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岩佐徹のOFF-MIKE

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映画「家へ帰ろう」はお勧め 19/01/11

家へ帰ろう 85


アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで仕立て屋を営む

アブラハムの家に娘や孫たちが集まっていた。楽しい

はずだが、浮かぬ顔している。翌日には50年住み慣れた

家を離れ、老人ホームに入ることになっていた。


新しい仲間に自慢するために 孫たちに囲まれた写真を

撮ろうとするのだが、嫌がる孫もいた。みんなどこかで

彼を軽んじているのだ。この家も売られる運命だ。


おざなりのキスと「愛してるよ」の言葉を残して一同が

去ったあとアブラハムはそそくさと身支度を整え始めた。

すでに覚悟は決まっていた。不自由な右足は医師からも

見放されていた。88歳の彼に思い残すことはひとつだけ、

生まれ育ったポーランドに行き、70年前の友との約束を

果たすことだった。


深夜に家を出るとカギをかけ、そのカギを玄関の前の

植え込みに投げ込むともう うしろを見ることはなく、

通りに出てタクシーに乗り込んだ。手にしているのは

小さなトランクとスーツを入れたキャリーバッグだけ…

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アブラハムはポーランド生まれのユダヤ人です。

ホロコーストを逃れて瀕死の状態の彼を救ってくれた

恩人に会いに行くのです。父親の洋服屋で使用人だった

男の息子です。別れるときの「必ず、スーツを仕立てて

届けるから」という約束を果たそうというのです。


彼の旅はマドリードから始まります。友がいるはずの

地方都市までの長い旅路でさまざまな人に出会います。

忌まわしい記憶につながる”ポーランド”と“ドイツ”を

口にしたくないアブラハムはそれを紙に書いてなんとか

分かってもらおうとしますが、苦戦します。

しかし、”よき人”は必ずどこにでも現れます。何人もの

善意の人に助けられて彼ののぞみは達成されます。


なぜネタをばらすのか?と思うでしょうね。

ご心配無用です。この映画は、筋書きより“結末”に至る

過程での人間のドラマに意味があるのです。暗そうで

少しも暗い話ではありません。むしろ、アブラハムの

キャラクターにほっこりします。

ただし、最後にきっと温かい涙が流れるでしょう。

それは、私にもどうしようもありません。ハハハ。

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全編を通じて、アブラハムを演じたアルゼンチン俳優、

ミゲル・アンヘル・ソラという俳優に圧倒されました。

かたくなで しかし、ユーモアの精神も持ち合わせている

88歳の老人を見事に演じています。

マドリードの空港で、帰りの航空券を持たず、滞在する

日数もハッキリ言わない彼は別室に連れ込まれます。

あれこれ聞かれる中で、険しい表情で彼が言い返した

言葉にインパクトがありました。


「戦争中のヨーロッパでユダヤ人が

どんなだったか知っているだろう?」


93分の小品ですが、見ごたえがあります。

原題の意味は「最後のスーツ」です。


参考(Rotten Tomatoes)

原題:El Ultimo Traje(The Last Suit)

Tomatometer78

観客スコア:92


by toruiwa2010 | 2019-01-11 07:07 | 映画が好き | Comments(0)
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