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岩佐徹のOFF-MIKE

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実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

<   2013年 01月 ( 27 )   > この月の画像一覧

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01/23のツイート

オバマ大統領の就任式で歌ったビヨンセが
“口パク”だったと一部で話題になっているらしい。
そうなんじゃないの。前回、ヨーヨー・マの演奏も
事前録音だったはず。
あちらのミュージシャンはなかなかライブでは
やらない印象がある。
それより「レ・ミゼラブル」、本当に現場収録か?

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大統領の就任式典で国歌「星条旗よ永遠なれ」を歌う…たぶん、それはサッカーの
代表戦で「君が代」を歌うのとは比べ物にならないほどの名誉だろう。
バラク・オバマの2期目の就任式で“歌った”のはビヨンセだったが、歌唱中から
“口パク”疑惑は始まっていたと言う。“ビヨンセゲート”だそうな。ハハハ。

“疑惑”を生んだのは歌っている彼女の口元がいかにも心許なかったからだが、
各局はニュース番組でも「歌ったのか、歌わなかったのか」とうるさかった。
…CNNが「彼女はナマでは歌わなかった」ことを式典関係者が認めたと報じた。
ワシントン入りが遅れ、海兵隊音楽隊との“音合わせ”の時間が取れなかったため、
彼女自身が事前収録のものを使うことに決めたのだと言う。
よく分からないのは、歌のパートだけを別録りして、海兵隊の生伴奏と合体させて
流したという点だ。歌に合わせて伴奏をつける…ど素人が歌う酒場でピアノ伴奏を
つけるのとはわけが違うと思うのだが。ハハハ。

海兵隊によると、大統領就任式の音楽は極度の寒さや予期せぬ事態に備えて事前に
収録するのは普通だそうだ。この日のワシントンの気温は摂氏5度だった。
2009年にはチェロのヨーヨー・マとバイオリンのイツァーク・パールマンの演奏が
寒さと風のために事前収録したテープに合わせてのものだった。
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ちなみに、“口パク”の英語はlip_sync(くちびる合わせ)と言う。
口パク以外にも“リップ・シンク”はある。
テニス中継などで海外に行ったとき、機材のセッティングを終えた若い技術さんが
カメラに向かって手を叩き、そのあと口を大きく開けて「パ・ピ・プ・ペ・ポ」と
大声で叫ぶところを収録している光景に出くわす。
衛星回線が通じると、収録したテープを流す。宇宙空間の衛星に当たって東京の
スタジオに届いたときに音声と映像にズレがないかを確認するのだ。


01/24のツイート

アルジェリアのテロで命を落とした日本人の
名前を報道することについてメディアが
叩かれている。破廉恥罪の容疑者でも、
暴行された女性でもない。このバッシングは
よく分からない。家族へのインタビューは
不要だと思うし火だるまの犬の映像を流すのは
問題にしても。


この問題は日本人全員の安否が確認され、日本政府からも氏名が公表されたことで
一応“収束”している。しかし、風邪でダウンする前、激しい違和感があった。
人によっては抵抗があると思うが、そのときに考えたことをまとめておく。
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現地から入ってくるのは錯綜した情報だけという中で、日揮の広報担当者は連日、
誠実で見事なマスコミ対応を見せた。
一方、ネットを眺めているとこの事件ではまたまたメディア・バッシングが激しい。
プラント内にいて拘束されたまま安否不明の日本人の実名が報道され始めてからは
激しさがエスカレートした。

痛ましい事件だったから、誰だって理不尽な被害にあった人やその家族に同情する。
しかし、事件・事故で被害者の名前が報道されたのは初めてではない。
山や海での遭難、飛行機事故、3.11大震災、強盗・殺人…それについて、世間が
「遭難者や被害者の名前を公表するな」と騒いだ記憶はない。なぜ、今回だけ?
単純な疑問をつぶやいたのだが、たちまち、女性のフォロワーから感情がこもった
リプライが飛んできた。「家族が望まなかったのに勝手に公表したからですよ」と。

分かったような、分からないような。
いや、亡くなった人の家族が実名の公表を望まないことは理解できる。おそらく、
どんな事件・事故の犠牲者だって望まないだろう。しかし、普通はよほどのことが
ない限り報道される。そもそも、この事件の場合、隠す理由がよく分からない。
企業戦士として海外で立派に仕事をしている場で非業の死を遂げた。恥ずべきでも
不名誉でもない。

しかも、家族の意思表示の経緯も…

頻繁に連絡をしていた広報担当から「お名前を発表してもいいですか」と聞かれて
「いえ、煩わしいことになるのでできれば…」と答えた。そんなことだと思う。
それでも、家族を失った人たちの意志は尊重されるべきだが、公表されなければ
メディアは徹底的に調べる。今回もそうだったようだ。
今回の公表がどうしてもダメなら、いつもそう言わなければ首尾一貫しない。
ネットではいつもそうだが、誰かが言い始めたのに“便乗して”大勢が月光仮面や
スーパーマンを気取られても困る。
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23日の報道ステーションの冒頭で古館は視聴者にこう話しかけていた。

亡くなった方、その家族の意を受けた日揮と政府は
名前の公表を控えました。
私たちの番組もいろいろ考えました。ただ、さまざまな
喜怒哀楽を抱えて生きた人生があり、それが突然卑劣な
テロによって断ち切られてしまった。
その無念をお伝えする際に数だけではなくお名前をお伝えする。


ずいぶん、持って回った言い方だが、一理あると思う。
この件に限らない。情報が“数”だけより、“名前・年齢”が分かり“顔写真”が
あると、ニュースに接した者に、その“向こう”にあるものにも思いが及ぶ。
“興味本位”だと非難される可能性もあるが、言いたい人には言わせておく。
それとは違うのだ。

断わるまでもなく、メディアの姿勢をかばうつもりはない。しかし、“今回に限って”
実名報道について騒ぎ立てるのはどんなものかと言っているのだ。
マスコミに追われるのは嫌なものだから、“全部禁止する”と決めるなら、それでも
かまわないが。

今日はこれから出かけるので、コメントには
対応できません。悪しからず。

by toruiwa2010 | 2013-01-31 06:11 | 岩佐徹的考察 | Comments(4)
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01/22のツイート

初めてスカイツリーを間近かで見る、なう。
地下鉄浅草駅近くから。
なるほどね、、、という感じ。
これより国技館へ。

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昔から“馬鹿と煙は高い所に上りたがる”と言う。世界の大都市のランドマークに
高い建物が多いのはそのせいだろうか。ハハハ。

エンパイヤステートビル、世界貿易センター(ニューヨーク)、エッフェル塔(パリ)、
サグラダ・ファミリア(バルセロナ)、スペースニードル(シアトル)、ロンドン塔、
行ったことがある街の有名なランドマークにはすべて登った。
もちろん、日本では東京タワーだ。下にあったボウリング場にはかなり通ったし、
特設スタジオにある番組にも新人の頃半年ぐらい出ていたこともあるが、展望台に
上ったのは1回だけだ。いつでも行けるし、1回上がれば十分だし…ね。ハハハ。

去年開業したスカイツリーは大した人気になっているらしい。東京の西の郊外に
住んでいるせいか、目にすることは少ないが、見れば、それなりに美しいと思う。
634メートルという高さは“絶対”だね。
わざわざ行く気はなく、まして、並んで展望台に上がりたいという気持ちなどなく、
今回は国技館に行くついでに、“適当な距離”から眺めることにした。

まず、渋谷に出て地下鉄銀座線で浅草へ。
降りたところにいた駅員に「この辺でいいロケーションは」と尋ねると、それなら
「まっすぐ行って、スカイツリー線で一駅行ったところが…」と教えてくれた。
しかし、路線図を見ると、一駅行ったらもうそこはスカイツリーの根元じゃないか。
案内所で「あまり近くないところから眺めたいのですが」と言うと「それなら」と
浅草駅近くの“ポイント”を教えてくれた。それが吾妻橋だった。

まさに適当な距離で、いい眺めだった。造形美的にどうなのかはさておき、単なる
鉄?の塊なのに、すっくと立つ姿は美しい。ひょっとすると、次の機会には真下から
見上げるところまで行くかもしれない。待たずに上がれるようになれば展望台まで
行くことも考えるだろうが、今のところはこれで十分だ。
画面右に見える独特の建物は東京では有名なアサヒビールの本社だ。
すれ違った“おのぼり”サンの声が耳に飛び込んできた。
「埼玉じゃ、“東京のXンコ”っていうんだ」…埼玉の県民性を疑わせる発言だね。
ハハハ。


大相撲10日目:正面の席をと思ったのだが、
失敗した。まるでジャンプのスタート地点と
同じ角度になった。
今日の楽しみは豪栄道と白鵬だ。

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去年の初場所から国技館通いが始まっている。ひと場所に一回だが。
連日 悲しいほどガラガラの客席を見ているうちに、これならチケットは簡単に
手に入りそうだと思ったのだ。それもネットで入手できる。行かない手はない。
相撲の不人気も悪いことばかりじゃないんだね。ハハハ。

スカイツリーを眺める予定もあったのでせっかくだから天気のよさそうな日を、と
9日目(月曜日)の切符を手配したつもりだったが、確認すると10日目になっていた。
ボタンを押し間違えたのだ。しかも、その日の東京地方の予報は“雪”! だから
その前日にしたかったのに。
…ただし、腹の中では「この予報は、先日の“失敗”に懲りたからじゃないの」と
半分以上タカをくくっていた。“大雪にならない”という予報が外れて叩かれたから
気象庁が“予防線”を張ってるんだ。つまり、降りゃしないさと。ハハハ。

今回は2階席をとった。奮発して買ったマス席はたしかに土俵が近い分、迫力は
あるものの、狭いし、どう座っても体が痛くなって集中できないのだ。
最初に行った時の2階席の印象がよかったのだが、今回は、かなり角度がついて
見やすいとは言えなかった。
取組みも内容が薄く、見ごたえがあったのは高安・宝富士と稀勢の里・琴奨菊の
2番ぐらいだった。

今場所トータルとしても“低調”だった気がする。白鵬が負けた内容が悪すぎるし、
大関陣、豪栄道、把瑠都、松鳳山、妙義龍など期待の力士に精彩がなかったせいだ。
今場所の白鵬は圧倒的な強さを見せるときと集中力を欠いて一方的に負けるときが
はっきり分かれていた。気がかりなのは、千秋楽の日馬富士戦だ。立ち合い負けし、
そのまま持っていかれた。ここ数場所、相手のスピードについていけず、後手に
回るケースが目につく。これからは、日馬富士が普通の体調だったら勝つことが
難しくなりそうな気配だ。“相撲の心”を知る白鵬にはもうしばらく強いままで
いてほしいものだ。優勝してもしなくても、今の相撲の“芯”は彼だもの。
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千秋楽のNHK正面の担当はKアナだった。私の影響下にある?妻が「どうして
吉田さんじゃないの?」とボソッと呟いた。ハハハ。たしか吉田アナはここ数場所、
千秋楽の正面を担当していない。キャリアは同じだし、彼のファンも多いはずだが
なぜだ。いつまで「架け橋」アナを重用するのか。
外部からみていると、制作陣は藤井、K,吉田の順でランク付けされているようだが、
まったく愚かな話だ。ファンの気持ちを理解していない。

しかもKアナ、高安の取組後、「12勝2敗」と。それじゃ14日目じゃないか。
気づいたはずなのに、知らん顔だった。彼が素直に謝ったのを聞いたことがない。
典型的なNHKアナだね。
結びの一番のあとも、「第一人者が入れ替わった」と言い切った。指示があったのか、
二度目は「現時点では」を付け加えた。初めからそう言うべきなんだよね。ったく。

この2件のツイートは写真付きでの投稿でした。
初めてだったので、勝手が分からずまごつきました。


おかげさまで風邪は全快しました。
心配いただいたみなさん、ありがとうございました。

by toruiwa2010 | 2013-01-30 09:09 | 岩佐徹的考察 | Comments(10)
うかつなことに風邪でダウン!

しばらく休みます。

再開は明日(水曜日)を予定しています。

by toruiwa2010 | 2013-01-26 06:46 | blog | Comments(9)
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70年代ぐらいまでだっただろうか、ゴールデン・ウイークと並んで
正月の映画は強力なラインナップが揃ったものだ。
おそらく、年齢的に“無理”なものが多くなったからだと思うが、
最近は逆に見たいと思うものがない。今年もそうだった。
暮れから正月にかけての3週間、1本も見なかった。


「レ・ミゼラブル」75

見るつもりはなかった。何度も見せられた予告編で“食欲”を失った。
水曜日、レディス・デーということもあり、上映開始4週目の終わりというのに
場内は満席に近かった。おそらく、アカデミー賞7部門で候補になったからだろう。
実は、私もそうだ。見ておかなくては話についていけないものね。ハハハ。

ネットでは好評のようだが、私には“退屈な”映画だった。もともとストーリーは
分かっているわけだが、山場のないままだった。始まって20分ほどで隣の妻を
つついて席を立とうかと思ったほどだ。“金が惜しい”のではなく、好評の理由を
知りたいという気持ちだけで最後まで見てしまった。ハハハ。
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普通の外国映画でも言葉が壁になるものだが、ミュージカル仕立てになると壁は
ますます高くなり、俳優の演技や歌を聞く余裕がなくなる。
昔のミュージカルはダンスが占める割合が高く、楽しめたものだが、この作品は
セリフの代わりに歌があるという感じなので楽しめないのだ。

登場人物たちの歌唱が事前収録ではなく現場での生音だという点にくどいようだが
強い疑問が残る。こんなことでウソをついたってなんの得にもならないのだから
それが事実なのだろうが、やっぱり、音がきれいすぎるし、周囲にある“はず”の
音が聞こえないことが多いのはなぜかと、ついつい思ってしまう。疑り深いのだ。
ハハハ。


「東京家族」85

東京郊外にある平山医院では朝から文子(夏川結衣)が家の掃除に余念がなかった。
瀬戸内海の小島から夫・幸一(西村雅彦)の両親(橋爪功・吉行和子)が上京するからだ。
何日間の滞在になるか分からないことにかすかな不安を覚える文子、二人のために
部屋を明け渡すことに不満を漏らす長男、両親は品川に着くのに東京駅に迎えに
行った末っ子の昌次(妻夫木聡)など 波乱はあったが、二人は無事に到着した。

ふるさとを離れている3人の子供たちがどんな暮らしをしているかを見極めるのが
二人の旅の目的だが、おそらく最後の機会だろうし、東京見物はどうでもいいのだ。
離れた町で美容院を経営する長女・滋子(中島朋子)をふくめて東京で暮らす家族は
全員で二人の東京滞在を楽しいものにするはずだった…
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もちろん、小津安二郎の名作「東京物語」のリメークだ。監督は山田洋次だから
出来上がったものの内容は想像できた。きっと退屈だ。そう思って出かけた。
…泣けてしまった。小津版と似た“ゆったり”テンポで進む物語の展開に途中まで
「やっぱり」と思ったが、後半は素直に感動した。特に、昌次の恋人(蒼井優)に
母親が頭を下げたあたりからあとは涙腺がゆるみっぱなしだった。

いい映画だ。決して泣かされたからではなく、日本人の琴線に触れる人情が巧みに
描かれている。見る者の胸に静かに迫ってくる。
“大御所”と呼ばれる存在が嫌いだが、演出がよかったことは認めざるを得ない。
そして、その山田演出にこたえた俳優たちがみんないい味を出している。
滋子の夫に扮した林家正蔵さえ。ハハハ。

本来なら90点をつけたいのだが、気になる点があって5点マイナスになった。
山田洋次らしく、ディテールにこだわった作り方になっている。
それなのに滋子に“ひとだんらく”と言わせたのはなぜか? 一般の人はそういう
間違いをするもの…と、あえてそのままにしたのだとすれば“あざと”過ぎる。
ほかにも、芸達者な俳優たちのセリフの言い方に納得しないところがあったし、
終盤のウグイスの啼き方は不自然だった。効果を狙ったのだろうが、74年の人生で
ウグイスがあんなに続けざまに啼くのは聞いたことがない。ハハハ。

一方で、鑑賞の前夜に読んだ評論家・秋山登の記事には異論を唱えておく。

…ラストは、妻に先立たれ無聊をかこつ夫を、小津作品と
同じ構図でとらえる。しかし、ここでは、喪失、老い、
孤独の影は淡く、人生の寂寥をかみしめている気配は
感じられない。
山田の練れた表現力は見事というほかなく、随所で涙腺を
刺激する。ただし、その芸は今回、香気と風味に乏しい。


鑑賞したあとに抱いた感想と大差がある。山田の映画における“香気と風味”って
一体、何のことか?なぜ、評論家というものはこんなにややこしい言い回しでしか
ものが言えないのか? ハハハ。
あくまで参考だし、彼らが書くことが絶対ではないのだが、こういう評論を読むと
自分の“鑑賞眼”に自信がなくなるね。

75 レ・ミゼラブル 申し訳ないが途中で退席しようかと思った 高い評価が不可解
85 東京家族 前半は少し退屈だが次第に引き込まれた じーんと胸にしみる佳作
75 アルバート氏の人生 男になりすまして生きた女 結局、何を言いたいのか不明
by toruiwa2010 | 2013-01-25 08:35 | 映画が好き | Comments(0)
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すぐれたドキュメンタリーには激しく胸を揺さぶられることがあります。
時間をかけて撮影した膨大なテープの中から厳選して編集されたと分かる番組に
出会うと幸せな気分になります。
6日に放送されたNHKスペシャル「父と子 市川猿翁・香川照之」を見たときも
そうでした。何度か目頭が熱くなりました。
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香川が47歳で歌舞伎役者になると聞いて 演じることにかけては“折り紙付き”の
俳優ですから、問題なく成功すると思いました。とんでもない考え違いでした。
そもそも、歌舞伎がどんなものかろくに知らないまま、簡単に結論を出したことが
恥ずかしいです。ハハハ。

発声法も大きく違うし、一つ一つの所作には意味があり、そこに“伝統”という
形のないプレッシャーが加わるのですから、超えるべき壁はとても高いはずです。
それだけでもドキュメンタリーのテーマになるのに、香川と彼の父、現・猿翁には
長い“断絶”がありました。

父はかつて浜木綿子という女優と結婚していましたが、長くは続かず、二人の間に
生まれた香川を浜が引き取って離婚しました。当時、大きな話題になったものです。
番組での説明は、祖父と父を立て続けに失って劇界で孤立した彼は家庭と訣別して
役者としての道を追求することを選択した、ということになっていました。それも、
一切の接触を断つという徹底したものでした。
芸能マスコミは、猿翁にとって初恋だった人の存在が大きかったと伝えましたが。

それはともかく、浜・照之母子にしてみれば“理不尽”な別れだったでしょう。
照之は相当に悩みます。本当は心に温かいものがあるのにないふりをしているのか、
どっちなんだろうと。孤独だったし、友達もできず“とにかく世界が終わればいい”
とまで思ったそうです。

25歳のとき、思い立って公演先に父を訪ねます。
大事な公演の前にいきなり訪ねるなど、役者としての配慮が足りないと叱責され、
そのうえでこう告げられました。

すなわち、私が家庭と訣別した瞬間から私は蘇生したのです。
だから今の僕とあなたとは何の関わりもない。
あなたは息子ではありません。
したがって僕はあなたの父でもない。

25歳の青年にとってはあまりにも衝撃的な言葉でした。
それから20年以上が過ぎ、照之は歌舞伎役者を目指すことになりました。経緯は
必ずしも明らかになっていません。しかし、発表記者会見に臨んだ彼は47歳での
歌舞伎挑戦が“無謀”であることを認め、「しかし、この“船”に乗らないわけには
いかないんです、僕は」ときっぱり語っていました。“覚悟”が見えました。
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歌舞伎は父子相伝、口伝の芸です。
襲名披露公演に向けてけいこに励む照之に父は9年前の脳梗塞から回復しきって
いない不自由な体をもどかしげにゆすりながら懸命に指導します。その姿はまさに
鬼気迫るものでした。自分の持っているものすべてを教えたいのです。
けいこが終わり、父親の横にひざまずいて「頑張る」と誓う息子に「大丈夫だ」と
話しかける父、両者の目に涙がありました。
断絶で生まれた空白を埋めるために残された時間は短いのかもしれないと思うと、
胸が詰まる思いでした。
少しきれいに描きすぎていますが、父と子の思いは痛いほど伝わります。

香川は「生涯をかけて精進する」と襲名披露公演の口上でも述べていました。
覚悟を決めて歌舞伎の世界に飛び込んだ彼がこのあとどんな評価を得ていくのかに
大きな関心があります。きっとやってのけるだろうと信じますが。
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初舞台を前にした照之の楽屋をいとこの市川猿之介(前・亀次郎)が訪れます。
「もうできているから、形とか こだわらずに自由でいいんじゃないの?」と声を
かけていました。肩の荷が下りる、これ以上はない激励の言葉でしょう。
中車の襲名が決まってから、いつもそばにいてくれた亀次郎の存在はありがたく、
心強いものだったに違いありません。

けいこ場を浜が訪れる場面も感動的でした。元夫とは45年ぶりの再会だそうです。

ドキュメンタリーを見て感動した流れで書いてきましたが、相変わらず、歌舞伎を
取り巻くあれこれは分からないことばかりです。特に、歌舞伎においていい演技と
悪い演技はどこで判断するのかが分かりません。顔は隈取に隠れて表情が見えない、
セリフは普通の会話とは全く違う調子と大きさで言いますからニュアンス不明…
2代目尾上松緑、現・松本幸四郎、先日亡くなった中村勘三郎と先代の勘三郎など、
人間としての魅力にあふれる役者は多いのですがね。
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思いがけない感動に巡り合うことがあるので見るように心がけているのですが、
残念なことに最近はドキュメンタリー番組が減っています。
案外 お勧めなのがフジテレビ「ザ・ノンフィクション」(日14:00)です。
スタッフも予算も圧倒的に少ないはずなのに、しばしばヒットを放っています。
何を取り上げ、どこにフォーカスするか、対象に向けた取材者の愛情が番組成功の
大きな要素になると思いつつ、いつも見ています。

どうでもいいおまけ

昨日は、間チーピンのひっかけリーチに成功しました。
スーピンでリーチをかけたのに、下家に食われて・・・
余計なことするんじゃない!と思いましたが、結果的に
彼が振り込んでくれました。ハッハッハ。
いつも、この手を使うわけじゃありません。為念。
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by toruiwa2010 | 2013-01-24 08:59 | 放送全般 | Comments(6)
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電車の中で一心不乱にゲームに興じる若者やそう若くもないおじさんを見かけます。
「何が面白いんだか」と思います。同時に、「彼らはマージャンという知的な遊びを
知らないんだよね。可哀相に」とも。ハハハ。

地球上最高のゲーム、マージャンとの出会いは高校3年生のときでした。
さすがに高校時代はそれほど夢中になりませんでしたが、無事 大学に入ってからは
“タガ”がはずれてしまいました。入学後に入部した放送研究会に気の合う仲間が
何人もいたのが“運のつき”だったのです。ハハハ。
特に2年生になって三田で合流したあとはほぼ連日 商店街の中にあった「大三元」
という店に入り浸っていたものです。

フジテレビのアナウンサーにもスポーツ部の仲間にもメンバーは大勢いましたから
社会人になってからもヒマさえあれば楽しんでいました。もちろん、仕事があり、
結婚も早かったのでペースはかなり落ちましたが、それでも週に2回は仲間たちと
卓を囲んだものです。
しかし、WOWOWに出向以後は周囲にメンバーが見つからず遠ざかっていました。
フジテレビの後輩から声がかかって“復活”したのは現役引退後の2006年でした。
“ゲーム世代”の若者には、3時間も4時間もかかる遊びは面倒なのか、ルールを
覚えるのが邪魔くさいのか、“マージャン人口”は激減しているのは残念です。

自分が持っている牌(ハイ)から役を作っていく。相手の捨て牌から手の内を読む。
偶然性もあるものの、あくまで“知的遊戯”です。ゲーム中は脳をたっぷり使うし、
目で見ることもなく 掴んだ牌が何かを知るために指先の感覚が研ぎ澄まされるし、
老化防止にはもってこいの遊びです。つまり私向きです。ハハハ。
楽しい時間が過ごせればいいのであって、勝ち負けに強いこだわりはありませんが、
やる以上、“うまいマージャン”を打ちたいものだとは思っています。
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楽しむために大事なのは、気が合うこと、プレーのペースが極端に遅くないこと、
他人の迷惑を考えずいつまでもやりたがらないこと、タバコを吸わないこと…です。
メンバーでただ一人の喫煙者は、早めに来て一服し、終わってからも残って一服、
ゲーム中は我慢してくれます。彼がそれだけ気を使っても、ほかのテーブルでは
平気でぷかぷか吸いますから5,6時間遊ぶと、着ているものすべてにたっぷりと
煙の臭いが染み込んでいます。冬の間、マフラーとニット帽は入店と同時に紙袋に
入れさせてもらうし、帰宅後も、寝室ではなく居間で着替えます。ハハハ。

月に1,2回、幹事役から“日程調整”の電話がかかってきます。
私の日程表はスカスカですから、常にほかの3人の都合で開催日が決まります。
最近は、この3人も“窓際族”みたいなものですから、試合開始が少しずつ早く
なっています。帰宅時間も繰り上がるし、みんな早く年金生活者になればいいのに。
ハハハ。

正月を挟んだため1ヶ月ぶりとなるマージャン・デーが今夜です。
肺気腫を患う常連のDが退院したばかりなので、代わりのメンバーが来ます。
20歳以上年下の後輩なのに遠慮なく勝っていく私の“天敵”です。
おい、Dちゃん、早く治してくれないと困るぜ。ハハハ。

出かける前にネットのゲームで少し頭の体操をしてから出かけます。
ちなみに、写真のリーチですが、上がれませんでした。
“引っ掛け”の“間チーピン”じゃねえ。 ハハハ。
いつもこんなにせこいことをしているわけではありません。私の“雀史”の中で
最高の上り役は、数年前のツイーイーソー・ショースーシ(字一色・小四喜)…
分かる人には分かるダブル役満です。

このエントリーは“京都府警がマージャン店を摘発”というニュースに誘われて
書き始めたのですが、それはどうでもよくなりました。
記事によると、今の全自動卓はレートの設定や店に支払う遊技料の計算までできる
「点数精算機能」付きが普及しているようですが、私たちがいつもプレーする店の
卓はそこまで進化したものではありません。

さて、いざ、戦場へ!ハハハ。
by toruiwa2010 | 2013-01-23 08:58 | 読書・歌・趣味 | Comments(10)
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「アンカー」を見たい!

01/17

知ってますよ。特に青山繁晴の日は好きです。
こちらでは見られないのが残念です。
また、東京ではあのテーストでの放送は
できないでしょう。


関西弁にアレルギーのある人もいるから同意を得ることは難しいかもしれないが、
京都に行くたびにテレビを見るのが楽しみだ。好きな番組がいくつかある。
「ちちんぷいぷい」「快傑えみちゃんねる」「そこまで言って委員会」などと並んで
関西テレビ夕方の「スーパーニュース アンカー」もその一つだ。

FNN(Fuji News Network)の“縛り”があるからフジテレビからの全国ニュースを
受ける義務はあるのだが、それを“限りなく短く”切り上げて(ハハハ)、いかにも
「それぐらいウチらでもできまっせ」と言わんばかりに関西テレビのキャスターが
顔を出してくる。丸顔で額が極めて広い山本浩之アナウンサーだ。今にも「まいど、
まいど、ばかばかしいお話を…」と一席 始めそうな風貌がいい。20年以上後輩で
面識はほとんどない。見るたびにキャスターとしての安定感と貫録を増している。
ときに、東京の局アナだったらためらうような“踏み込んだ”発言もする。立派だ。
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コメンテーターとして青山繁晴が出演する日は楽しみが増す。
「TVタックル」に出るときも独立総合研究所所長という肩書だが、元は記者だ。
安倍晋三と親しかったり、北朝鮮、中国には厳しい態度を見せるが、全体の主張は
必ずしも“右寄り”ではなかったりする。彼も思い切った物言いが“売り”だ。
情報にどれほどの信憑性があるのだろうかと思うようなコメントが飛び出す。
「…ではないか」「…と思う」ではなく、言い切ってしまうから聞いていて思わず
「そうなのか」と思わされてしまうところがある。
「アンカー」のときも「タックル」のときも“眉に唾して”聞くことにしているが、
テレビ的なエンタテインメントとしては面白い。
ただし、“危うさ”も付きまとうから東京のテレビでは使いにくいと思う。全国的な
露出が少ないのはそれが理由だろう。報道局長だって責任は取りたくないからね。
ハハハ。

彼が出る水曜日の本番後、動画がアップされると聞いた。見てみよう。


大横綱が逝った

01/19のツイート

元横綱・大鵬亡くなった。
一報を伝えたアナウンサーはずいぶん
あっさりした余韻のない言い方だった。
偉業…というより、大鵬の偉大さを
リアルタイムでは知らないのだろう。
取り口、たたずまい、土俵態度、話し方、
品格、どれをとっても相撲の歴史に残る
大力士だった。


調べてから書けばよかったのだが、大鵬が引退したあとに生まれた若いアナだった。
それにしても、一般のファンでも、見たことがない双葉山の偉大さは知っている。
相撲の実況をしているなら、資料も映像もたっぷり残っている“昭和の大横綱”・
大鵬の業績は知っているはずだ。相撲の暦史に残る大力士が亡くなったのだから、
相撲実況アナとして“言うべき一言”はあったはずだ。

1953年 テレビ放送開始
1958年 長嶋茂雄プロ野球入り・東京タワー完成
1959年 王貞治プロ野球入り
1960年 現行日米安保条約・池田内閣所得倍増計画
1961年 大鵬 横綱昇進
1964年 東京オリンピック・新幹線開通
1965~1973年 ジャイアンツ9連覇


思い浮かぶ出来事を並べてざっくりとした年表を作ってみると、こうなる。
1945年に戦争が終わり、努力と勤勉で目覚ましい復興を遂げていた当時の日本は
エネルギーに満ちていた気がする。
そんな空気の中で大横綱・大鵬は誕生し、ファンを魅了した。

力士の頂点に立つ横綱としての品位・風格、適度にふっくらしたバランスのいい体、
柔らかな体を生かした自在な取り口、ゆったりとした土俵態度…優雅で美しい
見事な横綱だった。
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01/20のツイート

今生きている相撲ファンにとってみれば
「不世出の力士」だった元横綱・大鵬の葬儀は
相撲協会葬にならないのか!?
藤井アナの言い方だと「役力士に限定されているようだが
ファンは承知しないぞ。リスペクトというものがないのか。
もし本当ならあきれてものが言えない。


当然そうなると思い込んでいたが、協会葬にしないことは事実のようだ。
「協会を退いた人だから」が理由らしい。呆然とするばかりだ。
健康を害して理事長にはなれなかったが、大相撲への貢献度は計り知れない。
“しごき”や“八百長”問題とは別の意味で、相撲協会の感覚がずれていることが
よく分かる。またしても、前例にとらわれる頭の固さをさらけ出したね。


大相撲中日:敗れたあとの雅山の表情が
よかったね。勝負の世界ではめったに見られないが、
力をつけたはるかな後輩に「強くなったなあ」と
言っているようだった。土俵にも人生の哀歓が見える。
NHKがいいものを見せてくれた。褒めておく。ハハハ。


負けた怒りや軍配への不満を見せることはあっても、土俵の周辺で力士の素顔を
見ることはめったにない。特に日本人力士は徹底している。
8日目、富士東に敗れ8連敗の雅山はその瞬間に十両陥落が確定的になったのだが、
彼の顔から読み取れたのは“無念さ”よりも、若い相手が力をつけてきたことを
認める空気だった。相撲中継で初めて見た表情だ。
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そして、昨日、6勝0敗と相性のいい玉鷲に勝って初日を出したあと花道を下がる
彼の目には涙があった。観客の温かい拍手が胸にしみたのだ。
“怪物”と呼ばれた35歳の元大関…まだ幼い子供に自分の姿を見せるためにも
相撲をとり続けることになるのだろう。
一人一人の力士にそれぞれの人生がある。


名将が死んだ

01/20

アール・ウィーバーが死んだ。
ボルチモア・オリオールズ一筋に監督をつとめた
殿堂入りの名将だ。戦う監督だった。
ファンは、試合とともに、身をよじり腕を振って
審判を追い回し、猛烈な抗議をする彼の姿を楽しみに
球場に詰めかけた。退場は97回に及んだ。


試合前のダグアウトで記者の人気が最も高かった監督の一人だろう。話が面白く、
記事に使えるようなコメントがたくさん得られたからだ。ハハハ。
野球の“オールド・スクール”出身だったが、早くからデートに注目していた。
パソコンが登場する前、スタメンや代打の起用に関しては自分が作ったカードに
頼っていた。特定の打者と投手の相性を重視した選手起用で知られていた。

1978年10月22日、私はワールド・シリーズ(NYヤンキースvsLAドジャーズ)の
現地実況を終えて帰国した。成田から自宅に向かう車中でラジオをつけてもらうと
日本シリーズ第7戦の真っ最中だった。
ヤクルトと阪急の対決は3勝3敗で最終戦にもつれこんでいたのだ。河和田町の
会社に寄って途中から見ることにした。

野球ファンなら、6回に大杉勝男が放ったホームランを巡ってプロ野球史に残る
“事件”があったことを知っている。レフト・ポールの上を通過したこの打球を
ファウルだと主張する阪急側が長々と抗議を続けた。
上田監督の執拗な抗議は、あきらめた私が自宅に着いたときにもまだ続いていた。
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野村克也、金田正一、大沢啓二、星野仙一…審判を見下してねちっこい抗議をした
監督は枚挙にいとまがない。
メジャーでも、ボビー・コックス、ビリー・マーチンなど、ど派手な抗議をする
監督を大勢見たが、ウィーバーは170センチ足らずの小さな体だったから、多少の
“滑稽感”もあって、グラウンドの砂を蹴飛ばして抗議する彼の姿はスタンドの
ファンを喜ばせたものだ。

同じ日、“The Man”と呼ばれたスタン・ミュージアルも亡くなった。
by toruiwa2010 | 2013-01-22 09:25 | 岩佐徹的考察 | Comments(6)
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困ったちゃんだね

01/17のツイート

橋下徹大阪市長が桜宮高校について、体育科と
スポーツ健康科学科の生徒募集中止要請に続いて、
今度は校長以下全教員の異動を要請したという。
トオルちゃんの過剰反応には驚くばかりだ。
直接選挙で選ばれた地方首長の"暴走"に誰も
ブレーキをかけられない。怖いね。


エキセントリック…にもほどがある。気に入らない質問をする記者にからんだり、
答えることを拒んだりしているうちは“被害”の及ぶ範囲が狭かったからいいが、
これはダメだ。
百歩譲って、教師の異動は 起きたことについての連帯責任や再発防止の意味で
認める余地はあるかもしれない。しかし、“生徒募集の中止”は意味が分からん。

「受験生にはこの1回しかチャンスがないのだが?」という質問に「生きていれば
チャンスはいくらでもある」と返していた。精神論としてはそうかもしれないし、
43年生きてきた彼が人生を振り返れば、それが一点の曇りもない正論なのだろう。
しかし、15歳の少年少女にとってはやはり“この1回”なのさ。
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試験を実施するかどうかの権限を持っている教育委員会が反対の姿勢を見せると、
今度は自分に与えられている予算の執行権を振りかざして中止を迫っている。
まったく歯止めがきかなくなってしまった。
彼なりの危機感から“大ナタ”をふるわなければと考えたのだろう。それはいい。
振り下ろす場所を間違えてるね。同じ“トオルちゃん”としても困惑するばかりだ。
ハハハ。

週刊朝日が、今となっては“幻のルポ”「ハシシタ」の連載をスタートさせたのは
去年の10月半ばだ。そのころ橋下徹が日本の政治に大きな影響力を持つ可能性が
濃さを増しつつあったからだ。
この騒動のあたりから人気に陰りが見え始め、石原慎太郎と手を結んだところで
評価がガタ落ちした。

維新の会はともに“暴走”が好きな二人が共同代表につくことになった。嗚呼。


クルム伊達から広がる思い出

01/17のツイート

伊達公子、見事な活躍だね。カムバックしたときは
割合冷ややかに見ていたが、年を重ねてさらに
強くなっていることに脱帽だ。全豪の3回戦進出は
18年ぶりだそうだ。阪神淡路大震災があった年だ。
3回戦は家が全壊した沢松に敗れた。

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高速道路が無残に崩れ落ち、街のいたる所から煙が立ち上っている大震災の映像は
メルボルンのテレビでも繰り返し放送され、沢松はその被災者の一人として現地で
“ときの人”になっていた。このときの彼女のランクは26位だったが、たぶん、
メインのインタビュー・ルームに呼ばれ、通訳付きで世界のメディア相手の会見を
したはずだ。伊達は世界ランク9位だったが、どこで会見したか記憶にない。

どちらにしても、当時の日本人選手たちの会見は15~20人ほどでいっぱいになる
小さな部屋で行われるのが普通だった。すでにトップ10選手になっていた伊達も
例外ではなかった。日本人記者だけとの会見だった。人見知りする性格だったから、
勝っても口数は少なかった。今回、3回戦で敗れた伊達は大きなメインの会見場で
堂々と滑らかな英語で話したことだろう。

私の記憶の中で 最初に英語で会見に応じた日本人選手は1992年全仏オープンの
雉子牟田明子だ。コート1で行われた4回戦で当時の世界No1、モニカ・セレスを
あわやというところまで追い込んだ。1セット・オールから第3セット、4-1まで
リードしていたのだが、そこで雨が降り始め、サスペンデッドになった。
中断する前に追いつかれ、翌日、再開後はあっさり敗れ去った。押し切っていれば
“世紀の大番狂わせ”だったから、各国のメディアから会見のリクエストがあった。
この試合で学んだことは、と聞かれて「もっと早く、トーナメント・レフェリーを
呼ぶべきだったということ」と答えた雉子牟田が強く印象に残っている。ハハハ。
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伊達は今、テニスが楽しくて仕方がないだろう。プレッシャーはかつてに比べれば
はるかに少ないだろうし、ほどよい緊張感の中でときには娘と言ってもいい年齢の
相手と戦える喜びは計り知れないものがあるはずだ。
シャイだった性格も結婚で大きく変わった。サーブ・レシーブの構えに入ったとき
少しでも胸元が見えるウエアを着ることはなかったが、2,3年前、スポーツ紙に
載ったビキニ姿には腰が抜けるほど驚いた。ハハハ。
幸せそうな彼女を見るのは嬉しいものだ。


日程にリクエスト?

01/18のツイート

あれまあ、イバノビッチvsヤンコビッチの
セルビア対決になってる。一つの時代を作った
ヒロイン二人だ。イバノビッチは相変わらず
きれいだね。
錦織の試合がコート2の第4試合になってる。
WOWOWが第1試合をリクエストしているはずだが。


高い放映権料を払っている各国のテレビ局は試合のスケジュールについて一定の
注文をつける権利を持っている。午後のある時間までに「明日のこの試合はX番目に
組んでほしい」とトーナメント側にリクエストするのだ。
WOWOWの場合は第1試合を希望することが多かった。雨などで開始が遅れても
何とかなるし、編集など、あとの作業がやりやすいからだ。
どのグランド・スラムでもカメラが入っているコートが4~5はあるから、要望が
通らないことはほとんどない。初期のころの全豪では、本来カメラがないコートに
やぐらを組んで放送したりした。そんなときはカメラが2台だから、見づらくて
実況も解説も苦労したが、今となってはいい思い出だ。

3回戦の錦織の試合が第4試合になった理由については聞いていないが、放送枠が
たっぷりあるからだろう。もしかすると、関係者からWOWOWに“それとなく”
「第1試合は勘弁してよ」と“リクエスト”があったかもしれない。ハハハ。
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4回戦の錦織はフェレールに歯が立たなかった。
立ち上がりは接戦だったが、少しずつ力の差が見えてきた。第1セットの途中から
ネガティブ・サインが出始めていた。ヒザの調子も悪かったようだが、前向きの
姿勢が見えなくなる時間帯があった。組み立てからポイントを奪ったり、激しい
打ち合いを制することもあったが、総体的に見ると、守備範囲、ショットの強さ、
スタミナ、精神力…すべてで相手が上だった。
by toruiwa2010 | 2013-01-21 09:10 | 岩佐徹的考察 | Comments(6)
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フジテレビ時代に野球中継のクルーとして神宮球場で取材しているときのことです。
3塁側の巨人ベンチで監督を囲む輪の中にいた実況担当の先輩、Yアナウンサーが、
何かを見つけ、大急ぎで、1塁側のヤクルトのベンチに向かって、走っていくのに
気づきました。何度も頭を下げながら先輩が近づいて行った先にいたのはNHKの
大アナウンサーでした。

なおもぺこぺこしながら短い会話を交わしただけで戻ってきた先輩は「いやあ、
緊張しちゃった」と言いました。モントリオール・オリンピックが予定されていて
NHKと民放が“ジャパン・プール”として、史上初めて共同で中継をすることに
なっていたのです。

この先輩は民放から選ばれた二人のうちの一人でした。もう一人が、テレビ朝日の
若いMアナウンサーでしたから、気持ちの優しい先輩は「NHKとの関係をうまく
やらないと苦労することになる」と考え、相手のチーフになると思われる大御所の
ところに挨拶をしに飛んでいったのでしょう。
この光景を目撃して“しまった”後輩の私の胸中は複雑でした。
「あそこまでしなければいけないのか?」「ほかの局の連中に見られたらみっとも
ないなあ」が、失礼ながら正直な気持ちでした。
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オリンピックから帰国した先輩からいろいろな土産話を聞きましたが、その中に、
「途中で、M君が『これ以上、我慢できないから日本に帰ります』と言いはじめて
大変だったよ」というエピソードがありました。
放送終了後、毎日のように“反省会”と称するミーティングが開かれ、経験豊かな
NHKのアナウンサーたちから「あそこがダメ」、「ここがどうだった」といわゆる
ダメだしが行われ、若いMアナは絶好のターゲットにされてしまったらしいのです。
「オリンピックにだけは行くまい」と心に強く誓ったのはこのときでした。ハハハ。

“NHKぎらい”…正確に言うと“NHKを有り難がる”のが好きじゃないことを
隠したことはありません。ハハハ。
確かに、民放に比べればはるかに歴史が古く、基礎はしっかりしていると思います。
いい番組をたくさん作っていますし、いいアナウンサーもいます。
しかし、“NHK”と名がつけばなんでも有り難がる“世間さま”の傾向には相当の
違和感があります。
しっかりと時間をかけて作った番組にはいいものが多いです。ミスをしないことを
大事にしているとしか思えない実況アナたちも、平均点は高いですが、民放アナの
中には“面白く見せる”点ではるかに達者な人がいます。どちらが好きかの判断は、
人それぞれでしょうがね。
少なくとも、民放で仕事をする人たちには“NHKなにするものぞ”という気概を
持ってほしいと願ってやみません。ハハハ。

一般論として、昔のNHKの先輩アナウンサーはとても“恐ろしい”存在だったと
聞いています。取材の現場に大御所が姿をあらわしたときに見せる若いアナたちの
態度からもその辺のことがはっきりと分かりました。
このエントリーはその記憶とつながっています。
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ある日、パソコンに向かいながら、妻が見ている大相撲中継を“聞いて”いました。
三段目の取り組みでしたから、実況アナウンサーも若い人だったろうと思います。
やがて、私の耳に「それでは、ここで放送席を交代します」というアナウンスが
飛び込んできました。思わず、資料を整理する手が止まりました。なんの因果か
こういう言葉、フレーズには敏感なセンサーが備わっているのです。ハハハ。

「ああ、やっちゃったね。かわいそうに誰かに怒られるんだろうなあ」と思いました。
以下は私の想像あるいは妄想です。ハハハ。
「おい、○○クン、“放送席を交代する”って、どういうことかね?ハハハ。
意味は通じるかもしれんが、やっぱり“解説とアナウンサーが交代します”だろう」
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“安馬に4連敗許さず”…?

ほかの言語でも同じことがあるのかどうか知りませんが、日本語では、このように、
本来なら違う意味になる言い方でも“放送席交代”のように、意味が通じてしまう
ことがあります。
朝日新聞の見出しもそのひとつかなあと思いました。
白鵬が3連敗していた安馬に勝った相撲を取り上げたコラムの見出しです。
言いたいのは「白鵬は、安馬に4連敗することを自らに許さなかった」でしょう。
つまり、ややこしいですが、『“安馬に4連敗”することを許さず』です。しかし、
それなら“安馬の4連勝許さず”のほうが分かりやすくはないのか?

やれやれ、とかく日本語は難しい。ハハハ。
by toruiwa2010 | 2013-01-20 09:11 | 岩佐徹的アナウンス論 | Comments(0)
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私たちはよく「日本語は難しい」と口にします。
話したり聞いたりするだけならなんとかごまかせても、“読み書き”となると漢字を
使う日本語は覚えなければならない“決まり”が数え切れないほどあるからです。
長い間悩んで、なお結論を得られずにいる“問題”があります。
先日も少し触れた“ダイブタイ”です。“大”をどう読むか?

数年前、気まぐれに“大舞台”と“日本語”でググったことがあります。
“おおぶたい”かそれとも“だいぶたい”か?…ネット上にすっきりと納得できる
解説が出ているかもしれないと思ったのです。

「“おおぶたい”に決まってるじゃないか」とおっしゃるかたが多いかもしれません。
その根拠は、NHKを初め民放テレビ各局もそう読んでいるからでしょう。
あるいは「もともと歌舞伎で使われていた言葉だし、その世界ではオオブタイと
言っているから」という説明をそのまま“鵜呑み”にしている人も多いはずです。
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検索の結果を見ているとき、あるテレビ局のHPで先輩アナウンサーが帰国子女の
新人アナウンサーに「間違いやすい言葉に“大舞台”がありますね。“だいぶたい”
ではなく“おおぶたい”ですね」と教えているくだりがありました。
根拠は示されていませんが、“大舞台=おおぶたい”神話はこうして受け継がれて
いくのでしょう。ハハハ。

ご存知の通り、私は “だいぶたい”で構わないと思ってきました。
ただし、放送のときは、間違っていると思われるのも馬鹿馬鹿しいので、必ず、
“大きな舞台”と言い換えていました。
“おおぶたい”は歌舞伎から来た言葉…はその通りです。でも、私が言うときは
スポーツの世界でここ一番という大勝負(おおしょうぶ ハハハ)の場を指すことが
ほとんどですから歌舞伎とは何の関係もない“大きな舞台”という意味です。
…“だいぶたい”で問題はないと思うのです。

タイトル:教えてください
ペンネーム CX-WOWOW  掲載日時 2003-07-02

衛星放送でアナウンサーをしている者です。
言葉を扱う仕事をしていながらお恥ずかしい話ですが、
ここ数年「大舞台」をどう読むかで悩んでいます。
NHKはじめ、各局の同業者はおおむね「おおぶたい」と
読んでいます。
ただし、はっきりした根拠は聞いたことがありません。
私自身は、ずっと「だいぶたい」で問題ないと思いつつ、
知らないと思われるのがいやで「大きな舞台」と言い換えて
いました。
「大」を「おお」と読むことがあるのは知っていますが、
歌舞伎関連の言葉にいくつかある以外はその根拠を知りません。
正しい読みかた、その理由を教えていただけるでしょうか?


・・・検索結果の中に懐かしいものが出てきました。ペンネームでお分かりでしょうが、
私が書き込んだものです。どういうサイトだったか覚えてませんが、少なくとも
日本語を研究している機関のページでした。「ここなら、悩みをスカッと解消して
くれるのではないか」と思ったのです。
以下はそのつづきです。


タイトル Re:教えてください 編集部より
ペンネーム 編集部の知恵袋 掲載日時 2003-07-04

「大」の読み方は厄介ですね。
ふつう、漢語(音読みの漢字語)につくときは「ダイ」で、
和語(訓読みの漢字語も含む)には「オオ」といわれますが、
この原則はあまり当てにはなりません。
大劇場 大講堂 大至急 大混乱 大洪水 大企業 大銀行
などは「ダイ~」ですが、次の例は漢語についても「オオ~」と
読みます。
大一番 大旦那 大道具 大掃除 大時代 大火事 大喧嘩

意味から考えると、
「大舞台(ダイブタイ)」は文字通り「大きな舞台」
「大舞台(オオブタイ)」には「晴れの場所」の意味もあります。
前後の文脈によって使い分けたらと思います。
「歌舞伎座の大舞台に目を見張る」
「一世一代の大舞台のつもりで演壇に立つ」

― 以下 省略 ―



タイトル Re:教えてください 編集部より
ペンネーム CX-WOWOW 掲載日時 2003-07-14

勝手に メールで返信が来ると思い込んでおりましたために、
お礼が遅くなりました。
「だいぶたい」も必ずしも間違いではないと受けとめました。
しかし、これまでどおり、「大きな舞台」と言い換え続ける
ことでしょう。ありがとうございました。



…やり取りでお分かりの通り、私の疑問はすっきり解決できたわけではありません。
いまだに疑問のまま残っています。
ただし、私の中では、たとえばお膳立てが大きくなればなるほど“無類”の強さを
発揮した長嶋茂雄は、“だいぶたい”に強かったのです。そこに歌舞伎用語としての
“おおぶたい”を持ってこられてもしっくり来ないことに変わりはありません。
ハハハ。

ちなみに、“鳥肌が立つ”をいいことについて使うのは間違っているとする風潮にも
賛成できません。スポーツの現場で何度も“鳥肌を立てて”来たからです。ハハハ。
もちろん、放送の中では言いませんが。
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「歌舞伎でそう言っているから」、「NHKがそう読んでいるから」正しいなんて
ことはありえません。まして、「アナウンサーがそう読んでいたから」は、ますます
怪しいと思ったほうがいいです。声を大にして言っておきます。ハハハ。
「“ジンクス”は本来 悪いことに使われていたが、間違えて、いいことにも使われ
続けてきたために今では両方について用いられるようになってしまった」までは
認めましょう。しかし「いい意味でしか使いません」は、完全な間違いです。
ああ、しかし・・・先日書いた“やじうまプラス”を見た人で、このブログを読む人は
たぶん一人だっていないでしょうね。ハハハ。

なお、改めて検索した中にこんなものが見つかりました。

「大舞台」の従来の慣用的な読みは[オーブタイ]で、
歌舞伎などの古典芸能ではこの読み方が定着しています。
しかし、放送で多く使われる「晴れの場」「活躍の場」
という意味の「大舞台」は、[ダイブタイ]という人が
かなり多くなってきています。

このため、放送での読みは・・・古典芸能の場合は、
○[オーブタイ]×[ダイブタイ]とし、スポーツなど晴れの場、
活躍の場では(1)[ダイブタイ](2)[オーブタイ]としています。


書いているのはNHKの外郭団体(?)、放送文化研究所です。
“だから”、これがお墨付きになる…というわけではありません。
考え方が大筋で間違いではなかったとは思いますが、これからも相変わらず、
“大きな舞台”と言うでしょう。
私の感想はNHKも変わるんだってこと。 大変身(ダイヘンシン)とは言いませんが。
ハハハ。
by toruiwa2010 | 2013-01-19 07:57 | 岩佐徹的アナウンス論 | Comments(2)