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岩佐徹のOFF-MIKE

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やっちゃいけないこと~何度目かのunwritten rule~ 18/04/13

1978年から81年までの4年間、どっぷりとMLB漬けだった。

スピードとパワーに圧倒されたが、最も興味深かったのは

unwritten rule”の存在だった。

書かれていない規則…私は“仁義”、“不文律”と置き換える。

ルールブックには書いてないけど、やっちゃいけないこと…だ。

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たとえば、昨日のヤンキースvsレッドソックス。

3回表のヤンキースの攻撃で、1塁ランナーのオースチンが

併殺を阻止するため、セカンドベースをカバーしたショートに

脚をあげて滑りこんでいった。オースチンとショートが一瞬

にらみ合い、ベンチもカラになったが、パンチは飛ばなかった。

No punch was thrown ということ。ハハハ。


悪質に見えたが、ビデオ判定では“問題なし”とされた。

しかし、レッドソックス側にはしっかりと遺恨が残った。

10-6とリードしたヤンキース、7回表の攻撃はオースチンから

始まった。2-1からの4球目、98(158)のストレートは

真一文字にオースチンの背中に向けて投じられた。明白だった。

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ブルペンからも選手が駆けつけて大乱闘になり、

数人の選手。コーチが退場になった。が

だいぶ時間はたっていたが、明らかな仕返しだった。

「あんなスライディングをしておいて、タダで済むと思うなよ」

というレッドソックスの “チームとして”のメッセージだ。

それぞれに言い分はあるが、やっちゃいけないことをやったら、

それなりの“返礼”がある。それがunwritten ruleだ。


大谷翔平が本拠地で2連発目をセンターにたたき込んだのは

エンジェルズが0-2とリードされた5回裏だった。

あのホームランが飛び出す直前、4回までノーヒットだったが、

51死後、6番のシモンズがサードへのセーフティバントを

成功させていた。


そのシーンを見て連想したのもunwritten rule だった。

いや、0-2だし、5回だし、あのケースはまったく問題ない。

しかし・・・


200161日、ダイヤモンドバックスのシリングに対して、

パドレスのデービスがバントヒットしたときは大騒ぎになった。

このヒットで、2点をリードして81アウトまで完全試合の

ペースだったシリングの快挙にピリオドが打たれたからだ。


“騒ぎ”だが、完全試合の夢が終わったからだけではなかった。

”終わらせ方”が問題だ…とダイヤモンドバックスが怒ったのだ。

試合には勝ったものの、ブレンリー監督は試合後も怒っていた。

「あんな場面で5番がバントをするなんて△○X※◎▲▽!!」。

ハハハ。

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相手投手が完全試合やノーヒッターのペースで投げているとき、

阻止するのはクリーンヒットで…がMLBの暗黙のルールだ。

0-10なら、そのバントが記録阻止だけを狙った“せこい”ものと

さげすまれても仕方がないかもしれない。

しかし、この場面は0-2だった。デービスが出塁することで

“ホームランが出れば同点“…試合の流れを変えるかもしれない

チャンスが作れたわけだから、文句を言うのはおかしいという

考え方もある。 


MLBでは相手を怒らせたが、日本では間違いなく褒められる。

「いいアイディアだったね」と。

むしろ、やらなければ「工夫がない。知恵がない」と批判される。

野球とベースボールの違いかもしれない。


ちなみに、この試合を実況したパドレスの専属アナウンサーは

「どっちが恥ずかしいかという話さ。完全試合をやられるのと、

バント・ヒットで完全試合をつぶすのと…。僕は、完全試合を

やられるのはいやだから それを阻止するためなら、なんだって

やるけど」と言っていたそうだ。

ダイヤモンドバックスのアナは「恥ずかしくないのかね」と

言ったに違いないけど。ハハハ。


大量にリードした試合では相手が無警戒であっても盗塁したり、

3-0からの棒球を“しめた”とばかりホームランしたりするのは

やめた方がいいというのもunwritten ruleの考え方だ。

会心のホームランを打ったあと、バットを高々と放り上げたり、

楽しむかのように、あるいは、相手に見せつけるかのように

ゆっくりとベースを回ったりするのもやめとけ。

それくらいいいんじゃないのと思うが、相手は打たれただけで

参っているのだから、武士の情けとして“傷口に塩をすり込む”

ような真似はやめとこうよ…と考えるんだね。


この禁を破ると、いろいろな“仕返し”をされる。

次の打席ではぶつけられる、背中を通る球を投げられるぐらいは

覚悟した方がいい。ハハハ。

次の打席がなさそうな試合展開だと、次のバッターがやられる。

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ゆっくりとベースを一周してきた選手をホームベースの手前で

ブロックしたキャッチャーがにらみつけたのを見たこともある。

「そんなに嬉しいか?恥ずかしくないのかよ!」。


こういう考え方をどう受け止めるかは人によって違うだろう。

私は40年前に初めて知ったときから、MLBの長い歴史の中で

脈々と受け継がれてきた この“伝統”が大好きだ。

しかし、日本人の野球観には合わないかもしれない。メジャー

リーガーの中にも、分かるけど、もう少し“ゆるめ”にしようよ…

と考える世代も増えていると聞く。

どっちにしても、MLBの根底にこういう“思想”が流れている

ことを知っておくと、見る目が少しは変わるかもしれない。


この記事の一部は過去に書いたものとダブるが、

ご容赦を願いたい。

unwrittenruleをぜひ日本のMLBファンに

知ってほしいと思っているから、何度でも書く。

これからも書く。ハハハ。


by toruiwa2010 | 2018-04-13 07:58 | メジャー&野球全般 | Comments(0)
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