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岩佐徹のOFF-MIKE

toruiwa.exblog.jp

実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

カテゴリ:映画が好き( 253 )


ミッション:インポッシブル/フォールアウト 85


ベルファストのアジトでイーサン(トム・クルーズ)

夢を見ていた。ジュリアとの結婚を司る神父の言葉が

途中から妙な方向にずれていく。

悪い夢から覚めたところへIMFからの指令が届いた。

盗まれた3個のプルトニウムを回収すせよ。


金とブツの交換は目前まではうまくいったが、そこで

不測の事態が起き、仲間の生命を優先したイーサンは

ミッションに失敗する。


この結果、次のミッションはさらに難しいものになった。

3個のプルトニウムを用いて組織が目論む 世界3ヶ所・

同時核爆発を阻止せよ。

イーサンの働きに不満を持っていたCIAはその作戦に

監視役のエージェントを張り付けた…

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シリーズ第6作になるようですね。

全部見ているような気もするし、何作目かが抜けている

可能性もあります。つまり、このシリーズに“ドップリ”

はまっているわけでもないのです。ハハハ。


その程度の“入れ込みぐあい”の人は多いと思います。

私をふくめて、そういう人には、人と人、組織と組織の

関係を字幕だけで正確に理解し、把握することはとても

難しいのだと覚悟しないと厳しいと思います。


がまんして見続けるしかありません。

極め付きのファンには申し訳ないですが、“活劇”なので

すべてを分かろうとしないで、アクションの面白さを

楽しむつもりで見ることを勧めます。私は、それで十分

楽しめました。

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ちなみに、スタントの大部分をトム・クルーズ自身が

演じたとされていますが、私は信じません。決して!

彼はスーパーマンじゃないんだから。ハハハ。


翌日、NHK-BSで「M:I-2」を見ました。2000年に

公開されたシリーズ第2弾です。18年前のクルーズは

やっぱり若いです。ハハハ。


参考(Rotten Tomatoes)

原題:Mission: Impossible -Fallout

Tomatometer97

観客スコア:90


オーシャンズ8 85


ギーィっとドアが開き、デビー・オーシャン(サンドラ・

ブロック)が部屋に入ってきた。彼女が腰を下ろすと、

係官が、犯罪者と接触してはならないなど、仮釈放の

条件を話し始める。


化粧っ気のないデビーは神妙だった。

ここを出たら、仕事について、友だちを作り、払うべき

ものは払って…と、地味に暮らすことを誓った。ときに

感極まって言葉を詰まらせていた。


出所のときのでビーは、そんなに殊勝ではなかつた。

顔見知りの婦人警官に「上手くやった」と自慢げに話し、

5年も練習したんだもの」とうそぶいてさっそうと

出て行った…

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デビーはジョージ・クルーニーが演じた大泥棒、ダニー・

オーシャンの実妹です。ムショで過ごした5年の時間を

無駄にはしません。練りに練ったビッグなたくらみを

実行に移すため相棒・ルー(ケイト・ブランシェット)

仲間集めにとりかかります。


“たくらみ”とは、世界最大級のファッションイベント、

メット・ガラでハリウッド女優(アン・ハサウェイ)

身につける超高価なネックレスを盗むことでした。

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…“本家”のオーシャンズにくらべると全体にスケールが

小さく、びっくりするような“仕掛け”もありませんが、

おしゃれ感はあって、私はそれなりに楽しめました。

50歳を過ぎたブラロックが今でも”ゴージャス”です。


実に細かいことですが。予告編を見るたびに、デビーが

“…pay my bills”のところの字幕が「地味に暮らすわ」と

なっているのが引っ掛かっていました。

そうか、請求書が来たら払うことがアメリカでは地味に

クラスことの代名詞なんだ、と思っていました。


本編はこの記事のようになっていて違和感なしでした。

ずらしてたんですね。


参考(Rotten Tomatoes)

原題:Oceans8

Tomatometer67

観客スコア:47


by toruiwa2010 | 2018-08-17 07:23 | 映画が好き | Comments(0)

ブログを休んでいる間に、日米 二人のベテラン俳優の

情報に触れた。日本では名優・津川雅彦が亡くなり、

アメリカではロバート・レッドフォードが引退した。

どちらも 若いころは二枚目として活躍し、年とともに

演技派として鳴らした。


作家としての石原慎太郎、俳優としての裕次郎兄弟が

好きだったから、「狂った果実」に登場した津川のことは

よく記憶している。子役時代があるから“デビュー”とは

言えないが、多くの人に鮮烈な二枚目ぶりを印象づけた。

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演技派への“転向”は早かった。演技の幅が広かったから

実にさまざまな役をこなした。ただし、幅が広すぎて

津川と言えばこれ…という作品がすぐには出てこない。

それほど“多彩”だったんだ。そして、うまかった。

特に“目”の演技に独特のものがあったと思う。


少年ぽさを残したまま大人になったような、愛すべき

人物だったと思うが、惜しまれるのは、晩年、政治的な

発言が増えたことだ。役者やアスリートは黙ってろ、と

言うつもりはないが、あまりの“右寄り”発言が多過ぎて

しばしば戸惑わされた。


超高齢化の時代、78歳は若い。定年のない芸の世界で、

もっともっと楽しませてほしかった。

妻・朝丘雪路が逝ってわずか数ヶ月…冥福を祈る。

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レッドフォードはいかにもハリウッドの二枚目…という

イケメンの俳優だった。

私には池部良(知らないだろうなあ)とダブって見える。

ベテランになるにつれて渋みが加わっていったところが

そっくりだ。


こしらも現役が長かった割に、印象に残る作品が少ない。

代表作「明日に向って撃て」以外には「大統領の陰謀」

「ナチュラル」「大いなる陰謀」しか頭に浮かばない。


レッドフォードの名前を聞いて真っ先に思い出すのは

こんなエピソードだ。

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「明日に向って…」で共演したポール・ニューマンとは

それ以来の親友だったようだが、ニューマンがいつも

車やレースについて熱く語ることに辟易していたらしい。

そこである日、中古車店に電話してスポーツカーを買い、

それをぼこぼこにしてニューマンの家に送り付けた!


アメリカ人は話で笑わすだけでなく、アクションを伴う

“プラクティカル・ジョーク”が好きだが、これもそうだ。

ふつうは、ニューマンが「あいつめ!」と苦笑いして

終わるのだが、この一件には“続き”があった。


頭をひねったニューマン…この車を産廃業者のところに

持ち込んで巨大なマシンでアートのように立方体に固め、

夜中にレッドフォード邸の前庭にドンと置いた!!


今日の記事は、この話が書きたかったんだ。ハハハ。


81歳のレッドフォードの引退は、いいんじゃないのと

思えるが、私より若い津川が78歳で亡くなったのは

なんかこたえるなあ。


by toruiwa2010 | 2018-08-15 07:20 | 映画が好き | Comments(0)

カメラを止めるな 75


人里離れた廃工場でホラー映画の撮影が行われていた。

ゾンビと化した男が恋人に襲いかかろうとしている。

両手でしっかりとつかんだ斧を構えてじりっじりっと

後ずさりする女の顔は恐怖で引きつっていた。

「はい、カット!」の声がかかった。

俳優たちが演技を止めたところで「何テーク目だ?」と

監督が尋ねると助監督が「42テーク目です」と答える…

 

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今や、“社会現象”と化しているインディズ映画です。

運よく、渋谷ユーロスペースでチケットが取れました。

平日の13時半の回でしたが、スクリーンがある3階で

エレベーターを降りると、狭いロビーは前の回の終了を

待っている人で混雑していました。この劇場で、こんな

光景を見たことは一度もありません。


二つの列ができていました。

オンラインチケットを発券する列と当日券を買う列です。

二つ目の列に対応するスタッフが「1時半の回はすでに

満席です。立ち見券も終わりました」と言っているのが

聞こえます。入場するときにはスタッフの後ろの壁の

一欄表には“売止”の紙がべたべた貼られていました。

立ち見を含め、売る券がありません…という意味です。

ま、それぐらい“話題沸騰”の映画だってことです。

その人気のほぼすべてが口コミによるものだというのも

すごいじゃないですか。

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俳優陣の中に知った顔はありませんでした。予備知識は

持たない方がいいというコメントをどこかで見たので

なにか“仕掛け”があることは予想していました。

しかし、まさか 冒頭の“37分”がその“仕掛け”だとは

想像をはるかに超えていました。


これから見る人の“邪魔”をしないように映画の感想を

書くのは難しいです。どうしても“仕掛け”に触れるし、

その後の展開も書くことになるからです。“一言だけ”

書くなら、そんなに面白いかなあ…です。

ある種の“熱気”は伝わりますが、演出・演技が未熟だし、

映画としての完成度が高いとは思いません。少なくとも

“今年のベスト”には程遠いです。


後方の立ち見と階段にも座り込んだ客(料金は同じ)

40~50人はいたでしょうか。終わって出口に向かうとき、

興奮した声で感想を話し合う彼らをながめながら、爺は

それほどでもないよ、と“ひとりごち”ました。つまり、

年代によって、受け止め方に落差があるってことです。

50代以上の人はその覚悟を持ってお出かけください。


サンプル数が少ないようですが、

“腐ったトマト”はこんな数字です。

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悲しみに、こんにちは 85


バルセロナで暮らしていたフリダの母親が死んだ。

6歳の少女は母親の弟夫婦に引き取られ、山間の農場に

やってきた。環境がすっかり変わってしまったことに

戸惑うフリダは、子供らしくわがままに振る舞ったり、

4歳になるいとこ(弟夫婦の娘)に意地悪をしたりする…

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フリダが過ごしたひと夏の物語は女性監督が幼いころ、

実際に経験したことだそうです。特別にドラマチックな

出来事が起きるわけではありません、この小品が見る

者の心に刺さるのは二人の少女を演じる子役の自然な

演技が強く“訴える”からでしょう。状況だけを告げて

自由にやらせたり、セリフを口伝えにしたり、監督は

苦労したとうですが、何よりも少女たちのみずみずしい

“感性”がこの演技をさせるのだと思います。


そして、映画は“いきなり”終わりを迎えます。しかも

私の頭に“?”を残して。いえ、こうなるのだろうな…

という“方向”はなんとなく分かりますが、具体的に何が

原因でそうなるのかが分かりにくいのです。

そもそも、母親がなぜ亡くなったのか、なぜ、フリダが

病院で血液検査を受けなければいけないのか…うっかり

見落としたのかもしれませんが、はっきりしないのです。

少なくとも、言えばはっきり分かる病名は一度も字幕に

表示されなかったと思います。“にぶい”と言われるかも

しれませんが、「そういうことか」とヒザを叩いたのは

帰宅してからでした。


ここまでの私の記事で、分かる人は分かるでしょうが、

分からない人には、特に若い人には分からないでしょう。

そのもどかしさがなければ、90点でもいい気がします。


フランソワーズ・サガンの有名な小説をデボラ・カー、

デイヴィッド・ニーヴンらで映画化した「悲しみよ

こんにちは」と紛らわしいタイトルですが、もともとの

題名は“Estiu 1993”…1993年 夏です。簡にして潔。

邦題は、かえって観客を混乱させます。


参考(Rotten Tomatoes)

原題:SUMMER1993

Tomatometer100

観客スコア:81


コード・ブルー 85


翔北大学付属病院の救命救急センターに出動を要請する

連絡が入った。成田空港で航空機が緊急着陸して多数の

負傷者が出ているという。駆けつけた白石(新垣結衣)

冴島(比嘉愛未)らが忙しく対応しているとき、機内から

一人の男が若い女性をかかえて降りてきた。トロントに

行っていた藍沢(山下智久)だった。たまたま、別の便で

帰国して事故を知り、機内でけが人を診ていたのだ…

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2008年から2017年まで10年にわたってフジテレビが

放送したドラマシリーズの初めての劇場版です。

ドラマも大好きでしたが、映画はシリーズの“集大成”に

なるのではないかと思っていました。集大成は、つまり、

すべてを一つにした最高のもの、でもあり、俳優たちの

年齢と役柄を考えると、これが最後になるかもしれない

という意味も込めています。


見ている間、ひしひしと感じたのは、この作品に寄せる

出演者たちの愛情とチームワークです。ドラマや映画が

成功するためには欠かせない要素だと思っています。

救命医の仕事も“共同作業”ですから、チームワークが

生まれやすいのかもしれませんが、山下&新垣を中心に、

戸田恵梨香、比嘉愛未、浅利陽介…似たような年齢の

俳優たちがいいハーモニーを見せています。みんなが

仲良くやればいい作品になるわけではないでしょうが、

このドラマや映画が見る者を引き込むのはそこですね。


海ほたるでの事故発生からの40分ほどはとてもよく

できているのですが、そこまでが欲張り過ぎましたね。

あれもこれもと詰め込んだために、“しんどい”です。

特にかたせ梨乃のからみは浮いているように感じました。


勝手にこれで終わりだと決めていたので、終盤で藍沢が

白石に“何か”言うんじゃないかと期待していましたが、

何もありませんでした。ハハハ。

逆に、…と言うことは“次”があるということかも。

俳優たちの年齢が上がることで、物語の幅が広がるかも

しれないし、「救命病棟24時」のようなシリーズに

なるのが理想ですが、さあ、どうでしょうね。


初日(金曜日)の午後の回でしたが、95%の入りでした。


ヒトラーを欺いた黄色い星 90


第二次世界大戦中の19439月、ゲッペルス宣伝相は

「ベルリンからユダヤ人を一掃した」と宣言しました。

しかし、およそ7000人がナチスの目を逃れて潜伏し、

1500人が戦争終了まで生き抜いたと言います。

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戦前の生まれですから、日本人が経験した戦争について

少しは知っています。しかし、私が知っていることなど

全体の1%にもならないような過酷かつ悲惨な現実が

あったでしょう。


この映画はヨーロッパではまったく違う形の“不条理”が

あったことをことを教えてくれます。虚を突かれました。

あの時代のユダヤ人が味わった恐怖は想像を超えます。

思わず正座して見たくなるような映画でした。

深夜、「秘密国家警察だ!」と叫びながら、アパートの

部屋のドアを力任せにたたく音にすくみ上ります。


最後方の席に小泉純一郎元総理の姿がありました。


by toruiwa2010 | 2018-08-03 08:10 | 映画が好き | Comments(0)

グッバイ、ゴダール 75


主な登場人物は二人の男女。

男はジャン=リュック・ゴダールで女はその妻、アンヌ。

ゴダールは1960年、「勝手にしやがれ」で映画シーンに

鮮烈な風を吹き込み、ヌーヴェル・バーグの旗手として

映画界の寵児になった男だ。

女優のアンヌは1967年にゴダールの映画「中国女」に

主演として起用され、間もなくゴダールと結婚する。

この映画の原作の著者だ。


17歳の年齢差がある“監督と女優の結婚生活”は 初めは

順調だったが、1968年にパリが“政治の季節”を迎えると

微妙にぎくしゃくし始める…

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妻は何度も”寝落ち”していました。私も綱渡りでした。

前半も“禅問答”めいた会話が多くてうんざりしますが、

フランスに大学生が中心になった“五月革命”が起きて、

激しい議論が始まると、“観念的な”言葉が飛び交って

何を言いたいのか理解不能になります。フランス語を

日本語に置き換えた字幕を見ていますから ストレスは

倍増するのです。ハハハ。

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隣りで眠る妻を見て「出たいのだろうな」と思いつつ、

最後まで見たのはアンヌ役のステイシー・マーティンに

魅力があったからです。

違うだろう…と言われそうですが、ソフィ・マルソーを

初めて見たときの“感動”に近いものがありました。

ま、その感覚は人それぞれでしょうが。ハハハ。


ゴダールの「勝手にしやがれ」は衝撃的でした。

主演のジャン=ポール・ベルモンドが放つ強烈な個性が

大きかったと思いますが、それまでの映画作りの基本を

無視した作品が まだ若かった私を興奮させました。

ただし、その後のゴダールの映画を見続けたかと言えば

そんなことはなく、「軽蔑」(1963)と「彼女について私が

知っている二、三の事柄」(1967)2本ぐらいです。

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かなり“めんどくさい”男として描かれているゴダールを

ルイ・ガレルが好演しているように思います。


アンヌは去年70歳で亡くなっていますが、ゴダールは

87歳の今も健在で、今年のカンヌ映画祭では彼の新作が

上映され、ポスターには彼の作品「気狂いピエロ」の

1場面が使われました。で、「グッバイ・ゴダール」も

映画祭で上映されると聞いて「実にバカげた発想だ」と

おカンムリのようです。まるでわがままな子供のように

描かれている自分を見たらそう言いたくなるのも分かる

気がします。ハハハ。

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R15+”=15歳以上なら見られる…どうでもいいような

ものですが、結構、はっきりと裸の“前面”が見えます。

松坂桃李の「娼年」を見たときにもビックリしましたが、

映倫の規定は昔に比べ、だいぶ“ぬるく”なったのかな?


参考(Rotten Tomatoes)

原題:LE REDOUTABLE

Tomatometer54

観客スコア:54


クレアのカメラ 85


片づける仕事があってまだオフィスに残っていたマニに

社長が声をかけた。「ちょっとつきあってくれない?」。

会社の近くのカフェに誘い出され、そこで 思いがけず、

クビを告げられた。「あなたが純粋であることは認めるが、

正直とは思わない。そういう人とは仕事ができない」と。

なぜマニが正直じやないと思うのかについて、社長は

何も言わなかった。


カンヌにある映画配給会社で大過なく5年勤めた末の

突然の宣告に戸惑ったが、承諾せざるを得なかった。

気持ちを整理するため、カンヌにとどまっているときに、

ビーチでフランス人の女性から声をかけられた…

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それがクレアでした。教師だと言い、カメラを持って、

行きずりの人や景色を撮っています。「私が写真を撮ると

その人は別人になるのだ」と不思議なことを言います。

映画のチラシにもそのことが強調して書かれていますが、

作品を見る上で気にすることはありません。日本では

「魂を抜かれる」などと言って写真を撮られることを

忌み嫌った時代がありますが、そんな“非科学的”な話は

私は受けつけないし、無視しないと、かえって鑑賞の

”邪魔”になります…と警告しておきます。ハハハ。


社長がはっきりしない理由でマニを解雇を告げる冒頭の

シーンは韓国語のセリフが棒読みに聞こえてしまいます。

「なんだこれは。まるで、大学の映画部が作ったような

映画だなあ」と落胆しましたが、ガマンして見続けると、

妙に引き込まれます。

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理由の一つはマニを演じるキム・ミニかもしれません。

36歳だそうですが、とてもそうは見えません。日本の

女優を見慣れた目には“新鮮”です。ニュアンスがうまく

伝わらない言葉ですが、そうなんです。ハハハ。


参考(Rotten Tomatoes)

原題:CLAIRE'S CAMERA

Tomatometer90

観客スコア:67


セラヴィ! 85


郊外の古いお城を借り切って開かれる盛大な結婚式を

舞台に、プロデューサーの奮戦ぶりと裏側で展開される

すったもんだを描いたフランスのコメディ映画です。

爆笑するシーンはほとんどありませんが、全編を通して

そこはかとなく笑えます。

「最強のふたり」の監督の作品と知って納得です。

暑さを忘れられます。

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参考(Rotten Tomatoes)

原題:C’EST LA VIE

Tomatometer76

観客スコア:63


by toruiwa2010 | 2018-07-27 06:50 | 映画が好き | Comments(0)

バトル・オブ・ザ・セクシーズ 85


1972年全米オープン・テニス女子決勝で彼女はケリー・

メルビル()を下して3回目の優勝を果たした。

グランドスラム・タイトルのトータルは10個になった。

年間の賞金トータルでも10万ドルを突破した彼女の

ロッカーにはニクソン大統領から祝福の電話がかかった。


彼女の名前はビリー・ジーン・キング。

この年の全仏で優勝し、生涯グランドスラマーになった

彼女は女子テニスの頂点に立っていたと言っていい。


その夜、祝賀パーティーで喜びを爆発させるキングに

ある知らせがとどいた。

全米テニス協会が翌年の優勝賞金を発売したのだ。

数字を見てキングの顔色が変わった。


男子12000ドルに対して女子1500ドルだった。すぐに

彼女はジャック・クレーマー会長のもとへ抗議に行った。

同額の賞金を求めるキングに対してまともに対応しない

会長に業を煮やしたキングは部屋を飛び出した。女子の

協会を立ち上げるとタンカを切って…

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この映画にはもう一人、重要な登場人物がいます。

ボビー・リグスです。ウインブルドンや全米オープンに

勝ったことがある55歳の元テニス選手です。

ギャンブル依存症で妻から愛想尽かしされています。

“男性優位”を唱えるリグスとウーマンリブの先頭に立つ

キングが互いの主張の正しさを証明しようと、ネットを

はさんで戦ったのが“Battle of the Sexes”です。


全米の関心を集めるビッグイベントになりました。

映画は、試合成立に至る経緯をいくつかのエピソードを

織り交ぜて描いています。面白さは“中ぐらい”です。

しばしば名前を聞く評論家が「重い主題なのに、軽妙に

仕立てられている」と書いているのを読んでビックリ。

重い主題は“男女格差への抗議”のことを指していますが、

制作側が、本気でそれを主題にしてこの映画を撮ったか

どうか、疑問です。私にはそれほど響きませんでした。


描かれているままに見るのもいいですが、この催しには

“コインの裏側”があったことも知っておきましょうか。

映画とは無関係ですが、15年ほど前、「このイベントは

仕組まれたもの」とする話が浮上しました。リグスは

マフィアに多額の借金があって、わざと負けることで

それを“チャラ”にしてもらった…というのです。

サイドストーリーですから、そこまでにして、くわしく

知りたい人はこちらをどうぞ。


えっ、仕組まれてたの!?

TheBattle of the Sexesから40年~ 

goo.gl/hTfYuf


知らなくても問題はありませんが、当時のテニス界を

多少、知っている者として、いくつかの情報を。


テッド・ティンリング…キングが立ち上げたのが現在の

女子テニスを運営するWTAの前身ですが、彼は選手の

ウエアを作るデザイナーでした。テニスウエアに“色”を

持ち込んだ男として知られています。


ジャック・クレーマー…全米、ウインブルドン優勝の

経歴を持つ元テニス選手ですが、後半生はATPの初代

”会長”を務めるなど、運営のプロとして活躍しました。

ロージー・カザルス…攻撃的なテニスが得意な選手で

キングとしばしばダブルスを組んでいました。

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もう一人、私にとっては個人的にものすごく懐かしい

人物が終盤に登場します。ハワード・コッセルです。

スポーツ・アナでしたが、私が知ったころは実況はせず

コメンテーターとして試合の前後や重大な局面にだけ

短く、鋭いコメントを入れていました。きわめて辛口で

大胆な批判を遠慮なしに言うことで有名でした。

そのせいで“好きなアナ”と“嫌いなアナ”でともに1位に

なるような名物アナでした。

兵役拒否で猛烈なバッシングを受けたモハメド・アリの

よき理解者、アメフトの放送中にジョン・レノン殺害の

一報を入れたことでも知られています。


ここに挙げた人物たちの中で彼だけ、本人が登場します。

余計な情報ですが、カ・ツ・ラです。


参考(Rotten Tomatoes)

原題:BATTLEOF THE SEXES

Tomatometer85

観客スコア:72


告白小説、その結末 70


デルフィーヌの新刊発売を記念するサイン会には大勢の

人が押しかけていた。順番が来ると、誰もが本の内容を

口をきわめて褒めた。

朝から対応してきたデルフィーヌは疲れ果てていた。

マネジャーに目配せして強引に終わらせてもらったが、

そのとき、若い女がテーブルに本を置いて言った。

「あと一人だけお願いできないかしら?」と。


「疲れてるから」とそれを断ったデルフィーヌだったが、

彼女にはもう一仕事残っていた。アフターパーティだ。

有力な出版関係者やジャーナリストが出席するだけに

むげに断わることはできなかった。


途中でうまく逃げだして、会場を後にしようとしたとき、

先刻の女を見かけた。失礼な態度をとったことを詫び、

本にサインして会話が始まった。

その女は名前を“Elle”(=彼女)と言った…

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そこから先、“そんなバカな”展開が待っています。

エルがデルフィーヌにとりつき、彼女の周辺で

奇妙な出来事が続けて起きます。

“オカルト”ではないのですが、じゃあ、なんなの、

と言いたくなるほど“いい大人”のデルフィーヌが

エルの“言いなり”です。最後も理解不能です。


“金と時間を返せ”の70点です。ハハハ。


参考(Rotten Tomatoes)

原題:BASEDON A TRUE STORY

Tomatometer50

観客スコア:22


by toruiwa2010 | 2018-07-20 06:34 | 映画が好き | Comments(0)

わがチーム、墜落事故からの復活 90


シヤペコはブラジル南部にある人口20万の小さな町だ。

1973年に創設されたサッカーチーム、シャペコエンセは

町の住人にとっては“すべて”だった。コミュニティの

中心にチームがあったと言っていい。


2016年、チームは新たな歴史を作る。シャペコエンセは

南米の大きなカップ戦に出場し、熱狂的な応援を背に

強豪を連破して決勝まで進んだのだ。

この年の1128日、アトレティコ・ナシオナルとの

決勝に臨むチームは相手の本拠地があるコロンビアの

メデジンに向かった。


しかし、監督・選手やチームスタッフ、報道陣を乗せた

チャーター機はメデジンの空港の手前で山中に落ちた。

原因は燃料の不足だった…

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チームは選手19人と経営陣の多くを失いました。

3人の選手が生還しましたが、いずれも大ケガを負い、

1人は右足を失って選手生命を奪われました。

選手とその家族だけでなくコミュニティ全体が悲しみに

打ちのめされます。そんな中でチームは“ゼロ”からの

再建を強いられました。これだけの悲劇には関係なく、

次のシーズンの開幕が二ヶ月後に迫っていたのです。


287席ある新宿ピカデリーの3番スクリーンにはおよそ

40人しか客が入っていませんでした。もったいないです。

サッカー。チームの話ですが、人間を描いた作品です。

サッカーを知らなくても感動できます。そんな会話まで

記録していたのか…と驚くほど、事故が起きた直後から

深く密着していて 見事なドキュメントになっています。


参考(Rotten Tomatoes)

原題:NOSSACHAPE Our Team

Tomatometer92

観客スコア:100


女と男の観覧車 75


時代は1950年代、舞台はブルックリンの南に位置する

ニューヨーク市民の遊びの場、コニーアイランド。

そこへ大きなスーツケースを引きずって若い女が現れた。

キャロライナはギャングと恋に落ち、父、ハンプティの

猛反対を押し切って家を飛び出していき、それっきり、

絶縁状態だった。しかし、“ヤバイ”事態になってここで

働いていると聞いた父を頼ってやってきたのだ…

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遊園地で回転木馬の運転係りをしているハンプティは

簡易食堂のウエイトレス、ジニー(Kウインスレット)

再婚しています。突然現れたキャロライナに、初めは

腹を立てたハンプティですが、結局、同居を許します。


ハンプティとジニーの仲はまずまずですが、ジニーは

ビーチで監視員のバイトをしている若い男、ミッキーと

不倫中だし、そのミッキーは、のちに、キャロライナに

夢中になるという相変わらずの“アレン映画です。

このテーストからどうしても抜け出せないらようですね。

それでも、日本では一定の評価を受けていますが、もう、

アメリカでは受け入れられていないようです。お馴染み、

“くさったトマト”()ではさんざんです。


かつての、「アニー・ホール」、「ハンナとその姉妹」の

ような映画を期待しちゃいけないのでしょうかね?


1950年代は“1㌦=360円”でがいかの持ち出しが厳しく

制限されていた時代です。海外旅行など、限られた層の

人たちの話でした。しかし、“コニーアイランド”の名は

記憶しています。映画か小説に出てきたのでしょう。


“記憶”と言えば、アレンの映画では定番の古いジャズに

遠い記憶を掘り起こされました。


何度も流れたConey Island Washboard,Kiss of Fire

短かったけど、You Belong to MeBecause of You

Red Roses for a Blue LadyHarbor Lights、

Let Me Call You SweetheartTill I Waltz Again

with You、…どれもお茶の間のタンスの上に置かれた

真空管式ラジオから流れていた曲がどっさり。思わず、

頭の中で口ずさんでいました。いや、懐かしい!

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ちなみに、一緒に見た妻は「音楽は良かった」としか

言いませんでした。

それはつまり、私と同様、“映画についての感想は

むにゃむにゃむにゃ…“ということでいいのかな?

ハハハ。


おまけですが、もう一つ思い出したことがあります。

メジャー追ってしばしばアメリカに行っていたとき、

レストランでクラムチャウダーを食べたいと言うと、

世話をしてくれていた日系二世のトムは「そうか。で、

マンハッタンとコニーアイランド、どっちがいい?」と

聞き返したものです。

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トマトケチャップを使った“赤い”のがマンハッタンで

クリームだけの“白い”のがコニーアイランドでした。

…日本でも、こういう分け方をしてるのか知らん?

どっちにしても、映画とはまったく関係なかったけど。

ハハハ。


参考(Rotten Tomatoes)

原題:WONDER WHEEL

Tomatometer30

観客スコア:41


by toruiwa2010 | 2018-07-13 06:30 | 映画が好き | Comments(0)

フジコ・ヘミングの時間 90


世界へのデビューは60代後半でしたが、今は大人気で

チケットを取るのが至難の業だと言われるピアニスト、

フジコ・ヘミングのドキュメンタリー映画です。

日本、ヨーロッパ、アメリカ、南米…長い時間をかけて

たっぷり撮りためた映像と本人の話で構成しています。


ドキュメンタリーは人物の日常やイベントの表・裏を

“ありのままに”記録したもの…ということでしょうが、

私は、カメラやマイクが関わった時点で“ありのまま”は

成立しないのだと思っています。ただし、この映画に

ついては、そのことはほぼ関係ありません。主人公の

性格・人柄によるものだと思います。


成功のもう一つの理由は監督です。

一人で監督も撮影もやっているようですが、印象として

彼とフジコ・ヘミングとの関係がとても良好なのだと

分かります。ドキュメンタリーが成功するかどうかを

分ける決定的なポイントですね。カメラが少しぶれたり、

ぼやけていたりすることもありますが、問題ありません。


撮影期間が長く、カットの一つ一つに愛着があるのか、

あれもこれもと、少し詰め込み過ぎて散漫なところも

ありますが、全体としてはいい出来だと思います。

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フジコ・ヘミング…テレビで初めて見た(聴いた)とき、

グッときました。クラシックには詳しくないのですが、

彼女が弾く“ラ・カンパネラ”には胸が揺さぶられます。

音楽はそれがすべてなわけですが。

映画の中でもこの曲については熱っぽく語っています。


精神面が出る。死に物狂いで弾く曲。

他の大家と比べてほしい。自信はある…と。


“精神面”は”生き方”に置き換えてもいいでしょう。

80歳を超えた今、身体的には必ずしもいい状態ではない

かもしれませんが、その生き方はとても逞しいです。

ポジティブです。潔いです。なにより、カッコいいです。


街を行くうしろ姿を見ると、まるでショッピングバッグ・

レディのようですが、気持ちはしゃきっとしています。

そして、ピアノに向かうと表情が一変します。

女性ピアニストで、あそこまで力強く鍵盤をたたく人は

いないだろう…と思うほどの演奏に圧倒されます。


上映開始4日目、銀座・シネスイッチに出かけたときは

平日の昼間なのに、おばさま方が行列を作っていました。

115分でしたが、150分の回はすでに売り切れ、

次は420分と言われてギブアップ。いかにもこの

劇場の客が好きそうな作品だから当分、混むのだろうと

覚悟しました。しかし、二子玉川の映画館が1週遅れで

上映する、しかも、オンライン予約が可能だと分かって、

すぐに購入したのです。30日からは恵比寿・ガーデン・

シネマでも上映が始まってます。ここも予約できます。

お勧めします。


終わった人 80


“専務取締役”の札が置かれたデスクの上で時計の秒針が

ときを刻んでいる。デスクの主、田代壮介(舘ひろし)

じっとみつめている。やがて5時になった。ため息を

一つつくと、田代は立ち上がった。

床の上の紙袋を手にパーティションの外に出た。

仕事の手を休めた部下たちが席を立って来た。

この日彼は定年を迎えた。63歳だった。


一人が田代の手を握つて言った。

「もっともっと教えていただきたいことがあつたのに」。

もう一人が同じようにして言った。

「いつでも遊びに来てください。待ってますから」。

信用できん、と白けた気分で田代は会社をあとにした…

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一時はメガバンクでいいポジションにいた田代ですが、

出世レースに敗れて関連会社で定年を迎えたのです。

翌日から、“毎日が日曜日”が始まりました。ハハハ。

時間を持て余し、退屈し、これじゃダメだと落ち込み、

カルチャーセンターの受付嬢と“いい仲”になったり、

IT企業の顧問になったり…そんな田代の”その後”が

描かれます。


平日とはいえ、渋谷東映はガラガラでした。テンポも

悪くて、若い人は無理でしょうが、そんなにダメという

わけでもないです。フォローにならないか。ハハハ。


焼肉ドラゴン 75


昨日がどんな日であっても、

明日は必ずいい日になる。


そんな風に自分に言い聞かせ、妻や子供たちにも話す

龍吉(ハン・ドンギュ)が暮らしているのは関西にある

地方都市の一角の貧しい地域だ。万国博の開催が迫り、

日本中が高度経済成長に沸く中でそこだけ”置き去り”に

されている地域だ。


そこに地元客でにぎわうホルモン焼きの店があった。

龍吉の”龍”から”焼肉ドラゴン”と呼ばれていた。龍吉は

いわゆる”在日”として戦争にかり出され片腕を失ったが、

声高に不満を口にすることはなく、まじめに働いて 妻と、

それぞれの連れ子(真木よう子、井上真央、桜庭ななみ)

夫婦の間に生まれた息子を養っていた。


6人の大所帯に 次女(井上)の夫(大泉洋)がからんで、

この店の日常は賑やかそのものだった…

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貧しいけど、誰もがその境遇に負けることなく元気に

生きている、その“活気”を伝えたいのか、狭い店内や

ごみごみした路地で毎日のように繰り広げられる喧嘩や

口論のシーンの演出が過剰で辟易します。大声でわめき、

元気いっぱい暴れてください…と言われたのかな。

ハハハ。


この作品は“在日”という微妙な問題を抱えています。

あえて言えば、それこそがメインのテーマのはずですが、

扱いが中途半端です。中途半端すぎます。

“ヘイト”など、いろいろややこしい問題がからむためか、

この時代のこういう地域の日常を描くなら誰かの口から

出てもいいはずの“朝鮮”と言う単語が一度も出ません。

ほかの放送禁止・差別用語はいくつも出ているのに。


公式ホームページにもこの単語はどこにも出ていません。

“キムチ”で代用したつもりかもしれませんが、それでは

作者の思いは伝わりません。


番宣や予告編の扱い方を見て、てっきり大泉が主役だと

思い込んでいましたが、エンドロールには真木よう子、

井上真央が先に流れました。これも中途半端…ハハハ。


by toruiwa2010 | 2018-07-04 07:25 | 映画が好き | Comments(0)

空飛ぶタイヤ 90


昼休みの赤松運送は従業員が出払っていた。

事務所の2階で二人の男がむつかしい顔を突き合わせて

話しこんでいた。二代目社長の赤松(長瀬智也)と常務の

宮代(笹井高史)だ。

経営が傾き「リストラを考えなければいけない」と常務。

これに対し、「取引先や銀行には頭を下げるが、これは

できない」と社長が拒否していた。社員思いなのだ。


その頃、1台の赤松運送のトラックが郊外を走っていた。

ゆるいカーブにさしかかって、ブレーキを踏んだとき、

タイヤの一つが外れて飛んだ。

近くを歩いていた若い母親をタイヤが直撃し、病院に

搬送されたが、即死状態だった。幼い子供の目の前で

母親の命が奪われた…

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トラックを製造した旧財閥系の大企業が調査した結果、

赤松運送の整備不良が疑われ、警察が動き出しました。

長い間の顧客から取引を断られ、銀行は融資を渋ります。

しかし、赤松には80人の社員とその家族を守るという

強い気持ちがありました。“整備不良”などあり得ない、

事故原因はほかにあると信じて真相究明に乗り出します。


正義は守られるか?

家族、社員をどう守るか?

組織の中で“個”としてどう生きるのか?


池井戸潤作品の初めての映画化と聞いて驚きました。

これまでたくさん見たのはすべてドラマだったんですね。

主演の長瀬がぴったりはまって大成功だと思います。

池井戸作品は順次 映画化されるのではないでしょうか。


長瀬が熱演しています。賞の対象になるでしょう。

正義感に燃える松岡と“秘密”を抱えて防戦に追われる

大企業の攻防をうまく整理して120分に収めています。

立派にエンタテインメントになっているし、映画として

完成度が高いと思います。


あえて不満を言えば、タイヤが外れる 肝心のシーンを

もう少しリアリティのあるものにできなかったか…です。


大企業で赤松の交渉窓口になる課長を演じたディーン・

フジオカ…初めていいと思いました。

長瀬、フジオカのほかにも、ムロツヨシ、佐々木蔵之介、

高橋一生、 深田恭子、小池栄子、笹野高史…、ほとんど

すべての俳優がいい演技をしています。


ただし、木下ほうか、浅利陽介、田口浩正、木下隆行、

岸部一徳、柄本明、六角精児、大倉孝二、津田寛治…

この映画に限りませんが、全体的に“どこかで見かけた”

俳優が多すぎます。彼らに罪はないのですが、ドラマで

演じた役のイメージが鑑賞の邪魔になります。日本の

演劇界は深刻な“人材不足”なんですね。制作者側にも

責任がありますが。


WOWOW2009年に仲村トオル主演で制作放送した

ドラマもいい出来でした。その年のATP(全日本テレビ

番組製作社連盟)グランプリを獲得しています。


レディ・バード 85


クリスティーンはアメリカ西部・サクラメントの高校で

鬱屈した日々を送っていた。

クラスメートの中にはリッチな人々が暮らす地域から

通ってくる子もいたが、クリスティーンの家は違った。

彼女が父親に送ってもらうとき、学校のだいぶ手前で

降りることにしているのもオンボロの車を見られたく

なかったからだ。


この退屈な町が好きではなかった。シスターが厳しい

カソリック系女学校にもうんざりしていた。

だから、大学はニューヨークに行こうと決めていた。


最大の問題は母親との関係がこじれていることだった。

自分は愛されていないと思っていた。母は母で、愛情を

注いでいる娘が素直でないことにいら立っていた。

家の経済状態など“現実”を知っている母とその現実から

逃げたいと思っている娘は平行線のまま…

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特に、大きな事件が起きたり、ドラマチックな展開が

あるわけではありません。過激な言動もありますが、

主人公のクリスティーンは おそらく今のアメリカでは

ごく平均的な女子高生なのではないでしょうか。


今年のアカデミー賞で、作品、主演・助演女優、監督、

脚本の5部門でノミネートされた青春映画の傑作は

そんな少女の数ヶ月をみずみずしく描いています。

Rotten Tomatoes(↓)を見ても分かるように批評家から

圧倒的に支持されています。

アメリカで高校を卒業するということは、多くの若者に

とっては“自立”を意味するのだと思います。そういった

教育制度の実態や若者言葉・スラングを理解できれば

きっと、面白さは何割もアップするのだと思います。


舞台がサクラメントだということもポイントのようです。

終盤でニューヨークの大学に入学したクリスティーンが

出身地を聞かれ、“サクラメント”では分かってもらえず、

“サンフランシスコ”と言いなおしたシーンが象徴的です。

地方都市に暮らす若者が抱く“閉塞感”はたぶん日本にも

あるのだと思いながら見ました。


参考(Rotten Tomatoes)

原題:LADYBIRD

Tomatometer99

観客スコア:79


家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。85


加賀見じゅん(安田顕)はごく平凡なサラリーマンだ。

結婚しているが、バツイチだ。

最初の結婚は3年で破たんした。だから、再婚するとき、

彼は妻のちえ(榮倉菜々子)と約束を交わした。3周年の

ときに結婚を続けるかどうかを話し合おうと。

その3年目が近づいていた…

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うーん、帰宅すると必ず死んだふりをしている妻ですか。

まあ、どう考えたってそんな妻がいるわけないですね。

冒頭でいくつかの例が提示されますが、いかにも手間が

かかりそうな設定だし、“効果”があるとも思えません。

榮倉がいい味を出していたので85点にしましたが、

長ったらしいタイトルは70点です。ハハハ。


by toruiwa2010 | 2018-06-22 06:45 | 映画が好き | Comments(0)

50回目のファーストキス 85


街のカフェで、職場で若い女性たちがそれぞれの仲間と

旅の土産話で盛り上がっている。

休暇で訪れたハワイでよほど楽しいことがあったらしい。

イケメンのガイドに出会い、“めくるめく”一夜を過ごし、

恋に落ちたようだ。


しかし、誰もガイドの連絡先をゲットしていなかった。

ハワイを去るときに「俺、スパイなんだ」「結婚してる」

「ゲイなんだ」…と様々な理由で別れを告げられていた。


大輔(山田孝之)は自称、ハワイ一のイケメンガイドだ。

日本から来る客で落とせない女はいないと豪語していた。

しかし、心の底ではそんな女たちを軽蔑して、ハワイで

ベストの星空は見せないのだとも。

星にはくわしかった。ガイドは 将来の夢を叶えるための

副業で、彼の本業は天文学だったのだから。


そんな大輔だが、ある日 立ち寄ったカフェに一人でいた

美女に一目惚れした。瑠衣(長澤まさみ)だった…

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瑠衣のリアクションも悪くなくて、意気投合し、翌日も

その店で一緒に朝食を摂る約束をして別れます。

しかし、翌朝、大輔が胸をはずませながら店に到着し、

先に来ていた瑠衣の前に座ると彼女の反応が妙でした。


1年前のひどい交通事故で頭を強打した瑠衣には特殊な

障害が残っています。それは彼女の日々の記憶が1日で

更新されてしまうのです。しかも“瑠衣のためだから”と

家族が工夫を凝らしてそのことを隠し、本人には事実を

告げなかったため、瑠衣はまったく自覚がないのです!


そんな“障害”が本当に存在するとはツユ知らず、設定が

無理なんだよなあ、と思いつつ、山田孝之が好きなので

出かけました。いざ、上映が始まると、“無理な”設定が

それほど気にならず、楽しんで帰宅しました。

で、このレビューを書くのに、念のため調べてみると、

本当にあるんですね、“そんな障害”。失礼しました。


それを知って5点をプラスしました。ハハハ。

長澤まさみ・・・いいですね。

山田クン、芝居が達者だし幅が広いし、もっとスポット

ライトを浴びてもいいけどなあ。


人間の記憶に“長期”のものと“短期”のものがあることを

勉強しましたが、80歳が間近かに迫っている私の場合、

長短期“ともに”、怪しくなっています。ハハハ。


ゲティ家の身代金 90


事件が起きたのは1973年のローマだった。

夜の街でアメリカ人の少年が誘拐された。イタリア人の

間では“パオロ”という名前で知られていた。


母親にかかってきた電話で組織的犯罪集団が要求した

身代金は1700万ドル(およそ17億円)だった。

常軌を逸した額だか、パオロの一族にとってはそうでは

なかった。パオロのアメリカ名は“ポール”だったし、

そのファーストネームは“ゲティ”だったのだから!


彼の祖父、ポールは 当時、世界で一番の資産家だった。

第二次世界大戦のあと、中東からの石油の輸入で莫大な

財産を築きあげていた。

「資産を数えられるようでは“富豪”とは言わない」と

言ってのけるほどの金持ちだった。


石油王が金を払う、誰もがそう思っていた。

しかし、彼は巨万の富を持ちながら半端ないケチだつた。

しかも、母親は2年前に少年の父親(石油王の実子)

離婚していた。少年の親権を得る代わりに、慰謝料・

養育費をもらわないことを条件にして。

つまり、彼女には17億の大金などなかったのだ…

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当然、母親は少年の祖父に頼みました。

しかし、押し寄せた記者団に彼は「1ドルも払わん」と

にべもなく言い放ちます。「孫が10数人いるんだぞ。

払えば、次々に誘拐されるから」がその理由でした。

一定の説得力はあるものの、実話だから驚きます。


あまり期待していませんでした。“キワモノ”の匂いが

プンプンしていたからです。ハハハ。

しかし、テンポが良くて“なかなか”でした。完成度は

それなりに高いと思いました。


存在感を示したのはクリストファー・プラマーです。

圧倒的な演技力で大富豪のイメージを再現しています。

初め、この役にはケビン・スペーシーが起用されました。

しかし、ほぼ完成し、公開まで1ヶ月というときに、

スキャンダルで突然降板することになりました。


急きょ、代役に指名されたのがプラマーです。

史上最年長でアカデミー賞の助演賞にノミネートされて

いました。当然ですね。わずか1週間の準備で撮影に

入ったそうです。そういうバックグラウンドを聞いて

この演技を見ると唸ってしまいます。


気丈な母を熱演したミシェル・ウイリアムズとともに

この映画を90点に押し上げています。


参考(Rotten Tomatoes)

原題:ALL THE MONEY IN THE WORLD

Tomatometer78

観客スコア:67


羊と鋼の森 80


なんとなく高校を卒業して

なんとなく生きていければいい

外村(とむら:山崎賢人)はそんな風に考えていた。


ある日、教師に頼まれた。

「悪いが、間もなく職員会議が始まるので、お客さんを

案内してくれないか?」

玄関で迎えた客はピアノ調律師の板鳥(三浦友和)だった。

案内し終えた外村が「失礼します」と頭を下げて講堂の

出口に向かっているとき、板鳥がたたくピアノの音が

追いかけてきた。最初は単音、続いて和音が。


数時間後、外村が講堂に戻ると板鳥の仕事は続いていた。

音叉を耳にあて、調律用のハンマーでピンを締めながら

一音一音、確かめる熟練の職人の様子がかっこよかった。

森の匂いがする、外村はそう思った。


そのとき、彼の進路が決まった…

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バイオリンやギターは弦の抑え方、弦をはじく弓や指の

強さで、明らかに違った音が生まれるというイメージが

子供のころからありました。でもピアノは誰が叩いても

一つの鍵盤から出てる音は一つじゃないの?そんなもの

芸術じゃないじゃん…単純化通雑に考えていました。

本当に情けない。ハハハ。


(はがね)でできた弦を羊毛でできたフェルトで包んだ

ハンマーが叩くことでピアノの音は出ます。調律師が

プロの技で整えると、柔らかな音や固い音、明るい音や

暗い音…などが自在に出せるようになります。


映画は、外村が悩みながら成長していく姿を描きます。

134分は長すぎます。ひきこもり青年のエピソードなど、

少し 詰め込み過ぎではないでしょうか?


外村を直接指導することになる柳(鈴木亮平)との関係が

とてもいいと思いました。

3年前のテレビドラマ「天皇の料理番」で主人公の兄に

扮していた鈴木について“そろそろブレークする予感”と

書きました。遅れましたが、スケールの大きな役者に

なった彼を見て満足です。この作品でも光りました。


なんのために僕は調律師になったをですか


ピアノで生きていくんじゃないの

ピアノを食べて生きていくの


観念的な、どこかで聞いたことがあるようないくつかの

セリフが気になりました。



by toruiwa2010 | 2018-06-15 07:12 | 映画が好き | Comments(0)

万引き家族 90


今にも崩れ落ちそうな一軒家に高齢の女性が住んでいた。

一人暮らしだと思われていたが、この家にはほかに4人の

男女が住んでいた。すぐに幼い少女が加わり、総勢6人。

誰一人 血の繋がりはなく、赤の他人がそれぞれの事情・

都合・理由で肩を寄せ合って共同生活をしていた…

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なによりもまず、パルムドール、おめでとう!

外国人の審査員がどこまで理解したのかは分からないが、

賞に恥じない出来栄えだと思います。

6人を結び付けているのは“犯罪”です。

ありえない家族を、リリー・フランキー、安藤サクラ、

松岡茉優、樹木希林と二人の子役(城桧吏&佐々木みゆ)

卓越した演技がリアリテのあるものにしています。


これだけ高いレベルで俳優の演技が揃った映画を見るのは

初めてのような気がします。年末の各賞レースで、誰が、

何の賞を獲ってもおかしくありません。

特に安藤は出色です。カンヌでケイト・ブランシェットが

「真似するかも」と称賛した取り調べを受けて泣く演技は

“アンドウ泣き”として確立するのではないでしょうか?

そして 松岡が想像を超えてよかったです。感心しました。

ドラマを何本もみていますが、ここまで演技がうまいとは

思っていなかったもので。情けない。

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祈りの幕が下りる時、ちはやふる、モリのいる場所…

今年、見終わってすぐの感想で90点をつけた邦画ですが、

同じ90でも、頭ひとつ抜きんでていると思います。

おそらく、12月末になっても、これを上回る作品には

出会わないでしょう。


2008年に「歩いても歩いても」を見るまで、是枝裕和を

知りませんでした。日本にもこういう映画を撮る監督が

いるのだと知ってビックリしたことを思い出します。

それ以後、彼の作品は全部見ています。「海街diary」初め

いつも納得して劇場を出ます。イタリアだけで人気のある

“誰か”とはまったく違います。ハハハ。


ツイートを振り返ると、彼の作品を見たあとや、ブログを

書いたあとにこんなことを呟いてきました。


2013/09/24

是枝裕和監督作品「そして父になる」を

先行上映初日の渋谷TOHOで見た。

見方はいろいろだろうが、素直に見て、

いいと思った。85点。

楽しい映画ではないけど、内容から

想像するほど泣くこともない。涙腺が

弱くなっている私が泣かなかったもの。

ハハハ。


2015/06/17

ブログ更新<「海街diary」はThe Best

~広瀬すず・・・最高です~>。

私が見た中では今年のNo1です。

いい気持ちで劇場をあとにしました。

広瀬すず…最高です!


2016/05/27

ブログ更新<まいったなあ「海よりも

まだ深く」~「ヴィクトリア」?~>。

最近の是枝監督作品にはハズレがない…

そう思う。


2017/09/22

ブログ更新

<ダンケルク」と「三度目の殺人」

~洋画・邦画:90点が2本~>

今年のNo1かと聞かれれば微妙だが

ともに、優れた映画としてお勧め。


秋には新作「十年 Ten Years Japan」が公開の予定です。

すでに撮影は終わっているのでしょうが、“ハードル”が

上がっていることでしょう。大変だあ。ハハハ。


友罪 70


山間の工場に二人の若者がやって来た。

一人は益田(生田斗真)、もう一人は鈴木(瑛太)と言った。

益田も“明るい”とは言えなかったが、鈴木の方は無口で

誰とも打ち解けようとはしなかった。寮で生活を共にする

先輩の工員たちは得体の知れなさを気味悪がった。

鈴木に買い物を言いつけ、留守の間に“家探し”をした結果

分かったのは、絵がうまいことと物騒なナイフを持って

いることだった…

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二人とも、人には話せない“過去”をひきずっています。

さらにもう一人、この町でタクシーの運転手をしている

山内(佐藤浩市)も、息子の罪を償うために生きています。


暗くて暗くて、暗い映画です。重くて重くて、重いです。

見に行こうと決めたのは3人の俳優が好きなのと、監督が

64ロクヨン」を撮った瀬々敬久だと知ったからです。


…“神経が太く”ないと最後まで見続けるのは苦労するかも

しれません。およそ500席あるTOHOシネマズ日比谷の

12番スクリーン(旧スカラ座)にいた60人ぐらいの観客は

誰一人出ていきませんでした。WOWOW FILMSが制作に

からんでなければ、そして、先に挙げた“二つの理由”が

なければ、私は間違いなく途中で退席していたでしょう。

最初から最後まで、胃の底に固いものを感じながら画面を

見続けました。監督は何を言いたいのか…を考えながら。

かなり つらかったです。


エンディングも、終わったようで終わっていません。

こんなに、観客に苦しい思いをさせた挙句 それですから

納得がいきません。取り残された気分で席を立ちました。


瑛太の演技は凄いです。夏帆もいいと思いました。


by toruiwa2010 | 2018-06-08 06:57 | 映画が好き | Comments(2)