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岩佐徹のOFF-MIKE

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実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

<   2013年 11月 ( 33 )   > この月の画像一覧

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19日に韓国で行われた亀田興毅のタイトル防衛戦は
判定の結果が出ないうちに放送が終わってしまった。
TBS…最近は踏んだり蹴ったりだね。ハハハ、

フジテレビ時代の私にも似たような経験がある。


ボクシング中継の誤報 (2010.10.08 初出)


1ヶ月前のフジサンケイ・クラシックは石川遼と薗田峻輔のプレーオフが長引き、
フジテレビの中継は肝心の優勝場面が放送枠に収まりませんでした。
ゴルフ・ファンは当然、相当に腹を立てたことでしょう。
なまじ知識があるだけに、私は現場の混乱を想像しはらはらしながら見ていました。

私の経験の中では、放送枠におさまらなかったことが2回あります。

ひとつはボクシング中継でしたが、これは実況をしていたわけではありません。
「ダイヤモンド・グローブ!この番組は○○○、△△△の提供でお送りします」…
番組名や提供スポンサー名などを読み上げる“枠アナ”をつとめているときに
“事件”は起きたのです。

1971年11月11日、四国の松山で世界フェザー級タイトルマッチが行われました。
チャンピオンは日本の柴田国明、挑戦者はパナマのエルネスト・マルセルでした。

ボクシングは1ラウンド3分で、当時の世界タイトル戦は15ラウンドでしたから、
試合時間は45分、インタバルが1分x14回で14分…つまり、フルラウンド戦うと
試合開始のゴングから試合終了まで59分です。
以下、細かい数字に微妙な記憶違いがあると思って読んでください。ハハハ。

その頃、ボクシングの放送枠は8時~9時25分でした。
制作者は判定までもつれることを前提に段取りを組んでいきます。
試合が終わりジャッジ・ペーパーを集計して発表するまでに2分。表彰式に1分半。
インタビューに1分半。放送の“しめ”に1分。
つまり、試合が終わってから実況の終了までおよそ6分必要です。

ここから逆算して試合開始の時間が設定されます。
ゴング係はテレビのディレクターからの“キュー”で木槌を振ったものです。
選手が入場し、バンデージを巻き(当時はリング上で巻いていました)、国歌斉唱が
あって、私の記憶では、少なくともフジテレビが放送する世界タイトルマッチの
第1ラウンドのゴングは決まって“8時18分”に鳴らされていました。

この試合のときも当然、その予定だったはずです。
ところが、プロデューサーは大きな“失敗”をしたことに気付いていませんでした。
地元の親分への“挨拶”が十分ではなかったのです。ハハハ。
その事とリング上の行動がどこでどうつながったのかは定かではないのですが、
バンデージが普段より“ゆっくり、ゆっくり”巻かれました!!
その結果、第1ラウンドのゴングが遅れ、しかも、“KOで決着してくれ”という
関係者の願いもむなしく、試合は判定にもつれ込みました。
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ジャッジの採点が集計され、結果が出ました。
リング中央に進んだ主審はマルセルのコーナーを指しました。挑戦者の勝ちです!
私も番組終了のアナウンスをするためにスタンバイしていた東京のスタジオでは、
すぐに「柴田国明 防衛ならず!!」のテロップが画面いっぱいに出されます。
実況アナも「柴田、タイトルを失いました」と締めて放送が終わりました。

しかし、主審は続けて柴田も呼び寄せていました! 
つまり、試合は引き分けだったのです。
…ということは、防衛は成功だったのです。

引き分けの場合、主審は両手で両コーナーを同時に指すものですが、この試合の
主審(韓国人)は、経験が浅かったのか、“時差”ができてしまったのです。
放送終了の時間が迫っていて、実況アナも制作陣もあせっていました。
マルセルが呼ばれた時点で挑戦者の勝ちと判断したことは責められないでしょう。

いくつかの“不幸”が重なった結果、大きな誤報を生んでしまったのです。
続く番組の中で字幕で修正情報を流しましたが、社内中の電話が翌日の午前中まで
鳴りっぱなしでした。

余談:
担当プロデューサーは“ふざけた”ご仁で、転んでもただでは起きない男でした。
冬のボーナスを“ネコばば”したのです。
奥さんに「ペナルティーとしてボーナスが出なかったんだ。クビにならないだけ
よかったと思わないとな」と話したそうです。ハハハ。
by toruiwa2010 | 2013-11-30 08:25 | 自薦・厳選300? | Comments(0)
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小室哲哉&華原朋美

11/24のツイート

12月4日放送の「FNS歌謡祭」を楽しみにしている。
大物歌手同士のコラボが売りだが、今回は華原朋美と
小室哲哉が共演するという。
番組側の“ごり押し”の結果でないならいいと思いつつ
歓迎する。
二人が今後ますます音楽シーンで活躍することも願う。

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水曜日に「日テレ系音楽の祭典 ベストアーティスト2013」という3時間半に及ぶ
大型音楽番組が放送されていた。良質の音楽が視聴者を引き付けることが分かって
最近は似たような番組が増えている。中でも「FNS歌謡祭」は歌手のレベルの高さ、
“意表をつく”コラボの楽しさで群を抜いている気がする。早々と、4日の夜は
家にいるように“ゴシック&赤”で予定表に書きこんだ。ハハハ。

小室と華原の共演…“目玉”にはならないだろうが、話題は呼ぶだろう。
2人とも才能があるし、同じ業界で仕事をしている以上、接触を避け続けることは
不可能だ。番組が格好の“場”を提供した形だね。
本人たちもまわりも意識するだろうが、互いに大人同士だし、ぜひ、いい雰囲気で
パフォーマンスができるように演出してほしいものだ。


試合も放送もお粗末?

11/28のツイート

先日の亀田興毅の防衛戦は判定の中身に
かなり”疑惑”があったようだが、
放送自体も混乱したらしいね。
視聴者には勝者が誰だかわからないまま、
終わってしまったとか。


亀田興毅の先日の試合戦はいろいろと物議をかもしたようだ。
判定に疑惑があり、放送枠内にジャッジペーパーの集計が間に合わなかったそうだ。
当初、10時~10時54分の枠を15分延長しても、勝者が誰だか伝えられないまま
放送が終わったというから“相当”だ。

ボクシングでは“1ラウンド3分、休憩1分”が秒単位で守られるから、Qシート
(放送予定表)が書きやすい競技だ。判定まで行くことを想定し、勝者決定、表彰、
インタビューなどの時間を計算し、そこからの逆算でリアル・タイムの何時何分に
試合開始のゴングを鳴らすかを決めているはずだ。
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亀田は好きじゃないのでこの試合は見ていなかったのだが、ビデをチェックすると
第9ラウンドを終わった10時52分過ぎのところで“放送延長”の告知をしている。
さらにさかのぼって試合開始時間を調べると“10時17分”を過ぎていた!
判定にもつれ込むと最低でも47分(3分x12+1分x11)はかかるから、この時点で
延長は決まっていたようなものだ。番組欄にも“最大11時9分”となっていた。
TBSも初めから亀田の早いラウンドでのKO勝ちを想定したわけではなかろうが、
この枠取りを見ると、それを“願って”いたのは明白だね。ハハハ。

まさかの“集計遅れ”!!!
ベテラン・土井敏之アナも試合終了からのアナウンスは“まとまり”がなかった。
ディレクターからの連絡も入っていただろうから同情の余地はあるが。
結局、最後は彼の「このあと11時9分からニュース23…」という言葉が途中で
ぷっつんと切れてCMに入ってしまった。

放送終了後、苦情の電話が鳴り止まなかったそうだが、よーく分かる。
遠い昔さが、私にも会社中の電話を鳴らし続けた経験があるからだ。
長くなるので、週末の“自薦・厳選300?”に再掲する。


11/27のツイート

新宿御苑のもみじは少し盛りを過ぎてました。

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今年のモミジ狩りの最後は新宿御苑と決めていたのに、
チェックがおろそかでした。私としたことが。トホホ。
HPをのぞいてあわてました。紅葉が進んでいる様子が
報告されていたからです。
この日、映画を見に新宿に行く予定があったのでその前に
寄ることにしました。
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四谷寄りの大木戸門から入ると、すぐのところに目を引く
モミジが2本あります。どちらも散りかけていました。
去年は暦の上で1日あとに出かけていき、まさにピークを
満喫しましたが、今年は紅葉の進み方が早かったようです。
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いつも“雄大さ”を楽しませてくれる何本かのイチョウは
今年も見事でした。
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去年は“赤”がもう少しよかったと記憶しています。
それでも楽しみたいときは、“逆光”で見ることです。
写真で見ると鮮やかですが、順光ではそうでもありません。

来年はもう一度、紅葉真っ盛りをゲットしようと誓いました。
ハハハ。


映画は80点

映画は「マラヴィータ」を見ました。
“デニーロ主演”だけで見ることを決めました。
アメリカの犯罪小説によく出てくる“証人保護プログラム”によって守られている
元ギャングの一家を描いた作品です。
いかにもアメリカらしい制度で、凶悪犯罪を告発し裁く上で重要な証言をした人を
生涯にわたって国家が保護するのです。極秘に用意された場所に住み、経済的な
援助を受け、別の名前で新しい人生を歩むことになります。
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設定が面白いし、デニーロだから“すごみ”のある映画に違いないと思いましたが、
見事に裏をかかれました。映画の形を借りた“漫画”ですね。
妻は面白がっていましたが、私の感想は少し“おふざけ”が過ぎる…でした。
ハハハ。

4時半:中華で夕食
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帰りは渋谷に回って中華で夕食。
先日、芦屋で食べた中華がダメだったので“リベンジ”です。
我が家は、できるだけ早く“口直し”をすることにしています。
餃子、チンゲン菜の炒め物、小籠包、酢豚、チャーハン…すべて合格!

忙しかったし、モミジは少し残念でしたが、楽しい一日でした。
by toruiwa2010 | 2013-11-29 08:28 | 岩佐徹的考察 | Comments(3)
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11/18のツイート

テレ東「YOUは何しに日本へ」は好きな番組だ。
当然、番組の方向性があり、それに従って
編集されているが、この国が外国人から愛されて
いることがよく分かる。
基本的に日本人はやさしいんだよなあ。
これを見ていると日本人であることが嬉しくなるね。

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成田、羽田、関空などでロビーを行く外国人を捕まえて話を聞く。
彼or彼女がアーティストやパフォーマーだったらそれを披露してもらう。
身体ひとつでできることなら分かるが、三味線やテント、自転車などを取り出し、
組み立てて見せてくれるのを見ると、“いい人が多いなあ”と思ってしまう。
単純なのかな?

このあと日本でやろうとしていることが面白そうだと思えば、密着取材を依頼する。
多くはその場で断られるが、カットされたものはその数倍はありそうだ。
いったんはOKと言いながら、その後連絡が取れなくなるケースが多いのも面白い。
あとで話し合った結果「わずらわしいよね」と考え直すのだろう。

毎日、大勢の外国人が日本に来る。目的・理由は様々だ。
彼らが日本でどう過ごし、日本をどう思っているか、いかに日本を愛しているかを
伝えるのがコンセプトだから、取材した素材をその線に沿って編集していることは
よく分かっている。それにしても、彼らに接する日本人のやさしさはどうだ。
ヒッチハイクに応じる、旅人が必要とする物を都合する、受け取るべき対価を断る…
何気なく見せる町の人のジェスチャーに胸を打たれる。
やっぱり単純か。ハハハ。
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演出のうまさもあるが、ナビゲーターをつとめるバナナマンの二人がこの番組の
空気にピッタリだ。ここ数年、設楽統の活躍が目につくが、横にいる日村勇紀‎が
ふんわりした空気を醸し出していることを忘れないでもらいたい。
そして、ボビー・オロゴンのナレーションがはまっているのが実に意外だね。
オロゴンにナレーション…そんな発想、凡人には無理だ。ハハハ。


褒めすぎだろ!

11/21のツイート

日本代表がベルギーを相手に見せたサッカーは
誇らしいものだった。ただし、彼の地のラジオが
「これぞ、バルセロナのフットボール」と叫んだ
というのは言い過ぎだ。
攻撃面はそうだったかもしれないが、バルサの
守備陣はあれほど致命的なエラーをしないだろう。

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現地アナの言葉は岡崎が3点目のゴールを決めたあとに出たらしい。
たしかに、オランダ、ベルギーを相手にした2試合で日本代表が挙げた5ゴールは
すべて美しかったと思う。へそ曲がりの私がそう思うぐらいだから、異議を唱える
サッカー・ファンはいないだろう。ハハハ。

しかし、このアナもそうだが、ヨーロッパの強豪に健闘したことで舞い上がって
失点の内容の悪さを忘れてはいないか?特に、オランダ戦の1点目とベルギーに
許した先制ゴールは“目を覆う”ほどだった。忘れちゃいけないよね。
ま、ある意味“快挙”だったわけだから喜ぶのはいいんだけど、どうも日本人は
「よかった、よかった」で終わってしまう傾向があるからなあ。


張り手禁止を訴える


時天空がフルスイングの張り手で魁聖を”KO”した。
決して“相撲のわざ”で勝ったわけではない。
好角家に問いたい。こんな相撲、面白いか?
面白くないよね。
だったら、声に出して言おうよ。「張り手禁止」と。
小錦や把瑠都が本気で張っていたらけが人続出だったぜ。
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たとえば、「平幕・遠藤が横綱・白鵬の頬を張ってもいい」と言うならなら別だ。
しかし、不文律として、番付下位の力士が上位に対してはやれない、少なくとも、
やりにくい空気がある。
…だから、張り手を禁止しようよ… #sumo #nhk #大相撲 のタグつきでこれまで
何度も訴えてきた。相撲ファンの賛同を得られると思ったのだが、手ごたえがない。
なさすぎることに茫然とする。あれでいいと思っているわけだ。
ボクシングで、挑戦者はチャンピオンに対してフック禁止と言っているのと同じで
フェアじゃない。信じられない。


プライドってものが…

11/22のツイート

MLBでプレーすれば1年・10数億円の年俸が確実な
黒田博樹に広島が3億円を提示したそうだ。
MLBをかなり下回っても黒田のプライドを満たす
額なら復帰すると思っていたが3億円…
いくら彼が帰りたくてもこれでは無理ではないか。


NYポスト紙によれば、ヤンキースの来年の先発スタッフはベテラン、サバシアと
若手のノバが決まっているだけで3枠が残っている。計算できる黒田はどうしても
キープしておきたいところだ。黒田には帰国するか 来年もMLBでプレーするかの
選択肢が残されているが、まだ、具体的な発言はない。
ポストは、理由を示さずに「12月までは決まらないだろう」と書いている。
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私は一貫して、年俸が大幅にダウンしても彼のプライドを満たす額が提示されれば
日本に帰るのではないかと言い続けてきた。問題なのは、ここでいう“日本”とは
“イコール広島”という点だ。財政的に苦しい球団だからどこまで出せるのか…
しかし、“3億円”はどうかなあ。現在のエース・前田健太の年俸を大きく超える
わけにも行かないのだろうが、どれだけ深く広島を愛し、カープを愛していても、
この金額で黒田のプライドが満足させられるとは思えない。

大金が必要になる田中将大の件が最終決着するまでヤンキースも動けないだろうし、
ドラフト指名権の問題があって他球団は手を出しにくい状況だとも聞く。

うーん、黒田に“いずれ帰る”気持ちがあるなら、タイミングは“今でしょ”と
思うけど、悩ましいね。間違っても、YGのユニフォームなど着ないでほしいなあ。
ハハハ。
by toruiwa2010 | 2013-11-28 09:37 | 岩佐徹的考察 | Comments(4)
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「悪の法則」60

11/16のツイート

映画“評論”はいったい何のためにあるのだろう?
昨日の朝日夕刊に載った柳下毅一郎という評論家の
文章を読んで考え込んでしまった。
この一文を読んで映画「悪の法則」を見ようと思う人は
いないのではないか? 朝日も罪なことをする。


この評論家は、相当にひどかったタランティーノの「ジャンゴ」の“評論”でも
わけの分からんことを同じ朝日に書いていた。
「陰惨で残酷なシーンもあるが底抜けに明るく、楽しい」と。

彼が評論家としてどれほどの評価を得ているのか知らなかったが、あきれ果てた。
そして、「こんなのに騙されて見に行く人が気の毒だ」と当ブログに書いた。
“陰惨で残酷なシーンもあるが”は事実ではない。そんなシーンの“連続”だった。
評論家の先生が“底抜けに楽しい”とおっしゃるのだからと、“楽しむ”つもりで
見に行った映画好きは“らえらい目”に合ったはずだ。

金曜日の朝日夕刊には映画関係の記事が多く、楽しみなのだが、先日はリドリー・
スコットの新作「悪の法則」についての評論が出ていた。見ようと思っていたので
読んでみた。その見出しは“文学的脚本による奥深い会話”だった。
記事の最後の署名が“柳下毅一郎”だったので、前の件もありまたおかしなことを
言っているのではないかと身構えた。ハハハ。
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果たして…不可解な記述が目についた。
およそ700文字の記事から一部を紹介するのはアンフェアだと思うが、かといって
全体をコピーして貼り付けるわけにも行かないので、柳下氏にはご容赦を願う。

映画では本編が始まって間もなく、指輪を買うために弁護士が宝石商を訪れるが、
その部分についてこう書かれていた。

表面上はダイヤモンドについて話しているかに見える2人だが、
そこで語られているのは人の企てがいかにはかないか、世界が
我々にいかに無関心かということなのである。

この見事な会話のやりとりが、コーマック・マッカーシー脚本の
精華である。


「この文章を読んで著者が言いたいことは何かを記せ」
…入試の国語でこんな問題が出たらお手上げだ。100点満点で10点も取れん。
だって、書かれていることがまったく理解不能だもの。これでも、一応、遠い昔に
大学の文学部を出て日本語を仕事の道具として40年以上を過ごしたはずなんだが。
ハハハ。

記事全体を読むと、柳下氏がこの映画の脚本家である現代アメリカ文学の巨匠、
マッカーシーに心酔していることはよく分かる。

キャラクター同士の会話はただ表面的な意味だけでなく、
つねにその奥のテーマを指ししめしている。ちょうど
弁護士たちの華やかで華麗な社交界の裏に、わずかな
金のために人を殺す醜く貧しい世界があるように。
すべての象徴が裏にひそむ弱肉強食の世界を指ししめす。


キャメロン・ディアスがキー・キャラクターなのだが、記事の最後は彼女についての
以下の文章で終わっていた。

美しくも無慈悲な彼女こそが世界を支配する原理なのだ、と
マッカーシーは語る。世界は無情で、あなたのことなど
気にもしないのだ。


…映画もずいぶん変わった終わり方だったが、その評論の結論も唐突だ。ハハハ。
さて、この記事を普通に読む限り、この映画には“奥深い会話”(by 柳下)以外には
見るべきものがない…と思うしかない。引用部分を足すと全体の三分の一程度だが、
ほかの部分には、この映画を論評している記述はないんだもの。

そう“覚悟”して作品を見に行った。

出演者の顔ぶれがすごい。ディアスのほかにも、ハビエル・バルデム、ペネロペ・
クルス、ブラッド・ピット、マイケル・ファスベンダー…演技にも凄みを感じる。
これだけの俳優が揃えば、どんなタイプの映画を撮っても客が呼べそうだ。しかし、
この映画はダメだ。監督の趣味だろうが、露悪的・暴力的でどうにもならない。

問題の会話だが、悪の一味の口から出るとは思えない言葉に戸惑うところはある。
しかし、回りくどくて言っている意味がよく分からない。
もし、柳下氏が、回りくどくて、意味が伝わらないことを指して“文学的脚本”と
言っているなら、正しいかもしれない。ハハハ。

少なくとも、限られた文字数で書かれた字幕を頼る者には文学の香りなどみじんも
感じられない。思うのだが、彼も、本気で文学的脚本と思ったわけではあるまい。
この映画の評論を頼まれ、引き受けたのはいいが、ひどすぎて、ほかに書くことが
なかったのではないか? ダメなものはダメと書けばいいんだ。それが仕事だもの。

これだけのキャスティングでこれだけくだらない映画を作った魂胆を知りたい。
「見る値打ちはない」と書いておく。

ここに取り上げた記事はこちら → http://t.asahi.com/d7b3


「ミッドナイト・ガイズ」85

看守に付き添われたヴァル(アル・パチーノ)が時折仲間に手を上げて別れの挨拶を
しながら、娑婆に続くドアに向かって歩いていた。28年間の“お勤め”を終え、
仮釈放で刑務所を出るところだった。

建物の外でドク(クリストファー・ウォーケン)が待っていた。昔の友情を忘れず
迎えに来てくれたのだ。感謝すべきところだが、ヴァルはそういう男ではなかった。
連れていかれたドクの古ぼけたアパートをはじめあらゆることにケチをつけた。
穏やかにそれを聞き流すドク。彼には組織のボスからある指令が伝えられていた…
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ある意味“勧善懲悪”。B級映画によくあるような他愛ない物語です。
しかし、どう展開していくのかにわくわくし、かなり楽しめました。
楽しめた大きな理由はパチーノ、ウォーケンにアラン・アーキンを加えた3人の
個性豊かな俳優たちの演技です。彼ら自身もこの映画への参加を楽しんでいます。

下手をすれば三流作品になってしまいそうなストーリーですが、全編にちりばめた
コミカルなセリフや演技がくすくす笑いを誘いながら物語は進んでいきます。
好みにもよりますが、さりげなく挟み込むいくつかのエピソードの扱い方もうまく、
全体として“上等な”映画に仕上がっていると思います。少なくとも、同じように
役者を揃えて、同じように悪の世界を描いている「悪の法則」にくらべ、はるかに
いい出来であることは間違いありません。ハハハ。


「ある愛へと続く旅」80

11/23のツイート

映画 「ある愛へと続く旅」を見た。
テーマは重いけどいい。いいけど分かりにくい。
分かりにくいけど胸に響いた。胸に響いたけど
もう少し分かりやすく作れなかったものか。
思い千々に乱れて80点。ペネロペ・クルス&
エミール・ハーシュは文句なくよかった。

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60 悪の法則 俳優の顔ぶれは豪華だが出来上がった映画は“最低”と言っていい
85 ミッドナイト・ガイズ 三流映画になりそうな話を娯楽作として成功させた
80 ある愛へと続く旅 内戦や代理母…重いが見るべきものはある ペネロペが光る
by toruiwa2010 | 2013-11-27 09:12 | 映画が好き | Comments(5)
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11月20日~21日で京都に行ってきました。
お天気にも恵まれて紅葉を堪能しました。

曼殊院
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圓光寺
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永観堂
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南禅寺山門近く
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南禅寺・天授庵
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法然院
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光明院
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東福寺・通天橋
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最勝金剛院
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行きも帰りも富士山がきれいでした。
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by toruiwa2010 | 2013-11-26 17:46 | ギャラリー
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7ヶ月ぶりで京都に行ってきました。お目当てはもちろん紅葉です。
先日の鳴子峡は少し“不満”が残りました。“豪華一点主義”で1か所しか
行かなかったのだし、ピークには4,5日早いことも分かっていたのですから
ぜいたくなんですけどね。ハハハ。

京都は目玉候補が何ヶ所かありますから、まさか、ぜんぶ外れることは
ないだろうと、天気優先で“決行日”を決めました。
5時起床…と決めておいても、必ず30分前には自然に目が覚めます。妻は
それより早く起きています。せっかちと言うのか、神経質なのか。ハハハ。

6時半に家を出ました。真っ青な空でした。500km西にある京都の天気が
同じとは限りませんが、気分は上々です。
10時前に京都に着き、まず、鍵善に向かいます。
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タクシーの運転手さんに私がうっかり「四条河原町の鍵善さんへ」と言ったことで
惑わせてしまいました。店の名前と告げられた場所が一致しなかったようです。
「えーと、鍵善さんていうと…」。
妻が、「高台寺の方じゃなくて…」と言いかけ、ますます混乱したかもしれません。
「壱銭洋食のところです」と私が付け加えました。京都では有名な店のはずだから
その名前を出せばすぐに分かると思ったからです。壱銭洋食は伝わったのですが、
鍵善についてはまだピンとこないようでした。

結局、“四条花見小路”と言うべきだったことが分かりました。
そのあとの会話の流れで、私が「建仁寺から出てきたところですよね」と言うと、
運転手さんは「そうですなあ。あっこやったら、XXもあるし、XXXもありますな。
ほんで、場外馬券売り場もありますな」と返して、さらにこう言いました。
「ま、ま、それは要らん情報やけどな。イランジョーホ」…。

文字にするともう一つですが、絶妙な間合いで語られる本場の京都弁のおかしさが
たまりませんでした。この時点でいい旅になると思いました。ハハハ。

いつも通り、くずきりを戴きました。一瞬、お汁粉にしようかなと迷いましたが、
氷水の中のくずきりを思い浮かべたら、その誘惑には勝てませんでした。

1976年ごろだったと思いますが、フジテレビの「3時のあなた」でコンビを組んだ
藤純子(現・富司純子)さんのお供で初めて口にしたときの感激は忘れません。
以後、長い間“ご無沙汰”でしたが、現役引退後、京都を訪れる機会が増えてから
何度もそのおいしさを楽しんでいます。あっさりした黒蜜をつけたその味は絶品。
壇蜜とはえらい違いです。ハハハ。
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まず、曼殊院に行きました。
圓光寺からスタートするつもりでしたが、「曼殊院は行かないんですか?」と、
不思議そうな運転手さんの声で予定を変えました。変更して正解でした。
上まで車で上がってしまうのはもったいないので参道の手前で降りましたが、
いきなり、きれいな“赤”に出会いました。こういう色を求めて毎年紅葉狩りに
出かけますが、お目にかかることはめったにありません。98点ぐらいの赤でした。
ハハハ。
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弁天池周辺もいい具合に紅葉が進んでいました。曼殊院の満足度は85点です。
ここは、初めて行ったとき以外、中には入りません。紅葉を楽しむにはそれで
十分なんです。拝観料も節約できるし。ハハハ。

歩いて10分足らずの圓光寺は80%ぐらい紅葉が進んでいました。
間違えないでください。“紅葉評論家”・岩佐の考えでは、ここの80%はよその
100%超に匹敵します。ハハハ。
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何がいいって、色の混ざり具合が絶妙です。
私たちが初めてここに行った2007年にはそれほど知られていなかったのに、
今はすっかり有名になって…。嬉しいような、めんどくさいような。ハハハ。

ちなみに、全体としてここの満足度は95点でした。
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続いて、ネットで “よさげ”に見えた永観堂へ。
ここも“赤”がいいのですが、紅葉の進み具合も満足度も90点の出来です。
それにしてもすごい人出…。
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続いて、JR東海が今年の秋、フィーチャーしている南禅寺・天授庵へ。
山門横の見事な紅葉が迎えてくれました。赤と黄のハーモニー。
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天授庵はいつもより混んでいましたが、予想したほどではありませんでした。
そして、庭の紅葉は…かなりがっかりしました。赤が全然だめですね。70点。
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しかし、奥の池の周辺は数倍いいです。
赤といい、色の混ざり具合といい満足でした。ここは90点。
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妻が撮ったこの一枚はこの旅のベストショットです。ハハハ。
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最後に、大好きな法然院に回りました。
石段を上がって左折したとき、100メートルぐらい先に見える茅葺きの門が
お気に入りですが、今回は何かが違っていました。
近づいてみてわかりました。葺き替えられていたのです! 
そのため、いい感じだったコケがすっかりなくなっていました。
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帰宅して去年の写真を見ると、たしかにかなり傷んでいるのが分かりましたから
仕方がないのでしょう。…と、頭では納得しますが、「あの“風情”が戻るまで
ずいぶん時間がかかるんだろうなあ」と、残念な気持ちは抑えられません。
振り返ってみる周囲の紅葉とのハーモニーはなかなかですが、75点でしょうか。

ホテルで一休みしたあと、いつものように芦屋まで行き、長兄と夕食。
89歳の兄は耳がかなり遠くなっています。心配ですが、施設などに入る気持ちは
さらさらないようです。
駅前の中華が行きつけでしたが、味が変わりました。経営者、調理人などが
変わったのかもしれませんが、ガッカリです。別の店を探さなければ。トホホ。

翌日もいいお天気でした。

7時45分にホテルを出て東福寺へ。
秋の京都に来たら、通天橋の紅葉は欠かせません。
時間が早かったせいか道がすいていて、8時前に着いてしまいそうだったので
近くにある東福寺の塔頭の一つ、光明院に寄ることにしました。

本当は8時に開門だったようですが、すでに開いていたので中に入りました。
回っている途中で出勤してきた受付の女性と鉢合わせして驚かせてしまいました。
ごめんなさい。ハハハ。

ここは人が少ないのが最高です。
ただし、紅葉はまだまだでした。65点。
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東福寺に着くとそれほどの行列はできていませんでした。
見せるために木を集めた通天橋はいいときは確かに見事ですが、今年はあまり
よくありません。赤が気に入りません。ハハハ。75点。
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ただし、境内の一角にある最勝金剛院の紅葉が“失点”を挽回していました。
九条兼実公の御陵がありますが、その入り口を守る赤と黄のもみじが見事です。
拾いもので85点。
それでも、トータルで80点ぐらいでしょうか。

京都の紅葉は今週いっぱいは十分に楽しめると思います。

行きも帰りも新幹線の窓から雪を戴く富士山が“拝め”ました。
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ほかの写真はいずれギャラリーにまとめます。


行く先々から写真付きでつぶやきました。
最近のスマホは画像がきれいですね。
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by toruiwa2010 | 2013-11-26 09:09 | 旅に出る食べに行く | Comments(8)
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11/17のツイート

大相撲九州場所8日目:今日はいつもの
お姐さんの姿が見えないね。
勝手に粋筋の女性だと決めつけるのもなんだが。
ハハハ。
お店の大事なお客さんが来てるのかな。
画面に華がないよね。言いすぎか。ハハハ。


NHKアナが口を揃えて、枕詞のように“一年 納めの”と言う九州場所の楽しみは
西の花道近くに座る30歳代と思しき美女だ。
毎日、妻と「今日の着物はいいねえ」、「15枚、着物を揃えるのは大変だろうね」と
勝手なことを言いながら見ている。この日は姿が見えないと思って呟いたのだが、
珍しく洋服だから気づかなかっただけだった。
何人かの人が情報を寄せてくれた。国技・相撲の見方としては邪道だと承知しつつ、
気にしている人は結構多いのだ。ハハハ。
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軽く検索すると、2年前に日刊スポーツが取材していることが分かった。
“中洲のスナック『T』(記事は実名)のママ”だそうな。ブログやツイッターなどで
話題のちょっとした有名人だと紹介した上で“こんな皆さんの期待?を背負い”
直撃したと書いている。嘘つけ、と言いたい。
自分が気になったから取材にかこつけて出かけて行ったに決まってる。ハハハ。

ま、それはまったくの余談だが、今場所も家にいる限りテレビで観戦し続けた。
大関・稀勢の里の頑張りが終盤の土俵を支えた。二横綱連破は内容をともなった
見事なものだった。
豪栄道に首投げを食って2敗目を喫したときにはがっくりしたが、最後の3日間で
彼が見せた相撲は、“非凡”であることの証拠だと思う。
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問題は15日間を通して見たときの安定感だ。ここというときに勝てず、まさかと
いうところで負けるもんなあ。果たして来場所13勝以上での優勝は可能なのか?
何度も裏切られてきているだけに熱烈なファンだって確信は持てまい。
「左四つの相撲にもっと自信を持っていいと思う」と北の富士が言っていた通りだ。
堂々と、自分がやっていることに自信をもって土俵に上がってほしい。

稀勢の里が白鵬に勝ったあとの館内はすごい騒ぎだった。“二枚つなぎ”だから
座布団は飛ばなかったが。ハハハ。
言うまでもなく、目の前の快挙を無邪気に喜んだだけで、悪気などあるはずもなく、
稀勢の里が日本人で相手がモンゴル生まれの横綱だからではなかっただろう。
しかし、突然 沸き起こった“万歳”には違和感があった。
今朝の朝日にこう書かれている。見出しは“万歳連呼 こわばった表情”だ。
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…暴力団観戦問題に野球賭博事件、八百長問題と不祥事が立て続けに起き、
大相撲は存亡の危機に立たされた。責任を一身に背負い、63連勝という
輝かしい連勝を刻むことで、大相撲の歴史と伝統と文化と誇りを守ったのは、
白鵬ではなったか。
十両以上の全関取でつくる親睦団体「力士会」は、いまも年間840万円を
東日本大震災の被災地に寄付し続けている。向こう10年、関取の地位に
ある者は全員、毎月1万円を出し続ける。震災直後、力士会長の白鵬が
それを指揮した。
(中略)
稀勢の里との、あの死闘に敗れた白鵬に、万歳コールかーー。
1年納めの九州場所。今年は、あと味が悪い。(抜井規泰)


記者も私も、少し“感傷”に流され過ぎているかもしれない。
しかし、あの万歳を白鵬がどんな思いで聞いたかは気になって仕方がない。
その場にいた記者が感じた切ない思いが伝わるこの記事に納得した。
白鵬が大相撲に果たした功績はどんなときも忘れないでおきたい。

その意味で、優勝インタビューを受けている日馬富士がなにげなく口にした一言に
ビックリしたし、救われた。

土俵際の出来事について聞かれたとき、「まったく気づきませんでした。流れで急に…
“大横綱”が力抜いたので…」と言ったのだ! それも、ごく自然に。
続けて、「僕の足も出ちゃったかなと思って」と言ったことで場内に起きた笑いに
“インパクト”が薄れたが、私は“えっ!いまなんつった?”と思い続けていた。
同じモンゴル出身でも、“朝青龍寄り”だと思っていた日馬富士が白鵬をそういう目で
見ているとは思わなかったからだ。
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引退してからならともかく、現役横綱がほかの横綱を“大横綱”と呼んでいるのを
聞いたのは初めてだった。意地があって、なかなかできることではないだろう。
素直にリスペクトを口にした日馬富士を褒めたい。とつとつとした話し方だったが、
立派だったね。スポーツの良さが見えた場面だった。

日馬富士が苦労した末に5場所ぶりの優勝を飾った。
久しぶりに彼らしいスピード感あふれる相撲を見せてくれた。白鵬との相星対決を
制したのも“スピード”のおかげだった。おめでとうと言いたい。 
by toruiwa2010 | 2013-11-25 08:59 | 大相撲 | Comments(2)
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モンゴルに学べ (2006.05.22 初出)

国歌ではなく、“大相撲の歌”だと思っている子供たちがいると聞いてビックリした
ことがあります。
…観客の声に合わせて、彼の口元が動いていました。日本語の歌詞どおりに白鵬が
君が代を唄っている…あまり見かけなかった光景だと思います。
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モンゴルからこれまでにいったい何人の力士が来日したのか定かではありませんが、
風貌が日本人によく似ているし、礼儀正しい物腰にも好感を持っていました。
稽古や日常生活など必要に迫られてのことだと思いますが、わずか数年で鮮やかな
日本語を話す彼らを見ていると、相撲に賭ける意欲、必死さが伝わってきますね。
中でも白鵬は、先輩・朝青龍を追う存在として注目していました。
横綱になったあとの朝青龍の言動に嫌気が差していたところに頭角を現した彼に、
「この力士は、いい横綱になりそうだ」と思ったのです。

体調も決して万全ではない中、“誰もが硬くなる”と言われる新大関の場所で見事に
初優勝を飾りました。何よりも、常に落ち着き払っていたのが印象に残ります。
力のある大関がどっしり構えると、下位の力士はどうしようもなくなるようですね。
テニスなど、ほかのスポーツにも通じるところがあるような気がしますが。
どちらにしても、この優勝は内容的に見事なもので、ライバル・朝青龍が途中から
休場したからと言って、少しも価値が下がるものではないと思います。

名古屋場所は、“綱とり”のプレッシャーに加えて、朝青龍も戻って来るでしょうし、
安定感が増している雅山、伸び盛りの把瑠都など、“ストップ・ザ・白鵬”の圧力も
大きくなるでしょうが、ぜひ、連続優勝と横綱昇進を手にしてほしいものです。

優勝インタビューで「親方をはじめ、日本につれてきてくれた旭鷲山関、お父さん、
お母さん、部屋の皆さんにありがとうと言いたいです」と話したことで、大きく
ファンを増やしたかもしれませんね。

目立ちませんが、最初のひと言(“ありがとう”だったか“嬉しいです”だったか
覚えていませんが)のあと、インタビューを担当した三瓶アナがマイクを白鵬の前に
残したのはファイン・プレーでした。
あそこで、アナがマイクを自分の方に戻すと相手はしゃべるのをやめてしまいます。
白鵬はひと言で済ますつもりだったようですが、マイクが残っていたために彼は
言葉を続け、結果として、素直な気持を引き出しました。
インタビュアーは次々に質問を繰り出せばいいというものではないのです。ハハハ。
相手の表情をよく見て、簡単に次の質問に移らないのは、インタビューの鉄則と
言っていいと思います。

正面の実況担当だった吉田アナは、NHKにしては珍しく適度なユーモアがあって
相撲アナの中では岩佐英治アナと並んで好きです。
優勝決定戦で白鵬が上手を取った瞬間に言った「白鵬、左上手っ!」のひと言で、
白鵬が優位に立ったことを視聴者に伝えたのは見事でした。

テレビ朝日の“グレートマザー物語”も昨日は白鵬の、外科医だったという母親を
取り上げていました。
「日本には“実るほど頭をたれる稲穂かな”といういいことわざがあるそうですが、
息子には地位が上がっても頭を下げることを忘れないでほしい」と話していました。
この母にしてこの子あり、ですか。

謙虚さ、ハングリーさ、礼儀正しさ…外国人ばかりが目立つ日本の国技の現状は
残念ですが、あらゆるスポーツがグローバル化しているのですから言ってみても
始まりません。むしろ、私たち日本人がモンゴルの人たちからは学ぶべきことが
たくさんありそうに思います。
by toruiwa2010 | 2013-11-24 08:42 | 自薦・厳選300? | Comments(2)
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“れば”“たら” (2006.05.01 初出)
 
「あのとき、こうしていたらどうだったろう?」、「もうひとつの選択肢を
選んでいたら?」と思うことはありませんか?
“What if・・・”はそんなニュアンスを持ったフレーズですね。
インサイド・テニス誌の3月号で、面白い記事を見つけました。
古い話になりますが、連休中の暇つぶしのつもりでどうぞ。
怒りっこなしですよ。ハハハ。
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・エバートにナブラチロワの存在がなかったら?
・今でも、テニスがウッド・ラケットでプレーされていたら?
・ビヨルン・ボルグ、パット・ラフターがあんなに早く引退していなかったら?
・タイガー・ウッズやマイケル・ジョーダンがテニスにトライしていたら?
・フェデラーに本当のライバルがいたら?
・マッケンローがレンドルのように練習していたら?
・レンドルにコナーズのカリスマ性があったら?
・コナーズがチャンのようにマナーがよかったら?
・ロディックにマッケンローのタッチがあったら?
・ビーナス、セレナに妹がいたら?
・ピーク時のフェデラーとサンプラス、グラフとナブラチロワが対戦していたら?
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・grunting(=ショットのときのうなり声)が禁止されていたら?
・マッケンローがかわいくて人に好かれる性格だったら?
・ソビエトが崩壊せず、シャラポワ親子がシベリアにとどまっていたら?
・セレスがあの悲劇に見舞われなかったら?
・シャラポワにあのモデルのようなルックスがなかったら?
・ローランギャロスとウインブルドンの間隔が2週間じゃなかったら?
・ウインブルドンのストロベリー&クリームが自慢するほどおいしかったら?
・グラフにエナンのバックハンド、エナンにグラフのフォアがあったら?
・アガシに絶妙なボレーがあったら?
・サフィンとセレナが本来の才能を開花させていたら?
・フェデラーがアメリカ人だったら?

…想像してみると、なかなか面白い“れば”、“たら”ですね。


私の“What if” ですか? 個人的なことだけでもありすぎて。ハハハ。
スポーツがらみで、すぐ思いつくことを五つだけあげておきましょうか。
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・クルニコワが早めに1勝していたら?
・カス・ダマトがあと5年生きていたら?
・ピーク時の山田久志がメジャーに行っていたら?
・99年全仏決勝、64/20でヒンギスがライン・ジャッジにこだわらなかったら?
・ジョージ・ベストがイングランドの選手だったら?

お分かりにならないものもあるでしょうが、あえて説明はつけません。ハハハ。
山田久志、ジョージ・ベストは別の人物と入れ替えても同じことが言えますね。
by toruiwa2010 | 2013-11-23 09:00 | 自薦・厳選300? | Comments(2)
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11/16のツイート

横峯さくらイベント欠場→即罰金(100万円)…
協会側は「銭が取れる」選手には出てほしかっただろうし
横峯は姉の結婚式を優先させたかった。
「ルール」は重いが、アメリカでは妻の出産で2日目以降を
棄権した選手もいる。
ところで結婚式、日取りは選べなかったのかなあ。


メディアが伝える記事からは“横峯が可哀相”というニュアンスが感じ取れるが、
私の考え方はどちらかと言えば協会寄りだ。姉の結婚式と重なったのは気の毒だが、
やはり、出場すべきだったと考える。罰金を払えば済むという話ではない。
以下、その理由をいくつか…

まず、横峯は日本女子プロゴルフ協会(LPGA)に所属するプレーヤーだ。だからこそ
高額賞金がかかったトーナメントに出て、たった1試合で普通のサラリーマンが
1年で手にする給料以上のお金を稼ぐこともできている。それは会員であることの
メリットだ。一方で、当然、果たさなければいけない義務もある。プロアマへの
出場やラウンド後の記者会見などもその中に含まれていると思う。問題になった
スリーツアーズへの出場者が“11月3日終了時点での獲得賞金ランク3位以内”と
規定されている以上、2位だった横峯には出場の義務があったと考える。
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報道には“横峯は出場資格者である”、“特別な理由がない限り欠場は許されない”と
書かれているが、大会の規定として明確に“義務”としているのかどうかは不明だ。
そこに議論の余地もあるのだろう。しかし、義務なら“姉の結婚式への出席”が
欠場する“特別な理由”にはならないだろうし、明記されていなくても、常識的には
“罰金規定”がある以上、義務に近いものだと考えるのが普通ではないだろうか。

メジャー・トーナメントでも同じ行動をとっただろうかという疑問もある。
この大会は、男子、女子、シニアのツアーの対抗戦としてシーズンの最後に行われ、
入場収入や出場者の賞金の一部はいくつかのチャリティに寄付されているという。
つまり、公式戦ではないから、長いシーズンを終えたばかりの選手たちはのんびり
したいという気持ちが強いだろうから勘弁してほしいと思ってもおかしくはない。
罰金規定はそういった“わがまま”で欠場することを防ぐためにあるのだと思う。

LPGAには“ほかの二つのツアーに対して申し訳ない”という気持ちもあるだろう。
ほかの競技では、男子、女子、シニアが同じ土俵でプレーすることはまずない。
ゴルフの場合は、3協会がチャリティの趣旨に賛同して開催しているのだと思う。
ほかの2ツアーが上位3人をそろえているのに対して、LPGAだけ賞金女王が欠場、
その理由が結婚式では体面上大いに問題があると考えたかもしれない。
“姉の結婚式”が認められるなら、“親の介護”、“妻が妊娠中”、“生まれたばかりの
子供の世話”というのはどうなのか…という話にもなってくる。
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加えて、彼女が欠場することで男子の賞金ランクトップ・松山英樹にプレシャーが
かかるよね。背中の痛みを抱えながら先週の三井住友VISA太平洋マスターズには
出場していたが、万全の体調とは見えなかった。しかし、この状況では彼はとても
「休む」とは言えないだろう。
つまり、波紋はいろいろあるわけだ。


思うのだが、横峯は協会員であることの自覚が欠けていたのではないか。
100万円という罰金を払ってでも結婚式に出たいと言うのだから、姉との関係は
いいのだろう。だったら、日取りを決めるときに相談があったはずだ。そのとき、
横峯の頭に“スリーツアーズ”がなかった可能性はある。“うかつ”と言われても
仕方がない。万一、「賞金ランクで3位以内に入ったらスリーツアーズは理由を
話して休ませてもらえばいい。公式戦でもないし…」と考えていたのだとすれば
とんでもなく甘いよね。

…とまあ、こう考えるわけだがどんなものか。
大半の読者とは意見が違うだろうが、それは知ったことではない。ハハハ。
by toruiwa2010 | 2013-11-22 09:06 | 岩佐徹的考察 | Comments(5)