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岩佐徹のOFF-MIKE

toruiwa.exblog.jp

実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

カテゴリ:自分的傑作選( 112 )


・・・つづき


山井・落合・大記録

~落合博満は分かってるね~

(2010/08/19 初出 )


「やっぱり8回までしか投げられませんでした。

すみません」お立ち台に上がった勝ち投手の

山井はそう言ってファンの笑いを誘ったという。

当然、球場全体が2007年のことを思い出して

いたのだから、インタビューはこの一言だけで

十分だったかもしれない。

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2007111

中日が日ハムを相手に王手を

かけていた日本シリーズ第5戦は、

中日の先発、山井大介が8回まで

24人の打者を完璧に抑えていた。


2010818

ペナントレースは終盤を迎え、

首位・阪神を3.5ゲーム差で追う

3位の中日は2位・巨人との

3連戦の2試合目を戦っていた。

マウンドには山井がいた。

この日も、8回まで3四死球は

与えたものの、巨人打線に

ヒットは許していない。

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中日の指揮を執るのは3年前も今も落合博満だ。

選手としては遅咲きだったが、三冠王に3

輝くなど日本球界最高の打者の一人だったし、

中日の監督としては、常に満足できる戦力では

なかったにもかかわらず、6シーズン、一度も

Bクラスにはなっていない。

性格的には“くせ”があって、取材者としては

厄介な男でもあったが。ハハハ。


落合の 選手・監督としての評価が、大監督

言われる諸先輩にくらべて低いのは彼の性格に

よるものだと思う。かねてから、受けて当然の

評価が与えられないのは実にアンフェアだと

思っている。


それはともかく(ハハハ)、同じ投手が大記録を

目前にしたときに2度とも指揮官だった落合が

それぞれの決断を下すのに迷いはなかったと

見るのは私だけではないだろう。


3年前は、9回のマウンドにリリーフの切り札・

岩瀬を送った。今回は山井をそのまま続投させ、

先頭の坂本にホームランを打たれたところで

岩瀬にスイッチした。

落合は状況を踏まえ、そのときにとるべき策を

セオリー通りに実行しただけだ。


3年前は非難する声が多かった。

「非情だ」「ファンの夢を壊した」と言うのが

評論家やファンの声の最大公約数だった。

落合は“馬耳東風”だ。同じケースに遭遇したら、

また同じことをするだろう。

もちろん、マウンドにいる投手とリリーフ・

エースの力次第だが。


先発・山井の実績、リリーフ・岩瀬の実績と

チームがペナントレースをどう戦ってきたかを

考えたら、日本シリーズのあの試合での交代は

当然の選択肢だったはずだ。


「ほとんど同じ状況の昨日は代えなかった」と

言われそうだが、1点差と3点差、王手

かかった日本シリーズと終盤とは言えペナント

レースの1試合の重みを考えたら、この二つの

試合が持つ意味はまったく違う。

「落合が山井を代えなかったのは、3年前の

反省があるからさ」と考えるのは見当はずれだ。

彼の中に“揺るぎ”はないと思う。


こまかく見ていけば、納得がいかない采配も

あるのだろうが、古今東西の監督の中で彼ほど、

目先の1勝にこだわらない、オーソドックスな

指揮官はきわめて少ない。

山井の快挙で思い出す

2013/07/03 初出 )


2013/06/29のツイート

6年前のシリーズで中日・山井は

8回まで完全だった。9回のマウンドに

岩瀬を送り、球界人から非難された

落合を私は擁護した。

当時の森投手コーチが今日のスポニチに

「山井が岩瀬さんでお願いしますと

言った」と書いている。

星野や野村は落合に謝れ! 


・・・“山井の進言”についてはすでに新聞などに

書かれていたかもしれませんが、私はまったく

知りませんでした。落合が“彼らしい判断で”

交代に踏み切ったのだと思っていたのです。

史上初となるシリーズでの完全試合が目前の

先発・山井からリリーフ・エースの岩瀬への

リレーは“非情の交代”と伝えられましたが、

私は一貫して擁護しました。


彼の野球は「打つべき手をきちんと打つ」です。

あの年の中日がなぜシリーズに出られたのかを

素直に考えたら、“1点差の最後のマウンド”に

岩瀬を送ることに迷いはなかっただろうと

思ったのです。


野村克也は週刊朝日にこう書いていました。


テレビにコメントを求められて私は「監督なら

10人が10人、交代させない」と言った。

中日の監督をし、五輪代表チームの星野監督は

「落合監督はピッチャーの経験がないから、

気持ちがわからないのでしょう」と言った

そうだが、もし熱血漢・星野が山井の立場に

置かれたら、中日のベンチがどんなことに

なったか、想像に難くない。


おかしなことを言うよなあ、と思いました。

落合だって、マウンドにいるのが星野だったら

代えやしません。そして、岩瀬という絶対の

抑えがいたから代えたのです。それがその年の

中日の戦い方だったから代えたのです。

そんなことは百も承知のくせに平気でこういう

ことを言う…老害でしたね。

ええ、私も近頃よく言われますが。ハハハ。


山井のノーヒッター達成は喜ばしいことです。

今回はシリーズとペナントレースの違いがあり、

チームの事情も違います。それこそ“10人が10人、

交代させないでしょう。それこそ、

落合博満でも。ハハハ。


by toruiwa2010 | 2019-05-12 06:39 | 自分的傑作選 | Comments(0)


他山の石

( 2007/11/08 初出 )


テレビ朝日にコメントを求められて私は

監督なら10人が10人交代させないでしょうと

言った。中日の監督をし、五輪代表チームの

星野監督は「落合監督はピッチャーの経験が

ないから、気持ちがわからないのでしょう」

言ったそうだが、もし熱血漢・星野が山井の

立場に置かれたら、中日ベンチがどんなことに

なったか、想像に難くない。


…今週号の週刊朝日に“日本シリーズで見えた

「監督の器」”という記事があります。

楽天イーグルス監督・野村克也の話を記者が

まとめたものです。

新聞の広告を見たときに一番「面白そうだ」と

思った記事でした。これまでもテレビや雑誌で

含蓄ある野村監督の話を楽しんできたからです。

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読んでみて、“ツッコミどころが満載という

意味で楽しめました。ハハハ。

冒頭の引用文はこの記事の本題の部分ですが、

記事全体の後半に入るところで初めて核心に

触れています。もちろん、パーフェクト・ゲーム

目前の山井を岩瀬にスイッチした日本シリーズ

5戦の采配についての話です。

直前には「奇をてらうことが好きなのか、

常識で計り難い男であることは確かだろう」と

書かれています。


「よく言うよ」と思います。

落合が変わっているのも事実ですが、「長島は

ひまわり、俺は月見草さ」などと“ひがみ”としか

聞こえないことを言って、現役から監督時代を

通してずっと“一風変わった男”と呼ばれ続けて

いたのは野村克也その人だったのですから。

ハハハ。


誤解のないように書いておきますが、そんな

“ノムさん”が嫌いなわけじゃないのです。

話は面白いし、テレビで始めたころの“野村・

スコープ”は説得力十分で大好きでした。

むしろ、力のある彼を貶めようとする一部の

元有名選手たちが嫌いでした。


それはそれとして…

<星野が山井の立場に置かれたら…> 

そんなに極端な“たら”はダメでしょう。

落合監督だって、あれが山井ではなく星野や

川上なら100%代えなかったと思います。


どんなに調子がよくても、これまでの山井の

実績を考え、1点リードの9回のマウンドが

どれだけ難しいものかを考えたからこその

“岩瀬投入”だったはずです。

100歩譲っても、「10人が10人、交代させない

でしょう」などと簡単には言えないでしょう。


仮に山井が9回に打たれ、同点から逆転されて

中日が負けても、第6戦、7戦と、2試合ある。

日本ハムにはダルビッシュ以外、頼りになる

ピッチャーがいないが、中日には川上がいる。

投手陣は中日のほうが質、量とも優位である。

勝利は誰の目にも明らかだろう。


正直言って驚きました。

モサーっとした、見た目の印象とは裏腹に、

物事を緻密に組み立てて考えるタイプだと

思っていたのに、意外に“単純思考”なんですね。

ハハハ。


“陣容”だけで勝敗が決まるならば、試合をやる

必要はありません。私はクライマックス・

シリーズで見たグリンのピッチングが記憶に

残っています。中日優位は動かないにしても、

北海道に帰り、グリンでタイに持ち込んだら、

最後は“スクランブル”…勝敗がどう転んだか

分かりません。野村克也ほどの男が、この時点

(中日・3)でシリーズの行方が決まったと

考えていたとは!


ほかにも、落合の采配やバッティングにまで

散々クレームをつけた挙句、こう言っています。


いずれにしろ山井は“日本シリーズで完全試合”

という、プロ野球史に残る金字塔を立てる

チャンスを奪われたのである。

それは“個人記録”と言うには重すぎるものだ。

彼には同情を禁じえない。


「だから、それはこの試合を仮に落としたって

シリーズには勝てると思い込むからでしょ?」

と言っておきましょう。ハハハ。


チームにとって53年ぶりのシリーズ優勝、

山井と岩瀬の実績を考えたら、落合の選択は

100%正しかったと、改めて主張します。


ノムさんは返す刀で日ハムのヒルマン監督も

切り捨てています。以下、その“要約”です。


同じリーグで4位の監督が言うのは失礼だが、

「定年を控えた学校の地味でまじめな先生」

という印象が最後まで拭えなかった。たとえば

短期決戦なのにキャッチャーを何人も使った。

「シーズン中と同じ野球をする方が無難だ」と

考えたに違いない。言い方を変えればなれない

ことをするのが、怖かったのだろうが、私なら

鶴岡だけでいったろう。


野球はチーム競技ですから、現有戦力を分析し、

その中で最善の戦法で戦うものだと思います。

ヒルマンはそれをやったまでのことでしょう。

本人も書いているように、“4位の監督

前年にくらべ、“がた落ち”した戦力で見事に

リーグ連覇を果たし、メジャーにも迎えられた

監督に文句をつけるのは“笑止”というものです。

ハハハ。


しかも、この記事のあたまのほうではこうも

言っているのです。


今の正直な感想は、監督業に比べ解説業は

何と楽なことか、ということである。解説は

試合のあとでもできるが、監督は一球ごとに

判断と決断を求められるからである。


要するに、これはベンチで指揮を執っている

監督と放送席に座って好きなことを言っている

解説者の差なんでしょうね。ハハハ。

 

(ある意味)つづく・・・


by toruiwa2010 | 2019-05-11 06:57 | 自分的傑作選 | Comments(0)


今日は“喫茶店の日”だそうだ。ウソかまことか、

1888年に東京・下谷黒門町に日本で初めての

コーヒー専門店「可否茶館」が開店したからだ。

最近 喫茶店を見かけなくなった。やってることは

同じでも、いまは“カフェ”と称するのだろう。


2006年に“喫茶メナード”を書いた。


喫茶メナード( 2006/05/13 初出 )


ヒマなせいか(ハハハ)、年齢のせいか(ハハハ)

昔のことをよく思い出す。脈絡のない思い出が

次々によみがえる。


高校時代に体をこわし、2年続けて留年した。

18歳の私は2歳年下の同級生と机を並べるのが

苦痛だった。この年頃で2歳の差は大きかった。

父に頼み込み、東京で通っていた学校(小学校~

高校の一貫校)に戻ることにした。高校3年に

なるときだった。

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吉祥寺にある明星学園だ。自由な校風で、生徒も

年齢以上に大人びていて感覚のギャップが少ない

だろうと考えたのだが、正解だった。

下宿生活だったが、高校最後の一年を思う存分に

楽しむことができた。


制服がなく服装は自由という学校だったから、

当時、ロカビリー・バンドに入っている級友は、

ジャズ喫茶に出演した派手なステージ衣裳のまま

登校したりしていた。彼らは、校内にいる不良の

標的になり殴られるは カツ上げされるは・・・

よしゃいいのにねえ。ハハハ。


その頃から、吉祥寺の北口商店街はアーケードを

中心ににぎわっていた。その一角に“いきつけ”の

喫茶「メナード」もあって、放課後の生徒たちの

たまり場になっていた。


ある日、2階の一隅で騒いでいた私たちの正面の

階段を一人の男が上がってきた。仲間の何人かが

凍りついた。彼らの手にはタバコがあった。

階段を上がってきたのは生活指導の先生だった!

まだ、高校生の喫煙が当たり前の時代にはなって

いない頃の話だ。後日、二人に一週間の停学が

申し渡された。


私? 私はすでに20歳になっていたし、吸って

いなかったので、お咎めは受けなかった。


年を食った転校生だから、私も不良グループの

ターゲットになりがちだったが、一学年下の

“番長格”の男がかばってくれた。何故なのかは

いまだに分からない。彼の中にあった潜在的な

“母性本能”を刺激したのだろうか?ハハハ。


学校帰り、二人で長時間メナードに居座ったり

したものだ。別に“悪さ”をするわけではない。

ライスだけを取ってソースをかけて食べたり、

テーブルにあるようじを全部かじってみたり・・・

カワイイものだった。

もっとも、私は“優秀な”生徒(⁉)だったが、

もう一人は、地元では知られた“ワル”だったから、

店にとっては十分に怖かったでかも。ハハハ。

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その男は 今、立派な芸術家になっている。

50年近く前のもだからかなり見にくいが、この

デッサンは元番長がメナードでひまつぶしに

描いてくれたものだ。今となっては、懐かしくも

ほろ苦い青春の一ページ・・・。ハハハ。


by toruiwa2010 | 2019-04-13 06:45 | 自分的傑作選 | Comments(2)


センバツでもサイン盗み”騒動”はあったらしい。

選手も監督も勝ちにこだわるから、どうしても

“疑惑”は生まれる。決して今回が初めてじゃない。

私は、高校野球には“すがすがしさ”を求めるが、

ときに、嫌なものを見かける。


2013年の記事を再掲しておく。


サイン盗み&カット打法

~前者は灰色、後者は好きじゃない~

( 2013/08/26初出 )


08/21のツイート


花巻東のC選手が2塁走者のとき打者に

サインを送っているように見えた件は

“限りなく灰色に近いグレー”…可哀相だ。

しかし、カット打法はよくないなあと

思っていたら、大会から注意されていたとか。

特別ルールがあるならもっと早い段階で

やるべきだったね。


NHKが放送した準々決勝、鳴門高校戦を見た。

特に、注意を受けたCがランナーになった場面は

じっくりと。 カメラが千葉のすべての動きを

見せているわけではないから、判断は難しい。

立場や見方によっても意見は違ってくる。


カット打法はいいけど、こっちはダメだ、とする

意見が多いようだが、彼らはいったい、何を見て

そう言っているのだろうか。私が見て、怪しいと

思ったのは“注意”直前のこの動きだけだった。

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Cは コース…というよりキャッチャーの位置を

知らせているように見える。

紛らわしい行為であったことは間違いない。

しかし、ショートの姿勢を見れば分かるのだが、

タイミング的に、キャッチャーがサインを送る

態勢に入る前だった。


この行為を、“サイン盗み”だと断じることには

大きな疑問がある。まして、スタンドを埋めた

大観衆とテレビカメラの前で罰するほどではない。

監督を呼んで警告し、Cに伝えさせるぐらいの

手間をかけてもよかったのではないかたと思う。


そして、なぜ、投球させてから注意したのかも

分からない。“不正”だと判断したら、そのときに

注意するのが試合を裁く審判の仕事ではないか。


よって、この件は“限りなく灰色に近いグレー”。

分からない人もいたようだが、書きそこなった

わけではない。100%グレーということだ。


カット打法についてはものの言い方が難しいね。

日本プロ野球には昔からたくさんのファウル打ち

名人がいた。名前も同じ、巨人のC(ハハハ)

その流れを汲むやはり巨人の土井正三、現役では

中日の井端などがそうだ。

しかし、プロなら投手が対処法を考えるから、

たいして厄介なことにはならない。

ちなみに、MLBでこれをやるなら、デドボールを

覚悟すべきだろうが。


花巻東のCの場合、猛練習を続けた結果として、

身につけたテクニックなのだと考えたら、とても

“全否定”することはできない。

ビデオで10打席以上見たが、テクニックだ

主張したい気持ちは分からなくもない。

2ストライクになったら、両手の間隔を離して

バットを短めに持ち、振り切らずに、ヘッドを

遅らせて、きわどい球はすべてファウルゾーンに

叩きつける。

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狙いはいくつかあるだろう。


ピッチャーにできるだけ多くの球を投げさせる。

粘って、ヒットにできる球を待つ。

相手が根負けしてフォアボールで出塁する。


準々決勝のCは第2打席で2球目をセンター前に

クリーン・ヒットした以外はこの“打法”で四つの

フォアボールを得ていた。全5打席で41球を

投げさせていた。目標を100%達成して、チームの

準決勝進出に多大の貢献をした。


きっと、試合を見ていた高校野球ファンの間でも

意見は分かれただろう。小さな体を生かすための

創意工夫だと賞賛する人も多かったはずだ。

NHKの解説者も「たいしたものだ」と肯定的

もの言いだった。


一方、フェアグラウンド内に打つ意志がまったく

見えない打法に違和感や“高校野球らしくない”

という感想を持った人も少なくなかったと思う。

大会本部にもたくさんの電話がかかったと思って

間違いない。大会本部と審判が協議した結果、

準決勝を前にしての“注意”となったのだろう。


私は後者の感想を持った一人だった。

ただし、この時点で“高校野球特別規則”のことは

すっかり失念していた。だから、漠然と感じた

“高校野球らしくない”に確たる根拠はない。


頭にあったのは、何度も書いているが、3年前の

大阪・履正社の作戦だ。

天理との2回戦の5回裏、3-1とリードを広げ、

なお213塁のチャンスだった。

相手のピッチャーは左投げだから1塁ベースに

正対してセットポジションに入る。

逆に、3塁走者はブラインドになる。


ここで、履正社の1塁走者がベースから離れたと

思ったらすぐに転倒した。ピッチャーはシメタと

ばかり1塁へボールを送る。このとき、同時に、

3塁走者はホームに向かってスタートを切った。

1塁走者が挟まれる間に1点が追加された。

1塁ランナーはピッチャーを引き付けるため、

わざと転んだのだ!ひっかけだ。

麻雀で五萬を切って“カンリャンワン”待ちしたり、

相撲の立ち上がりにはたき込むのと同じだ。

決して仲間のから敬意は得られない。ハハハ


今、思い出しても胸ク〇が悪い。放送席や翌日の

新聞がこの作戦を褒めていたのにも腹が立った。

何が高校野球は教育の一環だ。ふざけるな」と。

参考→ bit.ly/b8WwtB

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甲子園に駆けつけるファンもテレビを見る人も、

心のどこかで高校野球らしさを求めていると思う。

少なくとも、勝つためなら何をしても許すという

気持ちではないはずだ。


“高校野球らしさ”ってなに?という話になるが、

松井秀喜の5打席連続敬遠も履正社の“ひっかけ”

作戦も千葉のカット打法も“ルール違反”ではない。

しかし、“正々堂々と戦うことを”誓ったはずの

高校生のやることじゃないだろう。ほかの人が

どう思おうと、私は好きじゃないってことだ。

冒頭のツイートに「カット打法はよくない」と

書いたのはそういう意味だ。


ただし、高野連のやり方にもおかしな点がある。

あの打法が“特別規則17に抵触すると判断された

ことを知ったのは21日遅くになってからだった。


「バントとはバットをスイングせずに

内野をゆるく転がるように意識的に

ミートした打球である。

自分の好む投球を待つために、打者が

意識的にファウルするような、いわゆる

カット打法は、そのときの打者の動作

(バットをスイングしたか否か)により、

審判がバントと判断する場合もある」


打者がスイングしたかどうかを基準とするなら、

“バスター”式だが、Cはしっかりとバットを

振っている。バントとは明らかに違うじゃないか。


加えて、大会側から花巻東への通達について

ネットでいろいろな記事を読んだが、“どの打席の

何球目が抵触している”と明快に指摘があった

様子はない。


報道が正しいなら「高校野球特別規則に“バントの

定義”という項目があります。ご理解下さい」と

伝えたという。明確に、「やめさせろ」とは言って

いないらしい。ずいぶんおかしな話じゃないか。


第一、Cはこの大会の初めから…もっと言えば、

県大会から同じ打法なのに、なぜ急に?と、

ファンが騒ぐのは当然だ。こういうところにも、

野球だけでなく、高校スポーツを監督する立場の

連中の“事なかれ主義”が見える。

すっかり、“悪者”に仕立て上げられた花巻東や

Cが気の毒だもちろん、ルールではセーフでも、

私の“好きじゃない”という考え方は変わらないが。


全部の責任を負わせるのは気の毒だが、花巻東の

監督の立場も微妙だ。

預かる選手の数も多いから大変だろう。しかし、

少なくともグラウンドでの選手の行動については

責任を問われるだろう。過去の経歴は知らないが、

監督としての手腕はあると思われる。

甲子園のマウンドに送る投手を4人も揃えたのは

すごいことだ。きびきびした言動からも野球版の

マリーシア=ずるい野球を教える人とは思えない。


試合後の態度について批判的なことを言われて

いるようだが、何かの間違いではないのか。

NHKのインタビューでは妙な言動はなかった。

Cの打席を見たとき、真っ先に頭に浮かんだのは

メジャーの長い歴史に残る“事件”のことだった。


1951819日、ブラウンズ対タイガースの

ダブルヘッダー第2試合でその珍事は起きた。

1回裏 ブラウンズの攻撃の冒頭、テイラー監督は

1番のソーシアに代打を送った。場内に“代打、

エディ・ゲーデル”と告げられた。グラウンドに

姿を現したゲーゲルを見て、観客がどよめいた。

ISSという病気のため身長が伸びない、きわめて小さな男だったからだ。

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しかも、背番号はなんと“1/8”(ユニフォームは

クーパース・タウンの野球の殿堂に飾られている)

主審は監督を呼び「これはどういうことだ?」と

詰め寄ったが、監督は契約書類を振りかざして

「彼は正式なブラウンズの選手だ」と主張した。


…すべて、“変り者”オーナーのビル・ベックが

仕組んだことで、2日前の17日に連盟への登録を

済ませていた。詳細なチェックが行われるのは

月曜日(つまり、試合の翌日の20)だと知った

上での“悪だくらみ”だったのだ。


背中を丸めて構える身長109cmのゲーデルに、

タイガースのピッチャーは、一生懸命にボールを

低めに投げたが、ストライクが入らず、結果は

ストレートのフォアボールだった。

すぐに代走が送られ、ゲーデルはスタンディング・

オベーションの中をダグアウトに消えていった。

連盟会長がその日のうちにゲーデルの出場停止を

決めたため、公式記録に残るゲーデルの成績は

この1打席だけだ。


…勝つために手段を選ばなくなると、いつの日か、

そこまで行ってしまうという話だ。そんなことが

高校野球で起きるはずがない…と笑うなかれ。

5連続敬遠わざと転倒も現実に甲子園で

起きたことではないか。

by toruiwa2010 | 2019-04-06 05:44 | 自分的傑作選 | Comments(0)

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( 2013/01/16 初出 )


2013/01/11のツイート
桜宮高校生自殺の件は大きな広がりを見せている。
"暴力”は決して容認できないが、「また、ミスしたか。
よしよし」では全国レベルのチームにはできないことも
事実だ。完全になくしたければ、体育館を全面可視化
するしかない。報道の仕方も偏っているように見える。


橋下市長が行政の間違いだったと認め、大々的に一斉

調査すると宣言し、文科省も全国レベルで調査すると

言っている。

しかし、どうせ教師や生徒からアンケートをとるぐらい

のことしかできないのではないのか?報道や世論が先行

する形で流れは“体罰全面禁止”の方向だ。それが、スポ

ーツでうまくなりたい、強くなりたいと願う生徒たちの

気持ちと本当に合致すればいいが。


春高バレーで優勝したのは男女とも明るいチームだった。

練習中にビンタが飛ぶ光景は想像できなかった。

和気あいあいでも強いチームは作れるのかもしれない。
しかし、それは集まった選手の素質がよほど優れていた

ときではないだろうか。
欧米では桜宮高校のような話はあまり聞かない。社会が

成熟しているからだと思う。
文化も歴史も違う日本には別のやり方があっていい。

ただし、繰り返すが無意味な暴力は認めない。

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“突出した”事件をきっかけにすべてを封じ込めるやり方

には反対しておく。今朝、知ったが、橋下市長は「今年

度の体育科とスポーツ健康科学科の生徒募集を中止すべ

きだ」と考えているという。ずいぶんエキセントリック

だが、桜宮高校は大阪市立だから影響力は大きいだろう。


書道家・武田双雲は子供の習字教室では子供の作品に

○しかつけないと言っていた。
胸に響いたが、習い事はそれでいいとしても、スポーツ

はそうじゃないと思う。今日から朝日新聞でスポーツと

体罰についての連載が始まった。トップに登場した沖縄・

興南高校の我喜屋監督の話は含蓄に富んだものだ。

「体罰は指導力のなさを示すもの」と語っている。
ならば、聞きたい。ただの一度も手を挙げなかったかと。
社会人の監督時代に殴ったことがあると話している。

車で事故を起こしたからだ。
つまり、理由があれば殴る…ということではないのか。


とにかくこの問題は子供同士の「いじめ」とともに、

今最も微妙で難しい問題だ。
世間の流れと違うことを言えば叩かれるから違和感が

あっても口を閉じてしまう。私も体罰を容認している

わけではない。体罰という言葉が独り歩きしている。
授業中のいたずらに対するものと指導の一環で頬を叩く

ことをまったく同レベルで語ることに抵抗があるだけだ。
「人をたたくのはすべて暴力だ」なら“お好きなように”

以外言うべき言葉はない。

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全国で頭を抱えている監督が大勢いるはずだ。これから

どう指導すればいいんだと。
「なんで、あそこでパスしたの?シュートじゃないの?

自信がなかった。そうか、それじゃしょうがないよね」
「動きが悪いぞ。えっ、テレビの見過ぎで寝不足だった?

分かる、分かる」「そのボールが捕れんか。ぼうーっと

してた?うん、よしよし。次、がんばろう」
そんな指導で強くなれるはずがない。


極端すぎる?
そう、極端さ。桜宮高校の顧問教諭たちだって極端な

例だろう。何があったって、本当に30発、40発ひっぱ

たいたのだとすれば普通じゃないよ。それは暴力だ。
そんなケースと何とかうまくしてやりたいという思いの

平手打ちは同じじゃない。


「街で人を殴れば暴力」という議論がある。繰り返しに

なるが、それと指導中に
平手でたたくのを一緒にしたら、我喜屋監督も何も言え

なくなるのではないか。
要は、どこまで許されるかという“線引き”の問題だ。

“一切ダメ”は極端だ。


桑田真澄は「叩かれているとき愛情を感じたことはなか

った」と話している。中学時代の話らしいが、当時の

顧問はどんな思いだろうか?


この件には別の側面がある。一種の“二次災害”だ。
報道の仕方が一方的ではないか。ネットでの騒ぎ方に

行き過ぎはないか。
顧問教諭がやったことは許されないにしても、逃げ場が

ないところに追い込んで本人や家族が思いもかけない

行動に出る心配はないのか。そうなったとき責任は
いったい誰がとるのだろうか。


書き始めたら長くなってしまった。
ささやかなブログだし、少数意見だと思うが、みんなが

意見を言うことが大事…
あえて、ふたたび書いておく。


つづく・・・


・・・つづき

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( 2013.02.04 初出 )


2013/01/30のツイート
女子柔道で監督の暴力・パワハラ告訴:
ロンドンで外国人監督の目の前でも
行われたとなると、救いようがない。
桜宮高校もこのケースも度を越えて
いるところがあるね。
長距離、球技など女子アスリートと
男性監督の関係は男性の場合より
上下関係が露骨だからなあ。


さてと。桜宮高校&女子柔道…この問題は難しい。
いや、考え方が難しいのではなく、今、世間の空気は

一つの方向に激しい勢いで流れているから、その流れと

違うことを言うのはとても“難しい”という意味だ。
最近、昔からの常連さんは“引き気味”だ(ハハハ)が、

このエントリーにはもっと違和感があるかもしれない。

覚悟の上で書いていく。


もちろん、この女子柔道の件については、聞いた瞬間に

「これはout」だと感じた。選手に手を上げる行動は

ロンドン・オリンピックのとき外国人監督の目の前でも

行われていたと言う。救いようがない。
桜宮高校の件も“30~40発”が事実と知ってからはやはり

論外だと思った。度を越えたもの、つまり単なる“暴力”

でしかないものを容認する気はない。

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桜宮高校バスケ部キャプテンの自殺が明るみに出たあと、

「“体罰”と愛のムチ~微妙な話題だがあえて…~」を

書いた。関心が強いテーマだから、この日のアクセスは

今年初めて1000件を超えた。
記事の中で高校バレー取材の経験も書いたが、その後も

長い間 スポーツの現場を見てきた中で監督が選手を

平手打ちする、ボールをぶつける、棒でたたく、蹴る…
そんなシーンはたくさんあった。

高校生・中学生だけでなくプロ野球でも。
特に、長距離、ボール競技などでの女性アスリートと

男性監督の間はどうしても“上下”の関係が露骨になるか

ら、見ていて気分のいいものではなかった。


いい例が、東京オリンピックで金メダルを獲った女子

バレーボールだ。大松博文監督に率いられた“東洋の魔女”

たちだったが、その練習ぶりを今の人が見たら「大松を

殺せ」「人でなし!」の大合唱になったことは間違いない。
宿敵・ソビエト(現・ロシア)に勝つには「徹底的に拾う

しか方法はない」と考えた“鬼の大松”は猛烈に選手を

しごいて“回転レシーブ”を完成させた。
打ち込まれてくるボールを片手でレシーブし、そのまま

体を回転させて起き上がる、それまでにはなかったテク

ニックだった。


ネットの端に置かれた審判台の上に立ち、控え選手や

コーチが手渡しするボールを大松はスパイクの要領で

選手に叩きつけていた。初め、拾ってはすぐ立ち上がり、
次のレシーブ態勢が取れた選手も疲れがたまってくると
構えが遅れるようになる。捕れないことを承知で大松は
ボールを選手めがけて容赦なく打ち込んでいった。
途中から動けなかった選手の足、胸、背中、顔…ボール

は無防備な体を叩き続けた。


多少の加減をしても、男の力で打たれたボールの威力は

相当なものだったはずだ。至近距離からだもの。 

目的は「体にしみこませる」ことだ。
この間、聞くに堪えない罵声も飛ぶ。第三者が見れば、

明らかな暴力だった。

伝聞ではなく、当時、バレーボールを取材した者なら

誰もが知っている事実だ。

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ところが、先日、「ミヤネ屋」に電話出演した評論家・

玉木正之は、「スポーツは楽しむことが基本だ」、「昔は

体罰なんて当たり前だった…は違うと思わなければ
いけない」と、相変わらずの観念論を述べたあと、こう

言った。


東京オリンピックのときの大松や

レスリングの八田監督などは手を

上げることはあったと思うが、

何十発も叩いたり、シナイで

たたくなどは考えられない。


…そう、当時12歳だった玉木少年は上記のことなど、

何も知らないのだ。それとも、「それは暴力でも体罰でも

ない」と理由をつけて主張できるのだろうか?
八田一朗は“名物監督”として、大会の前後、マスコミが

頻繁に取り上げていた。猛獣とのにらめっこ、時差対策

として、体育館に布団を敷き、あかりをつけたまま寝か

せるなど、独特の精神鍛錬を実践していた。


最も有名だったのは“剃毛(ていもう)”だ。
試合や練習の内容が悪い選手には、“体中の”毛を剃らせ

る罰を与えたのだ!彼が警告として発したフレーズ「剃るぞ」に

マスコミが飛びつき、彼のキャッチフレーズに

もなっていた。これだって今の“基準”なら立派な体罰じ

ゃないか。


玉木…どうも気に入らん。
Wikipediaには「私が日本で初めてスポーツライターと

名乗った」と言っていると書かれている。笑止千万だ。

一回り以上違うからかもしれないが、取材の現場で彼の

姿を見た記憶は一切ない。日本でスポーツ評論家を名乗

っている連中の中にこう言った手合いをたくさん見受け

る。“観念”だけで語るのは勘弁してほしい。


言われているように、欧米では体罰や暴力がスポーツの

場に持ち込まれることは皆無とは言わないが、考えにく

い。日本では当たり前になっている。なぜか。国民性と

無関係ではないと思う。特に、“精神面の幼さ”と。
ドラフト会議を前にして、花巻東・大谷翔平が「メジャ

ーに行く」と発言したとき、「やめた方がいい」と書いた。

理由の一つがそれだった。


言葉が適切かどうか分からないが、残念ながら、日本人

18歳は精神面の幼さが否定できない。通訳や食事に

ついて不安を口にしていたのは家族だったようだが、
それは心配させる要素が大谷にあるからだろう。そんな

状態でアメリカに行っても野球どころではなかろう、と

思ったのだ。


断るまでもなく、“幼い”は“劣っている”と同じではない。
勉強したわけではないから印象でしかないが、欧米人の

子供たちの精神面は年齢が低いところからかなり急な

カーブで成長するのに対し、日本人の場合はゆっくりと
上昇カーブを描くのだと思う。それは成長過程の環境が

違うからだ。


幼いときから寝室を別にし学校やコミュニティで意見を

言う機会が多い欧米の子供たちは早くから自主自立の

精神を身につけていく。Dignity(尊厳)も。日本では文化

的・社会的な環境の違いから、どうしても自主自立は

遅れる。つまり、自分で考え、行動するようになるのが

遅くなるのだ。
親、兄や姉、教師、職場の上司、監督・コーチ…生活・

仕事の現場や部活動の場で自分より“上位・優位”にある

者の指示で動くのが普通のこととして育っていく。
こうして、日本人は100年単位の時間をかけて、家庭や

職場をはじめ、あらゆるコミュニティに“上下の関係”を

持ち込むことを当然と考えるようになった。指導の場で

罵声が飛び、力の行使が生まれた背景の一つだ。


さらに、個人の“尊厳”という点でも、日本と欧米では

考え方に差がある気がする。海外で暮したことはないが、

仕事を通じて彼らのプライドの高さ、自分の尊厳を傷つ

けられたときの“反発”の強さに驚いた経験は数えきれな

いほどある。日本人なら「ま、いいか」で終わるが、自

分の立場や主張をはっきりさせるまで決して退かない。

見事なものだ。これぞまさに国民性の違い…つまり、成

長過程で受ける、家庭や学校での教育に差があるのだと

思う。殴られる、理不尽な叱られ方をする…相手が監督

やコーチであっても、欧米ではどちらも、そのまま通る

ことはないだろう。監督・教師と選手・生徒の間に上下

の関係がないからだ。


長い年月の間に出来上がったものだから、簡単にはなお

らない。家庭と学校が同じ方向を見ながら、子供の教育

を考え直し、実践していく必要がある。それは途方もな

く遠い道のりになる。「国民性を変える」という話だもの。


今回、さも、「私は正しい」と言わんばかりの顔で「本来、

スポーツは楽しむためのもの」論をずいぶん聞く。

それなら同好会でやればすむこと。全国大会に出たい、

オリンピックで勝ちたいなら、そんな“ヤワ”なことでは
夢は達成できない。少なくとも今の上位・優位者“依存”

の体質が改まらない限り。


厳しい指導といわゆる“体罰”は紙一重だと思う。
「うまくなれるなら平手1発ぐらい問題ない」と考える

本人や親も多いはずだが、世論は「ダメダメ。全部認め

ない」だから始末が悪い。
どうしても“全面禁止”にしたいなら方法はある。簡単だ。
オリンピックや世界選手権には行かないと決める、中学

から大学まで、全国大会や県大会的なものをやめるのさ。

そうすれば、監督は叩いたり叱ったりしてまで選手を、

チームを強くする必要はなくなる。そして“識者”が言う、

スポーツが本来の“楽しむもの”に戻るんだ。ハハハ。

by toruiwa2010 | 2019-01-20 07:07 | 自分的傑作選 | Comments(0)

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( 2013/01/10 初出 )

6年前の今頃、大阪の高校バスケット

ボール部で起きたキャプテンの自殺は

“体罰”をめぐって大騒ぎになった。


2013/01/09のツイート
大阪・桜宮高校バスケ部キャプテンの自殺は
痛ましい限りだ。ただし、こういうケースでは
誰もが正義の味方になり担当教諭が見境なしの
袋叩きの対象になる。
ほかの生徒の”申告”などは流れに乗って出てくる
可能性もある。
言い方は難しいのだが、慎重を期してもらいたい。


「何やってんだ、バカヤロー」、「やる気がないなら出て
いけ」、「そんなボールも上げられないのか」、「もういい、

やめちまえ」、「代われ、代われ、役立たず」…


コートで懸命にボールを追う選手たちに監督の容赦ない
声が飛び続ける。倒れこんで起き上がれない選手に向か
って、横にいる控え選手が差し出すボールを至近距離か
ら矢継ぎ早に打ち込む監督の顔も汗がいっぱいだ。


若いころ、フジテレビが主催する春の高校バレーの取材
1月から2月にかけておこなっていた。当時は3月開

催だったからだ。あらかじめ電話で日取りを決めて訪れ

るのだが、体育館に一歩足を踏み入れると、監督は練習

をストップして選手たちを集め、「フジテレビの岩佐アナ

ウンサーだ」と紹介してくれる。「コンニチハ」と大声で

選手たちが挨拶をする。


「岩佐と言います。今日は練習を見せてもらいに来まし

た。よろしくお願いします」と頭を下げると、ふたたび

大きな声で「よろしくおねがいします」と返事が返って

くる。その間、多くの学校で選手たちはつま先立ちだっ

た。筋トレの一環だ。


ここに書いた練習風景は罵声も含めて相手が女生徒でも

全く変わらない。監督の中には取材者がいると張り切っ

て余計に練習内容を厳しくしたり浴びせる言葉を激しく

するケースもある。慣れないうちは「憎んでいるのでは

ないか」と思ってしまうが、取材の中でそのことを聞く

と異口同音に「憎かったらこんなことできませんよ」と

いう答えが返ってきたものだ。全員がそうではないが、

普段は優しい口調で話す監督が多かった。少なくとも

“粗暴”に見える監督はいなかった。


さすがに“グーで”殴るのを見たことはないが、女子選手

でも平手で叩くところは何度も見ている。私がいるとこ

ろでもそうだったから、いないときにどんな指導をして

いたかは分からない。叩く、殴る、ける…どう考えても

世間で言う“体罰”は第三者がいないときの方が圧倒的に

多いだろう。しかし、取材した経験で言うなら、多くの

場合、監督は選手が憎くてやっているより、「お前なら絶

対できるはずなのになぜ、できないんだ」という口惜し

い気持ちの方が強いのだと思う。


スポーツは本来楽しむものだ。“クラブ”制度が発達して

いるヨーロッパなどではそういう考え方が主流だろうが、

日本の高校や大学で行われているスポーツの場合、少し

違う。勝ち負けや学校の名誉などが絡んでそれだけでは

済まなくなるからだ。どうしても勝負にこだわる。勝つ

ことが目的になり、練習もその方向で行われる。


ただでさえ、先生と生徒には上下の関係が出来るし、ス

ポーツ部だったら監督と選手の関係は“絶対”になる。

ただし、問題が起きない学校では互いの信頼関係が確立

しているのだと思う。セクハラやパワハラと同じで受け

る側がどう感じるかがポイントだろう。“いじめ”、“しご

き”、“体罰”と感じさせたら指導者に非があると
いうことになる。

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…以上は、高校スポーツの指導現場を取材した者の一人

として、一般論を書いた。大阪・桜宮高校のケースが

100%あてはまるわけではない。特に、自殺した少年の家

族にとっては、どう説明されても納得いかない出来事で
あったことは間違いない。もちろん、「許せ」と言って

いるのでもない。


こわいのは、こういうことが起きるたびに特定の誰かが

ターゲットにされ、徹底的にバッシングを受けることだ。

反論はいっさい許されない雰囲気になる。
百歩譲って、家族には非難する権利はあるにしても、報

道する側はもう少し冷静であってもいいような気がする。

見た限りでは今朝の「めざまし」でバスケット部OB

一人が「自分も叩かれたことがあるが、しっかりしろと

いう愛のムチだと受け止めていた」と話していたのが

唯一、顧問教諭をかばう発言だった。


すでに、マスコミは顧問教諭だけでなく目撃しながら

黙認していたとして副顧問を非難する論調で伝え始めて

いる。もちろん、なにがしかの責任は免れないだろうが、
このような“犯人捜し”にどれほどの意味があるのか疑問

に思う。言い出せば、体罰を受けていると知っていた

家族はなぜ行動しなかったのか、当の部員たちはなぜ

校長や教頭に訴えなかったかというところまで行く。

それは誰も言わない。
総攻撃を受けるからだ。


今朝の天声人語にはこう書かれている。


今回の大阪の一件は論外だ。高校バスケットボール部の
顧問教諭から体罰を受けていた17歳の男子が自ら命を

絶った。常態化していたらしく、顔をはらして帰宅して

いたという。指導ではなく最悪の暴力に過ぎない。
(中略)
あくまで恐怖と身体的な苦痛なしで子らを育て、導く
「覚悟と勇気」が大人に必要だ。いま一度あらため、
固めなおすときではないか。


前段については取材したわけでもないのに“断罪”し、

後段はきれいごと過ぎてなんの提案にもなっていないと

思うが、どうだろう?“天下の”名コラムでもこの程度だ。


ワイドショーのキャスターには取材経験のある人もいる。

例えば、三宅アナなどは実態を知っているのだから、

当たり前のコメントをするだけでなく、その経験を話す

べきだ。「かばえ」と言っているのではない。突出した

話ではないということを事実として提示してほしいのだ。


by toruiwa2010 | 2019-01-19 07:04 | 自分的傑作選 | Comments(0)

松井秀喜がバットを置く

~とうとう“その日”が来た~

(2012/12/12/28 初出 )

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松井秀喜が引退を表明した。
熱狂的なファンではないにしても、応援してきた者に

とっては恐れていたことだが、イチローの電撃移籍と

違って、ある程度予想されたことだった。

NY
のホテルで行われた会見に臨んだ松井にはやっぱり

寂しさがにじんでいた。しかし、“うら”寂しいものでは

なかったことに救いを感じる。

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20年の野球選手人生に区切りをつけたい。

野球が好きだから、プレーは続けたい気持ちがあった。

しかし、結果が出なくなった。
日本球界に戻れば、ファンは10年前の自分の姿を

期待する。その姿を再現する自信は正直に言うなら

強くは持てなかった」

「よくやった。頑張ったね」と自分に言う気持ちは

ないという。もう少しいい選手になれたかもしれない

という思いがあるのだ。
一流だからこその“こだわり”として聞いた。

松井が巨人に入ったのは私がプロ野球の取材をしなく

なってからだから、実際に取材をしたことはない。

強く印象に残っているのは1990年の甲子園だ。
WOWOW
は大阪の朝日放送と共同でハイビジョンの

実験放送をしていた。夏の高校野球を試験的に中継した。

本放送を開始する前のWOWOWではまだやることが

なかった私はその実況を買って出た。

松井の生の声を聞いたのは90年、91年の夏だった。
風通しが悪いスタンド下の通路は“蒸し風呂”のような

暑さで5分もしないうちに汗でシャツが背中に張り付く

ほどだった。

その通路に次の試合に臨む星陵高校の4番が姿を現すと

待ち構えていた記者が群がった。ニキビがいっぱいの

彼はその輪の中で悠然としていた。時間が限られた中で

たくさんの情報を仕入れたい記者たちの質問は広範囲に

及んだが、ユーモアを交えてよどみなく答えていた。
「まるで物怖じしていないなあ」とあっぱれな高校生に

心から感心したことが鮮やかに思い出される。

以後、一ファンとして松井秀喜を見てきた。
子供のころからの“アンチ・巨人”だから松井といえども

one of themだった。しかし、海を渡ってからの彼には

遠慮することなく注目してきた。初めからヤンキースの

ピンストライプが似合い、ヤンキースタジアムの空気に

なじんでいた。

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日本を代表する長距離打者がユニフォームを脱ぐ。


星陵でチームメイトだった朝日新聞記者が今日の記事の

冒頭にこう書いているが、MLBでは中距離打者だった。

それでも、いつも優勝争いの一角にいるヤンキースの

4番をしばしば任されていた。すごいことだ。
与えられたところで黙々と仕事をする。それが松井の

真骨頂だ。“黙々と”は、毎試合後、勝っても負けても、

打っても打たなくてもカメラの前に立ってコメントする

姿勢に表れていた。自分が5,10分我慢すれば記者が
仕事をまっとうできるのだからという思いだったはずだ。
面白いコメントほとんどなかったが、彼の人柄をよく

示していた。ためらわずにリスペクトできる数少ない

野球選手の一人だ。

2012/12/27
のツイート
サンスポが松井秀喜引退かと報じている。
内容が何もない記事でw
可能性はあるがこの時期に最終決断を
下すのは故障が絶望的な場合だけだ。
それなら自分から話す男だ。本人の談話は
一言もなく父親の話だけ。ひどいものだ。

友人にあてたツイート
デスク「おい、今日は何もねえなあ。
MLB
の方で何かない?松井はどうなってんの?

なんか書けない?」ぐらいのノリで書いたんじゃ

ないでしょうか。
「飛ばし記事」と言います。
引退しなければ「…かと思われていたが…」と
書いて、あとは知らん顔。ハハハ。


…と思ったが本当だった。
スポーツ紙ならそう書くだろう。私はそういうわけには

いかない。ハハハ。

こういう記事にはいやというほど出会ってきた。
ネタ枯れのときスポーツ紙の一面を飾る“飛ばし記事”の

一つだと思った。特大の「引退」の横に小さな「か」を

添えていた。自信満々じゃなかったからだ。
自信があれば「引退か」じゃなくて「引退へ」のはずだ。
結果的に“スクープ”になっただけだから、私も不明を

恥じることはない。ハハハ。

“そのとき”がきた。どんなに偉大な選手でもやってくる

“終わりのとき”が。ヤンキースからエンゼルスに移り、

基本的に“赤”が多いユニフォーム姿を想像しただけで

嫌な予感があった。松井に赤は似合わないもの。ハハハ。

アスレチックス、レイズ…チームを移るたびに成績は

下降線をたどった。致命的だったのはやはり膝のけがだ。

あれさえなければと思うが、言っても仕方がない。

十分やったと思う。

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通算成績:打率.282(出塁率.360)175HROPS.822

メジャーの選手としては“中の上”ぐらいだと思うが、

よくやってくれたし、楽しませてくれた。

指導者として日本球界への復帰は考えにくい。
むしろ、数年後に突然“星陵高校監督就任”のニュースに

接する方が納得できる。松井秀喜はそういう男だと思う。
プライバシーをとても大事にするタイプだから日本には

帰らないかもしれない。
日刊スポーツが「来年、第一子誕生」を伝えているから、

事実なら 奥さんが日米のどちらで産みたいと思うかに

よるだろうが。

万感の思いを込めて「おつかれさま」と言いたい。
2009
年、ヤンキースのワールドシリーズ優勝に貢献して

MVPになったときの晴れやかな笑顔は野球ファンの

脳裏に深く刻み込まれている。
個人的には、今シーズン、昇格した直後に放った2本の

ホームランが強く印象に残る。

“一瞬の輝き”に終わったが、美しいホームランだった。

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NYタイムズが「日本とヤンキースのスターだった

松井が引退」という見出し付きで長い記事を載せている。

MLB.comもトップで報じている。(10:00AMJST)
アメリカ球界で松井がどう見られていたかがよく分かる。
“引退”の2文字は口にしなかったが、これで、ずっと

背負ってきた“重圧”から解放されることに変わりはない。

その重圧が懐かしいものに変わる日も来る。
今後の人生が幸せなものであってほしいと切に願う。

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by toruiwa2010 | 2018-12-24 06:51 | 自分的傑作選 | Comments(0)

オシタジ・桝太一・談志

~先週のツイートから~

( 2012/12/19初出 ) 

オシタジってなに?

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2012/12/14のツイート
TBS
「はなまる」に淡路恵子…

ピーチ・ジョンの店で、下穿き(古いね)

「二枚重ねいくら」と書いてあった。
どちらを上に穿くか決まりがあるか迷ったが、

聞けば「2枚でいくら」の意味だと。
そりゃ、表示が悪いわ。ハハハ。
元気そうだし、気持ちが若いのがうれしい。

えーと、さっきのツイートで「下穿き

(古いね)」と書いたが、淡路がその言葉を

使ったわけじゃないんだ。
男として、「パン…」と書くのが気恥ずかし

かっただけ。何を弁解してるんだろうね俺は。

ハハハ。


松竹歌劇団(SKD)からは“ターキー”こと水の江瀧子、

「リンゴの唄」の並木路子、神田正輝の母・旭輝子、

草笛光子、野添ひとみ、倍賞千恵子・美津子姉妹…
たくさんのスターが世に出た。淡路もその一人だ。

際立った演技力があるとは思わないが、独特の存在感を

持っている女優だ。最近は“あけっぴろげ”のコメントで

人気がある(…らしい)。この日もなかなか含蓄に富んだ

コメントを連発していた。伊勢丹の向かいにあるピーチ・

ジョンは行きつけの店らしい。こらPJ2枚でいくら…

なら そう書きなさい。ハハハ。

彼女が勧める“ご飯のお供”がみんなおいしそうだった。
3
年物の若菜、大安のぬかづけ、明治屋のピリ辛高菜、

花錦戸のこんぶ、はれまのじゃこ、丸山ののり…

白いご飯が何杯でも食べられるね。ハハハ。

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…スタジオに3品 出された。
「これを食べたらほかのノリは食べられないのよ」と

お気に入りを手に「今日は“オシタジ”がないけどさ」と

言いながらご飯と高菜を挟んで口に運んだ。
そのとき、薬丸が「お醤油はつけないんですか?」と

尋ねた。

静かなスタジオで、席は隣同士だから聞こえなかった

わけはないと思う。やっくんは、オシタジ(=お下地)

醤油のことだとは知らなかったのではないか。
彼の年齢なら…と思わないでもないが、知らないものは

知らないよね。責めるのは大人げないけど、日本中で、

おっとっととずっこけた年寄りが大勢いただろうね。

“小間物屋”part2。ハハハ。

New Number One !


2012/12/14のツイート
日テレ・桝アナがNo11年半前のブログに
こう書いておいてよかった。
…日テレでは桝太一アナに注目。29歳の若さで
大きな仕事を任され、まだ戸惑いが目立ちます。
東大大学院卒の輝かしい学歴は関係ありません。
慣れるまで、周囲や視聴者が待ってくれるか
どうかですね。…


オリコンが「好きな男性アナウンサーランキング」を

発表した。1位に選ばれたのが日テレ“朝の顔”「ZIP」で

司会を務める桝太一だった。
2
連覇の羽鳥慎一を抑えた。去年の5位からのランク

アップだから立派なものだ。

大抜擢直後はさすがに硬くて見ているのがつらかったが、

バラエティにも出始めて“柔らかさ”が見え始めている。

おそらく、硬さを何とかしなければと考えた制作陣が

番組に押し込んだに違いない。幸いなことに日テレには

「行列ができる…」「1分間の…」「…さんま御殿」など

おあつらえ向きの番組があるからなあ。

「なんかわざとらしくて好きじゃないのよね」という

声も聞こえてくるが、頭はいいから、要領をつかんだ

これからますます腕をあげそうだ。

この局は朝の番組から長く活躍するキャスターをうまく

育てるね。

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フジOBとしては伊藤利尋が3位に入ったのがうれしい。

2年連続3位らしいが、局がいい人材を生かしていない

ということだ。ほかに中村光弘(5)、軽部真一(6)

生田竜聖(9)もランクインしている。女性アナでは

加藤綾子がV2、生野陽子(4)、高橋真麻(6)3人。
…だからと言って、朝の時間帯が圧倒的に強いという

わけでもないんだね、これが。ハハハ。

“インチキ”と言いたい

2012/12/15
のツイート
期待感を胸に銀座・東劇へ。
目的は「映画 立川談志」だった。
人によって評価はそれぞれだろうが、

がっかりした。ドキュメンタリー部分が

「詐欺的」に少なく、高座を収めた

部分の時間が大半を占めていた。
これならDVDで十分だろう。
一切の割引なしの2000円均一。高いわ。


正式タイトルは「映画 立川談志」の前に“スクリーンで

観る高座 シネマ落語&ドキュメンタリー”…という

長いフレーズがついている。
「高座のシーンも当然あるだろうが、若いころの写真や

インタビューなどもたっぷり見せてくれるんだろう」と

思った私はおバカなんだろうか?ハハハ。
ドキュメントらしさは娘と東南アジアを旅する場面など、

ほんのわずかしかなかった。
素材は山のようにあっただろうに、ひどいものだ。

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日曜日の2回目(1330)、東劇の435席の場内には

100人ほどの観客がいた。大半は熱狂的ファンと思われ、

内容にも納得しただろうが、私には“騙された”という

思いが強かった。

ほとんどの時間が「やかん」、「芝浜」の2席に割かれ、

カメラも全身を映したものと少し寄ったものの ほぼ

2アングルで客席は全くと言っていいほど映らなかった。
工夫のなさに呆れる。そして、肝心の「芝浜」の出来も

決していいとは思えなかった。

音声だけでなく映像もあるから断然 面白いとテレビは

人気を博し、70年代半ばからラジオはメディアとしての

力を衰えさせていった。しかし、私の感覚では、NHK

ときどき放送していたテレビの落語より、子供のころに

ラジオを聞いて笑い転げた落語の方がビビッドだった。

この映画は、DVDをテレビ・モニターで見ても十分の

ものを劇場のスクリーンで見せているに過ぎない。

少なくとも、大きな画面で見せるための演出は一切ない。

熱狂的ではないが、かつては落語をよく聞いた。そう、

“見た”のではなく“聞いた”。戦後、まだ小学生だったが、

強烈に覚えているのは三遊亭歌笑(かしょう)だ。

“型破り”の噺家として爆発的な人気を得ていた。噺の

中身や意味は分からないままに笑った記憶があるし、
交通事故で急死したときの社会が受けた衝撃の大きさも

記憶している。

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忘れられないのは林家三平だ。まさに爆笑王だったなあ。
舞台に姿を現した瞬間から場内に笑いが絶えなかった。

あれだけ笑わせた落語家はあとにも先にも三平以外に

いないだろう。言葉が出てこなくても、言い間違えても
「どうもすいません!」の一言で笑いをとってしまった。
悪いけどいっ平が継いじゃいけない名前だと思う。

談志の少し前に月の家圓鏡(現・橘家圓蔵)がいた。

当時から眼鏡をかけて、頭も角刈りだった若い岩佐徹は

先輩から「圓鏡!」とからかわれたものだ。ハハハ。
ほかにも多少の縁があるのだが、以前に書いたので省略。

談志と同じころに頭角を現していたのは古今亭志ん朝だ。

こちらは志ん生の息子。これ以上ないという血統書付の

サラブレッドだし、優等生だった。
“端正な落語”…そんな印象が強い。

本当の愛好家はもちろん認めるが、世間が幅広く受け

入れるのは少し“ハメを外した”タイプだ。
その典型が談志だったと言っていい。

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1963年に小ゑんから談志を襲名したとき、新宿末広で

披露を見ている。そのころの彼は歯に衣着せぬ言動で

落語界の異端児、風雲児として人気も絶頂だった。
着物ではなく、たてじまのジャケットに“脚より細い”

ロカビリアンがはくようなパンツ姿でポーズする写真が

毎週のように雑誌のグラビアを飾っていた。

語るのは古典でも彼独特のアレンジがあって聞くものを

惹きこんでいた。みんな、腹の中で「なんだこの野郎、

若いのに生意気だなあ」と思いながら。ハハハ。
歯切れのいい江戸言葉と軽妙洒脱の彼の語り口は多くの

ファンを集めた。口の悪さで“敵”も多かったようだが、

ときに鋭いその舌鋒には計り知れない魅力があった。

しかし、のどを悪くしてからの談志は、たとえ世間で

「それ以後の方が円熟してすごくなった」という声が

あっても、痛々しくて聞く気にならなかった。
私の中では、40~50代の威勢が良かったころの彼こそが

“真の”立川談志だ。
元気なうちに寄席に足を運ぶべきだった。だからこそ、

この映画には期待したのだ。そのころの落語が聞ける

のではないかと。
見せられた二席は、記憶に間違いがなければ、2005年、

2006年のものだった。

長ったらしい“正式”タイトルをよく読めば、たしかに

“スクリーンで観る高座”

“シネマ落語&ドキュメンタリー”…の文字がある。

予防線のように見えるが、私にとって、これは“インチキ”。

妻は普通に満足したようだが、劇場を出て銀座方面に

歩く私はしばらく話をしたくないほど腹を立てていた。

談志ファンなら見に行くのを止めない。

ただし、会心の高座を収めたDVD1枚でも持って

いたら、行くことはない。2000円がもったいない。
異才・立川談志を扱った映画がこれでは情けない。
亡くなったとき談笑が「弟子ですと言えるのは幸せ」と

語った言葉を思い出す。
制作にあたったスタッフにその気持ちがあれば、こんな

ものを世に出すことにはためらいがあったはずだが。

談志は怒ってるんじゃないか?金を返せ、と言いたい。


…今日は、これぐらいにしといてやる。ハハハ。

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by toruiwa2010 | 2018-12-23 07:54 | 自分的傑作選 | Comments(0)

美談?・ゆうこりん・緊急放送・大谷翔平

~先週のツイートから~

( 12/12/11初出 )


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美談 一転…?

2012/12/07
のツイート
1
週間前:NY25歳の警官がはだしの
老ホームレスを見つけ100ドルのブーツを
買ってあげたというエピソードを心温まる話
としてツイートした。なんと、このお年寄り、

ブロンクスにアパートを「所有」しているそうな。
いかんいかん、こんなことではオレオレ詐欺にも
引っかかっちまうぞ。

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警官の行為はニューヨーク市警察のフェイスブックで

紹介され旅行者が撮っ た写真もあって話題を呼んだ。

男性はジェフリー・ヒルマンさん(54)
CNN
に対してペンシルバニア州に住む兄は「弟はだいぶ

前からホームレスで、長い間、路上生活をしている」と

語っていた。しかし、NY市はブロンクスにアパートを

所有するジェフリーさんは厳密には“ホームレス”では

ないと話している。従軍の経験があるヒルマンさんは、

元兵士の住宅取得を支援する連邦政府の制度を利用して

一括払いでアパートを購入していたのだ!

第一報に接したとき、数十年前 ニューヨークに滞在した

ときのことを思い出した。真夜中に目が覚め、ホテルの

窓から下を見るとビルの壁際に丸まって寝ている人影が

あった。身動きもしない。

翌日、コーディネーターに聞くと、ホームレスがビルの

暖房に使われた蒸気(湯気)が地上に噴き出すところで

夜を過ごすのだという話だった。
買い物袋に全財産を詰め込んでうろつく“ショッピング

バッグ・レディ”の姿が街の至る所で見られたころだ。

ツイートしながら、もしかして NY市警の“やらせ”では

ないかと疑ったが、想定外の形で“真相”が表面化した。

“美談”の主役として話題を集めた若い警官がちょっと

気の毒だね。ハハハ。

ゆうこりんに思う

「いいとも」に小倉優子が出演中。
「こりん星」と言っていたころは馬鹿じゃないのと
思ったが、ある番組で見る目が変わった。その番組を
見たかどうかで彼女の評価は大きく違うと思う。
人柄も良さそうだし、私生活が幸せであってほしい。
お母さんかあ。


一芸を持ち、一つでもヒットを飛ばせば“長生き”する

こともできますが、昨日出たかと思うと 1年、短い人は

半年ももたないで姿を消していくことも珍しくないのが
このクラスのタレントたちだ。
子供っぽい顔で舌足らずな物言いをする“ゆうこりん”が

テレビに登場したのは今世紀初めだった。

「なんだ こいつ」と思った人は多いだろう。実を言うと

私もそうだった。
自分の意志で言っていない、言わされている。

制作者に操られているのが見え見え。
普通の大人は例外なく辟易する。

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しかし、それはうわべだけのことで、実際は“できる子”

なんだと分かったのは、5,6年前にTBS「世界ウルルン

滞在記」を見たときだった。
滞在した先はイタリアの小さな村だった。家々に伝わる

生パスタの作り方をその家のおばあちゃんから習った。


見た目がいかにも頼りない若い日本陣女性に、初めは

「無理じゃないの」という目つきだったおばあちゃんの

表情が小倉の熱心さや習得・上達の速さに心を打たれた

ものに変わっていく。おばあちゃんだけじゃなかった。

家族全員が見せた驚きと納得の表情は本物だった。

この番組を見て、彼女のイメージが大きく変った人は

多いと思う。私たち夫婦も感動し、すっかりファンに

なってしまった。
以後、テレビで誰かが彼女についてバカにしたような

発言をするたびに「こいつ、何にも分かってないね」と

うなずき合うようになった。豹変。ハハハ。

コリン星から来た少女は結婚し一児の母になった。

幸せそうで何よりだ。

今すぐ逃げてください!

「命を最優先に今すぐ逃げてください。
東日本大震災を思い出してください。
決して立ち止まったり引き返したり
しないでください」…NHKのアナが
緊迫した声で呼びかける。
3.11
で言葉を強くすることにしたのだ。
いいと思う。
津波の予想到達時間まで約10分だ。
大きな被害が出ないことを祈る。

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津波警報が出た瞬間とっさに思い出したのは 石巻港を

襲った津波に翻弄されていたたくさんの漁船と名取市を

龍のように“走って”いく黒い波の映像だった。
時間の経過とともに薄まっていく記憶もあるだろうが、

この二つは忘れない。
だから、発生直後からのNHKの男性アナの“きつい”

言い方に違和感はなかった。やはり、この方がいい。

訴える力がある。目からウロコだった。

当然だが、NHKは選挙の政見放送を中断して ずっと、

呼びかけを続けた。しかし、福島第一原発についての

情報は少なかった。まず、福島より北の 宮城、岩手、

青森の沿岸部の人たちの避難を優先させたということか。

これでいいのかもしれないが、福島の人はまず“それ”が

気になったはずだ。

もし、原発側が確認に手間取ったのだとしたらもっと

問題ではないか。

今回はそうでもなかったようだが、3.11を思い出すと、

情報の錯綜が心配だった。ツイッターで発信するときは、

時間と場所を添えることを忘れないようににしたい。
それがないと、情報としての意味がなくなる。そして、

予想しない混乱を招く。

結果として、それほど大きな被害はなくて済んだようで

よかった。しかし、東北の人たちにはストレスのたまる

日々が続くなあ。

なお、このツイートはRT2300を超えた。

事実をつぶやいただけだったのに。“緊急時”の情報の

伝わり方の不思議と怖さを思う。

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ナイスな決断

12/08
のツイート

花巻東・大谷翔平投手が日本ハムに
入団することになるようだ。
18
歳の心は相当に揺れたようだが、
最後に「正しい」判断を下したことを
喜びたい。
初めは夢を追い、現実を知って正解に
たどり着いた。
メジャー挑戦の機会はまだある。

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(日ハム入団は)100%ありません」と語っていた。
これまで、メジャーで“一定以上”の成果を上げた選手は

すべて日本のプロとして実績を積んでから海を渡った。

アマから直接 挑戦したケースがなかったわけではない

だろうが、成功した選手はいない。大谷の場合も大きな

不安を覚えた。 

理由はある。(10/22のエントリーに少し詳しく書いた)

私は初めから「とにかく日ハムの話を聞いたらいい」と

考えていた。その時点で18歳の少年が夢に描いていた

ことは尊重しつつ、現実を知ることは無駄じゃない。

その上で判断すればいい…と。

栗山監督の話は効き目があったのだろうし、球団全体の

誠意と熱意がしっかりと伝わったからこそ契約にこぎ

つけられたのだと思う。
大谷は最後に正しいジャッジをした。

誰かに対して“悪かった”と思う必要はない。
日ハムもルールに反したことはしていない。

ただし、私が関係者だったら、“二刀流”での出発には

決して賛成しない。

まず投手を試し、どうしてもダメだったら、打者として

育ててもらう。球団も本人もビッグ・チャレンジだね。

ハハハ。

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by toruiwa2010 | 2018-12-22 06:33 | 自分的傑作選 | Comments(0)

日テレへ注文&「南極大陸」 終わる

~思い切れ&泣いてたまるか!~

( 2011/12/21初出 )

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日テレのサッカー中継

2011/12/18
日テレ、今日の実況はベテランの鈴木健アナ、
格としては日テレサッカー担当のエースだ。
入場シーン、この人は予定稿が得意だ。

この局は彼に限らない。伝統だ。始まったぞ。

クラブワールドカップSF2試合の実況が入社8年目と

12年目のアナだったから、これをきっかけに思い切った

若手起用にカジを切るのかと思ったが、あてが外れた。
どの世界でも、ベテランから若手への切り替えは難しい

ものだが、今のままだと日テレは、“放送の中で情報を

いくつ入れたか”を競うような、視聴者が求めるものから

ほど遠い実況をいつまでも続けることになる。
若手の実況からは 何かを変えたいと思っているのでは

ないかという気配を感じるだけに、つまらない伝統が

しみつかないうちに切り替える勇気を持ってほしい。

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情報の提供は視聴者にとっても

ありがたいこと。日テレの資料読みが

悪評なのは、これだけ調べてきました、

勉強してます…とむき出しの形で

出てくることだ。
バルサ2点目。

トラップからシュートまでの速いこと。

これも美しいゴール。今日の客は羨ましい。 

何度もアピールしているし、目新しい内容ではないが、

このツイートが25回もリツイート(拡散)されていた。

ビックリするほどの数ではないものの、同様の不満を

持っている視聴者がいかに多いかを示していると思う。
見て見ぬふりをする、 あるいは無視を続けてもいいが、

それでは“資料読みの日テレ”のレッテルをはがすことは

できない。

同じことはほかの局にも言える。
視聴者の支持を受けているベテランがやめる必要はない。

しかし、能力のある若手はどんどん登用するべきだ。

“後進に道を譲る”のは経験者のとるべき道ではないし、
視聴者も望んでいない。後輩は あくまで自力で先輩を

乗り越えて行くべきなのだ。
逆に、制作者はきちんと力を見きわめて、“年功序列”は

無視して 思い切った人材登用を心掛けないと置いてき

ぼりを食うことになる。

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決勝ではやはりメッシが光っていた。
シャビがアクロバチックなトラップから出したパスを

受けてのループシュートは一連の動き全体が“芸術品”

だったと言ってもいいだろう。見た者の目にいつまでも

焼き付いて離れないに違いない。


ドラマ「南極大陸」終わる 

サッカー終わりで “追っかけ再生”するつもりだったが、

勝負の行方は見えていたから、最後まで見ずに9時から

「南極大陸」に移動した。
相変わらずだなあ。警報が出たと思えばあっという間に

暴風圏に入り、CMを挟んで短時間で抜けたと思ったら、

もう南極圏だという。犬の“演技”はたっぷりと見せるが、

ほかはなんとも荒っぽいつなぎ方になっている。

1話から“突っ込みどころ”が多かったが、最終回も

強引さが目についた。

犬たちの死を最大限に利用して泣かせようとする演出は、

それだけ必死だったのだろう。

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この物語は日本復活の扉を開くため、

そして愛する人の想いを胸に南極大陸に

命がけで挑んだ一人の若き学者と、

彼と運命を共にした“同士”樺太犬の

愛と絆のドラマである。

…今になって番組HPのイントロダクションを読むと、

その最後にそう書かれている。
そうか、倉持(木村拓哉)と犬たちの物語だったんだ。
たしかに、振り返ってみると“その他大勢”の隊員たちと

1年間の越冬生活で苦楽を共にしたはずの犬たちとの

日常的な触れ合いはほとんど画面に出てこなかった。
しかも、倉持と犬の強い絆を本格的に見たのも6-7話で

ボツンヌーテンに挑んだときが最初だった気がする。

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迎えに来た「宗谷」が接岸できず、“苦渋の決断”で犬を

置き去りにすることになったとき、ボツンヌーテンで

命を救われた氷室(堺雅人)を筆頭に、特に強い繋がりが

あるようには描かれていなかったほぼ全隊員が、血相を

変えて 決定を下した隊長に詰め寄ったシーンには強い

違和感があった。

視聴率を考え、綾瀬はるかや芦田愛菜を登場させようと
欲張った結果、余計なシーンが多くなり、倉持を除く

隊員と犬の交流の描き方に丁寧さが足りなかったのだ。

最終回の終盤で「生きる」という言葉が連発されていた。
「彼等の分も生きなきゃいけない」「前を向いて、彼等に

恥じないように生きていこう」
…唐突だった。

そんなテーマがこのドラマから感じられただろうか?

答えは“ノー”だ。セリフで香川や木村が言っただけだ。
“生きる”という意味では タロ、ジロ、そしてリキたちは

首輪を抜けたあと どうやって1年間を生き延びたのか、

についてはまったく描かれていない。
腕時計の怪***を初めとして アラが目立ち、改めてこの

ドラマは壮大な失敗作だと思う。

もちろん全10話平均で18%の視聴率をとったのだから、

評判だったことは間違いない。ツイートの流れを見れば、

犬好きの人たちが辛いことは覚悟して見ていたようだし、
思い切り涙を流したようだ。あるいは、泣いたことで

感動したと錯覚したかもしれない。
私だって、犬は好きだ。ネコに次いで…。なんだかんだ

言いながら 最初から最後まで見た。


かつて“アンチ巨人も巨人ファンのうち”とかなり強引な

言われかたをしたことがあるが、その言葉にならうなら、

私もまた立派な“南極ファン”…。

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しかし、登場人物のセリフのひとつひとつ、犬の扱いの

わざとらしさには辟易するばかりだった。
“泣かせんかな”という意図があからさまで、とうとう

最後まで感動したり涙があふれたりすることはなかった。
最近、ここまで魂胆・作為をむき出しで あざとかった

ドラマは珍しい。

だからと言って、この作品を見て「よかった」と思った

人をバカにする気持ちはない。私が嫌だと感じた部分が、

彼らは気にならなかっただけのことだもの。

その意味ではたまたま見かけたこのツイートは正しい

ことを言っていると思う。

「南極大陸」に文句言うだけだった人間と、
素直に感動できた人間じゃ、後者の方が
圧倒的に幸せだよな。


うっかり、御意!…とリプライしそうになった。

さらに、だからと言って、以下のようにも思わない。

南極大陸もそうだけど、坂の上の雲が
ミタより視聴率が低いという事実は、
日本人のダメさ加減を表している気がするよ。
自国の歴史を知ろうともしないなんて


***
細かいのだが、腕時計が“妙”だったんだ。

以下に再録してあるので興味があったらどうぞ。

→ https://goo.gl/ezed5y

ドラマ「南極大陸」…腕時計の怪!

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by toruiwa2010 | 2018-12-16 07:02 | 自分的傑作選 | Comments(0)