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岩佐徹のOFF-MIKE

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実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

<   2011年 09月 ( 32 )   > この月の画像一覧

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「リメンバー・ミー」85

1991年。
地下鉄ブルックリン駅のプラットホームで母親と10歳ぐらいの少女が電車を待っていた。
10メートルほど離れたところに2人の若者がいて 様子をうかがっている。やがて1人が
親子の横を通って階段の方に消えて行った…と思った瞬間、残った1人が親子に近づき、
もう1人も戻ってきて同時に母親に飛びかかった。
指輪まで奪った若者たちは入ってきた電車に乗りこむ。ホームから茫然と見つめる母親。
一度 閉まったドアが開いたとき、若者の拳銃が火をふき、母親はその場に崩れ落ちた。

10年のときが過ぎた。
大学のキャンパスでアリーが車から降りるところをエイダンとタイラーが見つめている。
彼女を見るのは初めてだったが、車を運転している父親らしい男には見覚えがあった。
街で喧嘩に巻き込まれ、誤解から逮捕されたとき 2人をボコボコにした警察官だ。
エイダンは「仕返しに娘をナンパしてやれよ」とタイラーをけしかける。

アリーは 10年前に母親を殺された少女だった…
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幼いころに母親を失い 父親との2人暮らしを続けているアリーですが、大学生になった今、
その父親との関係は微妙です。
ナンパに成功したタイラーも数年前に仲のよかった兄を失っていました。その後 両親が
離婚すると、一家はバラバラになりました。人生の目標も定まらぬまま大学に通うものの、
腕利きの弁護士である父親とは最悪の状態です。

二つの家族はそれぞれの問題を抱え、際どいバランスの上で生活しているように見えます。
家庭の問題や人物像の描き方が少しパターン化されすぎている点はマイナス材料ですが、
全体としての出来は悪くありません。物語が1991年に始まり、10年後のある日 終わる…
そこがポイントです。“余韻”が残るエンディングがうまいと思いました。

関東では伊勢丹近くのシネマート新宿で少なくとも10月7日までは上映しています。


「スリーデイズ」80

深く愛しあっている教師・ジョンとララの夫婦にはルークという子供が一人。
幸せに満ちた一家に突然“不条理”が襲いかかる。
ある朝、荒々しく玄関のドアを叩いたのは逮捕状を手にした警察だった。ララに殺人の
容疑がかかっているというのだ。家族にとってはあり得ない話だったが、目撃者がいて
凶器と思われる消火器から指紋が採取されるなど、証拠は完璧に揃っていた。
3年が過ぎ、妻の無実を信じるジョンは追いつめられた。裁判が進み、終身刑は動かないと
知ったジョンは捨て身の“計画”を練り始めた…
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それまでの生活では無縁だった犯罪に手を染めることのなる夫と、身に覚えのない罪に
問われて生涯を塀の中に閉じこめられる運命を背負った妻。切羽詰まったジョンの行動は
誰にでもできるものではないのですが、ラッセル・クロウならやれそうな気がするから
妙なものです。ハハハ。
彼と、ララを演じるエリザベス・バンクス、2人の魅力がこの作品を支えています。


「アンフェア」80

篠原涼子を初め、今回も豪華キャストによるこの作品には両極端の評価がありそうです。
低評価があってもおかしくありません。私は2時間近く楽しんだので80点をつけます。
プロモーションでは「誰を信じていいのか分からない」と若い女性が言っていますが、
終盤のどんでん返しの連続は“イタズラ”が過ぎる…という感じです。
しかも、警察が命をかけて守らなければならないほどの秘密は最終的にどうなったのか、
よく分からん。この作り方だと「…と思われたが」と“知らぬ顔”でまったく違う展開に
持ち込めますから。ハハハ。
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「探偵はBARにいる」80

いたるところに“ほころび”が見える作品です。ハハハ。
ヒロイン役の小雪…どうなんでしょうねえ。一番大事なキャスティングだと思いますが、
私はもう一つ魅力を感じませんでした。
その意味では、80点はつけすぎかもしれません。しかし、大泉洋が予想以上にいいんです。
ただし、アメリカのハードボイルドに出てくるタイプの探偵を気取っているのでしょうが、
とてもその域には達していません。しゃれたつもりのセリフが上滑りしてます。ハハハ。
そこが改善されると、シリーズ化も考えられるのではないでしょうか。

大泉と松田龍平のハーモニーが“相当”いいです。
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85 リメンバー・ミー 設定や人物が類型化されすぎている点はあるものの全体はグッド
80 探偵はBARにいる 大泉頑張り松田グッドだがしゃれたつもりのセリフが空回り
80 アンフェア 前作を見ないと守らなければいけない秘密の正体が不明なのは不親切
80 ミケランジェロの暗号 ユダヤ人画商と秘密の名画 都合良すぎる展開に無理がある
80 スリーデイズ 殺人罪に問われた妻の無実を信じる夫が最後の手段として企てた脱獄

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by toruiwa2010 | 2011-09-30 07:57 | 映画が好き | Comments(2)
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男性の系譜を書いた以上、女性も書かないわけにはいきません。

…そうは言っても、考えてみると、子供のころにNHKのラジオで男性アナウンサー、特に
スポーツ・アナウンサーの活躍を聴いていましたが、女性アナウンサーについての記憶は
ほとんどありません。少なくとも、誰もが覚えているような番組で司会などを務めた人は
いなかったと思います。
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資料が少ないので ネットで「女性アナ 草分け」をキーワードにして検索しました。
自分で“女性アナの草分け”と名乗る元テレビ東京のアナウンサーが見つかりましたが、
テレビ東京が「東京12チャンネル」として開局したのは1964年ですから、あからさまな
“虚偽申告”ですね。ハハハ。
それなら、もっと立派な実績を残した女性アナを知っています。

当ブログで一度、取り上げたことがある野際陽子です。
はい、若い方は女優としての彼女しか知らないでしょうが、もともとはNHKのアナで
のちにTBSに移って活躍しました。最初に名前が知られるようになったNHK女性アナは
彼女かもしれません。1958年のNHK入局で、TBS移籍は1962年です。

大物・高橋圭三の独立が同時期でしたから騒がれませんでしたが、男性アナの方は
木島則夫、小川宏と、立て続けに民放に引き抜かれていく中、とても珍しい 女性アナの
移籍だったのです。
立教の1年先輩に元ニッポン放送の東海林のりこがいますから、アナウンサーとしての
草分けではないにしても“美人女性アナの第1号”は間違いないと思います。ハハハ。
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ただし、野際陽子は、今、どの民放テレビにもいる“カワイ子ちゃん”タイプではなく、
いかにもNHKらしい、知性的で少し冷たさを感じさせる美人アナでした。
彼女についての詳しいことは…→ http://bit.ly/hDHohH

実は、私が入社したフジテレビのアナウンス部には河原幾子という大先輩がいました。
ラジオから移ってきた女性ですが、大正生まれ(!)で、アナウンサーになったとき、すでに
お子さんがいたと聞きました。戦争中のラジオからも女性アナの声が流れていたような
記憶もあるので微妙ですが、年齢だけを考えたら 河原先輩が日本放送史上に燦然と輝く
“最古参”の一人かもしれません。ハハハ。

野際陽子についてもNHK時代にはそれほど際立った活躍をしていた記憶はありません。
当時は、NHKでも女性アナを大きな番組で起用することはほとんどありませんでした。
少しずつ画面に登場するようになっていた民放に対して、ブラウン管に顔を出している
NHK女性アナの姿はまぶたに浮かんでこないのです。

NHKで野際の次に名前が上がるのは加賀美幸子でしょう。私と同じ1963年の入局です。
女性としては少し低い声でゆったりとしたナレーションが得意でした。
おそらく、NHKの倉庫には彼女がナレーターを務めたテープが何百本もあるでしょう。
私は 今にも息絶えるのではないかと思わせる発声法が好きではなく、アナトレなどでも、
「あれをいいと思っても、決して真似をしないように」と話していました。
1980年代の後半に、夜7時のニュースに抜擢された森田美由紀がまったく同じ発声法を
しているのを見てビックリしました。
ま、NHKについては常に厳しい私がどう思うかに関係なく、一般視聴者の評価は2人とも
とても高かったようですから、気にもならないでしょうが。ハハハ。
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1960年代のラジオで印象に残っているのは「誰かとどこかで」という番組で、永六輔と
コンビを組んだTBS・遠藤泰子です。技術ではなく、声質と柔らかい話し方が魅力的で、
永との呼吸もぴったり、聴取者のハートをつかんでいました。
男性ですが、数年後に、やはり永六輔の番組で“発見”したのが、同じTBSの久米宏です。
スタジオの外からのリポートが担当でしたが、目のつけどころが面白く、言葉の選択にも
独特のものがあり、その頃から“光って”いました。

ラジオの時代には声がすべてでしたし、役割も限定されていました。
映像を伴うテレビの登場で女性アナに求めるものが少しずつ変化しはじめました。
思い出すのは、私が入社したとき、2年先輩だった豊原ミツ子です。
開局5年目のフジテレビでは数少ない高視聴率番組だった「ザ・ヒット・パレード」で
“アナウンサーらしからぬ”しゃべりや振る舞いでお茶の間の人気者になっていました。
断定はできませんが、たぶん、日本のテレビ界で“タレント的”な扱いをされた第1号の
女性アナウンサーは彼女だったと思います。

ただし、自分たちを当てはめて考えると、当時の採用基準はかなり“ゆるい”ものでした。
男女とも、成績は“中の上”以上、“普通の容姿”で きれいな発音・発声ができそう…
きっと、そんなところだったでしょう。
(テレビの将来が約束されたものではなかった頃の話と思って読んでください。ハハハ。)
つまり、70年代前半ぐらいまで、何人かの女性が活躍できたのは そんな基準をクリアした
局アナの中に独特の才能を持った人がいた という、“偶発的”なものだったのです。

時代とともに、局は 初めから“テレビ的な才能”に狙いを定めて採用し始めます。
時期的には80年代後半でしょうか。
フジテレビに八木亜希子、河野景子、有賀さつきが入った1988年が“女子アナ元年”だと
よく言われます。“容姿と腕”を両方備えていたのは八木だけでしたが、3人揃ったことや
同じ年、日本テレビに永井美奈子、関谷亜矢子が入ったので目立ったのでしょう。
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実際には、彼女たち以前にも 宮崎総子(フジ)、楠田枝里子(日テレ)、田丸美寿々(フジ)、
小宮悦子(テレ朝)、木村優子(日テレ)…と、世間の注目を集めるアナがいました。
ただし、ここに名前を挙げた女性たちが担当したのは報道・情報系の番組でした。
もちろん、それぞれに容姿端麗の女性ばかりでしたが、“88年組”と比べると採用時の
局の基準が違うと思っています。

そして88年組が人気になったのを見て、各局が 見た目がかわいい女子学生を優先的に
採用するようになりました。“女子アナ・ブーム”が始まったのです。
局としても、バラエティ系の番組が増えた結果、司会者やメイン・キャスターの横にいて
進行をスムーズにする女性が必要になったという事情もあったと思います。
タレントを使えばいいじゃないか、とおっしゃるでしょうね。それが、シロート…ハハハ。

「あの程度なら私にだってできるわ」と思っている人が何百、何千万といるはずです。
やってみれば分かりますが、口で言うほど簡単じゃありません。訓練を受け 経験を積んで
初めてできるのです。高島彩を絶賛するのは難しさを知っているからこそです。
可愛い“だけ”の女性タレントでは務まりません。“だから”、“女子アナ”だったのです。
可愛いくて頭の回転が速いタレントがときどき出てきますが、長続きしません。
たぶん、“効率”が悪いのでしょう。事務所がソロバンをはじきますからね。ハハハ。


今回は、ラジオの時代から女子アナ・ブーム到来までを駆け足でたどりました。
はなはだあやしくなっている記憶と、ときおり、確認のためにWikipediaをのぞくだけで
書きましたから 間違いや抜けている人もいるでしょう。皆さんの頭の中で補ってください。

近未来ならぬ“近過去”から現在に至る流れについてもできるだけ早く書くつもりです。
少し時間をください。

敬称略

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by toruiwa2010 | 2011-09-29 10:01 | アナウンサー・実況 | Comments(9)
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とても、センスがいいとは言えませんが、着るものを買うのは大好きです。
でした…と言うべきかもしれません。最近は、下着など ごく限られたもの以外に、新しい
衣類を買うことはほとんどなくなりました。
根が好き…ですから、現役を辞めた直後は 収入がなくなったことを忘れてデパートなどで
売り場を通ると ついつい手が出てしまったものです。特に、ブレーキをかける妻が横に
いないときはどうにもなりません。
紙袋を手に帰宅すると、よく言われました。「買った分だけ捨ててください」。ハハハ。

初めて“ダンシャリ”という言葉を耳にしたとき、どこの国の言葉かと思いました。
ダンはおそらく“断”だろうと思い、“シャリ”を含む言葉とつなぎ合わせた造語だろうと
思いましたが、見当はつかぬまま…当然、意味など まったく分かりませんでした。
“銀シャリ”(白いご飯)なら知ってるけどなあ。ハハハ。

私はまだのんびり構えていますが、妻はゆったりしたペースながら“ローゼンセイリ”を
始めています。“老前整理”…つまり、死を迎える前に身辺を整理することを指しています。
本も出ています。世の中には“老前整理コンサルタント”と称する方がいることを知って
ビックリしました。
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広い意味での“身辺整理”には金銭関係や交友関係(若い時なら異性関係…ハハハ)なども
含まれますから大変ですが、私の場合は“文字通り”の身の回りの整理もできていません。
部屋の中はできるだけすっきりさせておきたいと考えているのですが、片づけても わずか
2,3日で元の状態に戻ってしまいます。
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妻は昔から整理整頓が好きでした。
フジテレビ時代の私はそれなりに“顔出し”の仕事もしていましたから 着るもがやたらに
多くて大変でしたが、工夫することを楽しんでうまく整理してくれました。
いくつかの雑誌から取材されたこともあります。

洋服などを収納しているのは押し入れのようですが、そうではありません。
「中は自分で“加工”するので」と、スペースだけを作ってもらったものです。あとの
“細工”は大工仕事が好きな妻がやりました。我が家で引っ越しが決まると、荷造りは
ほとんど彼女がやります。私は自分の関係のものだけを箱に詰めればいいのでこんなに
楽なことはありません。結婚後9回に及んだ引っ越しがまったく苦にならなかったのは
そのせいです。ハハハ。
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さて、“断・捨・離”です。
もう、何年も着ていないジャケットやパンツが何着もあります。袖を通さないシャツも
数え切れないほどあります。この夏も、ほとんどポロシャツしか着ませんでした。
ハンガーにぶら下がったままひと夏が過ぎた半そでシャツを来年は着るか?と聞かれたら、
答えに窮します。どうしましょうか。ハハハ。

別に“あふれて”いるわけではありませんから、そのままにしておいても生活の邪魔には
なりません。きっと、“断・捨・離”がうまくできない人の多くの環境も同じなのでしょう。
自分で言うのもなんですが、一番ダメなのは「いざとなれば すぐにでも片づけるさ」と、
どこかで考えていることです。「じゃあ、やれよ」の声が聞こえる。ハハハ。

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by toruiwa2010 | 2011-09-28 09:01 | 岩佐徹的考察 | Comments(8)
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野球の豊田泰光、先日、“最後の”解説をしたテニスの柳恵誌郎、サッカーの加茂周…
それぞれの分野で立派な実績を残し、引退したあとも解説などで活躍した“先輩”たちを
心からリスペクトします。
同業では、元NHKの岡田実(故人)、元ニッポン放送の深沢弘両アナでしょうか?

面識はありませんし、申し訳ないことに書いたものをきちんと読んだ記憶もないのですが、
サッカー記者の“大先達”、賀川浩さんについても、いつも、心のどこかで深い敬意を
払っていました。86歳で、今もご健在と聞きます。
私などは60代から“老害”呼ばれましたが、この方についてはそういう話を聞きません。
記者として日本のサッカー・ジャーナリズムをリードして来た人ですから当然でしょう。
権威的存在には拒絶反応が出てしまう私ですが、“別格”です。
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朝日新聞夕刊に連載記事「ジャーナリズム列伝」があり、先日、“「基準」は釜本”という
見出しとその隣に賀川浩の名前を見つけたとき、「もしかして…」と思いました。
釜本についてずっと考えていたことが、この一流記者と一致しているのか…

産経新聞記者、賀川さんが釜本邦茂(現・日本サッカー協会顧問)のプレーを初めて見たのは
釜本が京都・山城高校1年のときだったそうです。
<<<大柄ながら、球を受けるときの体のバランスが美しいフォワードがいた。1年生の
釜本邦茂だった。「何か異質なものが日本サッカー界に現れたという不思議な感覚だった」。
賀川の第一印象だ。>>>

<<<賀川にとって、ストライカーの基準は釜本なのだ。昨夏の南アフリカW杯で活躍した
本田圭佑にしても「体は強いけど、足は釜本より遅い」。世界の一流選手に取材しても、
無意識に比べてしまう。W杯を取材しても「このチームの前線に釜本がおったら、どない
なるかな」と考える癖がついた。>>>

<<<(釜本の引退試合に寄せた惜別の文)「…釜本に匹敵するプレーヤーの出現も、あるいは
メキシコ五輪以上の強力チームが現れるのも遠くはないだろう。しかし、ストライカー
釜本邦茂は二度とみることはできない」>>>

<<<(釜本引退から27年の現在)「釜本を超える点取り屋なあ。まだ、誕生しとらんな」>>>

…この日の記事を読みながら、いったい何度首を縦に振ったでしょうか。
サッカーに関して、これほど“禿同”(はげどう)、つまり、“激しく同意”できた記事は
初めて読んだかもしれません。ハハハ。
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早稲田の学生だったころ呼ばれていた代表でのプレーからしか見ていませんが、やはり
特別な選手でした。
当時と今では、当然、チームの戦術も選手のプレースタイルも違いますが、チーム内の
“存在感”が飛びぬけていました。日本人離れした身体能力も圧倒的な決定力もまわりの
選手と大きな差がありましたから、どこに行っても“untouchable”の存在でした。

センター・フォワードとしてトップの位置で常にボールを要求していました。
たぶん、彼の頭の中には“守備”に2文字はなかったと思います。
自分で「今だ」と思う瞬間にボールが来なければ、両手を広げて“あからさまな”不満の
ゼスチャーをしていたものです。ハハハ。
8割、9割が年上の記者たちとのやりとりでも傲慢・不遜の態度に終始していましたから、
能力は認めつつ 反発する記者も大勢いました。

しかし、決定率の高いシュート力は認めないわけにはいきません。
ペナルティ・エリア周辺でボールを持てば、DFのマークを外して右足を振ってボールを
ネットに叩きつけていました。支えたのは圧倒的な体力です。
そのころの日本人としては“規格外”の体でした。日本サッカー界を盛り上げるために
企画されたポスターで披露した後ろ姿のヌードは大評判になりました。このとき40歳!
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ムキムキの筋肉が近代サッカーに向いているかどうかは別にして、当時の釜本は世界を
相手にしても体負けしませんでした。全盛期の奥寺康彦を一回り大きくした感じです。
相手は相当のプレッシャーを受けているように見えました。
よく思い出すのは、ボールを持った釜本とDFが向き合ったときの光景です。
ボールが釜本の50cmほど前にあって、足はボールに触っていない状態でも、相手DFは
なかなか飛び込めませんでした。飛び込めば、抜かれることを知っているからです。
触れていないボールを完全に“支配”していることがよく分かりました。

高校時代から“お山の大将”でしたから、周囲、特にマスコミとの応対に問題があって、
とやかく言われることがあり、ナビスコ・カップの取材で監督・釜本に話を聞いたことが
ありますが、実に“嫌な感じ”でした。
しかし、それはそれとして、私も 日本のサッカー史上最高のストライカーは釜本邦茂だと
固く信じます。サッカー人気が盛り上がっている今この時代に彼がプレーをしていたら…
と思うオールド・ファンは多いはずです。
同時に、一度でいいから 海外のクラブチームでプレーさせたかったなあと心から思います。

賀川さんが言う通り 釜本以後に彼を上回る選手は出ていません。
アルゼンチンにメッシのような選手が、ポルトガルにクリスチャノ・ロナウドのような
選手が出てくることはありそうな気がします。しかし、残念ですが、日本に釜本邦茂を
超える選手が出現する可能性は 将来的にもないのではないでしょうか。
よほど、条件が揃わなければ あれほどの選手が誕生するのは難しいと言わざるを得ません。

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by toruiwa2010 | 2011-09-27 08:19 | サッカー | Comments(6)
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大相撲 終わる
1月以来の東京場所となった大相撲9月場所はなかなか面白かったですね。
千秋楽まで優勝争いをした琴奨菊や稀勢の里といった関脇陣を初め 多くの日本人力士が
頑張ったせいかもしれません。暗い話が続いた相撲界ですが、来場所以降に明るい材料が
見えてきたような気がします。
ただし、“満員御礼”が出た日も空席が見えていました。人気がすっかり戻ったわけでは
ないでしょう。くれぐれも、日本勢の頑張りが“一場所限り”でないことを祈ります。
ハハハ。

白鵬が 節目となる20回目の優勝を飾りましたが、終盤の相撲は危なっかしいものでした。
横綱でも大関でもない相手に連敗したことなど、過去にあったでしょうか?
優勝を決めた日馬富士との一番を横綱らしい相撲で締めくくれてよかったです。
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10日目までの相撲は本当に安定していました。しかし、NHKのアナウンサーはちょっと
誉めすぎたんじゃないでしょうか。「そんなに誉めて大丈夫か?」と突っ込んでいましたが、
その通りになってしまいました。だから言わんこっちゃない。ハハハ。
相撲内容には不満があったものの、この人の 相撲に取り組む姿勢にはいつも感心します。
この日も、「君が代」に合わせて口が動いていました。彼を見ていると、外国人力士という
雰囲気が薄いですね。それだけ、日本文化に溶け込んでいる様子がうかがえます。
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あらかじめ 決まっていたことでしょうが、自分の相撲が終わったあとも 通路で この日を
最後に引退する立行司・木村庄之助が戻ってくるのを待っていました。
いくら一門の行司で、入門のころから世話になったと言っても、あれほど温かい振る舞いは
なかなかできるものではありません。気持ちの優しい白鵬らしさを見た思いです。
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落合 中日を退団
今シーズン限りで落合博満が退任すると聞いてビックリしました。
初めは、「…ではないか」というスポーツ紙の“飛ばし記事”だろうと思いました。
ほんのわずかな手掛かりをヒントにして 無責任なことを書くだけ書いて、事実と違っても、
「…かと思われたが」と、“知らん顔”で自分たちが間違ったと認めないのは決して珍しい
ことではありません。彼らの顔面の皮膚は我々の想像を絶するほど厚いのです。ハハハ。

「契約書通り。この世界はそういう世界」…落合はそう話したそうです。
彼の言う通りです。プロ野球、契約とはそういうものなんですから ごちゃごちゃ言っても
意味はありません。落合は意味のないことをする男ではありません。
彼自身は、たぶん 恨んでもいなければ、怒ってもいないと思います。談話通りでしょう。
2007年の日本シリーズで完全試合目前の山井を交代させて批判されましたが、私は断固
落合を支持しました。あのとき 決断のベースにあったのは「野球はどのように戦うべきか」
だったはずです。合理的なんです。
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球団はアホです。
“中継ぎ登板”でしょうが、後任に高木守道を据えるという発想が“アホ”の理由です。
誰が見ても、落合は監督として結果を出してきました。球団はファン・サービスについて
不満があったに違いありません。しかし、高木で変わるのでしょうか?
プロ野球で監督が求められるサービスとは“勝つこと”、“優勝すること”でしょうに。
ファンに愛想よくして人気を得ても、勝たなければ文句を言うに決まっています。
その“勝てる”監督の契約を更新しない。アホとしか思えません。

安定感があった梨田監督を“切った”日ハムにもまったく同じことが言えます。
今の日本球界を見渡しても、実績を残せる監督は決して多くありません。
落合博満は57歳ですか。ほしがる球団はあるはずです。
彼にとっても、気力・体力が充実した状態で監督がやれるのはあと4,5年でしょうから、
来シーズン、他球団のユニフォームで指揮をとる彼の姿が見られるかもしれません。
ま、彼のことですから、その前にCSで結果を出すことでしょう。 

日ハムにしても中日にしても…ついでに菅にしても(ハハハ)退陣や交代を発表する時期が
悪すぎますね。


史上初…じゃないんだ
昨日の朝日朝刊のスポーツ面を何気なく眺めているとき、妙なものに出くわしました。
中日・ヤクルト戦を伝える記事に添えられた写真です。
私の眼には「何かがおかしい」と映りました。“すわり”が悪い、“たたずまい”が変…
とにかく、いつも見慣れているのと“形”が違ったのです。

…写真のキャプションに原因がありました。
太字で「サヨナラ負けを喫し引き揚げるヤクルト林昌勇」とあるのは“普通”です。
しかし、そのあとに普通の活字で「=日刊スポーツ」と続いているではありませんか!
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こんなキャプションを見たのは初めてでした。
天下の朝日新聞が、セ・リーグの首位攻防戦にカメラマンを送らなかった? あり得ん。
デスクが忘れた?カメラマンが急病?ネガ・フィルムを紛失?…どれも考えにくいです。
これは“珍事”でしょう。

…と思ったのですが、今朝の紙面を見ると ナゴヤドームの写真には“恵原弘太郎撮影”の
キャプションがありました。「やれやれ 昨日はカメラマンが手配できたんだ」と思いつつ、
更にスポーツ面をよく見ていくと Kスタ宮城の楽天戦や柏で行われたサッカーの写真には
やはり“日刊スポーツ”の文字が添えられていました。

“経費削減”の4文字が頭に浮かびました。“苦境”が図らずも露呈したのです。ハハハ。
テレビは ずいぶん前から試合に関しては中継の映像を使い、独自カメラは1台しか球場に
派遣しないようになっています。新聞にも同じことが起きているようです。
朝日は“グループ”の日刊スポーツから写真を借りるシステムにしたのでしょう。
同じような関係にある 読売と報知、毎日とスポニチ、産経とサンスポの間でもこのような
システムが構築されているのでしょうか?

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by toruiwa2010 | 2011-09-26 09:29 | スポーツ全般 | Comments(9)
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スポーツ実況は95%、あるいは それ以上がアドリブです。
私は99%でしたし、昨日の船越アナの場合、試合に入る前は
60%ぐらいまで下がっていたかもしれません。
昔にくらべると、今のアナウンサーは、放送開始の部分の
コメントに“凝る”傾向が顕著です。
ベテランから若手まで、話すことを事前に用意しています。
私は「作文コンクール」と名付けましたが。ハハハ。

「メキシコの青い空が・・・」by 山本浩アナ(NHK) 2002.12


サッカー・ファンでNHKの山本浩アナを知らない人はいないでしょう。今、全国のアナの
中でもサッカー実況暦は 金子勝彦さんについで古く、歴史に残るビッグ・ゲームを数多く
手がけています。
中でも、1985年10月26日、国立競技場で行われた'86メキシコ・ワールド・カップの
アジア東地区予選、日本-韓国戦冒頭のアナウンス、
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「東京千駄ヶ谷の国立競技場の曇り空の向こうに、メキシコの青い空が続いているような
気がします」…は今もサッカー・ファンの耳に残る名実況として記憶されているようです。
実は、Soccer Clickのインタビューに出ている“新しいプロデューサーが「感動した」と
私に話した実況”がこれだったのです。

その試合が行われた日、フジのスポーツ部で“くすぶって”いた私は、テレビを見たのか
どうかもハッキリせず、まして、このコメントについては記憶がありませんでした。
テープを借りて聴いてみると、用意された言葉だと分かりましたし、“ありがちな表現”で
たいした感銘は受けなかったのです。

不遜に聞こえたらお詫びします。ただし、アナウンサーが他人の実況を聞く時は、かなり
気持ちが冷めていますから、その点を割り引いて読んでください。
多くの若者が、この言葉に感動した事実はあるわけですから、その意味では「そのとき、
その場面を共有しているもの同士」の気持ちを“ひとつ”にしたものとして、また 船越の
“シドニー五輪“実況の対極にあるものとして、高い評価を受けても当然だと思います。

山本アナは、2002ワールド・カップでも、用意したコメント(書いたものを読んでいたのか
どうかは分かりませんが)をアナウンスしています。

日本-ベルギー(BSハイビジョン)
「4年前のあの日が、昨日のことのようです。1400日をまたいで、
かすかな負い目と、それを上回る自信を私たちは胸のうちに秘めてきました。
いま、ここに再び立ち上がる時がやってきました。
第一戦の相手はベルギーです」

決勝・ドイツ-ブラジル(BSハイビジョン)
「魂のドイツ、技のブラジル。世界を代表するつわものが、初めて
あいまみえる時を迎えました。実力、風格、プライド。
すべてを自らのものとする両雄の戦いです」
「胸高鳴るとき、声高まる一瞬。ワールド・カップが始まって
72年目にして、この対決の幕が切って落ちようとしています」

いずれも、アドリブだとは思えません。かといって、きちんと書いたものを読んだのかと
聞かれると、それもはっきりとは分かりません。
はじめの文章は、「自信が負い目を上回る」、その自信を「私たちは胸に秘めてきた」など
首を傾げたくなるフレーズがあって、完成度が低いと思います。そして、最後の文章では
「幕が切って落ちる」と言っていることに戸惑います。
「幕が切って落とされる(始まる時)」、あるいは、「幕が下りる(終わる時)」は聞きますが、
「切って落ちる」は一度も聞いたことがないような気がします。

私は、コメントを用意する場合でも、文章の最後の部分はわざと完成させません。
こうすると 本番の時に、アドリブ風のしゃべりになります。彼も同じことをやろうとして
最後がおかしくなったのかもしれないと推察しています。

重箱の隅をつついてケチをつけようというのではありません。実はここ数年の山本アナは、
「何か人と違ったことを言おう、表現をしよう」、「うがった見方をしよう」と考えすぎて、
センテンスがうまくまとまらないことが多いと感じていました。本人もさぞ辛いだろうと
同情してしまいます。視聴者の期待にこたえようとする結果だと思うからです。
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決勝の時に、国歌が終わり、スタンドの歓声がおさまったところで言った一言、「ドイツも
ブラジルも、この一瞬に、体の中にひとつ芯が入ったようなことになったでしょうか?」
あたりにも、そういうことを感じます。「…入ったように見えます」なら分かりますが、
これでは文章になっていません。
放送の冒頭での一言は、視聴者も期待しているのですから、いいとしても、実況部分に
ついてはもっと“さりげない”方が聞きやすいのではないでしょうか。

そういう意味では、いまのNHKで私が一番聞きやすいのは野路アナです。
知識をひけらかすことなく、解説のフォローもうまいですし、事実を丹念に追う実況は
ファンの中でも評価が高いようです。
ただし解説者の話に、もう少し“反応”してほしいと思います。
この点は、局によって教育の仕方が違うようで、ある民放局では「お前が先に納得して
どうする。『なるほど』とか『そですね』は言うな」と教えるようです。
そして、NHKを聞いていると、早野宏史さんの駄洒落を無視するのは当然として、やはり、
「反応するのは視聴者」という教育を全員が受けているとしか思えません。

フジテレビ時代、特に何も言われなかった私は、自然体で臨むことにしています。つまり、
人は会話をする時にどうするかをベースに対応しています。
井戸端会議の女性のようにいちいち相槌をうったのではうるさいでしょうが、少なくとも
半分は、自分の問いかけに対する答えなのに、相手の話にまったく反応しないというのは
どうなんでしょうか。“人として”などとは言いませんが。
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もちろん、放送席では、うなずいたり、目で「聞いていますよ」と知らせていることは
想像できます。しかし、画面に顔が出ていないスポーツ実況の場合、視聴者に届くのは
音声だけですから、ものすごく不自然に聞こえます。
我が家では、妻が「あらあら、(解説者が)また置いてきぼりかしら」と、よく言いますが、
そう感じる方はきっと多いと思います。

解説者を紹介した時に「よろしくお願いします」、最後に「ありがとうございました」を
言うか言わないかも、局によってまちまちです。別に統一する必要もないでしょうが、
「言わない派」の理由は「内輪のことで、視聴者は関係ないことだから」が多いようです。
「なんだかなあ」と思います。「視聴者は無関係」だとは思いませんし、むしろ代表して
挨拶するのは、普段の会話でも当たり前のことですから、私は言うようにしています。
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すこし話がそれてしまいました。予定稿の話に戻りましょう。
私は、船越アナや山本アナのような、国民全体が関心を持つようなビッグマッチの経験が
ありません。最大のものが1996年、2000年のユーロ決勝でしょうが、そのときでも
「サッカー・ファンの皆さんご機嫌いかがでしょうか」で始めています。
よほどのことがない限り、テニスなら「テニス・ファンの皆さん…」、ゴルフなら「ゴルフ・
ファンの皆さん…」に変わるだけです。
そして、いよいよ決勝の日を迎えたこと、対戦カードを言ったあとは、解説者を紹介して
「わくわくしますねえ?」などと渡してしまうやり方です。

WOWOWの場合、私たちがしゃべりだす前に、あらかじめ作ってある、その試合を盛り
上げるためのビデオ(“アバン”といいます)が出ることが多いことも理由のひとつです。
さんざん、あおったあとでまたあおってどうするんだ…と考えるわけです。
ただし「ワールド・カップの決勝でも同じか?」と聞かれると考えてしまいます。

ビッグ・イベントになると国際映像がベースになります。そして、映像配信が始まって
○○秒後に会場名、○○秒に対戦カード、さらにメンバー表という具合に、固定された
タイミングでスーパーが出てきますから、それにある程度合わせるとなると、コメントを
用意することが必要になります。
それでも私は、30秒、40秒の原稿を作ることはないでしょう。おそらく、解説者と事前に
話し合って、「ここでこう聞きますから、10 秒ぐらいでよろしくお願いします」という
やり方を選ぶと思います。

ビッグ・ゲームを担当するアナウンサーなら誰でも、なんとか印象的な言葉を残したいと
考えるものですし、視聴者は「感動したい」と、それを待ちかまえているわけですから、
よほど安っぽい言葉でなければ、受け入れてもらえるでしょう。しかし、だからと言って、
すべてのアナウンサーが山本流をはじめたらウンザリしませんか?

私は、10年ほど前に「スポーツの感動は、プレーそのものの中にあるのだから、言葉で
飾るのはやめよう」と決めましたので、今後もこのスタイルで行くつもりです。


“サッカー実況のカリスマ”とwikipediaにも書かれている
山本アナについてクレームをつけるのは私ぐらいでしょう。
怖いもの知らず…。ハハハ。
ファンが多いですから お叱りも覚悟して書きました。
たまたまですが、この3日間で取り上げたアナたちはすでに
実況の舞台を去っています。そう言えば、私も。ハハハ。

書いたのが2002年でしたし、スポーツ実況のあるべき姿を
話すとき“反面教師”として取り上げざるを得なかったのです。
ご容赦ください。

来週のアーカイブで取り上げるのは 用意しなくても、素直で
素朴な言葉にこころ打たれることがあるという例です。
ご期待ください。ハハハ。


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by toruiwa2010 | 2011-09-25 09:29 | 放送全般 | Comments(8)
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“慎重で安全第一”のNHKに対して “楽しませよう”と
考えてしまう民放…“性格”の違いもあるためでしょうが、
残念なことに ビッグ・イベントで問題実況が生まれるのは
圧倒的に民放の方が多いですね。
今日の記事で取り上げた実況は、サッカー・ファンなら
きっと、記憶の中にあるはずです。



*シドニー五輪サッカー 1次グループ第1戦 日本対南アフリカ
ユース時代から一緒に戦ってきたメンバーで組んだシドニー・オリンピックの代表には、
大きな期待がかかっていました。
そして、この試合を担当した日本テレビ・船越アナウンサーの実況は、おそらく日本の
スポーツ放送史上もっとも物議をかもしたものとして記憶に残る事になりました。
放送開始からのアナウンスはこんな感じでした。
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「南半球キャンベラは春を迎えたばかり、標高500メートルにあるこの街では夜はまだ
コートが必要です。しかし、1980年1月に日本の大平総理から贈られたという桜はいま
ちょうど満開、あたかもサッカーの新たなる歴史の始まりを祝うかのようです。1957年、
陸上競技場として完成したキャンベラ・ブルース・スタジアム、今回、そのトラックを
取り払ってスタンドを増設。いっぱいに入った日本の観衆が今や遅しと両チームの入場を
待っています」
<37秒+11秒のダマリ>
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「1936年、ベルリンオリンピック、学生主体の日本は、なんと優勝候補のスウェ-デンに
逆転勝利。ベルリンの奇跡と呼ばれる、日本サッカーの国際デビューでした。
そして、'96年アトランタ、日本はサッカー大国ブラジルに1対0。60年ぶりの快挙は、
マイアミの奇跡と言われました。そして迎えた 2000年のシドニー・オリンピック、いま
ピッチに向かう、史上最強の名をほしいままにしているこの日本イレブンが決勝トーナ
メントに進み、そしてメダルを獲得したとしても、もう誰も奇跡とは言えません。
予選リーグ突破は彼らに課せられた義務であり、そしてメダルは、確固たる目標なのです。
さあ両チームのイレブンがピッチに入ってきます」
<ここは55秒>

しゃべり始めてから選手入場に至る実況です。じつは、東京のスタジオから受け取った
直後にも、およそ40秒の予定稿(あらかじめ用意されたコメント)がありました。
放送のはじめの部分はきっちり決めたいと考えて、そのためにコメントを用意することは
ほとんど誰でも一度は試したことがあると思います。しかし、これだけの量の予定稿は
ちょっと珍しいでしょう。
私の経験からすると どんなにさりげなく、アドリブっぽく言おうと努力しても、予定稿は
どうしても「読んでしまう」ものです。長くなればなるほど その傾向は強くなりますから、
どれかひとつにして、あとはポイントだけをメモにしておいたほうがよかったと思います。

「いま感じていることを素直にしゃべっているな」と思うのと「これは前もって考えて
あった言葉だろう」とでは、視聴者の胸への響き方が相当違います。まして読んでいると
分かってしまうのはまずいでしょう。

日本の同点ゴール
前半31分先取点を許した日本はロスタイムに入った直後中村俊輔のFKを高原がヘッドで
決めて同点としました。
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「さあ、前半ロスタイムに入って日本、これが最後のチャンスでしょうか。
中沢 上がってきた。(主審の笛、キック)ボールを入れる。ゴール前だ。いいボールだ。
シュート、ゴール、ゴル、ゴルーーーーー。<トータル14秒> 日本、ロスタイムに同点。
高原、ついにゴールの枠を捕らえました。日本、同点。素晴らしいフリーキック、そして
高原ドンぴしゃり」

勝ち越しゴール
同点で迎えた後半34分 中田から高原に絶妙なパスが渡ってゴールが生まれます。

「―――――ヒデ。中村がもう前にいます。高原に渡った。高原ァー。 (ボールがゴール・
ラインを越える前から)ゴール、ゴル、ゴル、ゴルーーーーー。高原2点目、日本、逆転」
<最初の「ゴール」から28度目(?)まで13秒>
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…多くの視聴者の間で拒絶反応が起きたのも、仕方がないと思います。
船越アナは、野球などで経験を重ねたアナウンサーですから、こういう実況が全視聴者に
受け入れられるとは考えていなかったはずです。その意味で、当時言われていた“確信犯”
呼ばわりは、言葉はきついものの、当たっていると思います。
問題は、どのくらいの割合で共感を得られると思っていたかでしょう。
あえてやったところを見れば、「半数以上」と、考えたのではないでしょうか? 
私の常識では「10%以下」ですから隔たりすぎていて途方に暮れてしまいます。

前にも書いたとおり 視聴者に媚びる必要はありませんが、同時に“その時、その場面”は
アナウンサーが独占しているのではなく、視聴者と共有していることを忘れてはいけない
でしょう。その共有している瞬間を楽しみ、喜びをどう分かち合うかを少しでも考えれば、
落としどころは自然に決まってくるはずですけどね。

いったい、どうしちゃったんだ!?
どんなに興奮しても、“発作的に”あんな実況が
できるわけはありません。 
同業者の私でさえかなり驚きました。ハハハ。
船越アナは、すべてを承知の上でやったのだと
思います。放送史に名前を残そうと初めから
考えていたのでしょう。まさに“確信犯”です。

ご存知の通りの事情で画面から消えました。
視聴者から“奪った”喜びの瞬間は返さぬまま。


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by toruiwa2010 | 2011-09-24 07:37 | 放送全般 | Comments(8)
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土日・休日はアーカイブを更新しています。
アーカイブ…と言えば、かっこいいですが、はっきり言って
古い記事ですから、読む人の数はガクンと減ります。ハハハ。
しかし、いくつかのカテゴリで、皆さんの関心が高いものが
あります。その一つが“実況”に関するものです。

今週から 当面は実況を中心にアナウンサー、言葉、テレビ…
について書いた記事を読んでいただこうと思います。
まずは、私の本「WOWOWの岩佐ですが なにか?」から
3人のアナの実況を“批判”したものです。
ファンの方もおいででしょうから、反発もあると思いますが、
そうぞ、お手柔らかに。ハハハ。

テレビで人気のアナたち (「WOWOWの岩佐ですが なにか?」から)2002.12


…ここで、いま活躍中のほかのアナウンサーたちについて、少し書いてみたいと思います。
現役のアナウンサーが同業者についてとやかく言うのは、おそらくタブーなのでしょう。
しかし、これから書くのは単なる批判ではなく、やっかみでも当てこすりでもないことを
はじめにお断りしておきます。ご本人たちは、すでに名前も実力もある方々ですから、
もしこれを読めば「あなたには言われたくない」というお気持ちでしょうが、まったく
そのとおりです。
ただ、アナウンサーを志していたり、今、アナウンサーであったりする若い方の参考に
なればと思ってこの本を書きました。それぞれのファンの方たちのお叱りを覚悟して。

*古舘実況は現代の講談?
テレビ朝日のプロレス中継で名をあげ、フリーになってもその多才ぶりを発揮している
古館伊知郎さんを“スポーツアナ”と考えるのは、あるいは失礼なのかもしれません。
彼にとっては 対象がたまたまスポーツなのであって「すべてはエンターテインメント」と
とらえているフシが感じられるからです。

局アナのしゃべりに納得しないプロデューサーたちが、フリーになった彼に、F1、競輪、
水泳、マラソンなどの実況を頼んだのも理由がないことではないでしょう。
実力はもちろんのこと、話題性、インパクトなどで1%でも高い視聴率をと考えるのが
プロデューサーですから。
2001年は世界水泳(テレビ朝日系)、世界陸上のマラソン(TBS系)と続いたこともあって
私も古館実況に注目しました。
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世界水泳の800メートル自由形決勝の実況を部分的に抜き出してみるとこんな感じです。

選手入場
「まさに記録の狩人、メダルの遠洋漁業だ、イアン・ソープ」

コース紹介
「水のジェノバサミットが開催されます」
「4コース、オーストラリアのイアン・ソープ、18歳。
水ごろもの兵士、ユニセックスの人魚。この男です。」
「水の中ではこのテフロン加工のグラディエーター・スーツ、陸の上ではアルマーニ、
ころも替えいたしましたイアン・ソープ。クラウチング・スタイル。
4コース、5コースの戦い」

スタート
「さあ、プールの一輪挿しだあ! ドルフィンキックから一気に水面上に浮上しました」

150のターン
「ソープがグライドして行く、博多グランブルー」

250
「水の招き猫、ソープ、千客万来といったところだ。キックはご存知、シックスビート。
そして残りの200から100メートル、ここでターボ・エンジンを搭載しているソープの
生身の足ヒレ、35センチ」
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500手前
「ソープとハケット、オーストラリア大陸の両雄(僚友?)が、この人工の湖に潮流を作って
海に変えて行こういうところ。ほぼ一線に並んでおります。向かって右にハケット、左に
ソープ。ソープのグラディエーター・スーツに水の粒子、それが溶け込んでいるか」

550-600
「ソープが若干出たかに見えます。
4コース 向こう側のソープが若干ハケットを抑えたかに見えますがどうでしょうか。
ワンストロークずつ、ワンブレスごとに、次元の違う記録のヒガン(彼岸または悲願?)へと
向かうのか。ソープじわじわと出てまいりました」

700
「さあ、ここからソープが出るか。ソープのスパートか。水の特待生、ソープ。
さあ、ソープが出てまいりました。水中四輪駆動全開か。エラのない魚類と化したか。
さあ、750のターンが近づいてまいりました、ソープ。ソープがとるのか、最後のターン。
ソープがとったあ! ソープ、世界新! おのれの記録更新に向かって行く。
いま、渋谷の地べたに座っている18歳の若者もいるゥ。そして、世界記録へ向けて黙々と
泳ぐ、この18歳もいます。どちらも自分の在り処(ありか)を探しているゥ。
さあ、ソープが体ひとつハケットに差をつけたァ。世界新! 世界新への予感、ソープ。
なんと夢の39秒台。7分39秒16、夢の39秒台。ハケット敗れました」

…耳で聞いた感じと文字にしたものとではだいぶイメージが違いますが、どちらにしても
ファンにはたまらないであろう独特の“古館ワールド”が展開されています。
違和感の無い方はテレビの前で大いに盛り上がれたことでしょう。
そして、“現代の講談”として聞けば、立派なエンターテインメントになってはいると思う
のです。しかし、多分、年令的なことや、自分がごくオーソドックスなアナウンサーで
あることが関係しているのでしょうが、正直いって私には結構、苦痛がありました。

まず、なんといっても面食らうのは、途切れることがない形容詞、修飾語句、修辞語句の
連続です。ピタリとはまるものあれば、何の脈絡もなく無理やり押し込んだものもあって、
一つ一つ反応していたら疲れてしまいます。
特に「渋谷の地べたに」からのコメントには、驚きのあまり声もでませんでした。
もちろん、本人や、支えている作家軍団が、これは“エンターテインメント”としての
言葉遊びであって「すべて、意味が通じなければいけない」などと考えていないことは
理解もできます。

それでも、WOWOWで放送して好評の「トーキング・ブルース」のように、はじめから
「虚」の世界を構築するのと違って、普通にしゃべっていても、そこに感動やドラマが
生まれる可能性のある、世界トップ・レベルのスポーツの場にこれを持ち込まれるのは、
相当“つらい”ものがあります。

彼の才能に異を唱えるつもりはまったくありません。
新しいものに挑戦する姿勢、その際の勉強のすごさなどは、うわさとしてあちこちから
耳に入ってきますし、私自身も素晴らしいと思っています。
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実は、'88年に私がF1のプロデユーサーになったときに、担当ディレクターが真っ先に
言って来たのが「古館さんを実況に使いたい」だったのです。私は、すぐに却下しました。
ヨーロッパではF1が文化としてとらえられていると聞いていましたし、彼のしゃべりは、
フジがとらえているF1のイメージにふさわしくないと判断したからです。しかし、すでに
書いた通りの事情で、私が番組を離れると、それを待ちかねたように、次のシーズンから
“古館のF1”はスタートしました。

すると、視聴率は上がったのです!
考えられるのは、もともとの彼のファンや「古館がしゃべるF1ってどうなんだろう?」と
思った人たちが見始めたということで、彼が新しい視聴者をひきつける要素になったのは
確かなようです。

…となれば、数字がすべてのいまのテレビの世界で 制作者が確実にその数字をもたらす
素材に頼るのは当然かもしれません。
しかし、何でもかんでもとなるとあまりにも安易ではないでしょうか。それに古館節は、
彼にしかできないとは思いますが、同じようなタイプがあと一人、二人出てきた日には…。

そんなことばかり言っていると、彼の声が聞こえて来そうな気がします。
「おっとォ、とめどない“高齢化社会”の一角に我とわが身を半分つっこんで、やれ、
言葉遊びに過ぎないだの、やれ、言ってる言葉に意味がないだのと嘆き、挙句の果てに、
スポーツの感動に水をさされるのはつらいなどと、明らかに、生命力の衰えを示す言葉を
吐いている64歳がいるゥ。そしてテレビの前には、現代の語り部、私が紡ぎだす言葉を
聞いて総身を震わせて感動する若者もいる。さあ、そろそろ答えてもらう時が来たようだ。
聞くのか若者たち。聞かぬのか岩佐?」って、まさかね。

「トーキング・ブルース」は、他を寄せ付けない領域に達していて いいんですけどね。

今の若者たちは古舘がアナウンサーだったことはもちろん、
フリー・アナとしてバラエティの司会をしていたことも
知らないのでしょうね。
すっかり、「報道ステーション」のキャスターとして
“正義の味方”ブロが板についてきました。
私は彼のスポーツ実況が“トラウマ”になっているのか
よほどのことがない限り、21時54分にテレ朝を見ることは
ありません。ハハハ。

敬称略


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by toruiwa2010 | 2011-09-23 09:34 | 放送全般 | Comments(15)
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7月期のドラマがほぼ終了しました。
収録してあとで見たものも含めるとこのクールは
全部で8本のドラマを見ました。
多すぎます。「もう、いいんだけどなあ」と思いつつ
見てしまったものもありますから、半分、“中毒”に
なっているのかもしれません。
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今期の視聴率ランキングはこうなっています。
ただし、どういうわけかここに含まれていない
「新・警視庁捜査一課9係」が視聴率15.8%で
前シリーズに続いてダントツでした。

岩佐流の採点で高得点だったものから“まとめ”を書いておきます。


90「それでも、生きてゆく」フジテレビ 瑛太、満島ひかり、大竹しのぶ、時任三郎

15年前に起きた殺人事件にかかわった加害者と被害者の家族の物語です。
いじめや無言電話などの嫌がらせを受けながら、懸命に絆を保とうとする加害者の家族と
癒えることのない深い悲しみを引きずり、加害者の少年だけでなく その家族への憎しみを
忘れることができない被害者一家…
それぞれに大きな傷を受けた二つの家族は15年後の今も立ち直れずにもがいています。
その中で加害者の妹と被害者の兄が出会いました…
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文句なしに今期No1のドラマだったと思います。
重いテーマゆえに 視聴率は低かったのですが、熱烈に支持する人は多かったようです。
大竹、時任、風吹ジュン、柄本明、風間俊介、小野武彦…キャスティングが完璧でした。
しかし、このドラマの成功は 瑛太と満島が素晴らしい演技を見せたことによるものです。
部分的に“無理な”セリフはあったものの、渾身の演技でした。
満島はこれまでも活躍していますが、もっと脚光を浴びていい女優ですね。

いまのテレビでこれだけ質の高いドラマが見られたのは“奇跡”かもしれません。
少しほめすぎかもしれませんが、そう言いたくなるほど、お手軽、安直なドラマが大手を
振ってゴールデンに流されています。大人の鑑賞に耐える作品を作る腕も自信もないから
フジテレビを初め、各局が韓国ドラマを流して“お茶を濁す”ことになるのでしょう。
あちらの質が高いからではなく、金がかからないから。ハハハ。
いいドラマを作るのは、いい脚本と、スタッフとキャストのドラマにかける熱意でしょう。
特に、“熱意”は見る者に必ず伝わります。この作品がいい例だと思います。


90「下町ロケット」WOWOW 三上博史、渡部篤郎、寺島しのぶ、池内博之

宇宙開発に携わって挫折を経験した男が父のあとをついで町工場の経営者になり、
再び、宇宙への夢を抱きます。しかし、その前途には幾つもの試練が待っていました。
ロケット・エンジン開発のカギを握る特殊バルブの特許を取得しますが、大企業の横暴に
振り回されます。特許侵害の訴訟を起こされて財政面で苦境に追い込まれるのです。
しかし、別れた妻の親友の助けで裁判は勝訴、仕事面では 紆余曲折の末、心が通じ合う
大企業の幹部と力を合わせて純国産ロケットの打ち上げを成功に導きました…
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WOWOWには「空飛ぶタイヤ」という名作がありますが、直木賞作家・池井戸潤の原作、
「空飛ぶ…」の脚本・監督コンビによるこの作品もよくできていました。
「それでも…」と同じように、かかわった人たちの熱意が伝わってくるとともに、丁寧に
作られていることが分かります。WOWOWドラマの良さはその一点にあると思います。

裁判やロケット製造などの過程を初め、部分的に少し急いだ印象があります。せっかくの
ドラマですからもう1~2話多くてもよかったのではないでしょうか。
三上、渡部、池内はWOWOWファミリーと呼んでもいいほど 多くの作品に出ていますが、
3人ともいい演技だったと思います。地上波ドラマへの露出が少ないのがいいです。
前期はテレビ朝日で刑事をやっていたのに、今期は日本テレビで殺人犯…というのでは
視聴者が混乱します。ハハハ。

25日にスタートする「死刑基準」も楽しみです。


85「新・警視庁捜査一課…」テレ朝 渡瀬恒彦、井ノ原快彦、羽田美智子、津田寛治

何が幸いするか分からないものです。
前シリーズ終盤の刑事たちの“コミカル”な動きで気持ちが冷めてしまい 今回はパスする
予定でしたが、たまたま1回目の日に見たいものがなかったので見たところ、“なんか”
面白かったのです。体調がよかったのかもしれません。ハハハ。
登場人物はほとんど変わっていません。所属部署や役職が少し変わっただけです。
その結果、それぞれの人間関係に変化が出ていました。
ケミストリー…つまり、いい“化学反応”が生まれたのだと思います。

次のシリーズも間違いなく見ます。我ながら大変な変わりようですね。ハハハ。
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80「チームバチスタ3」フジテレビ 伊藤淳史、仲村トオル、高橋克典、小西真奈美

病院内で起きた殺人事件を田口・白鳥コンビ(伊藤、仲村)が鮮やかなチームワークで
解きほぐしていきます。相変わらず面白いです。
ただし、決着を含めて“無理やり感”が漂うシチュエーションが多すぎるなあ。
仲村トオルが出ているだけで5点は上乗せされていますが、最終回で5点下がりました。

いい加減でマンネリに陥ってもおかしくないところを脚本の妙が救っています。
今回 新たに加わった小西(法医学者)と高橋(警察庁)のからませ方がうまいと思います。
特に、小西はいいアクセントになっていました。
TKO・木下隆行と加藤あいを登場させたのは“サービス”だったのかもしれませんが、
どうせなら もう少し長く見せてほしかったなあ。なぜか 木下が好きなんですよ。ハハハ。


80「ブルドクター 」NTV 江角マキコ、石原さとみ、稲垣吾郎、志田未来

反発しあいながら、どういうわけか息が合う法医学者・大達珠実(江角)と若いキャリア
刑事・釜津田知佳(石原)が協力して本当の死因を突き止めます。
4年ぶりのドラマ復帰で江角が張り切っている様子がよく伝わってきました。
大達が釜津田を呼ぶときの「カマツダーっ!」が耳についてはなれません。この役名を
考えついた脚本家(プロデューサー?)は天才かも。ハハハ。

それにしても、「新・警視庁…」を除くと、これがトップか。
だったら「絶対零度」でもよかったのに。フジだからじゃなくて上戸彩だから。ハハハ。
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80「陽はまた昇る 」テレ朝  佐藤浩市、三浦春馬、池松壮亮、六角精児、真矢みき

佐藤浩市が扮した警察学校の教官と三浦や池松ら 生徒のふれあいを描いた物語でした。
遠野の同期、捜査一課長の六角精児が少し“デフォルメ”した演技を見せていました。
この役者、なかなかあなどれません。大いに気に入りました。ハハハ。

いろいろあったあと、最後に遠野が学校に戻りましたから、シリーズ化するのでしょう。


75「胡桃の部屋」NHK  松下奈緒、竹下景子、蟹江敬三、原田泰造

しあわせな家族だったはずなのに、父親のリストラをきっかけに ガラガラと音を立てて
壊れて行きました。
向田邦子原作らしい筋立てでした。そして、いい役者が揃っているように見えました。
滑り出しも悪くないと思いましたが、全体を通して見ると、何か“釈然”としません。
向田作品ということで期待が膨らみ過ぎたのでしょう。

どこにも”破たん”が見えない作りは、残念ですが“さすがはNHK”です。ハハハ。

1回目を見たあと、そう書いたのは撤回です。ハハハ。

先週から始まった「ラスト・マネー」の方がはるかに面白いです。


70「ジウ」テレ朝 黒木メイサ、多部未華子、伊武雅刀、北村有起哉

収録して、時間があるときに見ましたが…
最初に書いた通り、やはり、黒木メイサと多部未華子にはあまり魅力を感じません。
ええ、深夜なのに平均で8.47%をマークしたのは、2人のファンが大勢いる証拠でしょう。
なにしろ、私は吉永小百合も苦手ですから。変わり者なんで、ご容赦を。ハハハ。


以下は、1~2回でギブアップした作品です。採点不能です。

「バラ色の聖戦」テレ朝 吹石一恵、芦名星、滝沢沙織、要潤

吹石一恵が出るので楽しみにいていたのですが、“無理”でした。ハハハ。

「ドン・キホーテ」 日テレ 松田翔太、高橋克実、成海璃子、松重豊、内田有紀

1回目の20分ぐらいでギブアップ。今期の最短記録でした。ハハハ。

「全開ガール」フジテレビ  新垣結衣、錦戸亮、竹内力、薬師丸ひろ子

新垣結衣だけが楽しみでした。彼女はいいのに“作り”がダメでした。

「絶対零度」フジテレビ 上戸彩、桐谷健太、杉本哲太、北大路欣也

「ブル…」と激しく“トップ”争いをしましたが、見続けることはできませんでした。
上戸彩をもっと生かしてほしいとひたすら願います。
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「華和家の四姉妹」TBS  観月ありさ、貫地谷しほり、川島海荷、吉瀬美智子

1回で“終了”。なぜ、このドラマが11.51%もとったのかさっぱり分かりません。
私の眼にはTBS看板の時間枠が泣く内容でした。

うーん、too much ですねえ。“罰ゲーム”みたいです。ハハハ。
一息つく間もなく、もう、次のラインナップが待ってます。
しかも、“とりあえず”を含めて10本ぐらいありそうなんですよ。
どうしよう。ハハハ。


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by toruiwa2010 | 2011-09-22 09:10 | ドラマ | Comments(10)
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震災を受けて開幕が遅れた日本プロ野球は10月中旬までペナント・レースが続きますが、
3月31日にスタートしたメジャーは最終局面に入っています。
タイガースとフィリーズがすでに優勝を決めたほか各地区ともに数学的な可能性を除くと
大勢が決した感があります。ただし、アメリカン・リーグの東西両地区は1-2位の差が
5ゲームですが、今日からの3日間で1,2ゲーム詰まると、最後の6試合が再び面白くなる
かもしれません。
また、各地区2位の中で最高勝率を残したチームがプレーオフに進出できる“ワイルド・
カード”争いは両リーグともに接戦になっています。最終日まで盛り上がりそうです。
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日本野球界で“知将”と呼ばれたのはたぶん三原脩監督が初めてでしょう。
巨人を追われる形で西鉄ライオンズの監督になり、野武士集団を率いて日本シリーズで
その巨人に3年続けて(1956-58年)勝ち、見事“男”になりました。
川崎球場で王がライト“場外”にホームランを打った翌日「ああいうのを見ると、野球も
“個人技”ですなあ」など 彼の言葉には含蓄のあるものが多かったのですが、その一つに
「ゲーム差というのは10ゲームで1ゲームしか詰まらないもの」があります。
つまり、3ゲーム差をつけられたら、追いつくのに30ゲームかかる、という意味です。
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…30年ぐらい前まで、日本野球の感覚はたぶん、そんなところだったのです。
いまは、チームもファンも、もっとぎりぎりまで粘るし 決してあきらめません。
一方、メジャーでは、私がフォローし始めた1970年代でさえ、最終週を3,4ゲーム差で
迎えたら「逆転のチャンスは十分」という感覚でした。
最後の最後で逆転が見られるのがメジャーの楽しさでもありますね。その意味で、今年は
最終週にスリルが少ない 珍しいシーズンと言えるかもしれません。

初めてメジャーを放送した1978年、フジテレビではヤンキースとドジャースの試合を
多めに取り上げました。当時の日本で 最もよく知られた球団でしたから当然でしょう。
どちらも前年の優勝チームでしたが、ヤンキースは低迷状態が続き、7月19日終了時点で
首位 レッドソックスに14ゲーム差をつけられての4位でした。

BOS 62-28
NYY 48-42  -14.0G

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しかし、162試合が終了したとき、両チームは全くの同率で並んでいました!
ヤンキースが残り72試合を 51勝21敗、7割8厘という高い勝率で乗り切ったからです。
レッドソックスとの1ゲーム・プレーオフの末 地区優勝を果たしたヤンキースは、勢いに
乗ってワールド・シリーズまで制してしまいました。
追うヤンキース、逃げるレッドソックス…本格的にメジャーを見始めたその年に目撃した
ニューヨークの興奮とボストンの失意は忘れがたいものになっています。
国技、“National Pastime”はこうありたいものです。

個人成績ではいくつかの部門で最後までつばぜり合いが続きそうです。
注目は ケガのために15試合も欠場したアルバート・プホルスが、主力打者のステータス、
“300-30-100”に届くかどうかです。
2割9分9厘  36本塁打  96打点 (現地19日終了時点)

ホームランはすでにクリアしています。彼の力から、“残り9試合で4打点”もそれほど
難しいとは思いません。問題は打率ですが、きわめて微妙です。
10年連続で達成してきただけに、ファンもチームも後押ししたいと思っているはずです。
“悩ましい”のは カージナルスがワイルド・カード争いで2位につけていることです。
仮に、1試合を残して100打点に届いた、しかも、打率も3割を超えた…さあ、どうする?
ブレーブスと1ゲーム差だったり並んでいたりしたら、休ませるわけにはいきません。
目が離せますか?ハハハ。
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1976年、日本プロ野球 セントラル・リーグの首位打者は中日の谷沢健一でした。
それも最終日に逆転で!!
先にシーズンを終えていた張本勲(巨人)の首位打者は動かないと思われていましたが、
最終戦の谷沢は4打数で3安打を放ち、わずか“1毛差”で首位打者になったのです。
日本シリーズに備えて 多摩川で練習をしていた張本がこの知らせを受けたときの表情は
忘れません。好打者だとは認めても「逆転されたことは納得できない」と読めました。
“八百長”だったとは言いませんが、張本嫌いが多かった野球界で、何らかの“人情”が
働いた可能性は否定できません。ひそかに手を叩いた記者は多かったはずです。ハハハ。

シーズン末になったとき、日本野球ではしばしば“珍妙な”采配が見られます。
プホルスほどの“偉大な記録”でなくても、個人タイトルを取らせるために 監督が選手を
休ませたり、途中で出したり引込めたり…と、いろいろ“便宜”をはかるのです。
メジャーではあまり聞きません。
ただし、アメリカン・リーグの首位打者争いでこんなことがあったのは知っています。
これも1976年の出来事だったのは“奇遇”です。ハハハ。
激しいタイトル争いは最終戦までもつれ込みました。それも、ロイヤルズvsツインズで
両チームから2人ずつ4人の選手が直接対決することになったのです!

前日までの4人の成績はこうでした。
.33078ハル・マクレー(ロイヤルズ)
.33073ジョージ・ブレット(ロイヤルズ)
.32945 ロッド・カルー(ツインズ)
.32484ライマン・ボストック(ツインズ)


これでは、誰も休めません。ハハハ。

最低でも4安打が必要だったボストックが早々と脱落したあと、カルーは4打数2安打、
.331でシーズンを終えました。
マクレーとブレットは譲りません。2人とも3打数2安打で 9回の最終打席に決着を
持ち越すことになったのです。

結果を先に書くと、3番ブレットはレフトへのランニング・ホームラン、4番マクレーは
内野ゴロ…わずか1厘差でメジャー2年目のブレットが逆転で首位打者になりました。
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…私が書くのですから、これで話が終わるわけではありません。ハハハ。

ご存知の方も多いでしょうが、ブレットは白人、マクレーは黒人選手でした。
試合のあと、マクレーは「いま始まったことではないけど、これは人種差別だ」と不満を
ぶちまけました。
球場で見ていた人にはうなずける話だったようです。
ロイヤルズはすでに地区優勝を決めていました。ツインズの3位も確定していました。
5-2とツインズがリードしていましたが、この試合の勝敗はほとんど意味がなかったのです。
その割には、ブレットが打席に立ったとき、レフトのスティーブ・ブライの守備位置が
深かったこと、走り出すときにためらったこと…など不可解な点はあったのです。

それでも、自分がヒットを打てば再逆転できたマクレーですが、結果は内野ゴロ…1塁で
アウトになったあと、ツインズのベンチに向かって“放送禁止用語的”なゼスチャーを
したそうです。ハハハ。
目の前で 彼には平凡なフライに見えた打球がレフトの3~4メートル前に落ちてヒットに
なったのですから、気持ちは分かります。
ブライがキャッチしていれば、その瞬間にタイトルが確定したはずなのに…。

この件では、同じチームで中軸を打つ当事者同士の間には“わだかまり”がまったく
なかったと聞いてほっとした記憶があります。
ブレットは「タイトルをマクレーを分け合いたい」と話したこともあるそうです。

・イチローが199安打で最終打席を迎える場面を見たかったです。
3塁線のバント・ヒットを狙うかどうか…大いなる関心があったのですが、完全に可能性が
消えてしまったのは残念です。

朝日新聞に「ニュースが分からん!」という記事あり。
“(残り9試合で25安打)1試合平均2.78本のペースで打つ必要がある。
相当厳しい数字だ”と書かれていた。(今朝)

これを書いた記者の頭の中が分からん!ハハハ。


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by toruiwa2010 | 2011-09-21 10:17 | メジャー&野球全般 | Comments(2)