想像を絶する運命とは?


うーん、宣伝マンもどう説明したらいいのか大いに悩んだ、というのが真実かも。ハハハ。


「トゥルー・グリット」85

父親が殺された。酒を飲んでケンカを始めた雇い人のチェイニーを止めようとして。
遺体を引き取りに来た娘のマティ(ヘイリー・スタインフェルド)は復讐を誓う。
しかし、彼女はまだ14歳、いくら聡明で芯がしっかりした少女でも、先住民の居留地に
逃げ込んだチェイニーを一人で追うのはとても無理な話だった。
なんとしてもチェイニーに裁きを受けさせたいと願うマティは金を工面して連邦保安官の
ルースター・コグバーン(ジェフ・ブリッジス)を雇うことにした。

これまでに悪党を20人以上殺していると称するルースターは頼もしい助っ人だった。
二度の離婚歴があり、大酒のみのルースターは、はじめ、幼い娘を相手にしなかったが、
マティの熱意と報酬に負けて、チェイニー探しを手伝うことに同意し、居留地に向かった。
別の事件でチェイニーを追っている誇り高いテキサス・レンジャーのラビーフ(マット・
デイモン)も加わって…
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なによ。
ずいぶん分かりやすいじゃないですか? 同じ監督の作品とは思えません。
スティーブン・スピルバーグが噛んでいるからですかね。
枝野官房長官のような“持って回った言い方”を避けて小泉純一郎のようなストレートな
物言いでこの映画を撮っているのがいいですね。気に入りました。
たぶん、コーエン・マニアには“ひねり”がきいていないところが物足りないでしょうが、
おかげで普通の映画ファンが普通に楽しめる映画です。分かりやすいのが一番!ハハハ。

ただし、作品賞候補になるほどの映画だとは思いません。ジェフ・ブリッジスが主演賞に
ノミネートされているのも不思議です。去年、オスカーを獲った「クレイジー・ハート」と
同じタイプの演技をしているのですから。

しかし、14歳の少女、スタインフェルドは見事です。見る者を惹きつける力がありますね。
オスカーは「ザ・ファイター」のメリッサ・レオに譲りましたが、いずれ、手にする日が
来るのは間違いないでしょう。
将来を約束された女優…見ながら連想したのは蒼井優でした。ハハハ。

この映画は、冒頭に「悪しき者は追われなくても逃げる」(箴言の28章1節)という言葉が
紹介されています。思わせぶりな“前ふり”がつくところが2作の共通点です。ハハハ。

75 お家をさがそう 彼女の妊娠をきっかけに生活の基盤となる家探しの旅が始まった 
70 アンチクライスト 分かんねえだろうなと思いつつ見たが 案の定分からなかった
70 シリアスマン コーエン兄弟らしいと言えばいいのか 回りくどい作りに辟易する
85 サラエボ、希望の街角 人も羨む仲のカップルに亀裂が 主演女優の瑞々しさが最高
80 トゥルー・グリット “父の仇を”…少女の依頼に飲んだくれ保安官が立ちあがった   

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by toruiwa2010 | 2011-04-15 10:11 | 映画が好き | Comments(6)
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「ヒア アフター」85

東南アジアのリゾート地。
フランスの人気キャスター、マリー(セシル・ド・フランス)が恋人と休暇を楽しんでいた。
チェックアウトの朝、土産を買うためにマリーが外出したとき、巨大な津波が襲った。
理不尽な強さで押し寄せる波に飲み込まれたマリーは後頭部を強打して脳震蕩を起こす。
意識を失って水の中を漂う彼女が見たのは死後の世界だった。

サンフランシスコ。
兄が強引に友人を連れてきた。いやいや、その男の手を握り、あちらの世界との接触を
試みるのは弟のジョージ(マット・デイモン)だった。
いまは安い給料に甘んじているジョージだが、その前は、兄と組んで才能ある“霊能者”
として大金を稼いでいた。しかし、死者と交信することに疲れて“廃業”していたのだ。

ロンドン。
母と小さなアパートに暮らすジェイソンとマーカスは仲のいい双子の兄弟だった。
薬物中毒の母が深夜に帰宅した翌朝、早い時間に来訪者があった。福祉局の係官だ。
この親子に問題ありとして、チェックをしに来たのだ。
兄弟は、まだ眠っていた母を起こして裏口から出し、係官たちにはその場を取り繕った。
厳しい環境の中でも兄弟は母思いなのだった…
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オムニバス映画のような序盤ですが、そうではありません。
しかし、こういう作り方の映画では、どこかで登場人物たちの“交流”が始まるのですが、
この作品では、三者の人生が交錯するのは物語の終盤になってからです。
その辺の演出がクリント・イーストウッドならでは…なのかもしれません。
もっとカルトっぽい話かと思ったのですが、違いました。

私はそれなりに楽しめましたが、ネット上の評判があまりよくないみたいですし、冒頭が
“襲いかかる津波”のシーンですから、今の日本では上映再開が難しいでしょう。
大好きなイーストウッドが80歳を超えて、なお元気だと分かっただけで十分です。


「ツーリスト」80

話としては単純で、目新しい展開があるわけではありませんが、ジョニー・デップと
アンジェリーナ・ジョリーが画面にいるだけで“ぜいたく感”があります。ハハハ。
この映画は二人の共演が実現し、ヴェネチアでのロケが決まった瞬間に娯楽作品としての
成功が約束されたと言っていいでしょう。実際、興行成績がどうだったか知りませんが。

分からないのは、例えば、gooの映画レビューで平均点が71点しかないことです。
レビューに参加したのは、見たからですよね?この二人を楽しみに行ったんですよね?
それで71点ですか?私の理解力を超えてますね。ハハハ。


「恋とニュースの作り方」80

若い女性プロデューサーが任された“お荷物”トークショーを立て直すだけの映画です。
これも、ありきたりのストーリーだし、作り方です。ある意味、あまりにも想像通り…。
しかし、視聴率が劇的に持ち直すきっかけになったネタも安直過ぎて笑えるぐらいですが、
昔から好きなダイアン・キートンとハリソン・フォードの共演で1000円分は安い!ハハハ。
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「SP 革命篇」85

上映開始から間もなく、出動に備えるSP・尾形班の面々が銃器庫で交わす会話。
A「今日は誰の警護か?」
B「与党幹事長」
C「野党政調会長」

…やれやれと思いました。ハハハ。
そりゃ、“民主党”とか“自民党”とは言えないだろうけど、いくらなんでもひどすぎる。
制作の過程で誰も問題にしなかったのでしょうか。

その昔、フジテレビのアナウンサーを受けた慶応・放送研究会の1年後輩の男が面接の
段階で落とされました。ひそかに応援していたので、人事の友人に理由を聞くと、「だって、
支持政党は?と聞かれて、“与党”って答えたんだぜ。自民党でも共産党でも与党なら
支持するってことだもん、そりゃまずいだろう」と教えてくれたことを思い出します。
意味合いが違いますが。ハハハ。

ただし、岡田准一や堤真一たちの気合いの入り方が伝わってきて、75点しかつけなかった
前作(野望篇)にくらべたら、はるかにいい出来でした。
特に序盤は、ストーリーの行方がある程度見え見えなのに結構、ドキドキしました。


「ザ・ファイター」90

兄・ディッキー(クリスチャン・ベール)はかつてシュガー・レイ・レナードをダウンさせた
こともある有望ボクサーだったが、今は引退して弟・ミッキー(マーク・ウォールバーグ)の
トレーナーを務めている。
必ずカムバックすると言いながら女とクスリにおぼれるディッキーにくらべ、おとなしく、
地味な性格のミッキーはマネジャーを務める母親(メリッサ・レオ)たちの言いなりだった。

やがて、ミッキーを世界チャンピオンにするという一家の夢に近付くチャンスが来た。
きっかけは、入所中のディッキーがミッキーに授けた作戦にあった…
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実在のボクサーを描いたものです。
「あしたのジョー」もふくめてボクシング映画を何本も見てきましたが、練習風景までは
よくても、いざ、試合の場面になるとあきたりないものがかりです。この映画も同じです。
それを除けば、スポーツ好きには納得できました。
作品賞を獲った「英国王のスピーチ」や有力候補だった「ソーシャル・ネットワーク」と
並べて、どれが好きかと聞かれたら悩みます。ハハハ。

「獲りやすい役柄・演技ですが、男女助演賞に輝いたベールとレオの演技は見せます。
撮影現場の熱気が目に浮かぶ作品ですね。


「神々と男たち」90

舞台は北アフリカ、内戦が広がりつつあるアルジェリア。
丘の上に修道院が建っていた。そこには、フランスから派遣された修道士たちが住み、
イスラム教を信仰する周辺の村人たちと共存して、平和な暮らしを営んでいた。
ある夜、テロリストのグループが訪れたことをきっかけに修道士たちに動揺が生まれる…
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オープニングの、まったく無音で描かれる修道院の朝のシーンに引き込まれました。
全編を通じて何度となく流れる、7,8人の修道士が穏やかな“旋律”で唱える祈りにも
魅せられます。
信仰を持たない私には、この映画の本当の意味は理解できていないと思います。
しかし、深い信仰に支えられた人たちの、死をも恐れぬ強さに胸を打たれました。

宗教を扱った映画のときはいつもためらいがあるのですが、見て良かったと思います。
万人に向く映画ではないので、同じ90点をつけたほかの作品と同列には語れませんが、
間違いなく、今年見た中では最高の“拾いもの”でした。

レビューはすでに書きましたが、「英国王のスピーチ」も3月に見た作品です。
7本見た中に3本が90点でした。“打率”の高さに驚きます。ハハハ。

85 ヒア アフター カルトっぽいかと思ったが違った イーストウッドらしさは少しだけ
80 ツーリスト A・ジョリー&J・デップ+ヴェネチアロケもあって娯楽性はたっぷり 
80 恋とニュースの作り方 安直と言えば安直だが 覚悟してみれば楽しめるのでは
85 SP 革命篇 前作よりはるかによくできている なにより岡田准一&堤真一が熱い
90 ザ・ファイター 実話に基づく映画 ボクシング・シーンは納得しないが役者はすごい
90 神々と男たち 今年一番の拾いもの 信仰に支えられた人たちの強さに胸を打たれる
90 英国王のスピーチ 吃音症の国王と治療にあたる男 最後のスピーチは感動的だった

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関心があるかどうか分かりませんが、3月11日から31日の間に私がこのブログに書いた
震災関連記事をPDFにまとめました。
オンライン・ストレージ“Giga File便”に収容してあります。
↓のURLをコピーしてアドレスバーに入れ、現れた画面で「ダウンロードを開始」を
クリックすればOK…のはずです。うまく行くといいですが。

http://bit.ly/fLMM10

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by toruiwa2010 | 2011-04-06 09:33 | 映画が好き | Comments(2)
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「白夜行」85

土砂降りの雨だった。
廃ビルの一室で男の死体が発見された。質屋を営む被害者には妻と小学生の息子がいた。
夫婦仲がうまく行っておらず、妻には若い愛人がいると近所でも評判だった。
被害者が頻繁に通っていた母子家庭が捜査線上に浮かんだ。生活に疲れた母と向上心を
持つ利発な小学生の女の子だった。
その母親と被害者の妻の愛人に疑いの目がむけられたが、二人は別々の“事故”で死亡し、
事件は終わったものとされた。

最初から捜査に関わっていた所轄署のうだつの上がらない刑事・笹垣潤三(船越栄一郎)は
腑に落ちないものを感じて、その後も地道に事件を追っていた。
定年後も事件のことが頭を離れない笹垣は“捜査”を続け、意外な事実にたどり着く。
何のつながりもないように見えた容疑者の娘・雪穂(堀北真希)と被害者の息子・桐原亮司
(高良健吾)の間には、実は強いきずながあったのだ…
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東野圭吾の作品をドラマや映画にするとき、制作者たちは“ていねい”に作ろうとする
傾向があるようです。結果として、長くなります。この映画も例外ではありません。
この映画の場合、少し長すぎるように思います。
にもかかわらず、少年と少女の間に強いきずなが生まれた経緯、少女がどんな過程を経て
変貌して行ったのか、夫はなぜ“腑抜け”状態になってしまったのか…などが十分には
描かれていません。ただし、「悪人」よりは高く評価します。

好みの問題でしょうが、堀北真希がミスキャストに思えます。この映画のミステリアスな
部分をぐいぐい引っ張って行く魅力に欠けています。
“拾いもの”は船越栄一郎でした。周囲の白い目をまったく意に介さず、愚直に事件を
追うベテラン刑事を見事に演じていました。
これまで、たくさんの作品で彼を見ましたが、飛びぬけていいと思いました。
単なる“崖っぷちデカ”ではないようです。ハハハ。


「洋菓子店コアンドル」90

今日もにぎわう評判の菓子店、「パティスリー・コアンドル」に若い女がやってきた。
鹿児島を出て行った恋人がこの店で働いていると聞いて追ってきたなつめ(蒼井優)だ。
「とっくにやめた。どこに行ったかは知らない。鹿児島に帰りなさい」と突き放されて
途方に暮れるなつめだったが、必死に頼み込んでしばらく働かせてもらうことになった。

「仕事が遅い。クリームがゆるい。シロップが…」
なつめが作ったケーキを試食したあと、十村(とむら:江口洋介)という男がそう言った。
ときどき店を訪れる彼は、オーナー・シェフ、依子(戸田恵子)の古くからの知り合いらしい。
今は厨房に立つことをやめ、評論家になっているが、“伝説のパティシエ”だという…
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ケーキ作りのカットを細かくつないでいく冒頭のシーンから期待が膨らみ、その期待が
裏切られることはありませんでした。
店のたたずまい、なつめが転がり込んだ店の二階にあるシェフの部屋、登場人物のウエア、画面の色調、バックに流れる音楽、絵のサイズ…全体に“趣味がいい”映画です。
ストライク・ゾーンの真ん中に来ました。

大好きな蒼井優がいいです。やっぱり、この女優はすばらしい!ハハハ。
表情のバリエーションが多く、思いがけない顔に出会います。
ドラマ「龍馬伝」にも長崎の売れっ子芸者役で登場し、圧倒的な存在感を示していましたが、
演技の幅広さは若手女優の中で群を抜いています。

出演者が揃っていい演技をしています。
出番の短い加賀まり子、鈴木瑞穂、佐々木すみ江、嶋田久作…キャスティングの妙。
十村がシェフをやめた理由をもっとストレートに説明すればよかったのにと思う以外に
減点の材料がありません。よって90点をつけます。
去年の8月にこの映画の宣伝ちらしを目にしてから楽しみにしていました。
こういうとき、とかく“肩すかし”を食うことが多いですが、今回は期待通りでした。


「毎日かあさん」85

マンガ家・理恵子(小泉今日子)は、自分の稼ぎで買った自宅に、二人の子供と、ある日突然
押し掛けてきてそのままいついてしまった母親と暮らしていた。「ほめて育てる」が彼女の
教育方針だ。問題は、元戦場カメラマンの夫・鴨志田(永瀬正敏)だった。
吐血を繰り返す、深刻なアルコール依存症だった。過酷な戦場体験がトラウマになって、
酒から逃げられなくなっているのだ…

途中までは「なんだこれは。70点じゃないか」と思っていました。
しかし、3分の2を過ぎたあたりからどんどん良くなって行きました。ちょうど鴨志田が
全くどうにもならない“ダメなやつ”であることがはっきりするところからです。
そこまでは、“普通”だった小泉と永瀬の演技に深みが増して行ったように思います。
物語の進行とも関係があるのでしょうが、夫婦の距離感がとてもいい感じになりました。
永瀬を起用したことが小泉の良さを引き出し、元妻との共演によって永瀬の良さが出た、
そんな風に見えます。

10年間、依存症と闘う苦しい旅を終えてようやく家族のもとに還った男の安らぎを見て
この映画が成功している大きな理由は、やはり、元夫婦が演じたことにあると思いました。


「再会の食卓」85

ユィアーのもとに一通の手紙が届いた。もう何度目になるのか、孫娘が読み上げる手紙は、
1949年、国共内戦の混乱の中で生き別れになった“夫”・イェンションが40数年ぶりで
台湾から上海に戻ってくることを知らせていた。
ユィアーの心は揺れていた。国民党軍の兵士だったイェンションとユィアーの結婚生活は
1年ほどだった。今の夫・シャンミンは、取り残され、国民党軍兵士の家族だったことで
周囲から白い目で見られる身重の彼女と結婚してくれた。
彼との間には40年以上の“年月”があるのだ。

家族の反応も微妙だった。
「いいことじゃないか」と、歓迎する姿勢の夫に対して、子供たちの態度は冷ややかだ。
「きっと面倒なことになる」「おれには関係ない」「台湾で結婚した奥さんが死んだから
来るんじゃないのか」

楽隊も出て派手に迎えられたイェンションが、ユィアーの家の前に到着した。
タクシーを降りた彼は、戸惑いながらも、人垣の中から、目指す女性をすぐに見つけた。
絞り出すように「ユィアーか?」と声をかけるイェンション。
ほんの僅かに微笑んで、小さくうなずくユィアー…
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心やさしい家長・シャンミンのリードでイェンションの心地よい滞在は過ぎて行きます。
しかし、イェンションには秘めた計画がありました。残りの人生を共に暮らすために、
ユィアーを台湾に連れ帰ることです。
いくら、シャンミンが好人物だからと言って、それは無理な相談だろう、と思いながら
観客は物語の推移を見守ることになるわけですが、ここから先は書きません。ハハハ。

初めから終わりまで、まるで、喧嘩でもしているかのような中国語の会話が飛び交う中、
時間だけは、穏やかに、緩やかに過ぎて行きます。
このゆったりペースがいやじゃないのは、たぶん、同じ東洋人の血のせいでしょうね。
始まって数分で“ズキューン”と心臓を打ち抜かれました。二人の再会の場面です。
俳優たちが素晴らしいです。

数は少ないですが、これまで見た韓国・中国・台湾映画の中で最も高く評価します。


75 完全なる報復 妻と娘を殺された男の復讐 初めは面白かったが途中からおぞましく…
75 トスカーナの贋作 “ずるい”作り方に腹が立つ ビノシュが好きだから5点プラス
90 洋菓子店コアンドル 減点の少ない作品だ 出演者全員がいい 蒼井優にやられた
85 毎日かあさん 依存症を乗り越えて家族のもとに帰ったダメ男 元夫婦の呼吸がいい
85 再会の食卓 40数年ぶりに再会した元夫婦… これまで見たアジア映画ではベスト
75 ジーン・ワルツ せっかくの菅野美穂主演なのにつまらない どうしてくれるんだ
75 あしたのジョー 劇画の世界から抜けきれていない つまり、劇画を読めばいい
80 ザ・タウン 銀行強盗と人質女性の恋 ベン・アフレックが良かった
80 ウォール・ストリート じっとしていても絵になるマイケル・ダグラスの存在
85 白夜行 接点はないはずの容疑者の娘と被害者の息子… 意外な事実が隠れていた

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by toruiwa2010 | 2011-03-06 15:45 | 映画が好き | Comments(2)
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「英国王のスピーチ」90

1925年、ウエンブリー・スタジアム…
ヨーク公・アルバート王子は大英帝国博覧会の閉会式で父・ジョージ5世国王に代わって
挨拶をしたが、幼いころから苦しんできた吃音症のため惨めな結果になった。
がっくりと落ち込む夫を妻のエリザベスは献身的に支えた。
なんとか治したいと専門家を訪ね歩き、最後にたどり着いたのはオーストラリア出身の
言語聴覚士、ライオネル・ローグのところだった。

豊富な経験と独特のメソッドを持つローグのもとでヨーク公の治療がスタートした…
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90点は、純粋に面白かったからで、アカデミー賞を獲ったからではありません。
どちらかと言えば、私は「ソーシャル…」の方が好きですが、「英国王…」に決まったと
言われれば、「そうですか。まあ、そうかもしれませんね」という感じでしょうか。ハハハ。

予告編を見て興味がわき、見終わって満足感があったのは久しぶりです。
丁寧に作られています。それでいて回りくどくなく、観客が戸惑うことはありません。
監督賞がこの作品のトム・フーパーに決まったあと、スタジオでゲストの一人が受賞の
理由として「分かりやすく撮ったからだろう」という主旨の話をしました。
不満気に聞こえました。一方の「ソーシャル・ネットワーク」は見たあとに、いろいろと
ディスカッションができる作り方で、賞はそちらに獲らせたいと考えていたようです。
たまらず、つぶやきました。ハハハ。

分かりやすい映画のどこが悪いのか?
見たあとに会話が活発にならなければ映画としてダメなのか?
映画はそもそもエンタテインメントではなかったのか?


この時点では「英国王…」はまだ見ていませんでした。
「ソーシャル…」を応援していた立場の発言としては矛盾しているようですが、
映画の基本は“分かりやすさ”であってほしいと考えているので書いたのです。
私が間違っているのでしょうかね?
どっちにしても、反応はなかったのですが。ハハハ。

圧巻は、やはり第2次世界大戦の開戦を国民に告げる重大な演説のシーンです。
コリン・ファースの演技よりスピーチの文章に打たれました。胸に響きました。原文を
読んでみたいと思ったほどです。
ファースの演技が高く評価されることに異論はありません。
しかし、“ひねくれ者”の私は、WOWOWの放送で5人の候補者を紹介し、「ファースが
獲るだろう」と予想しているときにツイッターにこう書きました。

ファースの役は賞が獲りやすく、アイゼンバーグの役は
獲りにくいのだと…。


アイゼンバーグは「ソーシャル・ネットワーク」の主演男優です。
どちらも難しい役だろうと思いますが、激しく感情が起伏するヨーク公に対して
感情を露わにする場面が少ないザッカーバーグ(アイゼンバーグの役)は、演技力を
訴えることが難しい気がするのです。これも、反応ゼロでした。ハハハ。

演技ということでは、もう一点、助演賞にノミネートされながらオスカーには手が
届きませんでしたが、ローグを演じたジェフリー・ラッシュが光っていました。
「ザ・ファイター」はまだ見ていないので何とも言えませんが、授賞式で紹介された
短いフィルムで見るクリスチャン・ベールの演技はいかにも賞を獲りそうです。
スタジオで誰かが「“うまいだろう”オーラを出している」と発言したときのつぶやきは

“うまいだろう”オーラ…日本では、香川照之に少しその空気を感じる。w

…でした。何かひとこと言わなければ気が済まないたちでして。ハハハ。
お断りしておきますが、香川は基本的に大好きで、すごい俳優だと思っています。

アカデミー候補作の中で90点をつけたのは「英国王…」と「ソーシャル…」の2本でした。
主演男優賞と同じで、「英国王…」のほうが賞を獲りやすいテーマだし、作品だと思います。
私もそうでしたが、最後のスピーチに圧倒された人が多いはずです。あれだけで相当数の
票が流れた気がしないでも…。ハハハ。


「トスカーナの贋作」75

南トスカーナの小さな村にあるホテルのホールがざわついていた。
新刊の「贋作」について、イギリスの作家・ミラーが講演をするのだ。
予定時間に少し遅れて登場したミラーは魅力にあふれた中年男だった。
階上の部屋から下りてくるだけだったことを指して「渋滞に巻き込まれて、と
言いわけすることはできませんね」というジョークで講演が始まった。
最前列の席で聞いているのはこの村で小さなギャラリーを営むフランス女性
(ジュリエット・ビノシュ)だ。

翌日、ミラーがギャラリーを訪ね、彼女の案内で二人はドライブに出かけた。
車の中から“本物とニセもの”についての議論が始まる…
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訪れた村で立ち寄った店の女主人から“夫婦”と間違われ、二人は夫と妻として会話を
続けますが、しだいに話の中身が分かりにくくなっていき、観客は混乱に陥ります。
もちろん、理解力が衰えている私も例外ではありませんでした。ハハハ。
開始20分ぐらいで、80歳を過ぎていると思われる男性が杖を頼りに出て行きました。
とても、分かりにくいのです。

途中から妙な方向に進み始めたとき、日本映画「今度は愛妻家」を思い出していました。

私がまとめた序盤の展開はこうでした。

夫・俊介(豊川悦司)は売れっ子のカメラマンだったが、この一年、一枚も
写真が撮れない。“あの日”から、彼の中で何かが折れてしまったのだ。
“ダメ男”に成り下がった俊介に文句を言いつつ、尽くしてきた妻のさくら
(薬師丸ひろ子)が箱根に出かかけると言って朝からバタバタしている。

写真を撮ってほしいと、女優志願の女から電話が入った。
チャンスとばかり、俊介は、さくらと入れ替わりになるようにその女を
スタジオ兼自宅に招いた。
しかし、爪を切るのを忘れた、財布を忘れたと、出かけたはずのさくらが
何度も家に戻ってくる。
このときは気をもんだ俊介が「戻ってきてほしいときには戻ってこない」と、
さくらに懇願するときがやって来る。「いつも、あんなに戻ってきたのに」。

しかし、さくらは戻ってこない。なぜなら…

この映画にはある“仕掛け”がありました。見た方には説明の必要もありませんが、
さくらはすでに死んでいるのです。ふざけてますよ、まったく。ハハハ。

大竹まことのラジオ番組に呼ばれた行定勲監督がこんな話をしていました。

「この映画にはトリックがあって、二重構造になっている。
それが観客にばれないように作っている。2回目を見ると全部納得がいく。
2回目を見る人を狙って作っている」


映画で初めて用いられたトリックではなく、公の場で胸を張って言うほどのトリックでも、
“シタリ顔”で話すほどのものでもありません。
“観客にばれないように”って、“そのとき”まで、まったく触れないのですから、ばれる
わけもないのです。“2回目を見る人を狙って作っている”が成立するとしたら、ずいぶん
人をバカにした話ではありませんか!
彼に限らず、ときどき、観客を高いところから見下ろす感覚でものを言う監督がいますが、
好きになれません。

「トスカーナ…」にもキアロスタミ監督の手で似たようなトリックが仕掛けられています。
初めから、だまそう、混乱させよう、と思っていたかどうか分かりませんが、こういう
映画作りも“独善的”で好きではありません。

朝日新聞の映画担当記者がこの作品を取り上げて、その締めくくりにこう書いています。
「…映画の主題は最初に男の講演の中で示されている。“本物の価値を示すために、
贋作の価値があるのだ”と。美術の真贋で始まったはずが、いつしか男と女の真贋
についての考察になっている。キアロスタミの術中にはまるのは実に心地いい」


…何を言ってんだか。ハハハ。
おれの洞察力はここまですごいぜ、と言わんばかりの書き方に虫唾が走ります。
もっとも、この記者さんは北野武監督の「アウトレイジ」についても

詩情をたたえた従来の作品と違い、やくざの怒鳴り合いと殺し合いを、
娯楽性豊かに描き切った。


と書いていました。“娯楽性豊かに”のところでずっこけてしまいましたが、少し…いや
相当にピントがずれている記者のようです。それとも、監督の独善を“心地よい”と思う
観客が本当にいるのでしょうか。いるのなら、私のほうが“ずれてる”ってことで。ハハハ。

わき道にそれてしまいました「トスカーナ…」に戻りましょう。

もちろん、難解な映画もあっていいでしょう。世の中には、そういう映画を見て自分を
“教養人”だと思いたい人たちもいますから。
ただし、圧倒的多数の映画好きは、“見て楽しみたい”のだと思います。
監督や、分かる人だけが分かって、多くの観客が途方に暮れるような映画はごめんです。

“引力”のある“トスカーナ”という固有名詞にすっかりだまされました。ずるいや。
ビノシュが出ていなければ70点でしたね。ハハハ。

90 英国王のスピーチ 吃音症の国王とそれを治療する男 最後のスピーチは感動的だった
75 完全なる報復 妻と娘を殺された男の復讐 初めは面白かったが途中からおぞましく…
75 トスカーナの贋作 “ずるい”作り方に腹が立つ ビノシュが好きだから5点プラス

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by toruiwa2010 | 2011-03-04 08:23 | 映画が好き | Comments(2)
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「洋菓子店コアンドル」90

今日もにぎわう評判の菓子店、「パティスリー・コアンドル」に若い女がやってきた。
鹿児島を出て行った恋人がこの店で働いていると聞いて追ってきたなつめ(蒼井優)だ。
「とっくにやめた。どこに行ったかは知らない。鹿児島に帰りなさい」と突き放されて
途方に暮れるなつめだったが、必死に頼み込んでしばらく働かせてもらうことになった。

「仕事が遅い。クリームがゆるい。シロップが…」
なつめが作ったケーキを試食した十村(とむら:江口洋介)という男がそう言った。
ときどき店を訪れる彼は、オーナー・シェフ、依子(戸田恵子)の古くからの知り合いらしい。
今は厨房に立つことをやめ、評論家になっている“伝説のパティシエ”だという…
d0164636_1683260.jpg
ケーキ作りのカットを細かくつないでいく冒頭のシーンから期待が膨らみ、その期待が
裏切られることはありませんでした。
店のたたずまい、なつめが転がり込んだ店の二階にあるシェフの部屋、登場人物のウエア、
画面の色調、バックに流れる音楽、絵のサイズ…全体に“趣味がいい”映画です。
ストライク・ゾーンの真ん中に来ました。

大好きな蒼井優がいい。やっぱり、この女優さんはすばらしい!ハハハ。
表情のバリエーションが多く、思いがけない顔に出会えます。
ドラマ「龍馬伝」にも長崎の売れっ子芸者役で登場し、圧倒的な存在感を示していましたが、
演技の幅広さは若手女優の中で群を抜いています。

出演者が揃っていい演技をしています。
出番の短い加賀まり子、鈴木瑞穂、佐々木すみ江、嶋田久作…キャスティングの妙。
十村がシェフをやめた理由をもっとストレートに説明すればよかったのにと思う以外に
減点の材料がありません。よって90点をつけます。
去年の8月にこの映画の宣伝ちらしを目にしてから楽しみにしていました。
こういうとき、とかく“肩すかし”を食うことが多いですが、今回は期待通りでした。


「毎日かあさん」85

マンガ家・理恵子(小泉今日子)は、自分の稼ぎで買った自宅に、二人の子供と、ある日
突然押し掛けてきてそのままいついてしまった母親と暮らしていた。「ほめて育てる」が
彼女の教育方針だ。問題は、元戦場カメラマンの夫・鴨志田(永瀬正敏)だった。
吐血を繰り返す、深刻な依存症だった。戦場での過酷な体験がトラウマになって、酒から
逃げられなくなっているのだ…

途中までは「なんだこれは。70点じゃないか」と思っていました。
しかし、3分の2を過ぎたあたりからどんどん良くなって行きました。ちょうど鴨志田が
全くどうにもならない“ダメなやつ”であることがはっきりするところからです。
そこまでは、“普通”だった小泉と永瀬の演技に深みが増して行ったように思います。
物語の進行とも関係があるのでしょうが、夫婦の距離感がとてもいい感じになりました。
永瀬を起用したことが小泉の良さを引き出し、元妻との共演によって永瀬の良さが出た、
そんな風に見えます。

10年間、依存症と闘う苦しい旅を終えてようやく家族のもとに還った男の安らぎを見て
この映画が成功している大きな理由は、やはり、元夫婦が演じたことにあると思いました。


「再会の食卓」85

ユィアーのもとに一通の手紙が届いた。もう何度目になるのか、孫娘が読み上げる手紙は、
1949年、国共内戦の混乱の中で生き別れになった“夫”・イェンションが40数年ぶりで
台湾から上海に戻ってくることを知らせていた。
ユィアーの心は揺れていた。国民党軍の兵士だったイェンションとユィアーの結婚生活は
1年ほどだった。取り残され、国民党軍兵士の家族だったことで周囲から白い目で見られる
身重の彼女と結婚してくれた今の夫・シャンミンとの間には40年以上の“年月”がある。

家族の反応も微妙だった。
「いいことじゃないか」と、歓迎する姿勢の夫に対して、子供たちの態度は冷ややかだ。
「きっと面倒なことになる」「おれには関係ない」「台湾で結婚した奥さんが死んだから
来るんじゃないか」

楽隊も出て派手に迎えられたイェンションが、ユィアーの家の前に到着した。
タクシーを降りた彼は、戸惑いながらも、人垣の中から、目指す女性をすぐに見つけた。
絞り出すように「ユィアーか?」と声をかけるイェンション。
ほんの僅かに微笑んで、小さくうなずくユィアー…
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心やさしい家長・シャンミンのリードでイェンションの心地よい滞在は過ぎて行きます。
しかし、イェンションには秘めた計画がありました。残りの人生を共に暮らすために、
ユィアーを台湾に連れ帰ることです。
いくら、シャンミンが好人物だからと言って、それは無理な相談だろう、と思いながら
観客は物語の推移を見守ることになるわけですが、ここから先は書きません。ハハハ。

初めから終わりまで、まるで、喧嘩でもしているかのような中国語の会話が飛び交う中、
時間だけは、穏やかに、緩やかに過ぎて行きます。
このゆったりペースがいやじゃないのは、たぶん、同じ東洋人の血のせいでしょうね。
始まって数分で“ズキューン”と心臓を打ち抜かれました。二人の再会の場面です。
俳優たちが素晴らしいです。

数は少ないですが、これまで見た韓国・中国・台湾映画の中で最も高く評価します。


「ジーン・ワルツ」75

帝王切開が進められていた手術室に生まれたばかりの赤ちゃんの泣き声がひびく。
「生まれましたよ」の声に続いて、すぐ「胎盤が癒着してる」、「血圧が下がってます」と
緊張した声が飛んだ。
時間がたち、うなだれて手術室を出た医師(大森南朋)は、のちに逮捕されることになる。

「人間は生まれて当たり前、と思っている人が多いですが、生命の誕生は、それ自体が
奇跡なんです」と学生に講義しているのは帝華大学病院の医師・曽根崎理恵(菅野美穂)だ。
彼女は、縁のあるクリニックでも院長代理の仕事をしていた。院長が病いに倒れ、やがて
閉院となるそのクリニックで彼女は4人の妊婦の最後を見届けるのだと心に決めていた。
そのうちの一人は“代理母”による出産だ。その女性は55歳!しかも、彼女は…

もっと“オドロオドロ”した作品かと思いましたが、そうでもありませんでした。
しかし、何を描こうとしているのかが最後まではっきりしませんでした。
“天才医師 〈遺伝子(ジーン)の女神〉が仕掛ける、禁断の奇跡”
“<史上最強の女医> スクリーンに君臨! いま、新世紀医療の闇に迫る”
…公式HPにはそう書かれています。きっと、海堂尊の原作には曽根崎理恵の天才ぶりや
最強の女医ぶりが書き込まれているのでしょう。しかし、この映画のどこを見ても彼女が
“天才”であることをうかがわせるシーンはありませんでした。

何よりもいけないのは、クライマックスの“どたばた”です。
どんな大病院でもそんな緊急事態が2件も3件も重なることはないだろうという修羅場が、
それも、台風が直撃という厳しい条件の中で起きるのです。
まあ、フィクションですけどねえ。ハハハ。

どうしてくれるんだ、せっかく、菅野美穂なのに。


「あしたのジョー」75

劇画(?)もアニメも見たことがありません。病院の待合室などでパラパラした以外は。
数ヶ月前に見た、山下智久と伊勢谷友介の見事にシェープップしたボディーの美しさに
惹かれて見に行きました。いえ、まったくその“趣味”はありません。ハハハ。
正直に言うと、がっかりです。
監督は少しでも劇画に近づけようとしてこの映画を作ったのではないでしょうか。
全体の“作り”があまりにも劇画チックで違和感がありました。
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かなりの割合でボクシングの試合が描かれていますが、嘘っぽくて話になりません。
実写版らしさを求めて出かけたのが間違いだったのでしょう。
原作を知らないのですから、何とも言えませんが、行方をくらませた1年間のジョーの
生活が全く描かれていないのも不思議です。

全体の印象として、山下・伊勢谷が気の毒でした。
プラス、重要な役どころの香里奈の演技が下手すぎました。


「ザ・タウン」80

あまり期待せずに見に行ったのですが、とても面白かったです。
銀行強盗の一員と、一時は人質になった女性の恋物語です。
主役のベン・アフレックが魅力たっぷりです。


「ウォール・ストリート」80

ゲッコーが8年の刑期を終えて出所してきました。
彼の娘と結婚が近い男は投資会社の若手有能社員です。
ゲッコーはひそかに“復活”の機会をうかがっています。
一方で、家庭を顧みなかった父を憎んでいる娘との関係を修復しようと懸命です。

金融の話は、言葉の意味が理解できないと厄介ですが、NHKのドラマ「ハゲタカ」などは
大体のことが分かればついていけました。ハハハ。
この映画は、冒頭の30分ほど、頭が痛くなりました。
しかし、最初の4行を頭に入れてみれば乗り切れます。
私も、そこを過ぎてからは、映画としての面白さを楽しめました。

マイケル・ダグラスの存在感が圧倒的だ。画面に登場するだけで“空気”が生まれます。
こういう映画を見ると、俳優の演技力をつくづく考えさせられます。

90 洋菓子店コアンドル 減点の少ない作品だ 出演者全員がいい 蒼井優にやられた
85毎日かあさん 依存症を乗り越えて家族のもとに帰ったダメ男 元夫婦の呼吸がいい
85 再会の食卓 40数年ぶりに再会した元夫婦… これまで見たアジア映画ではベスト
75 ジーン・ワルツ せっかくの菅野美穂主演なのにつまらない どうしてくれるんだ
75 あしたのジョー 劇画の世界から抜けきれていない つまり、劇画を読めばいい
80 ザ・タウン 銀行強盗と人質女性の恋 ベン・アフレックが良かった
80 ウォール・ストリート じっとしていても絵になるマイケル・ダグラスの存在

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by toruiwa2010 | 2011-02-24 08:13 | 映画が好き | Comments(7)
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日本アカデミー賞の授賞式が18日に行われます。
すでに発表されている候補作の中から最優秀賞が決まります。
映画の評価は“人それぞれ”ですから、本来、結果はどうでもいいのですが、アカデミーと
名づけられた賞を誰が、どの作品が手にするのか、正直にいえばやはり気になります。
投票するのは日本アカデミー賞協会の会員です。ざっと検索した結果では、映画の仕事に
従事している人たち、と理解しています。ということは、当然、一般の映画ファンによる
“人気投票”とは一線を画していると信じます。
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しかし、これまでの受賞、今回の候補を見ると、一定の“傾向”があることが分かります。
山田洋次的、吉永小百合的、松たか子的なものが好きな人が多いという…。
道理で、私の好みと違うものが毎年選ばれるわけです。ハハハ。

たとえば、作品賞の候補作を見ると…
「悪人」、「おとうと」、「告白」、「孤高のメス」、「十三人の刺客」の5本です。
珍しく、5本全部見ています。
私の評価と寸評は以下の通りです。

「悪人」85 いいと思いながら見ていたが原作も含めて肝心の意図が伝わりにくく減点
「おとうと」75 一人娘の結婚式を台無しにしたダメな弟をどこまでもかばう姉
「告白」75 ネット上の評判がいいのにつられて出かけたがどこがいいのか分からなかった
「孤高のメス」90 丁寧に作られた医療映画 堤真一が期待を裏切らない 夏川結衣も
「十三人の刺客」70 監督の露悪趣味にへきえき 国際映画祭に出品したことが恥ずかしい

d0164636_15445335.jpgd0164636_15451335.jpg去年見た映画の中に、95点(=皆さんにお勧め)の作品はなく、90点(=私としては大満足)を
つけた邦画は次の7本でした。
「RAILWAYS」、「春との旅」、「オカンの嫁入り」、「てぃだかんかん」、「森崎書店の日々」、
「海猿」、「孤高のメス」…
私にも一定の傾向があることははっきりしていますね。ハハハ。
残念なのは、作品賞の候補に入ったのがこのうち「孤高のメス」一本だったことです。
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“岩佐徹的2010年 映画ランキング”の第1位、「春との旅」は候補にも入っていません。
キネ旬ベスト・テンなど、各賞でもほとんど話題になっていないようです。
「十三人の刺客」のような映画がまさか高い評価を得るとは思いもしませんでした。
私自身が高い点をつけた「孤高のメス」か「悪人」が最優秀賞に選ばれることを祈ります。
間違っても、ほかの3本から選ばれることがないように、ということも…。ハハハ。

監督賞、脚本賞は評価する能力がありませんから誰が選ばれても「へえ」で終わりです。

主演男優賞
笑福亭鶴瓶(おとうと)、堤真一(孤高のメス)、妻夫木聡(悪人)、役所広司(十三人の刺客)、
豊川悦司(必死剣鳥刺し)

「ディア・ドクター」の鶴瓶の演技力は認めますが、この作品の彼が最優秀に値するとは
思いません。
地味な作品の中で堤は光っていました。彼を推します。
妻夫木もよかったと思います。彼が獲っても違和感はありません。
豊川、役所の演技も悪くはありませんが、いかんせん、作品が…。ハハハ。

主演女優賞
寺島しのぶ(キャタピラー)、深津絵里(悪人)、松たか子(告白)、吉永小百合(おとうと)、
薬師丸ひろ子(今度は愛妻家)

きっと、見なかった「キャタピラー」の寺島が選ばれるのでしょうね。
「3時のあなた」のスタジオに来ていた、幼い日のしのぶちゃんを思い出します。
彼女が、本気を出して演技したら、毎年、賞をさらっていくのではないでしょうか。
助演賞の樹木希林と同じです。
深津もよかったです。
松は、去年、「ヴィヨンの妻」で最優秀に輝いていますが、それほどとは思いません。
今年も「告白」でも同じ感想を持ちました。
薬師丸も同じです。
吉永に恨みはありませんが、世間が彼女を見る目に、いつも辟易します。ハハハ。

助演男優賞
石橋蓮司(今度は愛妻家)、柄本 明(悪人)、岡田将生(悪人)、吉川晃司(必死剣鳥刺し)、
岡田将生(告白)

全部見ていますが、印象に残っているのは柄本だけです。石橋などは、出ていたことは
覚えていますが、どんな役だったか思い出せないほどです。ハハハ。
柄本が選ばれれば文句はありません。

助演女優賞
蒼井 優(おとうと)、樹木希林(悪人)、木村佳乃(悪人)、夏川結衣(孤高のメス)、
満島ひかり(悪人)

大好きな蒼井優ですが、彼女にとっては「おとうと」の演技は“普通”でした。
最優秀になるほどとは思いません。この賞は樹木、夏川、満島の争いではないでしょうか。
作品が好きな性もありますが、夏川に獲らせたいです。樹木はいつだって…。ハハハ。

外国作品賞
「アバター」、「インセプション」、「インビクタス 負けざる者たち」、「トイ・ストーリー3」、
「ハート・ロッカー」

「アバター」と「トイ…」は見ていません。
「インセプション」は75点(40分でギブアップ)…選ぶ資格はないかもしれません。ハハハ。
「インビクタス」と「ハート・ロッカー」には90点をつけました。差は微妙ですが、
どちらが好きかと言えば「インビクタス」に軍配を上げます。
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「悪人」の評判がいいようですね。モントリオールで深津絵里が主演女優賞をもらったから…
ではないことを祈ります。ハハハ。

私も「90点かなあ」と思いながら見ていましたが、最後の部分で5点、下がりました。

絶望のどん底に突き落とされた人間たちが、善悪の葛藤のなかでもがき、
そしてその先にひとつの謎が生まれる。
いったい誰が本当の“悪人”なのか?
その答えが明かされたとき、
物語は、衝撃と感動のクライマックスを迎えるー。

帰宅してから、公式HPの“ストーリー”を見ると、こう締めくくられていました。
虚を突かれた思いでした。えっ、この映画は“誰が本当の悪人なのか”を問いかけていたのか?
エンディングの一部を除くと、そのように描かれてはいませんでした。
たぶん、原作者の意図はそこにあり、小説には分かるように書かれているのでしょうが、
映画を見ている限り、そうは感じられなかったのです。

翌日、外出したとき、本屋さんで小説の最後の部分を立ち読みしました。ハハハ。
光代と祐一のそれぞれのモノローグがあり、少しは分かる気がしました。
しかし、映画は映画で独立した作品ですから、それだけを見て分かるように作らなければ
成功とはいえないでしょう。
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キネ旬のベスト・テンは信頼度の高い賞だと思います。
選出者は、映画を多く見ている人に厳しく限定し、年齢・所属の幅(映画評論家、日本映画
記者クラブ員など)も広いとされているからです。
ここでも第1位に押されているのですから、私の理解力が低いのでしょう。
ですから、「悪人」が最優秀作品賞に選ばれても異は唱えません。
「孤高のメス」が惜しいなあ、とは思いますが。ハハハ。

2010年度制作の映画に与えられる各賞の傾向を見て、唯一、救われるのはどの賞でも、
北野武監督の「アウトレイジ」がパスされている点です。ハハハ。

明日の更新はありません。あしからず。

ロナウド引退
“怪物”・ロナウドが引退しましたね。
どんな名選手にもこのときは来ますから仕方がありません。
「美しく、感動的で素晴らしいものだった」と自分のキャリアについて語ったそうですが、
彼のプレーはまさにその言葉がぴったりでした。スペイン時代の、ドリブルで前に出る馬力、
そしてネットを揺らす決定力にはしびれたものです。ケガがなければ、もう少し長く欧州の
ビッグクラブでやれたんでしょうが、ケガも“つきもの”ですから。
彼の試合を実況した時、すでに峠を越えていたのが残念です。

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by toruiwa2010 | 2011-02-16 06:51 | 映画が好き | Comments(6)
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「ソーシャル・ネットワーク」90

2003年秋、ボストンのハーバード大学近くのパブで、2年生のマークはガールフレンドの
エリカと話しこんでいた。自分の優秀さに絶対の自信を持っている彼の話しっぷりには
ボストン大学に通う彼女をバカにしたニュアンスがあった。
言い争いの挙句、うんざりした彼女がパブを飛び出して行くと、腹を立てたマークは寮に
戻って、彼女の悪口や別れたいきさつなどをブログにぶちまけた。

それでも気持ちがおさまらないマークはルームメイトの手を借りて“いたずらサイト”を
立ち上げた。ハッキングして手に入れた女子学生の顔写真を並べ、投票でランクをつける
というものだったが、あっという間に学校内に広まった。1時間に22,000件のアクセス!!

大学の倫理委員会に呼び出され、観察処分が言い渡された彼に、学内の別のグループが
近づいてきた。「面白いサイトを作るので協力してほしい」と言われたマークは説明を聞き、
即答した。「I’m in」(やるよ)…
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世界で5億人がメンバーになっているといわれるフェースブックが、どんないきさつで
生まれ、どう成長し、どんな問題があったかが描かれています。
ただし、フェースブックそのものについてはそれほど細かく紹介されているわけではなく、
むしろ、爆発的なヒット商品になる過程で起きた開発グループ内の友情、対立、裏切りが
中心になっています。

ウイークデーの昼間でしたが、たまたま“メンズ・デー”だったことも重なり、若い人で
8割がた客席が埋まっていました。とにかく、スピード感があって楽しめます。
こまかいことですが、ハーバード大学の学生たちが学んでいるきわめて恵まれた環境を
垣間見られたり、世界一高水準の知的レベルで交わされる会話を聞けたりしたことが
拾いものでした。

ゴールデングローブ賞で作品賞など4部門を獲得したのも納得です。

ひとつだけ、年配者には“仕組み”の理解が大変かもしれません。
この日は、始まって20分で年配の夫婦が席を立って行きました。ハハハ。


「髪結いの亭主」85

12歳の少年は近所の理容室のマダムが大好きだった。そのふくよかな体とにおいが。
「大きくなったら理髪師の女性と結婚する」と話して父親の平手打ちを受けたこともある。
年月が流れ、成長した彼は理容室のドアにもたれて外を眺めるマチルダに一目ぼれした。
調髪してもらい支払のとき、唐突に「結婚してほしい」と告げた。沈黙のマチルダ。
次に店を訪れたときの帰り際、マチルダが言った。
「この間は私をからかったのかしら。もし本当だとしたら、私は気持ちを動かされました。
お気持ちが変わらないなら、答えは“ウイ”です」

めでたく結ばれた二人は互いがいれば他には何も要らなかった。そう、思えるほど幸せな
日々が続いた。土砂降りの雨が降ったあの日まで…
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制作から20年たったのを記念するディジタル版です。
この作品は、主人公役のジャン・ロシュフォールがいて初めて成立するのだと思います。
男の妻になるアンナ・ガリエナという女優さんも素晴らしいのですが、不思議なことに、
ほかの作品でお目にかかったことがありません。
大人向けです。若い人には、この映画が描く人生の“機微”は分かりますまい。ハハハ。
これを見ると、夫婦の幸せとはいったいなんだろうかと思います。考えたりはしません。
答えは出ませんから。


「デザート・フラワー」85

果てしなく続くソマリアの砂漠の一角で遊牧民の少女がヤギの出産を手伝っていた。
少女の名前はワリス・ディリー、ワリスは“砂漠の花”を意味する現地の言葉だ。
13歳になったとき、父親によって知らない男の4番目の妻になるよう、命じられるが、
テントを抜け出して祖母のもとに走った。
のちに、祖母の手引きによってロンドンのソマリア大使館で働くようになるが、祖国が
内戦状態になって大使館が閉鎖されると行き場を失ってしまった。

街をさまようワリスを救ってくれたのは温かいハートの持ち主、マリリンだった。
マリリンの部屋に転がりこみ、ファストフード店で働き始めたワリスがファッション・
カメラマンの第一人者、ドナルドソンの目にとまる…
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ソマリアの砂漠に生まれた少女がスーパーモデルとして成功を収める、単なるサクセス・
ストーリーのつもりで見に行きましたが、もっと、深い話が隠されていました。

“割礼”は宗教的な儀式かと思っていましたが、そうではないようです。では、いったい
何の意味があって、女性に対する“非人間的”な仕打ちは続いているのか?
世界的な名声を得たあと、人前に出てこの種の過去を赤裸々に語るのは、人が思う以上に
難しいことのはずです。胸をうたれました。

ワリス役のリヤ・ケベデもアフリカ出身のスーパーモデルだそうですが、その美しさは
“圧倒的“です。


「デュー・デート」85

ピーターとイーサンが乗った車が一路、ロサンゼルスを目指して走っていた。
数時間前までは全く見ず知らずの他人同士だ。
建築家のピーターは仕事で訪問していたアトランタからロサンゼルスに帰るところだった。
俳優としての成功を望んでハリウッドに向かうイーサンは父親の葬儀を済ませた帰りだ。
空港での出会いは、イーサンにとって最悪のシナリオの始まりだった。

いろいろあって飛行機に乗れないことになったピーターが困り果てていると、同じように
搭乗を拒否され、レンタカーで西に向かおうとするイーサンが通りかかった。
「乗って行け」と誘われたピーターは、あまりにも第一印象が悪かったため迷った挙句に
助手席のドアを開けて乗り込んだ。
帝王切開による妻の出産が迫っているという、背に腹は代えられない事情があったのだ。

こうして、3200キロの珍道中が始まった…

コメディとして秀逸です。腹の皮がよじれるほど笑う場面はありませんが、“くすぐられる”
ところはいやというほどあります。自分が同じシチュエーションに置かれたら…と考えた
ときのなんとも言えないおかしさがたまりません。脚本家がうまいと思います。
一種のロード・ムービーです。STOPのたびに描かれるエピソードが全部面白いです。
絶対、ごらんなさい、とは言いません。時間があるときに見ることをお勧めします。
損はしないはずです。ハハハ。


「愛する人」90

ほとんど寝たきりの母の面倒を見ながら介護士として働くカレン(アネット・ベニング)は
自分でも“つき合いにくい”人間だと自覚していた。14歳の時に産んだ子供をすぐ養子に
出さなければならなかった遠い過去とつながっているのだ。

弁護士として成功し、大きな事務所に迎えられたエリザベス(ナオミ・ワッツ)には、いつも、
どこか満たされない思いが付きまとっていた。そのストレスを発散するため、目いっぱい
仕事に打ち込んだあと、“行き当たりばったり”の情事に走ることもあった。

遠く離れた土地で暮らしながら、互いを想う母と娘…
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これも脚本がいいですね。
会話の一つ一つに味があります。話す人の個性や性格がにじみでています。
若年出産や養子縁組が珍しくないアメリカならではの話なのでしょうが、日本人が見ても
それほど苦労せずに感情移入ができます。


80 武士の家計簿 江戸時代の終わり、代々、そろばんで藩主に仕える武士がいた
85 髪結いの亭主 唐突なプロポーズから始まった結婚生活は幸せに満ちていた…
85 アンストッパブル 暴走する列車を止める手立ては次第に少なくなっていく
85 デザート・フラワー 砂漠から生まれたスーパーモデルが抱えるトラウマとは?
90 ソーシャル・ネットワーク 学生仲間が立ち上げたサイトが大成功を収めた!
80 しあわせの雨傘 夫の病気がきっかけで経営者になった平凡な主婦が目覚めた
80 僕と妻の1778の物語 がんに侵された愛妻のために毎日一篇の小説を書き続けた夫
75 犬とあなたの物語 作者の意図がよく分からないオムニバス 子供には理解不能?
85 デュー・デート爆笑はしないものの、くすくす笑えるシーンは多い 秀逸コメディ
90 愛する人 14歳のときに生み養子に出した娘を想う母 娘もまた… 心にしみる一作 

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by toruiwa2010 | 2011-02-11 15:35 | 映画が好き | Comments(0)
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「僕と妻の1778の物語」80

朔太郎(草彅剛)と節子(竹内結子)は人もうらやむ夫婦だった。
ある日、節子が突然の腹痛に見舞われて病院に行った。“虫垂炎”の疑いで手術が行われ、開腹すると、腹部全体に広がるがんが見つかった。
「なおりますよね?」と、すがるように尋ねた朔太郎に医師は告げた。
「病気の進行が早く、1年先のことを考えるのは難しいと思います」

朔太郎はSF小説を書く作家だった。
「楽しいことを考えなさい。笑うことで免疫力が上がることがあるから」という医師の
言葉を信じて、朔太郎は、妻のために毎日、短い小説を書くことにした…
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実話に基づいた夫婦愛の物語は見る者の胸を打ちます。しかし、2時間19分は長い!
物語の中心は、妻を深く愛し、とてつもない集中力で一日も休まずに小説を書き続けた
朔太郎の献身にと、読むことを何よりの楽しみとしながら病気と闘う節子です。
ほかには何もありません。その部分を丁寧に描くだけでこの映画は成立し、優れた作品に
なったと思います。

しかし、制作者はそれだけでは“足りない”と感じたようです。朔太郎が書いた幾つかの
小説を映像化していますが、違和感がありました。長く感じたのはそのせいでしょう。
致命的なのは、訪ねてきた集金人が実はタコだった、という話以外は面白くないことです。
つまり、違和感があるし、そのために長くなったし、面白くない…足を引っ張っています。

竹内結子は最近見た映画・ドラマの中では最も好感が持てました。
草彅は演技プランを間違えたような気がします。朔太郎が“少年の心”を持っているのは
事実でしょうが、演じ方が幼すぎて、わざとらしく見えています。
演技とわざとらしさは紙一重ですが、失敗したように思います。


「犬とあなたの物語」75

冒頭に、観客たちはいくつかのごく短いエピソードを見せられることになります。
楽屋落ち的なもの、意味不明なもの…そして、いきなり、どーんと“重い”テーマを持つ
1時間近い物語と向き合わされます。
私には、この映画の制作者の意図がよく分かりません。
どう考えても、一番、見てほしいのはこの話なのです。
それなら、それだけで映画を作るべきです。
「犬とあなたの…」と言いながら、肝心のこのエピソードでは、犬と人の“かかわり”が
それほど重要だと思えません。

しかも、この話が終わったと思うと、また別のショート・ストーリーがあとに続くのです。
子供づれが何組かいました。たぶん、途中で、母親は「あれ?」と思ったでしょう。
かわいそうに、“肝心”の物語が子供には理解しにくいのです。
せっかく、大森南朋と松嶋菜々子の共演を楽しもうと出かけたのにがっかりしました。
そう、裏切られたのは子供だけではなかったのです。ハハハ。


「デュー・デート」85

ピーターとイーサンが乗った車が一路、ロサンゼルスを目指して走っていた。
数時間前までは全く見ず知らずの他人同士だ。
建築家のピーターは仕事で訪問していたアトランタからロサンゼルスに帰るところだった。
俳優としての成功を望んでハリウッドに向かうイーサンは父親の葬儀を済ませた帰りだ。
空港での出会いは、イーサンにとって最悪のシナリオの始まりだった。

いろいろあって飛行機に乗れないことになったピーターが困り果てていると、同じように
搭乗を拒否され、レンタカーで西に向かおうとするイーサンが通りかかった。
「乗って行け」と誘われたピーターは、あまりにも第一印象が悪かったため迷った挙句に
助手席のドアを開けて乗り込んだ。
帝王切開による妻の出産が迫っているという、背に腹は代えられない事情があったのだ。

こうして、3200キロの珍道中が始まった…

コメディとして秀逸です。腹の皮がよじれるほど笑う場面はありませんが、“くすぐられる”
ところはいやというほどあります。自分が同じシチュエーションに置かれたら…と考えた
ときのなんとも言えないおかしさがたまりません。脚本家がうまいと思います。
一種のロード・ムービーです。STOPのたびに描かれるエピソードが全部面白いです。
絶対、ごらんなさい、とは言いません。時間があるときに見ることをお勧めします。
損はしないはずです。ハハハ。


「愛する人」90

ほとんど寝たきりの母の面倒を見ながら介護士として働くカレン(アネット・ベニング)は
自分でも“つき合いにくい”人間だと自覚していた。14歳の時に産んだ子供をすぐ養子に
出さなければならなかった遠い過去とつながっているのだ。

弁護士として成功し、大きな事務所に迎えられたエリザベス(ナオミ・ワッツ)には、いつも、
どこか満たされない思いが付きまとっていた。そのストレスを発散するため、目いっぱい
仕事に打ち込んだあと、“行き当たりばったり”の情事に走ることもあった。

遠く離れた土地で暮らしながら、互いを想う母と娘…
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これも脚本がいいですね。
会話の一つ一つに味があります。話す人の個性や性格がにじみでています。
若年出産や養子縁組が珍しくないアメリカならではの話なのでしょうが、日本人が見ても
それほど苦労せずに感情移入ができます。


「白夜行」85

土砂降りの雨だった。
廃ビルの一室で男の死体が発見された。質屋を営む被害者には妻と小学生の息子がいた。
夫婦仲がうまく行っておらず、妻には若い愛人がいると近所でも評判だった。
被害者が頻繁に通っていた母子家庭が捜査線上に浮かんだ。生活に疲れた母と向上心を
持つ利発な小学生の女の子だった。
その母親と被害者の妻の愛人に疑いの目がむけられたが、二人は別々の“事故”で死亡し、
事件は終わったものとされた。

最初から捜査に関わっていた所轄署のうだつの上がらない刑事・笹垣潤三(船越栄一郎)は
腑に落ちないものを感じて、その後も地道に事件を追っていた。
定年後も事件のことが頭を離れない笹垣は“捜査”を続け、意外な事実にたどり着く。
何のつながりもないように見えた容疑者の娘・雪穂(堀北真希)と被害者の息子・桐原亮司
(高良健吾)の間には、実は強いきずながあったのだ…

東野圭吾の作品をドラマや映画にするとき、制作者たちは“ていねい”に作ろうとする
傾向があるようです。結果として、長くなります。この映画も例外ではありません。
この映画の場合、少し長すぎるように思います。
にもかかわらず、少年と少女の間に強いきずなが生まれた経緯、少女がどんな過程を経て
変貌して行ったのか、夫はなぜ“腑抜け”状態になってしまったのか…などが十分には
描かれていません。ただし、「悪人」よりは高く評価します。

好みの問題でしょうが、堀北真希がミスキャストに思えます。この映画のミステリアスな
部分をぐいぐい引っ張って行く魅力に欠けています。
“拾いもの”は船越栄一郎でした。周囲の白い目をまったく意に介さず、愚直に事件を
追うベテラン刑事を見事に演じていました。
これまで、たくさんの作品で彼を見ましたが、飛びぬけていいと思いました。
単なる“崖っぷちデカ”ではないようです。ハハハ。

80 僕と妻の1778の物語 がんに侵された愛妻のために毎日一篇の小説を書き続けた夫
75 犬とあなたの物語 作者の意図がよく分からないオムニバス 子供には理解不能?
85 デュー・デート爆笑はしないものの、くすくす笑えるシーンは多い 秀逸コメディ
90 愛する人 14歳のときに生み養子に出した娘を想う母 娘もまた… 心にしみる一作
85 白夜行 接点がないはずの容疑者の娘と被害者の息子… 意外な事実が隠れていた

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by toruiwa2010 | 2011-02-07 07:07 | 映画が好き | Comments(3)