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岩佐徹のOFF-MIKE

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実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

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番組の冒頭、司会の山本浩之が緊張した表情で話し始めた。

「こんにちは、山本浩之です。ちちんぷいぷい、今日も一日

よろしくお願いいたします。今日はまず古川さんからです」


振られたベテランの女性アナも緊張していた。

「はい。本日発売の週刊文春で障がい者雇用支援をしている

西宮のNPO法人から石田英司が飲食の提供を受けたり、

ハワイ旅行に招待されたりしていたという記事が掲載されました。

このNPO法人の活動はかつてちちんぷいぷいなどで取り上げた

ことがありました。MBSの調査の結果、記事にありますように

そうした飲食や旅行が放送に関して影響を与えたことは一切

ありません。また、飲食や旅行につきましても行き過ぎた接待を

受けた事実はありませんでした」

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画面が変わると、普段とまるで雰囲気が違う石田記者が映った。

「えー、いろいろと私のことでお騒がせしております。

また記事の中にはプライベートな部分も書かれておりましたが、

その部分に関しましては私の不徳の致すところです。

申し訳ありませんでした。今後、改めて襟を正してまいります」


再び、画面が山本アナに戻ると「はいッ」と大きな声で受け、

いかにも“一件落着”的な空気を演出して本題に移っていった。

ハハハ。


隅から隅まで見たわけではないが、以後、番組内ではいっさい

このことについての発言はなかったようだ。


確かに、昨日発売の週刊文春に掲載された記事にはいつもの

鋭さがなかった。


障がい者の雇用を支援するNPO団体が国税局から5億円の

私的流用を指摘された。

この団体の活動を大阪・毎日放送が201415年に取材し、

放送した。

この団体の会長と「ぷいぷい」の出演者・石田英司記者は

取材の直前に知り合い、知人によれば“ずぶずぶ”の関係で

団体主催のフォーラムで司会をしたり、高級クラブなどで

接待を受けたりしていた。

さらに、2015年に石田氏はハワイ旅行に招待されている。

5年の付き合いになる(石田氏談)という愛人同伴だった。

石田氏の説明

(ハワイ旅行)同伴した女性とは5年の付き合いになる。

二人分20万円を後輩を通じて払った。後輩がどうしたか

分からんけど、ちゃんとやってると思う」

(NPOの接待)クラブ代、ハワイ代を合わせても百万円は

行かない。ハワイや新地で食事代を出したこともある」

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岩佐徹のツイート

mbs「ちちんぷいぷい」。好きな番組だが、なんだ

今日の放送は!冒頭、山広が局アナに振り、

石田英司記者の"不祥事"について、奥歯にものが

挟まった言い訳を述べ、本人も中途半端な話を

しただけだった。

今後、誰に対しても"説明責任を果たせ"などと

言う資格はなくなった。


そういうことだよね。

記事も番組も“曖昧模糊”として中途半端だ。話にならない。

「ちちんぷいぷい」は8年前に、芦屋に来たとき初めて見て、

たちまち気に入った番組だ。その頃の司会者、隅淳一の

構えずまったりした進行と合わせて、石田英司記者の話の

分かりやすさが素晴らしいと思ったのだ。


石田と団体の付き合いはアウト/サーフのきわどいところだ。

それにしても、昨日の説明はふだんの石田のキャラクターと

かけ離れていて、大臣や官僚の責任逃れと変わらなかった。

残念だ。

ツイートの言葉を繰り返しておきたい。


このままでは、「ちちんぷいぷい」には、他人に“説明責任”を

求める権利はない…と。
by toruiwa2010 | 2017-06-09 08:46 | 放送全般 | Comments(0)

金鳥のラジオCMが一部で話題を呼んでいる。

いなかの中学生の男女が学校の行き帰りにさりげなく交わす

会話が聴く者に青春時代の気持ちを呼び覚ます。

男子は大沢くん、邪心のない素朴な少年だ。

女子は高山さん、“さりげなく”と書いたのと少し矛盾するが、

彼女が口にする言葉には“計算”が感じ取れて少年にとっては

とても刺激的だ。逆に、“少女らしい”のかもしれない。


なにより、いかにもこの年代の少年少女が言いそうなセリフの

“みずみずしさ”に汚れた心が洗われる。そして、高山さんの、

からかいを含んだ言葉にどぎまぎする大沢くんがいとおしい。

65年前の自分を思い出す。ハハハ。


以下、文字に書き起こしたものをどうぞ。

あえて、どちらのセリフかは書かないが、自然に分かるはずだ。

彼らの年代になり切って読んでほしい。

今日はまず、2016年に放送された4本・・・


蚊がいなくなるスプレー


(SE:じゃり道を踏むスニーカーの音)

おはよう、高山さん

おはよう、大沢くん

高山さん、蚊がいなくなるスプレーって知ってる?

え?

蚊がいなくなるスプレー

知らん

すごいええらしいよ。寝る前にワンプッシュしといたら

朝まで蚊が出えへんようになるって

へえ・・・あっ、見た?

え?

私のうなじの蚊に刺されたあと

うん?いやいや。知らん。

見てたんや・・・いいよ。

え?

見てて。今日、蚊がいなくなるスプレー買うから、

私が蚊に刺されてないか、あしたも見てて、大沢君。

えっ!


キンチョール


高山さん

なに?大沢君

高山さんのとこって、野菜 作ってるんやんなあ?

きゅうり

お父さんもお母さんも、夏 大変やんな、蚊 多くて。

まあ、うん。

今度オレ、手伝いに行こうかな、キンチョール持って。

えっ?

オレ、めっちゃうまいねん、キンチョールで蚊 落とすの

もし迷惑やったらアレなんやけど…

いいよ

えー?

別に…いいよ

え?

今度の日曜、うちの親、組合の旅行でいないねん

うん

畠やなくて、私の部屋の蚊 落としてみてよ、大沢君

えっ!

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虫よけプレシャワー


あ、高山さん

大沢君

それ、すごいやん、ゆかた

ありがとう。お姉ちゃんのおさがり

そうなんや

ねえ、大沢君

なに?

蚊、多いね

うん

これ、かけてくれへん?

え、なに?

プレシャワー。虫よけやねん。かけて

かけるて、どこ?

足首

え!

ほら。これで、お願い。シュッて

あ、うん。

大沢君

うん?

ひざまずいた方がかけやすいよ

あ…うん

大沢君

え?

足首だけやで

…はい


蚊がいなくなるスプレー


大沢君

あ、高山さん

今度の林間合宿、何班?

オレ、5

私、6

そうなんや

2班の男子が夜中に女子の部屋来るとか

言うてるらしくてさ。めっちゃいややわ

ふーん

どうしようかな、2班の後藤君が部屋に来たら

後藤な。カッコいいよな

大沢君

うん?

大沢君が教えてくれた蚊がいなくなるスプレー

私今、毎晩使ってるんよ

ワンプッシュしに来てよ大沢君、女子の部屋に

ええっ?

あかん?

そんな、行かれへんよ

大沢君にワンプッシュしてほしいねん

そんなん。もし先生に見つかったら

いいの、後藤君に頼んでも

えっ?


それぞれ、高山くんの“絶句”や消え入るような声のあと、

金鳥製品のCMがアナウンスされています。


イラストは“とかげ2319”さんのブログからお借りしました。

子育て中の主婦の漫画が魅力的です。

http://bit.ly/2r3Kyt0


by toruiwa2010 | 2017-06-08 08:34 | 岩佐徹的考察 | Comments(2)

家族はつらいよ2 90


朝の洗面所で周造(橋爪功)が鏡を見ながら鼻毛を切っている。

お気に入りの野球帽をかぶると満足げな表情で玄関に向かった。

廊下を曲がったところで、起きてきた長男・幸之助(西村雅彦)

鉢合わせした。いい匂いを残して無言で立ち去る父親の背中に

幸之助が叫ぶ。

「俺のオーデコロン、使わないでくれよ。高いんだから」。


台所にいた妻(夏川結衣)に出て行った父親の行く先を尋ねると

「早起き体操よ」という答えだった。そこで、行きつけの



飲み屋の女将(風吹ジュン)と会うのが朝の楽しみなのだ。


出勤する幸之助と妻が周造の車をチェックしている。

新しく“こすった”跡が見つかった。全体に傷だらけだ。

「危ないから運転をやめさせよう」が家族の総意だった…

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妻が友達とオーロラを見に北欧に出かけて“にわか”独身になり、

周造は少々浮かれて羽目を外します。深夜に、高校時代の友人

(小林稔侍)を自宅に連れ帰ったのは、幸之助の提案で開かれた

家族会議の前日でした。議案はもちろん“免許返上”です。

しかし、その日、話し合いに入る前に“事件”が発覚します。


…ご存知の通り、世間で“大御所”と称される連中が苦手です。

本作の脚本・監督、山田洋次もその一人です。ハハハ。

したがって、大きな期待を持たずに出かけました。

面白かったです。素直に楽しめました。

終盤で、困窮した年寄りが炎天下で働かざるを得ないのは

政治が悪いからだと周造が“スピーチ”をする場面が唐突だし、

そこだけ、山田作品のいやなところが出ていますが、ほかには

“瑕疵”がありません。完成度の高い喜劇と言っていいでしょう。


思えば、ここ数年、山田作品はたくさん見ていますが、前作は

80点だったし、世間的に高く評価されていた二宮和也・吉永

小百合の「母と暮らせば」は75点でした。「武士の一分」、

「小さいおうち」、「東京物語」も85点が精いっぱいだったので、

初めての90点作品ということになります。


俳優陣もみんな“はまって”いて、見事なキャスティングですね。

浮いている俳優が一人もいないというのは驚きです。


ちなみに、休載期間中に見た作品は以下の通りです。

そのときにつけた感想点と見た直後にツイートしたものを

そのまま採録しておきます。


ジャッキー 85


無限の住人 45


木村拓哉の「無限の住人」を初日の西宮で見た。

8分の入りだった。ひどかった。

これほどひどいのは久ぶりだ。

キムタクの演技を云々する以前の出来の悪さだ。

ネットの評判がそれほど悪くないことに驚く。

木村なら、三池崇史ならなんでもよしという

手合いが多いのか?


木村拓哉主演「無限の住人」…評価は45点!

タテの迫力はアップが多いから。木村演じる

万次は剣の達人かと思ったが、何度も手首を

切り落とされる。""のおかげで再生するから

死なないだけ。

よかったのは杉咲花の熱演と海老蔵のセリフ

回しだけだった。まれにみる愚作だ。

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3月のライオン 後編 80 


映画「3月のライオン 後編」…80点かなあ。

前編でも詰め込み過ぎていると感じたが、

後編の"いじめ""父帰る"のエピソードも

うまくつながってない。整理すれば2部作にする

必要もなかった気がする。

有村架純が一段ランクを上げた。賞レースに

名前が出てもいいと思う。


カフェ・ソサエティ 75


追憶 90 


岡田准一の「追憶」…

文句なしに今年上半期で最も優れた映画 だ。

「軍師官兵衛」をはじめ岡田はこの数年いい作品に

恵まれてる。しっかりドラマを引っ張っている。

小栗旬(助演男優)、長澤まさみ(助演女優)、木村大作

(撮影)…岡田とともに賞レースに名前が出そうだ。


@xxxx 随所に出てくる映像美木村大作がその瞬間を

フィルムに焼き付けたいと強く思ったに違いないと

思わされる。あれを見るにはスクリーンに限るかと。


映画「追憶」

ネットの評判は思ったほどよくないが、2017

上半期の最優秀作という私の評価はまったく揺るがない。

岡田、小栗の熱演に心惹かれるが、キンチョーの

CMでも吹っ切れた演技を見せる長澤まさみに驚く。

あと数年で大化けするのではないか。

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マンチェスター・バイ・ザ・シー 90


マンチェスターバイザシー

最後までひきつけられた。

主人公の心のひだを丁寧に描いた演出とケーシー・

アフレックの演技に納得。

ムーンライトは見ていないが、ここ数年のアカデミー

作品賞を獲った作品より出来がいいと思う。

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*今年、これまでに公開された洋画の中では

 No1だと思っています。


by toruiwa2010 | 2017-06-07 08:33 | 映画が好き | Comments(2)

・・・つづき


転居に向けた準備


4月に入ると、兄が私たちに買い物を頼むようになりました。

「駅前のバーガー屋でフレッシュネスバーガー」、「セブン

イレブンで中華丼」…「一人で大丈夫。買い物にも行ける。

誰の助けも必要ない」と言い張っていた兄が私たちに何かを

頼むのはかなり珍しいことでした。


迂闊なことに、それが“サイン”だとは気づきませんでした。

気持ちも身体も弱っていることに。

転居の日が近づくにつれて環境が大きく変わることへの不安が

膨らんでいったようです。私たちが家の中で動き回ることも

不安を増幅したかもしれません。


10日にじっくり話し合った結果、私の判断でしばらくは転居を

見送ることにしました。


この時点で兄の部屋はかなり整理されて生活環境も衛生的には

大幅に改善されていました。

1週間、ノンストップで助けてくれた妻は東京に帰りました。

すべては、私がこちらに来た21日以前の状態に戻ることに

なりました。つまり…。


兄は一人暮らしを続ける。私は東京に戻って見守りケイタイで

兄の安全を日常的に確認する。なにか“異変”を察知したら次兄に

連絡し、家までチェックしに行ってもらう…兄が一人暮らしに

こだわるのなら、このようなルーティンでその通りにさせて

あげよう。冷たいようだけど、万一のことがあっても、それは

長兄の選択だから…と納得しよう。

そう考えることにして、私も“あとかたづけ”をすませ、4月末に

芦屋を引き払うことに決めました。


兄の家でまとめてあったペットボトル、新聞、衣類などのゴミを

それぞれの指定の日に出しに行ったり、新居に予定していた

マンションに取り付けたカーテンをはずしたり、リビングに

敷く予定で注文してあったカーペットを受け取りに行ったり…

“あとかたづけ”としてやることはたくさんあるのです。


すべてがひっくり返った!


しかし、4月中旬に事態が一変しました。

兄が救急車で病院に運ばれたのです。次兄の家にいるときに

熱が出たそうです。重い肺炎を発症していました。

419日に次兄から電話がありました。

「いざと言うときに人工呼吸器を使わない。心臓マッサージは

行わない」などについて意見を聞きたいということでした。

この時点で入院から丸2日が経過していました。私への連絡が

遅れた理由は分かりません。


急いで病院に駆けつけ、話し合って“延命処置は行わない”旨の

同意書にサインをしました。最悪の事態を想像して、思わず

涙がこみ上げました。

兄の様子はそれほど深刻には見えませんでしたが、高齢ですし、

もともと、間質性肺炎という病気をもっていたこともあって

医師からは「いつ、危険な状態になるか予断を許さない」旨を

告げられました。

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毎日、病院に通いました。ナースステーションで最初に聞くのは

「昨日は熱は出ましたか?」でした。明け方に3839度の熱が

10日ほど出続け、抗生剤でなんとか平熱に下げていたからです。

正直に言うと、私はこのとき覚悟を決めていました。年齢的にも、

とてもこの危機を乗り越える体力はないだろうと。

しかし、兄はすごい回復力を見せました。時間はかかりましたが、

とうとう肺炎を克服しました。

「間質性肺炎はそのままですが、肺炎の治療は終わりました」と

医師から告げられたのは516日、入院からちょうど1ヶ月が

過ぎていました。


手放しでは喜べません。

長い入院生活で足の筋肉が落ちた兄はもう歩けません。

食べ物を飲み下す力が弱っているために固形物を食べることも

できません。“誤嚥”…食べ物が気管に入って窒息する可能性が

高いからです。

したがって、残念ですが、もう、一人暮らしはできません。

老人ホーム、養護施設…いくつもの施設を見学に行きました。

帯に短し、たすきに長し。

費用がリーズナブルだと思えば、清潔感に欠けている。

職員の感じがとてもいいところは費用がベラボーに高い。

気に入った施設は看護師が常駐しているものの医師が不在。


しかし、最後に見に行った“療養型病院”は別格でした。

進行はゆっくりだと説明されましたが、間質性肺炎と

糖尿病を持っているので、“医師が常駐”は最大の魅力です。

病院ですが、外来・救急患者が来ることはなく、きわめて

静かな環境にも惹かれました。

希望する個室はなくてすべてが4人部屋という点に不満が

あったのですが、「独りぼっちより、誰かがそばにいる方が

いいと思う」という妻の言葉に背中を押されました。


なにより、“老人ホーム”スタイルの施設にくらべると

費用もはるかに安くてすみます。弟としては、これまで

つましい生活をしてきた兄にせめて“最後”はぜいたくを

させてやりたいと思っていましたが、倹約家の兄としては

この選択の方がうれしいでしょう。


問題があります。目下“満床”…ベッドが空いていないのです!

最低でも一か月待ちです…と言われました。6月中旬には

退院できる状態ですから、ベッドが空くのを待つ間をどこで

過ごすかということです。***


つづく・・・


***今週から来週にかけて大きく動きそうです。

時期を見て、又、報告します。まあ、あまり関心は

ないと思いますが。ハハハ。


by toruiwa2010 | 2017-06-06 08:31 | 芦屋から | Comments(6)

今日から再開します。

休載する前のように、毎日、同じペースで自分が納得できる

エントリーを書き続けられるとは思いませんが、いつまでも

休んでいると、そのまま書けなくなってしまうのではないか

という怖さもあります。ハハハ。


そんなわけですから、当面はちょこちょこ休むと思いますし、

とりあえずは、この期間に何があったかを記録するための

経過報告的な記事が多くなるでしょう。

これ、ちょっと書きたいなあ…と思った事柄についても

遅ればせながら、少しだけ書かせてください。

日々起きる“事件”について、タイミングよく書けるように

なるのには時間が必要です。ご容赦ください。

では。


芦屋に来てからのこと


2月に芦屋に来たとき、兄の家はほこりにまみれ、絶え間なく

流れる鼻水をふき取ったティッシュが部屋中に散乱していて

“ゴミ屋敷状態”でした。

ゆっくりとですが、杖などに頼らず歩いていました。耳が遠く、

目もほとんど見えない状態ながら、買い物は自分でできるし、

洗濯もしていました。しかし、どう考えても、“一人暮らし”は

無理でした。


施設に入ってもらうことを納得してもらおう…

それが2月時点で私が考えていたことです。難航することは

予想していました。頑固なまでに“一人で暮らしたい。他人の

世話にはなりたくない”と考える兄を説き伏せるのが簡単では

ないことは分かっていました。


案の定、初めは「頭はしっかりしてるからねえ」と、まったく

受け付けてくれませんでした。

ゴミを処理し、生活環境少しずつ改善しながら辛抱強く説得を

続けなければいけないのだと覚悟しました。半年、1年という

長期戦になることも。


しかし、3月中旬、想像していなかったことが起きました。

私の“ミッション”を助けるため芦屋に来ていた妻と些細なことで

言い合いになり、胸に突き刺さる一言を聞かされたのです。


「寂しい。私も75歳よ」

もしかすると、私以上に兄を愛している妻が絞り出すように

そう言いました。8年前にも私が兄と同居するためにこちらに

来たことがあり、そのときは自分なりに“一人の時間”を楽しく

過ごしたから問題はないと思って送り出したけれど、今回は

違うのだと言うのです。

思えば、私も間もなく79歳です。ともに後期高齢者になった

夫婦にとってはこれからの11日はとても貴重です。

妻の言葉を聞いた瞬間、そのことに思い至りました。互いに

時々行き来すれば大丈夫だろう…と“軽く”考えていたのです。

迂闊でした。


これはいけない。兄も大事ですが、妻はもっと大事です。

芦屋に長居をするのはよくない。兄が快適に暮らせるように

部屋を整えて、できるだけ早く東京に帰ろう…。

そう決めるまで時間はかかりませんでした。 

すぐに兄のところに行きました。


転居が決まった!


実は、芦屋市内に住む次兄からこんな話を聞いていました。

彼のマンションの同じフロアに空き部屋が出るたびに長兄に

声をかけてきたが、聞き入れない。先日も中庭を挟んだ部屋が

売りに出ていたが、興味を示さなかった…。


長兄に私たち夫婦のことを話し、改めて、次兄の提案について

考えてみたらどうかと促しました。「ここでの一人暮らしより

ずっと安全だし、僕も安心して東京に帰れるから」と。

意外なことに、兄の気持ちが動きました。

「もう、(その部屋)売れてるよね?」と聞いてきました。


すぐに、私がこちらでマンションを借りるときに世話になった

不動産屋さんに電話を入れると、まだ売れていなくて、しかも

その日がオープンハウスの日だと分かりました。

兄も「見たい」と言うので早速、車を手配して出かけました。

次兄夫婦や甥も参加して内見すると、リフォームした部屋は

一人には十分な広さがあって、玄関を除くとほぼバリアフリー、

清潔で快適な暮らしができそうでした。

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先に目をつけていた人がいて紆余曲折しましたが、さいわい、

長兄が手に入れることができました。312日のことです。


あわただしく決めてしまったことに少々不安がありました。

すぐ近くにスーパーがあるので日常生活に問題ないと思って

いましたが、慣れている店やかかりつけの病院までの距離が

これまでの5割増しになることが最大の心配のタネでした。


その点については「大丈夫だ」と言っていた兄でしたが、

10日ほど過ぎたころからテンションが下がってきたので

どうしたのかと尋ねると、弱気ななことを言い始めました。

もう一度、引っ越すことのメリットとデメリットを話して

「ゆっくり時間をかけて考えて頂戴」と伝えました。


二日後に出た答えは「引っ越す」でした。無理をしている

様子はないので安心しました。

329日に最終契約を終えて、部屋は正式に兄のものになり、

420日前後を引っ越しのめどにしました。

10日ほど様子を見た上で東京に帰ることにして、借りていた

マンションも4月末で解約することを伝えました。

“ゴール”が決まったことで、持っていくものと処分するものを

仕分ける私たち夫婦の作業のピッチも上がりました。


焦ったつもりはありませんが、思わぬ落とし穴がありました。


つづく・・・


by toruiwa2010 | 2017-06-05 08:30 | 芦屋から | Comments(10)