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岩佐徹のOFF-MIKE

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「フジコ・ヘミングの時間」90点~そんなに悪くない「終わった人」~ 18/07/04

フジコ・ヘミングの時間 90


世界へのデビューは60代後半でしたが、今は大人気で

チケットを取るのが至難の業だと言われるピアニスト、

フジコ・ヘミングのドキュメンタリー映画です。

日本、ヨーロッパ、アメリカ、南米…長い時間をかけて

たっぷり撮りためた映像と本人の話で構成しています。


ドキュメンタリーは人物の日常やイベントの表・裏を

“ありのままに”記録したもの…ということでしょうが、

私は、カメラやマイクが関わった時点で“ありのまま”は

成立しないのだと思っています。ただし、この映画に

ついては、そのことはほぼ関係ありません。主人公の

性格・人柄によるものだと思います。


成功のもう一つの理由は監督です。

一人で監督も撮影もやっているようですが、印象として

彼とフジコ・ヘミングとの関係がとても良好なのだと

分かります。ドキュメンタリーが成功するかどうかを

分ける決定的なポイントですね。カメラが少しぶれたり、

ぼやけていたりすることもありますが、問題ありません。


撮影期間が長く、カットの一つ一つに愛着があるのか、

あれもこれもと、少し詰め込み過ぎて散漫なところも

ありますが、全体としてはいい出来だと思います。

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フジコ・ヘミング…テレビで初めて見た(聴いた)とき、

グッときました。クラシックには詳しくないのですが、

彼女が弾く“ラ・カンパネラ”には胸が揺さぶられます。

音楽はそれがすべてなわけですが。

映画の中でもこの曲については熱っぽく語っています。


精神面が出る。死に物狂いで弾く曲。

他の大家と比べてほしい。自信はある…と。


“精神面”は”生き方”に置き換えてもいいでしょう。

80歳を超えた今、身体的には必ずしもいい状態ではない

かもしれませんが、その生き方はとても逞しいです。

ポジティブです。潔いです。なにより、カッコいいです。


街を行くうしろ姿を見ると、まるでショッピングバッグ・

レディのようですが、気持ちはしゃきっとしています。

そして、ピアノに向かうと表情が一変します。

女性ピアニストで、あそこまで力強く鍵盤をたたく人は

いないだろう…と思うほどの演奏に圧倒されます。


上映開始4日目、銀座・シネスイッチに出かけたときは

平日の昼間なのに、おばさま方が行列を作っていました。

115分でしたが、150分の回はすでに売り切れ、

次は420分と言われてギブアップ。いかにもこの

劇場の客が好きそうな作品だから当分、混むのだろうと

覚悟しました。しかし、二子玉川の映画館が1週遅れで

上映する、しかも、オンライン予約が可能だと分かって、

すぐに購入したのです。30日からは恵比寿・ガーデン・

シネマでも上映が始まってます。ここも予約できます。

お勧めします。


終わった人 80


“専務取締役”の札が置かれたデスクの上で時計の秒針が

ときを刻んでいる。デスクの主、田代壮介(舘ひろし)

じっとみつめている。やがて5時になった。ため息を

一つつくと、田代は立ち上がった。

床の上の紙袋を手にパーティションの外に出た。

仕事の手を休めた部下たちが席を立って来た。

この日彼は定年を迎えた。63歳だった。


一人が田代の手を握つて言った。

「もっともっと教えていただきたいことがあつたのに」。

もう一人が同じようにして言った。

「いつでも遊びに来てください。待ってますから」。

信用できん、と白けた気分で田代は会社をあとにした…

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一時はメガバンクでいいポジションにいた田代ですが、

出世レースに敗れて関連会社で定年を迎えたのです。

翌日から、“毎日が日曜日”が始まりました。ハハハ。

時間を持て余し、退屈し、これじゃダメだと落ち込み、

カルチャーセンターの受付嬢と“いい仲”になったり、

IT企業の顧問になったり…そんな田代の”その後”が

描かれます。


平日とはいえ、渋谷東映はガラガラでした。テンポも

悪くて、若い人は無理でしょうが、そんなにダメという

わけでもないです。フォローにならないか。ハハハ。


焼肉ドラゴン 75


昨日がどんな日であっても、

明日は必ずいい日になる。


そんな風に自分に言い聞かせ、妻や子供たちにも話す

龍吉(ハン・ドンギュ)が暮らしているのは関西にある

地方都市の一角の貧しい地域だ。万国博の開催が迫り、

日本中が高度経済成長に沸く中でそこだけ”置き去り”に

されている地域だ。


そこに地元客でにぎわうホルモン焼きの店があった。

龍吉の”龍”から”焼肉ドラゴン”と呼ばれていた。龍吉は

いわゆる”在日”として戦争にかり出され片腕を失ったが、

声高に不満を口にすることはなく、まじめに働いて 妻と、

それぞれの連れ子(真木よう子、井上真央、桜庭ななみ)

夫婦の間に生まれた息子を養っていた。


6人の大所帯に 次女(井上)の夫(大泉洋)がからんで、

この店の日常は賑やかそのものだった…

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貧しいけど、誰もがその境遇に負けることなく元気に

生きている、その“活気”を伝えたいのか、狭い店内や

ごみごみした路地で毎日のように繰り広げられる喧嘩や

口論のシーンの演出が過剰で辟易します。大声でわめき、

元気いっぱい暴れてください…と言われたのかな。

ハハハ。


この作品は“在日”という微妙な問題を抱えています。

あえて言えば、それこそがメインのテーマのはずですが、

扱いが中途半端です。中途半端すぎます。

“ヘイト”など、いろいろややこしい問題がからむためか、

この時代のこういう地域の日常を描くなら誰かの口から

出てもいいはずの“朝鮮”と言う単語が一度も出ません。

ほかの放送禁止・差別用語はいくつも出ているのに。


公式ホームページにもこの単語はどこにも出ていません。

“キムチ”で代用したつもりかもしれませんが、それでは

作者の思いは伝わりません。


番宣や予告編の扱い方を見て、てっきり大泉が主役だと

思い込んでいましたが、エンドロールには真木よう子、

井上真央が先に流れました。これも中途半端…ハハハ。


by toruiwa2010 | 2018-07-04 07:25 | 映画が好き | Comments(0)
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