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岩佐徹のOFF-MIKE

toruiwa.exblog.jp

実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

カテゴリ:アナウンサー・実況( 75 )

フジテレビでアナウンサーだったのは19634月から

19821月までだった。最後の4年間は78年に始まった

メジャーの実況にほぼかかりっきりだった。1979年の秋、

ワールドシリーズの中継を終えて帰国した数日後だった。


ネット局の一つ、テレビ新広島に役員として出向していた

フジテレビの先輩から社内の喫茶室に呼び出された。

何ごとかと思って出向くと「来年の春から新しいニュース

番組を始める。キャスターにならないか」と言われた。

メジャーの実況に“本腰”を入れ始めていた時期だったし、

馴染みのない街に本拠地を移す勇気もなく丁重に断った。

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自分の意志で82年に報道局に異動し、夕方のニュースの

スポーツコーナーを制作する部門のデスクを命じられた。

「なぜ、アナウンサーをやめたのかなあ」と悔やみながら

日々を過ごしていた。

83年の終わりか84年の初め、報道局の幹部の一人から

「話がある」と、近くの喫茶店に連れて行かれた。


やる気を失っているのを見抜かれたかとびくびくしながら

ついて行ったが、話の中身はやはり“キャスター”だった。

4月スタートの朝のニュース番組のキャスターに君を、と

編集長(現場のトップ)が言っているがどうだろう?


スポーツの実況に戻りたいという強い気持ちがあったが、

相手の顔を立てるために、その場は「考えさせてくれ」と

答えて 後日、断った。


何を言いたいか?

スポーツの実況を専門にしていたが、若いころから私の

“ニュース読み”は評判がよかったということだ。ハハハ。

好きだったし、内容を伝えるように読むテクニックにも

“いささか”の自信があった。


二つのオファーのどちらかを受け入れていたら、その後の

私の人生はどうなっていただろうかと、今も時々考える。

タラ、レバの話はとても微妙だし、あまり意味がない。

ただし、当時ならともかく、今なら、この件についての

最終的な答えはハッキリしている。


初めはなんとか形が作れても、途中で間違いなく降板する

羽目になったはずだ。

私が言う“好きだし、うまかった”ニュース読みの中身は

顔出しをせず、ブースで原稿を読んだり、顔を出しても

項目の冒頭と最後の部分だけであとはひたすら原稿を読む

スタイルのものだ。


今のキャスターに求められる資質はそんなものではない。

読むだけじゃない。分析も必要だし、専門家をスタジオに

招いて話を聞く。ときには、ゲストと対決し議論する。

精神的にタフでなければ務まらない。知識・教養に加え、

かなりの見識も持っていなければならない。

もちろん スタッフが助けてくれるが、私にはそのような

資質はどこを探してもない。


なによりも、身についた“ものさし”が世間とずれている。

これは致命的だ。“報道”には“権力批判”がつきものだが、

学生運動が盛んだったときもノンポリだったし、思想的に

きわめて“ヤワ”だから、たとえ、“保守的”な傾向がある

フジテレビ(その系列)でも、制作スタッフを納得させる

キャスターにはなれない。落第だ。


さて、聞くところによれば、NHKを退職した有働由美子が

日本テレビ「NEWS ZERO」のキャスターになるという。

on/offでかなり長く見てきているが、ジャーナリスト的な

資質は不透明だね。彼女のキャリアの中でスポーツ担当や

朝の情報番組の司会はやっていたが、ニュースに関しては

私が経験した程度のことしかやっていないのではないか。


彼女を迎えた制作側がどんな“コンセプト”で番組作りを

していくか分からないが、NHK時代の経験はダテじゃ

ないから、原稿を読んだり、番組を仕切ったりすることに

問題はないはずだ。ただ、今の時代のキャスタに課される

仕事はそれだけじゃない。彼女を支えるスタッフの数も、

きっと、NHKとくらべられないほど少ないに違いない。

しばしば、不安を抱えながらカメラの前に立つ経験をする

ことになるだろう。

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NHKの会長はエールを送ったらしいが、NHKにも同じ

時間帯にニュース番組があるからいつまでもそんなことは

言っていられないはずだ。退職したあとも、彼女の映像が

映ったりしているようだが、長くは続かないだろう。

結婚や定年で退職したアナとはわけが違うんだから。


NEWS ZEROはトップを行く日テレの看板ニュースだ。

そのメインキャスターにはジャーナリスティックな感覚が

不可欠だ。彼女の言動からそれを感じたことはない。

“能ある鷹”のごとくひそかに培ったものがあれば別だが、

そんなに底の浅いものじゃない。スタッフだって“現場”を

知らないキャスターでは不安だろう。


そんなわけだから、私のささやかな経験を下敷きにして

有働由美子のキャスターとしての成否を占うなら、今は

”ネガティブ”な答えしか出てこない。

いずれにしても、今から10月の番組開始が楽しみだ。


…と、ブログには書いておこう。ハハハ。


by toruiwa2010 | 2018-06-12 08:41 | アナウンサー・実況 | Comments(2)

外部のプロデューサーたちの勉強会をやっている。

その中で“黙る勇気”を取り上げたいと思っている。

ついては、「これは黙って見せた」と、記憶にある

試合を教えてほしい。


かつて、WOWOWで一緒に仕事をした仲間からそんな

メールが来た。意味が分からないかもしれない。

さりげなく放り込む“小ネタ”と並んで、アナウンサー・

岩佐の実況に特徴的だったのは“黙ること”だったのだ。

ハハハ。

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しゃべることが仕事だろう、“黙って”どうすんのさ…と

言われそうだが、映像があるテレビでは多弁は嫌われる。

テレビのスポーツ・アナウンサーはラジオのアナにくらべ

何割か言葉数が少ないものだが、それでも、“ここ”という

場面ではしゃべりまくって、盛り上げようとするものだ。

私だって、若いころはそうだった。


MLBの現地実況で何度もアメリカに行くようになっって

あちらのアナが“効果的に”黙ることに気づいた。たとえば

ホームチームに劇的なホームランが飛び出すと…


It’s going,going,going…and,it’s gone!

(大きい、大きい、大きい。入った!)

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そこまでは大きな声でまくし立てるが、打球がスタンドに

入った瞬間から打った選手がホームインするところまでは

何も言わない。視聴者に感動を味わってもらうために…。

日本なら、「○○、今シーズンの第32号ホームラン!

ここまでわずか2安打に抑え込まれていた△△から見事な

3ランホーマー!XX31と逆転しました!」ぐらいの

アナウンスがあるところだ。ハハハ。


いいなあと思った。いつか日本でもやってみたいなあと

深く心に刻みつけた。しかし、地上波のフジテレビでは

実践の機会がなく、間もなくアナウンス部を離れたことも

あってほぼ忘れていた。


チャンスが巡ってきたのはWOWOWに出向し、マイクの

前に戻ったときだった。テニスでファイン・ショットが

決まったとき、サッカーで劇的ゴールが決まったときなど

黙る機会はいくらでもあった。ひそかに始め、気づいた

若手のスタッフから「いいですね」などと言われたりして

調子に乗り、好きなように黙りまくった。ハハハ。


WOWOWに移ってからの私の実況は当ブログの読者から

縁側のひだまり実況”wなどと評されたことがあるほど

“まったり”したものだったが、拍車がかかった。

もともと、スポーツの感動はプレーの中にある、余計な

言葉で飾る必要はない。“視聴者の感動”を横取りしては

いけない と考えていたから、黙るのに苦労はしなかった。

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課題は二つあった。

まず、海外の放送では場内ノイズが低いことだ。

ただ 黙るだけだと、思ったような効果が出なかった。

なぜ黙ったんだ、未熟で、適切な言葉が見つからないから

黙ってるんじゃないか…という、あらぬ疑いを視聴者に

持たせてしまった。


放送前に音声スタッフと打ち合わせた。「盛り上がる

場面で僕が黙ったら場内ノイズを上げてほしい」と。

初めは面食らったようだが、その効果が伝わってからは

“岩佐は黙るアナだ”が広く知れ渡ったので打ち合わせる

必要はなくなった。ハハハ。


もう一つは解説者の“理解”だった。

私が黙っても、解説者がしゃべったら意味がない。

常にコンビを組む人や勘のいい人は問題ないが、たまーに

空気が読めない人がいる。そんなときは、二人のマイクを

オフにしたり、唇に指をあてて「しゃべるんじゃない」と

こちらの意思を伝えたりした。ハハハ。


実は、それとは別にもっと厄介な問題があった。

スタッフの間に「あれは困るんだよなあ」という意見が

あることを知ってしまい、私も“放送人”だから、理由が

理解できたことだ。


ここというときにコメンタリーが黙り、スタンドの拍手や

歓声を聞かせることが“効果的”だとは認められたものの、

納得しないスタッフもいたのだ。その日のダイジェストや

大会の総集編を作る担当者だ。ナレーションはできるだけ

少なくして、いい場面ばかりをつなぎ、実況アナウンスで

経過を分からせる編集が普通のやり方だが、私のように

肝心のところで黙ってしまうと、サマにならないのだ。

分かる、分かるよ。言う通りだと分かるから困ったんだ。

ハハハ。


両者の目指すところが違うので“妥協点”はなくて、私は

最後まで自分流を貫いた。感動の邪魔にならないように

最低限の情報だけをしゃべってから黙るようにしたが、

おそらく彼は気に入らなかっただろう。


メディアとしてのWOWOWはそれほど大きくないから

私のチャレンジを評価してくれたのは“身内”だけだった。

それでも、当時 “絶叫中継”が全盛だったスポーツ中継に

一石を投じたのではないかという“自負”はある。


さて、“勉強会”でどんな反応が出たんだろう?
by toruiwa2010 | 2018-05-24 06:48 | アナウンサー・実況 | Comments(6)

入社3年目が終わろうとする1966年の今頃はどういうわけか、

航空機事故が連続して起きた。

まず、24日、札幌発の全日空のボーイング727が羽田沖に

墜落した。雪まつり帰りの客を乗せていた。現地で中継をした

「小川宏ショー」のスタッフが搭乗している可能性があって

一時はフジテレビ社内が騒然とした。


1ヶ月後の34日には、カナダ・パシフィック航空のDC8

羽田空港への着陸に失敗して墜落・炎上した。

今と違い、当時のアナウンサーは”成長”がゆっくりだったから

3年目の私はやっと独り歩きを始めた所だった。このときは

たまたま局にいたため、羽田からのリポートを指示された。

発生が夜だったからこの日の仕事は徹夜になり、航空会社の

ブリーフィングとリポートの合間に 記者室の堅い机の上で

短い仮眠をとったことを思い出す。


5(52年前の今日)の午前11時ごろ帰社し、宿泊室で横に

なっていた。疲れているのに神経が研ぎ澄まされた状態だった。

ようやく眠りに落ちたかと思う間もなく、警備員に強く肩を

ゆすぶられて目が覚めた。

「また、飛行機が落ちたので起きてください」。

…悪い冗談だなあ、嘘だろう?と思った。

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嘘じゃなかった。英国海外航空(BOAC)のボーイング707

空中で分解し、富士山の二合目、“太郎坊”と呼ばれる地点に

落ちたのだ。

日本の航空機事故史の中でも珍しい、二日続きの大事故だった。


空中分解の犯人はセーテンランキリューだった。

晴天乱気流…まわりに山らしい山がないところに、いきなり

そびえ立つ 富士山のような“独立峰”では、晴天のときほど、

その周辺でとんでもない空気の流れが発生するらしい。

旅客獲得のためのサービスとして、BOACは、羽田を離陸後、

わざわざコースを外れて富士山上空を飛んでいた。そのことが

“アダ”となった。

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報道の記者と合流して現場を目指した。

御殿場口まで電車で行き、そこから会社の乗用車で墜落現場に

向かった。しかし、火山礫にタイヤを取られ、大して距離は

稼げない。早々と車をあきらめ、徒歩で登ることになった。

タイヤがとられるぐらいだから、都会で履く通勤用の革靴で

歩くのは容易なことではなかった。3月初めの富士山は相当に

寒かったのだが、上るにつれて汗が吹きだし、小休止すると、

たちまち、それが冷えていった。


ようやく現場に到着したとき、日はとっぷりと暮れていた。

満月に近い月明かりが凄惨な地上の光景を照らしていたこと、

決して嗅ぎ慣れることがないジェット燃料の独特なにおいが

鼻をついたこと、などを想い出す。

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先輩と私、2人のアナウンサーは準備完了だったが、肝心の

中継車がまだ到着していなかった。

11時からの「こちら報道部」に電話でリポートすることに

なったが、携帯はもちろん、“2合目”とはいえ山の中だから

電話などない。


作業している地元消防団員の情報で現場と町の中間あたりに

水道局の建物があって電話を借りられるかもしれないことが

分かった。若い私がリポートすることは簡単に決まったが、

問題は“アシ”だった。月明かりはあっても、夜の山道を一人で

降りて行くのは危険だからだ。


相談していると、取材に出ていた記者の一人が耳寄りな情報を

持って戻ってきた。「自衛隊のトラックが、収容した遺体を町の

安置所まで運ぶために山を降りる。荷台なら乗れるようだ」。

放送時間が迫っていたため、乗せてもらうことにした。

時間にしてどれぐらいだったか、いまは思い出せない。しかし、

暗い山道を、大きく、小さく弾みながら走るトラックの荷台で、

左手で手すりを、右手は…釘が打たれていないひつぎの蓋が

飛び跳ねるのを抑えるのに必死だった。


リポートのあと、どうやって現場に戻ったのかも覚えていない。

歩いた記憶はないから、きっと 登ってくる自衛隊のトラックに

頼み込んだのだろう。ちなみに、どこで仮眠したかも記憶がない。


未明に中継車が到着した。

コンピューター、電気、車、設計、鉄道、土木…なんであれ、

技術者と呼ばれる人々を常にリスペクトしている。

このときも、技術部の“マジック”を目の当たりにして仰天した。


現場が山の中、ということは、河田町のフジテレビに直線では

電波が飛ばない。

何が必要かと言えば、“2段点だ。現場と局舎の中間で電波を

中継するための“ポイント”だ。

そこで、中継車とは別に 地図の上で計算して決定した地点を

目指して技術スタッフが局を出発していた。話を聞いたときは

「“ヤマカン”に近いんじゃないの」と思っていた。

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本社の報道部から「朝の放送開始と同時に現場からの中継を

入れたいから、急いでくれ」と矢のような催促をしてくる中、

2段点にスタッフが到着したとの連絡が無線で入った。現場と

2段点、それぞれのアンテナを慎重に調節してテストすると、

東京から「一発で届いた!」と言ってきた。技術者への敬意は

このとき以来、さらに深まっている。


前にも書いたと記憶して

るが、この中継では忘れられない、

“苦い”思い出がある。

「墜落機の機首部分の周辺で数人の遺体が収容されました。

傷みが激しく、性別も分からないそうです」とリポートした。

事故発生後に発売された“週刊公論”(中央公論社)のコラムに

「“いたみ”って、リンゴじゃないんだから」と書かれていた。

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…たまたま目にして愕然とした。

いまは、“いたみ”を使うアナが多いような気がするが、当時は

“ダメ”だったのだ。真偽のほどは分からないが、そのコラムは

若き日の野坂昭如が無署名で書いていたと聞いた。

名指しこそされなかったものの、まさに自分が発した言葉が

活字になっているのを見せられたとき、言葉の選択はつくづく

難しいものだと思い知らされた。


今、この瞬間にも、さまざまな事件・事故の現場に派遣され、

少しでもリポートの内容を高めようと取材を続けている後輩

同業者が多数いるはずだ。批判・非難されることはあっても

ほめられることはめったにない、“割の合わない”仕事だ。


年をとったからか、この数年、昔のことを思い出す。

ニヤニヤしてしまう思い出もあれば、思い出さなくていいのに…

というものもある。書くネタがないときに綴ることにする。


by toruiwa2010 | 2018-03-05 08:05 | アナウンサー・実況 | Comments(2)

今回、ジャパン・コンソーシャム(NHK・民放合同チーム)

15人の実況アナを送り込んだようだ。あくまで、番組表から

拾えた範囲での話なので間違っている可能性があるが。


最年長は日テレ・河村亮で50歳。NHK・鳥海貴樹が48歳。

逆に最年少はフジ・中村光宏の33歳、TBS・伊藤隆佑34歳、

テレ東・板垣龍佑35歳と続く。

民放のアナには局側の事情が反映されていると思う。はじめは

“最強”のアナを送り込んだものだが、次第に自局の番組との

バランスをとるようになっているからだ。かたよらないように、

経験を積ませるために、貢献に報いるために…などなど。

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全競技を見たわけじゃない。競技に集中して実況を聞き流した

ケースもあるから全体の評価はできない。数人のアナについて

聞いた範囲で“雑感”を書いておく。つまり、ああだこうだ…と。

ハハハ。


高く評価していた鳥海アナだが、今回は少し失望した。

実況には大きな不満はないものの、男子フィギュアの結果で

日本の1-2が決まったあとの羽生と宇野の扱いでバランスが

悪すぎた。



女子カーリング決勝を担当した松野アナは日本の予選の勝敗を

「5ショウ4"ハイ"」と紹介した。思わず、頭が混乱した。

それじゃ、“5勝4杯”になるけどいいのかな?NHKではそう

教えてるのかな?民放育ちの私が80年近く間違ってた?

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肩を落として帰国の飛行機に乗ったに違いないのはスピード

スケートで女子マススタートを担当したNHKのアナだ。

高木菜那に記をとられるあまり、銅メダルをとったオランダの

選手の名前をレース中、ずっと間違えていた。ゴールの直後に

アップになったのを見て気づいたようだ。イヤーな汗が出た

はずだし、かなり長い間 トラウマになるだろう。今後、何百回、

何千回となく再生される。カットするのも難しい。同情するが、

自分で乗り越えていくかない。


女子フィギュアスケート、スピードスケート、カーリング…

働き盛りの進藤アナは大過なく仕事をしたと思う。冬季では

民放のエース格になっていくかも。

ただし、女子フィギュアでフリーの公式練習が始まるところで

「笑顔も見れました」が聞こえてしまった。

ダメだ!オリンピック・アナなんだもの、堂々と"ら抜き"

やるのはよくないなあ。直前でボリュームを上げたのだが、

聞きたくなかったよ。ハハハ。


男女シングルを担当した両アナは最終グループの演技中にも

あまり、暫定トップとの差、何点とればメダル圏内に届くか

などの情報の提供が少なかった気がする。コンソーシャムの

考え方なのか?HPに行けばその情報は出ていたから、私は

困らなかったが、親切な放送とは言えない。

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そのフィギュアで4位になった宮原知子にインタビューした

アナが批判されていた。

開口一番、「本当に高いレベルの闘いで、宮原さんにとっては

残念な結果ですけれども」と切り出したからだ。

アナとしては“惜しいところでメダルを逃がして”残念…という

気持ちだったに違いないのだが、一般には「4位は文句なしに

立派な成績なのになぜ”残念”?」と受け取られてしまうね。


先日 触れたTBS・石井大裕アナについて補足しておく。

スピードスケート女子500㍍で金メダルを獲った小平奈緒に

対してけもののような滑りと言ってしまったことでやはり

いろいろ言われていた。


これについて、反論もあった。

かつて、柔道・松本薫に“野獣”、レスリング・吉田沙保里には

“霊長類最強”などのニックネームがあって、それはOKなのに

おかしいじゃないか?と。説得力がないと感じる。

格闘技とスピードスケートの違いもあるし、小平の“けもの”は

“いきなり”感が強く、つながりを感じなかったもの。


いつも思うのだが、キンメダルとギンメダルがよくわからない。

私だけならいいのだが、アナたちの“ギン”の発音が甘いせいで

同じに聞こえてしまうのだ。


ホストステーションの映像の作り方には不満があった。


たとえば、ノルディックのラージヒル複合複合でゴールのあと

倒れ込んでいた渡部が立ち上がり、外したスキー板を合わせ、

1-2-3フィニッシュで喜び合うドイツ勢の方に祝福に向かった

ように見えた。しかし、後続の選手を撮るために固定された

画面ではそこから先に何があったか映らなかった。

数ぽーつでは試合のあとにこそドラマがあるのだが、今回は

似たようなことが多かった。TOKYO2020ではそんなことが

ないように願いたい。


勝手なことを書いたが、今のアナは私の若いころにくらべると

間違いなく、はるかに達者な実況をしている。ある意味当然だ。

私たちが若いころの先輩も同じ感想を持ったに違いない。

スポーツ実況に限らず、あらゆる分野で後輩が先輩を追い抜いて

行って社会全体が向上・進歩していくのだから。


みなさん、長期間、ストレスがたまる日々だったと思う。

本当にお疲れさま。


by toruiwa2010 | 2018-02-27 07:50 | アナウンサー・実況 | Comments(0)

アナウンサーに求められる資質の中でインタビューはもっとも

難しいものだと思う。少なくとも、私は一番 苦手だった。

だから、いいインタビューを見ると“しっと”する。冗談だよ。

ハハハ。


去年の夏の世界陸上でTBSの石井大裕アナを褒めた。

100㍍で敗れたウサイン・ボルトへのインタビューだった。

First,I want to say thank you very much for you.

You gave us dream,courage,and wish(?).

(初めに、あなたにありがとうと言いたい。

あなたは私たちに夢、勇気、希望を与えてくれました)


…選んだ言葉にこれまでのボルトの功績に対する十分な敬意が

感じられた。負けた選手へのインタビューは難しいものだが、

実にうまい入り方をした…と褒めた。私としては最大級に。

ハハハ。

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ところが、数日後、インタビュー・ポジションにやってきた

サニブラウン・ハキームに向かってこう切り出した。

まずは、日本人として 夢の舞台を

走っていただいて有難うございます


…ダメダメダメ。数年後ならいいけど、“5日後に同じ手を

使っちゃダメだろう。

言われた本人が「いやいや、そんなこと言われてしまうと…

なんか 返す言葉もないんですけど」と困っていた。


その石井アナがこのオリンピックにインタビュー要員?として

参加している。32歳だが、“曲折”を経てアナになったようで

入社から8年しかたつていない。大抜擢といっていい。

しかし、残念だが、SNSでいろいろ叩かれているらしい。

私も名指しせずに“相手より興奮してしまう聞き手は失格だ”と

批判している。“書くまでもないが”と断ったうえで。ハハハ。

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私が指摘したのもそうたが、主に言われているのは500㍍で

金メダルを獲った小平奈緒への インタビューだ。「獣のような

すべり」というフレーズを口にしたことを責められ、「コーチと

二人三脚で」と問いかけて「いえ、多くの人に支えられて」と

切り返されたり、たしかに散々だった。


17日、スタートラインに向かう小平を見て私は高い集中力を

感じさせる目つきにしびれたが、実況アナウンサーは「獲物を

狙うような目になってきました」と描写した。石井アナの耳に

そのフレーズが残っていたのではないか?そこからの連想で

“けもののような”になったのではないか?


“二人三脚”については私にも似たような苦い思い出がある。


1969720日、私は球宴の第3戦が行われていた当時の

平和台球場の3塁側ベンチ裏にいた。お祭りだから試合中でも

選手やコーチがベンチを出てインタビューに応じてくれた。


パ・リーグが2点リードして迎えた9回表、「もうすぐ終わる。

時間も早いし、テレビ西日本がおいしいものを食べさせると

言っていたなあ」と舌なめずりした瞬間、セ・リーグの主砲・

王貞治がライトへ同点の2ラン・ホームランを叩きこんだ!

ハハハ。


延長に入って間もなく、マイクの前に来てくれた王に「見事な

ホームランでしたが、チームメイトに恨まれませんでしたか?」と

いきなり聞いてみた。

“中洲の夜”に期待していたのは私だけじゃあない。選手たち、

特に九州で試合をすることがなかったセ・リーグの面々は

「さあ、飲みまくるぞ」と“武者震い”していたに違いないのだ。

私の質問は、そんな裏事情を踏まえて。“延長になって嫌味を

言われなかったか”という意味だった。


まじめな王さんに冗談はまったく通じず、「いえ、そんなことは

ありません」と真顔で答えられてしまった。トホホ。


入社7年目だった。「はい、ぼろくそに言われましたよ」という

答えを期待した 若い浅はかなインタビュアーが東京に帰ると

デスクの上に視聴者からのお叱りのハガキが2通置かれていた。

それ以後、たしか、“決めつけた”聞き方はしていないはずだ。

ほぼ同じ年齢でほぼ同じ失敗をした石井アナも世間の批判に

負けずに精進を続けてほしい…とエールを送っておく。


by toruiwa2010 | 2018-02-23 08:55 | アナウンサー・実況 | Comments(6)

昔、サッカーの日本選抜vsユベントスを実況した記憶がある。

関西の競技場だった。たしか三浦知良のゴールで先制したが、

追いつかれ、追い抜かれて負けた。もともと力が違うのだから、

そんなものだろう…と思い、淡々と実況したが、隣りにいた

解説の加茂周、奥寺康彦さんが放送後、がっくり肩を落として

いるのを見てビックリした。

テニスで、松岡修造や伊達公子の試合を担当しても同じだった。

どうも、出産のとき、母は 私に“愛国心”を植え付けることを

忘れてしまったようだ。ハハハ。


12日の女子スノーボード・ハーフパイプに出場した大江光は

予選の1本目うまくいかず、24位だった。実況アナウンサーは

「大江は24位」という言い方をした。決して間違っていない。

しかし、出場選手は24人だから、最下位なんだよなあ。

単に”24と言っただけでは、その試合の全体像を伝えた

ことにならないのではないかと思う。この件について呟いたが、

言葉足らずだったり、例が不適切だったりで言いたいことが

うまく伝わらなかった。

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そのときその場にいる者にしか

分からないことを、その場に

最もふさわしい言葉で伝える。


実況者の使命をそう考えていた私には、“24という言い方が

現実から目を背けているように聞こえてはなはだ不満だ。

種目の担当が決まってからの長い取材を通じて選手やチームと

親しくなっているだろうから、できるだけネガティブなことを

言いたくないという気持ちは分かる。“最下位”がきつすぎると

思うなら、せめて「何人中の何位」と言わないと。


オリンピックや世界選手権は出るだけで大変…分かってるよ。

しかし、実況者が事実を伝えないでどうする?

競技に精通していない者が見ても、明らかに失敗だったのに

「“わずかに”着地が乱れました」、「もしかすると回転不足かも

しれません」などと言うことが多い。結果として、視聴者は、

解説。実況お話から想定した得点と採点結果とのギャップを

埋めるのに苦労する。

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「運命の2回目が始まります」…出ました!と思う。ハハハ。

強風で競技の開始が遅れているのに、何度も“中断”と表現した

女性アナもいた。気がついたスタッフはいなかったらしい。

最後までそのままだった。


…グダグダ書いてきたことは、私が“元職”だったからだと思う。

自分がヘッドセットマイクをつけて放送席に座ったら、どんな

実況をするかは見当もつかない。「さあ、運命の…」と言うかも。

ハハハ。


一種の職業病だね。

45年前、コロッケさんがやった長渕剛の物まね。

どうしても、“仕事脳”で見てしまう。

この仕事をやっていて一番悲しいことやね」


先日の「ワイドナショー」で、普段、爆笑することはあるか?

と聞かれた松本人志の答えだ。分かる。分かるなあ。テレビで

スポーツ中継を見ると、どうしても実況が気になる。

“同病の士”が日本中にどっさりいるはずだ。ハハハ。


今日の話は、一般の人には理解しにくいだろうなあ。ごめん。


*お気づきかもしれませんが、

 昨日からコメントの承認制を

 やめました。ご自由にどうぞ。


by toruiwa2010 | 2018-02-14 08:45 | アナウンサー・実況 | Comments(0)

箱根駅伝を見ている。

どうしても実況が気になる。サガだね。


先輩同業者として村山喜彦アナはクセの強いアナが多い

同局の史上最高だと思っている。

この人がセンターにいて全体のトーンをまとめていた。

去年からシフトが変わっている。愚かなことをしたものだ。

過去の自分のツイートから”村山”で検索するとこうだ。

一貫して彼を誉めている。


明日まで、更新を休むはずだったが、やむにやまれず。

ヒマだったし。ハハハ。


2011


村山アナはNTVでは比較的

オーソドックスな実況をするほうだが、

さすがにスタート直後は予定稿を読んだ。

気持ちはわかるが。

あとは、たぶん各放送車から練りに

練ったコメントが出てくるのだろうな。

わあ、第一中継車!Kアナか?


実況は、やはりリズムですからね。

村山アナは落ち着いたトーンですが、

リズムはあります。

やっぱり給水で事故が・・・ 

@xxxx


2012


箱根駅伝:正月の風物詩だ。

テレビ中継が始まって何年になるのか。

最初は東京12CHが部分的に放送した。

結果がよく、すぐに日テレが始めた。

弱肉強食の世界・・・w

落ち着きのある総合司会の村山アナ以外は

盛り上げに必死でうるさい。

今年はどうか?


2013


このアナは距離感がつかめていない。

3メートルと言った直後に並んだ。

引き取った、センター・村山アナの声が

気のせいか冷たかったこと。w

真正面から見る距離はゴルフでも

難しいものだ。普段から勉強していないから

こういうことになる。

村山は無言でそれを伝えたんだね。


ゴール担当の平川アナがもう一息間を

おいてもう少し低いトーンで第一声を

出したら、高らかに予定稿で歌い上げた

1号車担当は恥ずかしかっただろうね。

こういう実況は要らんなあ。

感動する人もいるだろうけど、

「横取り」された気分だ。

そう、この村山アナのトーンがいいんだ。


2014


CMに入る前のキューワードを言うときの

村山アナのトーンが実にいいね。

正月の日本テレビを代表する声だと思うよ。

アナとしてうらやましい男だ。

平塚中継所のAアナ、

開口一番「本日、天気晴朗なれども、波高し。

波乱の展開を予感させる湘南の海風」と始めた。

村山アナも「やれやれ」と思ったことだろう。

慶應義塾大学文学部卒8年目

モロ、後輩じゃないか。

「生きた」言葉を使うようにしようよ。


2014


バイクのアナはこまかい映像を見ることは

できなかったと思うが、センターの村山アナには

ちゃんと見えたはずだ。***拓大の選手が前を行く

東農大の選手のうしろ足を踏んで足をひねったのが。

スローを見ればわかるのに誰もフォローして

やらないのかね。これも報告なしか。ひどいな。


2016


5キロを過ぎて、ハイペースなのに

集団が崩れない…接触・転倒が

心配になる。読売本社前で7時過ぎ、

村山アナと瀬古利彦が出てきたとき、

1号車の担当が変わるのか?と。

人生最大の”ぬか喜び”だった。


***村山アナじゃなかったのかもしれない。


by toruiwa2010 | 2018-01-02 12:43 | アナウンサー・実況 | Comments(0)

結構 長い間、平日の午後は「ミヤネ屋」を見ていた。なんだ

かんだ言っても宮根の仕切りはうまいし、まあまあ面白いから

“惰性”で見ていた感じだ。そのあと、4時からはフジテレビの

「みんなのニュース」に流れていた。


いつからか、この“視聴習慣”がガラッと変わった。

12時は「バイキング」か「ワイドスクランブル」、2時からは

「ゴゴスマ」が断然 多くなった。

“宮根流”が鼻についてきたのに加え、前にも書いたが、MC

石井亮次アナ(CBC)がいま断然いいからだ。

そして、やっぱり“いつからか”、そのまま「Nスタ」を見る。

「みんなのニュース」のスタートが1時間後ろにずれたからだ。

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好感度の高いマッチングだと思う


最近は、ホラン千秋に感心しながら見ている。

数年前に「NEWS ZERO」に出ていたが、一度も見ていない。

元職としてはアナウンスの訓練をしっかり受けていないのに、

美人だから、イケメンだからとニュース番組に起用することに

強い抵抗があるからだ。だから、小山慶一郎の「news every.」、

櫻井翔の「NEWS ZERO」も見ていない。


あ、市川紗椰が出ていた「ユアタイム」は2回ほど見た。

バラエティで見る彼女のキャラクターが好きだったからだ。

“節操”などないのだ。しかも、あまりのひどさにそそくさと

“撤退”した。言わんこっちゃない。

…余談だけど、「タモリ倶楽部」などのバラエティ番組に

少しずつ復活している。のびのびとして、前より積極的に

発言している。二度と「ニュースをやりたいです」などと

言わないように。ハハハ。


wikipediaを見ると、ホランは大学を卒業したとき、民放全局を

受験したが失敗したとあるから、その方面の勉強をしたのかも

しれない。しかし、“読み”に大きな問題があるとは思わない。

制作側にもその認識があるのか、それなりの扱いをしている。


この番組がスタートしたとき、NHK出身の堀尾正明に代えて

入社11年目、TBS“生え抜き”の井上貴博アナを売り出そうと

している…と聞いた気がするが、ときどき、ホランがメインに

見えたりする。それほど、しっかり仕事をしている。いわゆる

“お飾り”にはなっていない。


なによりも、誰を相手にしても物おじすることなく、自分の

言葉で“思い”を話せるのが彼女の強みだと思う。今も、他局の

バラエティに出ているが、そこで身につけたアドリブも大きな

武器になっている。美人だが、可愛げがあるのもいい。

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うーん、われながらほめ過ぎてるなあ。ハハハ。

しかし、今のところ欠点が見当たらないんだから仕方がない。


あえてあらを探せば、2点だけ、気になる。

“やわらかく”しようとするのか、ときどき 幼い物言いをするが、

必要ないね。全体を“普通”にやっても、柔らかさは出ると思う。

あれは、むしろ逆効果になっている。


もう一つは“衣装”だ。

バラエティも含めてもう少し何とかならんか。

スタイリストがついているにしては納得する曜日が少ない。

妻は「自分が気に入っているものを着まわしてるみたい」と

言うけど、どうなんだろう。

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by toruiwa2010 | 2017-12-28 08:13 | アナウンサー・実況 | Comments(1)

入社1年目、バラエティ番組の司会陣の一人に起用されたが、

僅か3回で降ろされたことがある。言い渡されてアナウンス室に

戻ったとき、恥ずかしくて顔を上げられなかった。尊敬していた

先輩アナが「気にするな、岩佐。もともと、お前には向いて

いなかったんだから」と声をかけてくれたりしたおかげで、

どうにもならないほど落ち込むことはなかった。

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数年後、野球中継のテストが行われた。

スポーツ部としては“岩佐が使えるかどうか”を見極めるための、

“意味がある”ものだった。ちゃんとやらなければいけなかった。

しかし、私ときたら、当時、試合開始から放送が始まるまで、

先輩アナの代わりに実況の“真似事”をしていたのと同じ程度の

感覚で“タラタラ”しゃべったのだった! ひどく叱られたし、

それからしばらくスポーツ部幹部の“当たり”が強かった。

ハハハ。


それでも、ひどく落ち込んだ記憶はない。


もともと、人間関係を構築するのが下手だし、少年のころから

胃腸がとても弱かった。加えて、虚勢を張っていても性格的に

“追い込まれると弱い”、“問題が起きると正面から向き合わず、

逃げを選択しがち”という自覚もあった。

大学の先輩からアナウンサーの仕事は神経をつかうものだと

聞いていたこともあり、入社のころから、俺は、いずれきっと

胃潰瘍になるのだと覚悟していた。なぜか、胃潰瘍。ハハハ。


…生き残った。思ってた以上にしぶとかったんだね。ハハハ。

性格の弱さが、逆に、決定的な場面を避けさせたのかもしれない。


しかし、本人が自覚していないだけでピンチはあった。

19822月にフジテレビでアナウンサーをやめたあとだ。

「ここを出ないと神経をやられてしまう」という強迫観念があり

「やり残したことはない」と強がってやめたのだが、報道部の

環境や与えられた仕事に戸惑いがあって、つらい日々だった。


自分では“普通に”ふるまっているつもりだったが、どこかが

“普通じゃなかった”のだろう。そんな私をそばで見ていた妻は

気が気ではなかったそうだ。数年たってからそう話してくれた。


落ち込んじゃダメ、アクティブにしなければと分かっていても

「やめたのは正解だったか?」、「我慢すべきだったのでは?」、

「戻る道はないか?」とひまさえあれば考えていた気がする。

たぶん 数か月は続いたと思う。どの時点かで、どこかのネジが

飛んでいてもおかしくなかったのだ。だから、アーカイブで

更新した「アナが抱える病気」や「追いつめられたのか?」に

書いた後輩アナたちの“心の動き”がある程度 分かるのだ。

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頭の中で 出口の見えない“堂々めぐり”の自問自答が続く。

答えに行きつくのは簡単ではない。周り(私の場合は妻)も声を

かけられる状況ではないのだと思う。結果的に“孤立”する。

その危機を乗り越えるには肉体的にも強くなければいけない。


似たような危機に遭遇した同業者はたくさんいるはずだ。

遠い昔、地道に努力している後輩がいた。しかし、なかなか

番組に恵まれず、やりたかった仕事をあとから入社してきた

アナたちに奪われて悔しがっていた。数年のち、念願だった

大きな“役”が回ってきた。周りも「よかった」と喜んだ。


実際にその仕事が始まる前から、異常なほど“ハイ”な様子を

見せるようになった。

高価な学術書のような書籍を買い込んで配ったりしていた。

待ちに待ったチャンスを得て舞い上がってしまったのだ。

その様子を見て、デスクはナマのニュース番組(読むだけだが)

などはやらせないようにしていたが、会社として専門医に

診てもらうように指示をしたかどうかは定かでない。


…悲しい結果になった。本人は無念だっただろうが、周囲の者も

どうしようもない無力感に襲われた。


私がアナウンス部を離れてからも、同様の話は伝わってきた。

幸いなことに、いずれも、現場に戻っている。

目立つだけで、アナウンサーだから心の病に見舞われるという

わけではない。しかし、対処が難しいのは事実だ。


私のように、かすかな“きざし”の段階ですりぬける例もあれば、

現場を離れたり、最悪の結果になったりすることも多い。

これ以上、胸痛むニュースに接することがないように願う。
by toruiwa2010 | 2017-10-06 08:39 | アナウンサー・実況 | Comments(0)

Jアラートが発せらたのは15日の朝71分過ぎだった。

昼近くにネットで見かけた記事の見出しにえっ?と思った。

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突然消えた和久田麻由子アナ 

有事に軽視される女性キャスター


このアナのことを知らなかったが、NHKの朝のニュースを

担当しているようだ。記事を読むと、Jアラートの発表以後、

この女性アナが画面から消えたのはなぜか?“女性だから”と

軽視しているのではないか…が論旨のようだ。

記事の最後の部分を読めば、そう理解するしかない。

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私もどんなニュースであっても「オトコ中心」で

放送してもらいたくはない。ミサイルが発射された

くらいで和久田麻由子アナを画面から消してしまう

NHKには狭量さを感じてしまう。

NHKにはきちんと説明してほしい。


・和久田アナが消えたのはなぜなのか?

・女性だからなのか? 

・「有事」には女性の伝えてはふさわしくないのか?

・和久田アナには、有事の際に緊急ニュースを

仕切るだけの能力がないのか? 

・そうだとしたら、なぜ平日朝のニュース番組の

キャスターを彼女は務めているのか?

・そもそも女性キャスターの役割とは何なのか?


元記事の発信時間を見ると“1021になっているから、

アラート発表から3時間足らずのうちに書いたものだろう。

瞬間的な“反発”がもろに記事に反映されてしまった印象がある。

60件を超えるコメントも 男女の性による差別だ、けしからん…

的なものが多い。


“違う”と思う。


Jアラートが出たとき、第一報はこのニュース番組のメインの

男性アナが伝え、1分後からは別の男性アナに代わった。

映像を見ると、別のスタジオか、同じスタジオ内の別の一角に

設けたセットに変わっている。

つまり、“消えた”のは女性アナだけではなく「おはよう日本」の

レギュラー全員がアラート発表からわずか1分でいなくなった。

そして、この件については解説役の国際部・政治部の記者を含む

3人にゆだねられたのだ。


で、例の記事の筆者はこの“現象”をしきりに“性による差別”と

結び付けたがっているが、それは違う。

これまでに何度も書いているが、緊急事態が発生したときに、

女性の高いトーンの声は不安を煽る…という考え方がある。

このケースでは、女性アナ・記者をはずす…これだけ徹底して

いるところを見れば、NHK内部、特に報道の内部に暗黙の、

あるいは明白な“了解事項”があるのだろう。異論はあろうが、

一つの考え方だ。


つまり、“ジェンダー”の問題ではなく“声のトーン”の問題だ。

能力の問題でもなく、まして、“性”による差別ではなく、

性の違いによる“特性”を考慮してこの対応をしているんだ。


…というのが私の見解だ。

改めて、各局の対応をチェックすると、Jアラート発表直後は

全局、男性アナが伝えている。時差はあるが、フジとテレ朝は

男女が交互に情報を伝えていた。フジ(めざまし)は三宅と永島、

テレ朝(グッドモーニング)は坪井と松尾()アナだ。

日テレ(ZIP)の桝とフジの三宅アナは早口でトーンも高かった。

私の見解の根拠が危うくなる。気をつけてほしい。ハハハ。

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TBS(あさチャン)のメイン・キャスターは夏目三久だろうが、

この件に関して主導権を握っていたのは藤森翔平アナだった。

画面に出ている文言を読み上げるだけでなく、前回の情報も

織り込んで、ゆっくりと低いトーンで分かりやすく伝えていて

全局の中で際立っていた。以前からいいアナだと思っていたが、

やっぱり素晴らしい。


そして、Jアラート発表直後から記者がスタンバイするまで

およそ23分間、一人で 次々に渡される原稿をほぼよどみなく

読み上げたNHK・三條雅幸アナも見事だった。

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“事件・事故と女性キャスター”でいつも思い出すのはCNN

女性アンカーたちの低いトーンの声と落ち着きぶりだ。

→ 参照:あわてず騒がず…が肝心 http://bit.ly/R5f8qD


2001年に同時多発テロが発生したとき、CNNのスタジオに

いたのはジュディ・ウッドラフというベテランだった。彼女も

声の低さが特徴だが、長時間の生中継をしっかりしきっていた。

今年70歳だが、PBS…アメリカの公共放送ネットワークで

今なお現役だと聞く。

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女性アナを重用すべし。

男女を問わず、超ベテランの起用をためらうな。

私もそう思う。しかし、基本は“適材適所”だ。

NHK(いずれ民放も) の“緊急時は男性アナで”という考え方は

決して“性差別”によるものではないと断言できると思う。


by toruiwa2010 | 2017-09-19 08:17 | アナウンサー・実況 | Comments(0)